著者
芋川 浩 藤野 真璃花
出版者
福岡県立大学看護学部
雑誌
福岡県立大学看護学研究紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-11, 2021-03-31

【緒言】日本は台風や地震など自然災害が多い。このような緊急災害時に、一般家庭にあるものを利用した応急処置法を検討開発するため、味噌の殺菌・抗菌効果に注目した。【方法】味噌は合わせ味噌を使用した。細菌は大腸菌と表皮ブドウ球菌を用いた。殺菌・抗菌効果の解析は、ディスク拡散法で行った。細菌培養は37℃、15~18時間で行い、阻止円の大きさを測定した。【結果】大腸菌に対して、味噌と2倍希釈味噌で42.5㎜、30㎜の阻止円が形成された。表皮ブドウ球菌では、味噌と2倍希釈味噌で17㎜、5.5㎜の阻止円が形成された。味噌と同濃度のNaCl溶液では阻止円は形成されなかった。【考察】味噌と2倍希釈味噌は、大腸菌や表皮ブドウ球菌に対して、阻止円を形成することから、明らかな殺菌・抗菌効果があった。しかし、阻止円の中に若干の細菌が観察されることもあることから、味噌の効果は抗菌・静菌効果と考えられる。また、本抗菌・静菌効果はNaClによるものではなかった。
著者
藤野 真希 川上 隆茂 門田 佳人 井上 正久 藤代 瞳 角 大悟 鈴木 真也
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【背景・目的】亜鉛の生活習慣病に対する重要性は、様々な基礎研究や疫学研究から示されているが、単純な亜鉛摂取では説明できない細胞内の亜鉛調節機構の重要性も明らかになりつつある。他方、メタロチオネイン(MT)は亜鉛によって誘導され、生理的役割として細胞内における亜鉛や銅などの必須金属の代謝調節機能を有するが、MT遺伝子欠損条件における生活習慣病発症に対する亜鉛の効果の程度については不明な点が多い。本研究では野生型(WT)およびMT欠損マウスを用いて、高脂肪食(HFD)誘導性の生活習慣病に対する亜鉛の効果とそれに対するMTの寄与について比較検討した。【方法】雄性8週齢のWTおよびMT欠損マウスにHFDを亜鉛を含む飲料水(0、227および1135 mg/L)と共に10週間自由摂取させた。6週目に糖負荷試験を行い、解剖時に肝臓および内臓脂肪組織(WAT)重量を測定した。一部の肝臓は、HE染色法による組織学的検索を行った。また、ICP-MSを用いて肝臓および血漿中の亜鉛濃度を測定した。【結果・考察】ICP-MSの解析結果より、肝臓中の亜鉛濃度は、両系統マウスの亜鉛処理群間で同程度であった。WTマウスの血漿中の亜鉛濃度は、亜鉛処理によって用量依存的に増加していたが、MT欠損マウスでは変化は認められなかった。①WTマウスでは亜鉛処理によりWAT重量が有意に低下し、②HFD誘導性の脂肪肝および耐糖能異常の改善が認められた。③一方、MT欠損マウスでは、高濃度の亜鉛処理でもWAT重量の低下、脂肪肝および耐糖能異常の改善は認められなかった。亜鉛処理により両系統マウスの肝臓には同程度の亜鉛が存在していたにもかかわらず、WTマウスで認められた亜鉛補充による生活習慣病の改善作用はMT欠損マウスでは認められなかった。 以上、亜鉛による糖尿病および脂肪肝改善作用の感受性決定遺伝子としてMTが重要な役割を担っており、その作用の一部にWAT重量の低下の関与が示唆された。
著者
藤野 真衣 大江 秋津
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR MANAGEMENT INFORMATION (JASMIN)
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
pp.87-90, 2022-01-31 (Released:2022-01-27)

本研究は天下り人材が社会にもたらす利益や、大学の研究力向上に与える影響は何かという研究課題を持つ。大学に天下りした希少な人材である官僚が持つ独自のネットワークが大学の研究力に与える影響やそのメカニズムを明らかにする。また、大学の研究成果を発信する大学発ベンチャー企業の創出に与える影響も実証する。分析には、2017年4月1日から2019年3月31日までに国公立大学へ再就職をした国家公務員の人事データを利用した。その結果、天下りの大学の研究費獲得能力や大学発ベンチャー企業設立への影響が実証された。天下りの有効性を実証したことは、天下りに対する公平な評価の一助となる実務的貢献と言える。
著者
濱田 麻矢 宇野木 洋 松浦 恆雄 福家 道信 絹川 浩敏 西村 正男 今泉 秀人 藤野 真子 三須 祐介 星名 宏修 大東 和重
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日中戦争勃発の1937年から東アジアに冷戦体制が確立する1952年までを対象にして、中華圏における文化文芸の諸相に、文学テクスト・メディア分析・体制分析という三つの角度からアプローチした。2011年には移民研究についての勉強会を行い、2012年には40年代の女性形象についてシンポジウムを行った。また2013年は名古屋で、2014年には北京で研究集会を行い、文学、映画、演劇、音楽、などのメディアについて、日・中・台・米・シンガポール・マレーシアの研究者が集まり、横断的な討論を行った。なお、この研究成果は現在翻訳中で、2015年に論文集として出版予定である。
著者
藤野 真 吉田 英明
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.361-366, 2001-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2
被引用文献数
1

本報告は2001年度写真学会サマーセミナーにて行われた公開実験の結果を報告するものである。この公開実験では, サマーセミナーの参加者を被験者として, デジタル写真と銀塩写真の識別ならびに嗜好を主観評価した。本実験条件下では, 銀塩写真とデジタル写真の識別は特段の困難を伴うものではなかった。また銀塩写真よりもデジタル写真が嗜好される傾向にあった。識別に際してはノイズの量が重視されるが, 嗜好に際しては色再現が重視される傾向が認められた。
著者
藤野真矢 中村克彦
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.433-434, 2014-03-11

Robocup2Dシミュレーションリーグでは,コンピュータ上の仮想的なフィールドでシミュレーションによるサッカーゲームが行われる.プレイヤのエージェントには,センターフォワードやサイドバックなどのポジションが与えられるが,これまで多くのチームでは基本的な動作パラメータはポジションごとに違いがなく同じであった.本研究では,遺伝的アルゴリズムを用いてポジションごとの動作パラメータの組み合わせを最適化することによってチームの性能向上を図る.
著者
本多 史明 細野 智史 末重 良宝 藤野 真久 須賀 唯知 一木 正聡 伊藤 寿浩
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.133, no.11, pp.B320-B325, 2013-11-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
9

PZT (Pb(Zrx,Ti1-x)O3) thin film capacitors using Nano-transfer method has been developed for the fabrication technology of smaller capacitors. The adhesion strength of Pt to SiO2 was shown to be important among process factors. The adhesion force was shown to be originated from the material diffusion in the crystallization process mainly by the observation of TEM and XPS analysis. In this paper, diffusion of ingredients of PZT which is supposed to be one of the factors of the variation was investigated. It was confirmed that diffusion of Pb certainly occurs and this diffusion reinforces the adhesion strength in accordance with the Pt thickness. It is concluded that the diffusion is surely one of the factors of the variation of the adhesion strength.
著者
中里見 敬 太田 一昭 波多野 真矢 田村 容子 松浦 恒雄 藤野 真子 森平 崇文 長嶺 亮子 平林 宣和 三須 祐介 加藤 徹 西村 正男
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1.昨年決定した戯単の解説執筆の分担に基づき、戯単解説の執筆を進めた。原稿の完成した6点の解説は、中里見敬・潘世聖編『「『春水』手稿と日中の文学交流――周作人、冰心、濱一衛」国際シンポジウム論文集』(第3冊資料編)に収録し、あわせて中国語訳も掲載した。2.濱文庫所蔵のレコードについて、基礎的なデータの採録をほぼ終えた。レコードの音声をデジタル化する作業については、音質その他の技術的な問題があり、作業が中断している。早期に開始できるよう対策を講じたい。3.濱文庫に所蔵される冰心の詩集『春水』(1923)が、作者自筆の手稿本だと判明した。さらにこの手稿が周作人から日本人留学生・濱一衛に贈られた経緯も明らかになり、『中国現代文学研究叢刊』2017年第6期(総第215期)に中里見敬「冰心手稿藏身日本九州大学:《春水》手稿、周作人、濱一衛及其他」として発表した。その後、周家・濱家双方の尽力により、書簡15通が発見された。さらに周作人から濱一衛に贈られた書4点(周作人、銭玄同各1点、兪平伯2点)も見つかり、九州大学附属図書館に寄贈されることとなった。このように、周作人と濱一衛の交流に関する研究は短期間のうちに大きな進展を見せた。4.研究会・シンポジウムを2回開催した。(1)研究集会「演劇アーカイブの最前線:イギリスと中国」平成29年6月17日(九州大学伊都キャンパス)発表者:三須祐介、松浦恆雄、太田一昭。(2)「『春水』手稿と日中の文学交流――周作人、冰心、濱一衛」 国際シンポジウム、平成30年2月6日(九州大学新中央図書館)基調講演:周吉宜、趙京華、小川利康、李莉薇。学術シンポジウム:顧偉良、平石淑子、佐藤普美子、濱田麻矢、松岡純子、牧野格子、岩﨑菜子、宮本めぐみ、虞萍。あわせてシンポジウム論文集(全3冊、554頁、28名執筆)を刊行し、戯単をはじめとする濱文庫資料の展示を行った。
著者
藤野 真人 篠崎 和夫 名取 幸和 太田口 和久
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.266-279, 2007 (Released:2007-08-01)
参考文献数
15

博士課程前後期学生・研究者・研究者を必要とする企業を主に対象として,科学技術求人情報・学術文献情報を中心に据えた参加型のWebコミュニティシステムを開発した。実装したシステム「UCEE研究者データベース」は,研究者登録情報・研究者向け求人情報・文献情報を三つの基本情報としてとらえ,これらを有機的に組み合わせることで,ユーザーに対して効果的な情報提示を行う仕組みを開発することができた。また本システムの開発を通して,多言語に対応した,学術専門情報を取り扱うための汎用的なフレームワークを構築することができた。