著者
鍋島 茂樹
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

RSウイルス感染症は、小児においてインフルエンザとともに呼吸器疾患による入院あるいは死亡の原因となる重要感染症であるが、いまだ特異的治療薬はない。申請者らは、これまで麻黄湯が抗インフルエンザ作用を有することを報告してきたが、さらに麻黄湯にはRSウイルスに対する抗ウイルス作用もあることがわかってきた。その機序として、ウイルスが宿主細胞膜に進入する過程を阻害している可能性が高いが、詳細は不明である。本研究では、培養系およびマウスへの感染により、麻黄湯による抗RSウイルス作用の機序を解明し、その有効成分を同定する。また、あわせて麻黄湯が宿主の自然免疫系に与える影響についても解析する。
著者
光冨 省吾
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大學人文論叢 (ISSN:02852764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.237-268, 2013-12
著者
進藤 宗洋 西間 三馨 田中 守 田中 宏暁
出版者
福岡大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

運動誘発性喘息(EIB)は、喘息児の身体活動を制限する大きな障害である。このため、喘息児のEIBを軽減してやることは、発育発達途上にある児の身体的・社会的な成熟を促すと思われる。この一連の研究では、喘息児を対象にし、いくつかの有酸素性運動の強度に対する生理的反応に基づいてEIBの重症度に関係する、危険因子と運動条件とを明確にし運動療法の至適運動強度を決定した。そして、持久的トレーニングがEIBに及ぼす影響を検討した。初年度には、EIBに及ぼす運動強度の影響について観察し、喘息児の運動療法における至適運動強度の検討を行った。その結果EIBの程度は運動強度に依存して増加することが確認され、乳酸闘値の125%に相当する強度は、有酸素性作業能の向上が期待でき、尚かつ、重症なEIBを起こすことなく安全に行える運動強度として上限であると考えられた。そこで次年度には、自転車エルゴメーターを用い、125%LT強度で1回30分、週6回、4週間のトレーニングを施行したところ、有酸素性作業能の向上、トレーニング前と同一強度でのEIBの改善が認められ、EIBの改善は有酸素性作業能の向上によるものであることが示唆された。また、トレーニング期間を延長し、2ケ月間行ったところ、同一強度だけでなく、相対強度においてもEIBが改善され、何らかの病理的変化が起こったと思われた。最終年度には、3週間の脱トレーニングが、有酸素性作業能とEIBや気道過敏性などの6週間のトレーニング効果に及ぼす影響を検討した。その結果、脱トレーニングによるトレーニング効果の消失は、EIBや気道過敏性における力が有酸素性作業能におけるより遅く、トレーニングは、EIBに及ぼす何等かの病理的改善にも関与することが示唆された。以上の結果から、持久的トレーニングは、喘息児の体力を向上させるだけでなく、EIB、気道過敏性を改善させ、臨床症状の改善にも十分期待できる治療法の一つであると考えられた。
著者
上田 和夫
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大学研究部論集. A, 人文科学編 (ISSN:13464698)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.43-79, 2009-06
著者
牛島 佳代
出版者
福岡大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

個人化と少子化が急激に進んだ日韓両国において、育児環境と母親のメンタルヘルスについて調査研究を行った。対象としては、日本の福島県中通りの3歳児を持つ母親と韓国大邱市の保育園・幼稚園の園児の母親である。結果、日韓両国において、主な育児支援ネットワークは夫と母親の親であることがわかった。また、この育児支援ネットワークの数が母親のメンタルヘルスを向上させる重要な要因であることがわかった。
著者
水崎 博明 水崎 博明
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大學人文論叢 (ISSN:02852764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.865-943, 2008-12
著者
永井 宏
出版者
福岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

性同一性障害者がホルモン療法を受けることにより,性差があるといわれている認知機能が彼らの自覚する性別に見られる傾向へ変化するか,また性ホルモン投与により心理学的特性が変化するかを検討した。男性ホルモン投与は,認知機能のうち空間認知機能を向上させ,心理学的特性において,抑うつ・不安を軽減させたことから,ホルモン療法が部分的に認知機能や心理学的特性に影響を与える可能性が考えられた。
著者
佐藤 伸
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大学経済学論叢 (ISSN:02852772)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.97-101, 2013-03
著者
進藤 宗洋 池田 正春 黒岩 中 清永 明 田中 宏暁
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

高齢者を対象に、適度な運動習慣が免疫機能に及ぼす影響を、以下の視点から検討し知見を得た。1.中高齢者の非特異的免疫能に対する定量的運動の影響:運動習慣のない健常な高齢者を対象にして、ザイモザン刺激に反応した好中球の活性酸素(ROS)産生能は80%LTとLTの軽強度長時間有酸素性運動によってのみ一過性に高められる可能性が示唆された。次に、LTとほぼ同等である50%V02max強度のトレーニングを定期的に継続している高齢者と運動習慣のない高齢者を対象にして、安静時とLT強度で1時間の一過性の運動を負荷して、運動中と運動終了直後、運動終了1時間後のROS産生能を検討し、この軽強度の有酸素性運動の長期間継続が高齢者の非特異的免疫能を高め得る可能性を明らかにした。次に、健常高齢者を対象に縦断的研究を行ったところ、トレーニング効果はLT強度で1回1時間、週3回の頻度では5週間以上で有酸素性作業能を、10週間以上では非特異的免疫機構の中心を担う好中球の機能を十分に高め得る可能性が示唆された。2.中高齢者の習慣的運動がT,Bリンパ球およびNK細胞におよぼす影響:若年(20-39才)、中年(40-59才)、高齢(60才以上)の年代でジョギングやサイクリング、テニス、水泳など運動習慣を持つ運動群と持っていない非運動群のリンパ球サブセットと好中球のROS産生能及び貪食能を測定比較した結果、自然免疫については、NK細胞の割合は年齢によっても運動習慣によっても変わらないが、好中球のROS産生能及び貪食能は高齢非運動群に比べて高齢運動群の方が高かった。3.中高齢者のストレスと免疫能〜若年者および運動群非運動群での比較:ストレスで起きる免疫能への悪影響も防ぐ可能性を、2と同じ対象についてSTAI心理テストによるストレスレベルとリンパ球サブセットを測定し検討した。適度な運動はストレスを軽減し免疫機能を改善する可能性が示唆された。