著者
朝蔭 直樹
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂醫事雑誌 (ISSN:21879737)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.189-193, 2013-04-30 (Released:2014-11-26)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

われわれは腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術をTANKO-Totally extraperitoneal repair (TEP) で行っている. その進入経路となる従来Retzius腔あるいは膀胱前腔 (以下Retzius腔) といわれているcavityに関しては諸説あるが, 必ずしも正しく理解されていないと考えるため今回検証を試みた. Retzius腔が腹膜前筋膜浅葉・深葉間の腹膜前腔 (Bogros腔) であるかのような見解があるが, Retzius腔は横筋筋膜と浅葉間に広がる疎なcavityであり, 腹膜前腔とは浅葉を境界 (boundary surface) とした非交通性の異なったcavityである. また膀胱は内胚葉由来なので腹膜前筋膜には被われていないという見解があるが, 内胚葉由来なのは膀胱上皮であって, 膀胱という「腔」は中胚葉由来の腎筋膜から連続した腹膜前筋膜である膀胱筋膜に包埋されていると理解するべきである.
著者
宮澤 隆仁 宮岡 誠 佐藤 潔
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.124-128, 1995

右中頭蓋窩底部より発生, 右側頭葉に埋没するように発育し, CT上神経膠腫との鑑別が困難であった46歳男性の脳内神経鞘腫の一症例を報告する. 術中所見より本腫瘍は中頭蓋窩底部硬膜内三叉神経硬膜枝より発生したと考えられた. 脳神経との関係をもたない脳内神経鞘腫15例について文献的考察を加える.
著者
市来 伸廣
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.599-612, 1998-03-30
参考文献数
32

目的: スポーツ心は運動負荷による生理的心拡大と理解されているが, 非可逆的心筋病変を発生して, 心筋症的病像を呈するものも経験される. その場合の心筋構築の変化を病理組織学的に検討する.対象と方法: スポーツ選手18例を対象として, 肥大型心筋症12・高血圧性肥大心12・正常血圧心8例の対照3群と臨床検査所見, および心筋生検組織像を比較した.結果: スポーツ選手では, 心電図上全例にT波異常 (うち巨大陰性T波8例) を認め, 心室性期外収縮2・高電位13・異常Q波4例;左室造影では心尖部肥大8 (競輪6 陸上1 ボクシング1), びまん性肥大5・流出路中間部肥大1例で, 左室駆出率60%以下6例であった. その生検所見では心筋細胞横径;右室で18μ・左室で22μ, 配列偏位面積;45%であった. この配列偏位は肥大型心筋症群には及ばず, 高血圧性肥大心・正常血圧心群よりも大で, 高年齢で選手歴の長い症例に高い傾向を示した. 線維症面積は正常血圧心と同程度で, 肥大型心筋症・高血圧性肥大心群より小であった.総括: スポーツ選手の心筋にみられる心筋細胞配列偏位は, 血行力学的負荷に対する構造上の改築の初期像であり, 負荷強度が大かつ長期間に及ぶと, 一部は非可逆的配列の乱れを生じ, 心尖部肥大型心筋症に進展することがある.

1 0 0 0 OA 佐藤進伝 (3)

著者
小川 鼎三
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.361-367, 1974-09-10 (Released:2014-11-22)
著者
丸井 英二
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.13-19, 2002

医師国家試験の根拠は医師法第9条『医師国家試験は, 臨床上必要な医学および公衆衛生に関して, 医師として具有すべき知識および技能について, これを行なう』にある. すなわち, 基礎医学や臨床医学を含む《医学》という言葉と対置されて《公衆衛生》がある.よい医師の必要条件は, 正しく必要な医学知識をもち, 十分な医療の技術をもつ, さらに医療の技術だけではなく良い態度で患者さんやスタッフに接することができることにある. 知識・技術・態度という習得した成果を適用する場面を考えると, それは必ずしも医療機関には限らない. かかわる対象は病める個人に限らない. そこに《公衆衛生》の役割がある.生物学的問題としては同一であっても, 社会によってその意味は異なる, というのが社会医学の考え方である. 個人の健康を医療が担当するとすれば, 社会に生活する人々の集団の健康を担当するのが《公衆衛生》である. 社会を健全に動かすために, さまざまな領域に働きかけ, 人材や予算を活用・動員して, 結果として人々の健康を改善し, 健康の増進をする.公衆衛生学は〈疫学〉と〈人類学・社会学〉と〈政治経済学〉の良いミックスである. 健康についての量的把握と, 文化と人についての質的理解, 世の中の動きと人間関係を掌握する. それが人々の健康を考え, 研究し, 対策を実践していくための出発点である. このミックスを消化しておくことは, よい医師であるための必要な条件でもあろう.
著者
宍戸 立三
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.T8, no.556, pp.335-343, 1919-11-05 (Released:2015-06-12)
著者
荒井 稔
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.455-458, 2004-01-30 (Released:2014-11-12)

睡眠障害と抑うつ症状の有病率は, 低く見積もっても人口の1割から3割であり, 私たちの生活の質に強く影響を及ぼすことは述べるまでもない. 現在の経済状況, 社会状況は高い負担を個人に強いているので, このストレッサーに対して適正に対応し, 睡眠障害や抑うつ症状の出現を予防し, 仮に出現した場合にはどのような対応が適正か, 精神医学的知見を加えて述べた.
著者
小澤 慶三郎
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.T6, no.540, pp.962-978, 1917-12-01 (Released:2015-06-13)

1 0 0 0 OA 雷撃症

著者
柳川 洋一 射場 敏明
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.395-402, 2011-08-31 (Released:2014-11-11)
参考文献数
50
被引用文献数
1

雷撃症は, 電撃症と比較して高エネルギーではあるが一瞬で, 人体の通過方法も異なる. したがってたとえ心肺機能停止症例でも適切な蘇生術を施すことにより転帰良好な経過を辿る可能性が高い. しかし, より重要なことは被雷を避けることである. 予見性に関しては, 従来は否定的見解が主流であったが, その認識は変わりつつある. すでに一部の組織からは避雷の指針が出されており, 屋外でのレクレーション続行可能か否かの参考となる. 雷光の視認や雷鳴が聴取可能な場合は被雷する可能性を考えて, 車内などの安全な場所へ避難すべきである.
著者
杉野 宏子
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.499-512, 1989-03-20 (Released:2014-11-20)
参考文献数
35

乳房の造形手術 (乳癌根治術後の再建術・乳房縮小術・乳房増大術) では, 乳房の左右対称性を保ち, 適切な体積の乳房を得ることが重要で, 乳房体積の術前・術後の計測は不可欠である. 今回著者は, 乳房体積の新しい計測法として, 超音波断層法による計測を試み, 有用と考えられる結果を得た. すなわち, 11歳から61歳までの62名の健康な女性の124乳房に対し, 全自動水浸機械式コンパウンド走査超音波断層装置を用い, 連続超音波断層像を求め, その画像からコンピュータによる画像再構築法により, 各乳房および乳腺の体積を計測した. 乳房体積は年齢とほとんど相関なかったが, 乳腺体積および肥満度が増加するとともに増加し, 乳腺体積と最も強い相関があった. 乳腺体積は加齢とともに減少し, 肥満度が高くなるとともに増加する傾向はあったが, いずれも相関は強くなかった. 乳房中に占める乳腺体積の割合 (G/B比) は加齢とともに減少する傾向を示し, 相関は比較的強かったが, 肥満度と強い相関はなかった. したがって, 加齢とともに乳腺が萎縮し相対的に脂肪量が増加することが確認された. また, 授乳経験の有無によってG/B比に有意差はなく, 授乳経験がある乳腺は無いものに比べ萎縮しやすいとはいえなかった.さらに, 超音波断層法を用いた画像再構築法による体積計測の有用性について検討を加え, その実際的利用の可能性を示唆した.
著者
山城 雄一郎 大塚 親哉 間島 竹二郎
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.507-512, 1972-01-10 (Released:2014-11-22)
参考文献数
11
著者
竹内 久彌
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.184-194, 1999
著者
山城 雄一郎
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.441-446, 1973-12-10 (Released:2014-11-22)
参考文献数
31
著者
イヴァノツフ
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.M21, no.25, pp.25_32, 1888-01-15 (Released:2015-06-18)