著者
高妻 洋成 降幡 順子 脇谷 草一郎 福永 香 佐野 千絵 吉田 直人 犬塚 将英 小川 雄一 大谷 知行 林 伸一郎 水野 麻弥
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ミリ波およびテラヘルツ(THz)波を用いた文化財の非破壊非接触診断技術の開発研究をおこなった。THz波については種々の材料のTHz分光スペクトルを取得し、材料分析のための基礎データを作成した。彩色文化財に対してTHz波イメージングおよびミリ波イメージングを応用するための基礎実験をおこなうとともに、木製彩色文化財および漆喰壁画に対してイメージングを実施した。ミリ波およびTHz波は文化財の表層にある程度侵入して、その内部構造を可視化することが可能である。さらにTHzイメージングでは、パルス波を用いることで、時間領域分光法により断面構造や任意の深さにおける平面的なイメージングも可能である。障壁画などの彩色層下にあってある程度の厚みをもつ下地漆喰などの状態や表具や額装などの絵画の構造について、従来、得ることのできなかった情報を非破壊で知ることが可能となった。
著者
松村 恵司
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、全国の和同開珎出土遺跡(784遺跡、出土総数6362点)の正確な分布図を古代の国単位に作成し、駅路、駅家、国府などとの位置関係から、和同開珎出土遺跡の性格を探り、古代銭貨の流通が都城と畿内周辺国に限られたとする従来の通説的理解の検証を試みた。その結果、出土遺跡が駅路沿いに分布する傾向が明確になり始め、畿外における銭貨流通が駅路沿いに展開した可能性が高まった。また、藤原宮出土の木簡の分析を通して、和同開珎の銀銭1文が銅銭10文の価値であることを明らかにし、江戸時代から続く銀・銅銭の法定比価をめぐる論争に終止符を打つことができた。
著者
平澤 毅 ひらさわ つよし Hirasawa Tsuyoshi 高妻 洋成 こうづま ようせい Kouzuma Yousei
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所紀要 (ISSN:13471589)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.44-45, 2009-07-10

本稿においては、平成20年度遺跡整備・保存修復科学合同研究集会「埋蔵文化財の保存・活用における遺構露出展示の成果と課題」(2009年1月30日・3旧)での検討を踏まえつつ、遺構露出展示の今日的課題を展望する。
著者
覚張 隆史 米田 穣
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所研究報告
巻号頁・発行日
vol.17, pp.53-62, 2016-03-31

本書の編集は、所長松村恵司のもと、石橋茂登と降幡順子の協力を得て、山崎健がおこなった。
著者
佐藤 由似 さとう ゆに Satoh Yuni
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
巻号頁・発行日
pp.37-39, 2015-03-31

本書は文化庁伝統文化課所管、平成22 年度から24 年度文化遺産国際貢献事業(文化遺産国際協力拠点交流事業)、カンボジア・ウドン遺跡及びロンヴェック遺跡等の保存に関する拠点交流事業の報告書である。
著者
佐藤 由似 さとう ゆに Satoh Yuni
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
巻号頁・発行日
pp.27-36, 2015-03-31

本書は文化庁伝統文化課所管、平成22 年度から24 年度文化遺産国際貢献事業(文化遺産国際協力拠点交流事業)、カンボジア・ウドン遺跡及びロンヴェック遺跡等の保存に関する拠点交流事業の報告書である。
著者
影山 悦子 吉田 豊 島津 美子
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、法隆寺・東大寺宝物に見られる「イラン文化」の実態を明らかにすることを目的とし、「イラン文化」=西アジアのササン朝ペルシアの文化という従来の捉え方を見直し、5世紀後半から6世紀前半に中央アジアを支配したエフタルや、ソグドの影響も及んでいることを、具体的な事例を挙げて証明することを試みた。中央アジアや中国で発見された図像資料を検討することにより、東大寺正倉院に伝わる大刀の佩刀方法にはエフタルの影響が認められることや、伎楽面の酔胡王のモデルが北朝期の中国のソグド人聚落の首領であることを示した。
著者
馬場 基
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

木簡釈文へのタグ付きデータの作成を行った。タグ付きデータを『木簡画像データベース・木簡字典』で公開しているデータと組み合わせることで、木簡画像データ上での記載内容の位置の把握を行うためのシステム開発を行った。この情報を利用して、記載内容木簡上位置情報による分析実験を行い、手法をほぼ確立した。