出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.53_E1, 2007-12-22 (Released:2015-04-16)

「順天堂医学」52巻1号(2006年)2-10ページに掲載された,「田中亮太:神経幹細胞を用いた脳梗塞治療の可能性」について以下のように公告いたします. 1.海外の共同研究者から,未発表の図表を含む論文を共同研究者の承諾なしに単著として発表した,という指摘があり,著者もこれを認め論文の取り下げを了解した. 2.したがって,遡って掲載を取り消すこととし,インターネット上の検索システムからの削除作業を行い,手続きを終了した. 3.それにともない,読者諸氏には印刷版から上記論文の削除をお願いいたします.
著者
田中 亮太
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.2-10, 2006-03-31 (Released:2014-11-12)
参考文献数
25

「順天堂医学」52巻1号(2006年)2-10ページに掲載された,「田中亮太:神経幹細胞を用いた脳梗塞治療の可能性」について以下のように公告いたします. 1.海外の共同研究者から,未発表の図表を含む論文を共同研究者の承諾なしに単著として発表した,という指摘があり,著者もこれを認め論文の取り下げを了解した. 2.したがって,遡って掲載を取り消すこととし,インターネット上の検索システムからの削除作業を行い,手続きを終了した. 3.それにともない,読者諸氏には印刷版から上記論文の削除をお願いいたします.
著者
大塚 親哉
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.241-247, 1971-07-10 (Released:2014-11-22)
参考文献数
17
著者
阿部 輝夫
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.29-38, 1984

性的機能障害に対して, セックス・セラピーが有用であることが認められてから10年以上が経過した. 我国でも治療を求める患者数の増加は著しいが, 適格に対応可能な治療者は未だ少数である.現在行われているアメリカでのセックス・セラピーの現状について述べ, その実地臨床での診断・治療の進め方の特徴を, 筆者の若干の経験を加えて紹介する.
著者
川南 勝彦
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.484-494, 2003

目的: 〈難病患者に共通の主観的quality of life尺度 (主観的QOL尺度) 〉の開発時に課題となった点について検討し, さらに, Short Form 36 Health Survey (SF-36) を使用して主観的QOL尺度の基準関連妥当性を検討した.対象: 全国の保健所のうち, 本研究に調査協力可能であった30保健所管内における新規, 継続特定疾患医療受給者2,060人とした.方法: 特定疾患治療研究事業医療受給申請書, 臨床調査個人票, 主観的QOL尺度, SF-36を対象者に対して調査し, 内的構造の確認, SF-36各サブスケール得点との相関関係等を検討した.結果: 1) 有効回答者数1,563人 (対象者2,060人のうち, 調査協力に同意しなかったあるいは回答拒否者497人), 有効回答率75.9%であった.2) 因子構造として病気に対する《受容》と《志気》の2因子の構造 (2因子で初期の固有値1.0以上, 累積寄与率70%以上) で, 開発時の因子構造との変化は認められなかった.3) 信頼性・内的整合性が高く (α係数=0.85), 主観的QOL尺度の得点分布において正規分布に近い分布を示した.4) 重症度・病状との関連性については有意な関連性は認められなかった.5) SF-36サブスケールのうち, 〈心の健康〉〈活力〉〈全体的な健康観〉で中程度以上 (r≧0.5) の有意な相関関係が認められた.結論: 開発時の課題点を考慮して, 調査対象として難治性皮膚疾患, 特発性拡張型心筋症などの疾患を加えADLの低い対象者を含め, 各疾患の機能水準を評価するために重症度・病状を調査内容として加えて, 主観的QOL尺度の妥当性を検討した結果, 内的妥当性が得られ, 各疾患の重症度や病状に影響されることのない尺度であることが確認された. SF-36との関連性より基準関連妥当性のある尺度であることも確認された.
著者
伊藤 匡
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.71-83, 1992-06-01 (Released:2014-11-18)
参考文献数
28

心因反応を生じた境界知能および軽度精神遅滞者46名を対象に, その男女差・学歴・臨床経過・心理検査の面から検討した. 対象は昭和59年4月1日から平成2年12月31日までの期間に, 順天堂大学医学部附属順天堂医院と順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院の入院患者34例と外来患者12例である. その結果1) 男女比は女性が多かった. 2) 平均初発年齢は男女ともに21歳台であったが, 初発年齢と知能間に有意な相関はなかった. 3) WAISの下位検査で単語問題が算数問題を除き, 他の下位検査と比べ有意に低かった. 4) 学歴と知能では, 高校卒業以上の群は中学校卒業までの群に比べ有意に知能が高かった. 5) 心因は対人葛藤・学業不振・身体疾患と事故が多かった. 6) 状態像は短絡行動, 心気・不安状態, ヒステリー状態, 妄想状態の順であった. 心気・不安状態の方がヒステリーに比べ知能が有意に高かった. 7) 予後と知能間には有意な相関はなかった. 8) 心因反応の成立には社会環境要因が大きく関係していることが考えられた. また知的制限が大きいほど, より未熟な状態像を呈しやすいこと, 抑うつ状態が持続せず各状態像間の移行が頻繁に認められることが判明した.
著者
石川 清忠
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.M26, no.147, pp.108-113, 1893-02-15 (Released:2015-06-17)
著者
建部 一夫
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.16-26, 2012-02-29 (Released:2014-11-11)
参考文献数
15

患者さんに接し, その症例から多くのことを学びとる臨床実習は, 医師になる者にとって大変重要な学習方法です. 教室の講義で理解しにくい疾患の説明も, 実際の患者さんを前にして学習するとよく理解できます. 臨床実習は以前から行われていますが, 実習時間数や内容, スタイルなどが最近話題になってきました. また, 日本では医師不足のため医学部生の定員数が増加されています. 人数が多くなっても育てる医師の質の低下は避けなくてはなりません. グローバル化が進み, 他国からあるいは他国への医師の移動も多くなってきた現代社会において, その医師の質の保証も必要になってきました. このような流れに対し, 臨床実習のスタイルとして診療参加型実習が推奨されています. 医学生に知識だけ教えてそれを確認するだけではなく, 臨床現場で何ができるかを示し, それを確認できる教育環境が必要です. 医学部教育を通して知識だけでなく, 技能や倫理面, 人格的にも社会に保障のできる医師を送り出すべく, 臨床実習を改善し計画していく必要があります.
著者
八木 義弘
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.325-329, 1970-01-10 (Released:2014-11-22)
参考文献数
2
著者
阿部 輝夫
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.55-61, 2006-03-31 (Released:2014-11-12)
参考文献数
7

この10年間に, 日本の性同一性障害を取り巻く環境は大きく変化した. 1997年に日本精神神経学会が性同一性障害 (GID) の診断と治療のためのガイドラインを策定し, 1998年には日本最初の公に認められた性別適合手術が行われた. そして, 2003年に新たな法律が制定され, 性別適合手術 (SRS) が終了しており, 一定の条件が整っていれば戸籍の性別変更が可能となった. この結果, それまで自己判断でホルモン療法や外科的手術を受けていた人達も, 性別を変更する目的で, そのために必要な精神科医2名からの診断書を得るため受診するようになった. この当事者達のニードの激しい増加を受けて, 各地の大学病院などでも対応の準備が始まっているが, その数はまだまだ十分な状況とは言えない. ここでは, 約1500例のGIDの自験例を基に, まずGIDに関する基本的概念を述べる. つまり, primary GIDとsecondary GIDの違い, 同性愛とGIDの概念の相違, および今後の問題などについて. そして, 実地医家がGIDの診断と治療を進めて行くうえでの留意点について述べたいと思う. ・Diamondら曰く, 「GIDは自分で診断でき, 治療法を選択できる唯一の疾患である」と. ・GIDと同性愛は, 概念が異なる. ・MTFが男性を好きになるのはあたりまえの〈指向〉であり, 〈嗜好〉でもなければ〈志向〉でもない. ・『ガイドライン』への不一致例も, それまでの治療を再評価し, 再構築することができる. ・特例法の成立により, 条件が整えば戸籍の性別が変更できる.
著者
岡田 功
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.7, no.Supplement2, pp.937-981, 1961-09-10 (Released:2014-11-22)
参考文献数
36

The effect of psychotropic drugs on depressive states have been studied by many authors. However, there are few which compared these drugs on the basis of same evaluation scale. Three hundred and forty four ambulant depressive patients were treated with 18 psychotropic drugs (from chlorpromazine to amitriptyline) and the effect of these drugs were compared. The results obtained were as follows. 1. Thymoleptica was found to be the most effective drug for “Axensyndrom” of depressive states. 2. Thymoleptica group was the most important drug in the pharmacotherapy of depressive states. But in some cases thymoleptica should be combined with other drugs such as neuroplegica, tranquilizer and psychotonica. Combination with Neuroplegica is particularly effective. 3. In general, psychotropic drugs are effective in the endogenous depressive states. 4. There was no consistent relationship between side effects and therapeutic effects. Psychopharmacological studies would offer important findings that disclose the essential problem of depressive states.
著者
NORIYUKI FUKU ERI MIYAMOTO-MIKAMI NAOKI KIKUCHI HIROFUMI ZEMPO HISASHI NAITO
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂醫事雑誌 (ISSN:21879737)
巻号頁・発行日
vol.62, no.Suppl.1, pp.22-28, 2016 (Released:2017-07-27)
参考文献数
41

A number of familial and twin studies have assessed the relative contribution of genetic and environmental factors to physical performance or its-related traits, and a significant genetic component has been predicted to affect phenotypes. A twin study indicated that the heritability of athletic status is 66%. Thus, genetic factors appear to be important for determining elite sporting performance. To date, over 200 genes in both nuclear DNA and mitochondrial DNA (mtDNA) have been reported to be associated with physical performance and health-related fitness. However, most studies have been reported in European populations. In the Asian population, only 3 genetic loci have been linked to physical performance, including angiotensin I-converting enzyme and α-actinin-3 genetic polymorphisms and mtDNA polymorphisms (mitochondrial haplogroups). In this review, we discuss the genetics of elite sporting performance, particularly in Asian populations, and their effects on lifestyle-related diseases such as type 2 diabetes and age-related muscle wasting (i.e., sarcopenia).
著者
杉山 和義
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.321-325, 2009

乳癌は日本人女性が最も多く罹患し, 30歳から60歳までの死亡原因の第1位をも占めている. しかも, 依然として増加傾向にあり, その生涯有病率は20人に1人との試算もある, 一方, 芸能人ら著名人が乳癌の手術を自ら告白するなどして話題性にも事欠かない. 現在, 女性の最も関心がある疾患の1つとなった.さて, 乳癌の外科手術療法は1890年ごろにHalstedが, 乳癌根治術として乳房・大小胸筋・腋窩リンパ節群を一括して切除する方法を報告し, 以来世界的に標準術式として認識されてきた. 1950年ごろから手術の縮小化が見られ, 胸筋を温存する胸筋温存乳房切除術が始まり, 本邦においては1980年後半に全国集計でその数が逆転した. 1970年には乳腺部分切除 (乳房温存療法) が導入され, さらなる縮小手術と同時併用される放射線治療との集学的治療として普及した. この縮小化の流れは術式の変遷として表れ, 日本乳癌学会の調査でも2003年に乳房温存療法が胸筋温存乳房切除術を逆転し, 最も多い術式となった. また, 手術の前に化学療法を行い癌の縮小化を図り, 乳房温存手術を行う方法もある. 一方, リンパ節の切除の範囲も縮小化がなされ, センチネルリンパ節を同定, 陰性であれば腋窩リンパ節の郭清を省略する術式も可能となった.乳癌の外科手術としては, 『縮小化』として推移してきた歴史がある. これらは乳癌に対する化学療法の進歩や放射線治療の関与など乳癌を集学的に治療すれば, 手術を縮小しても生存率に差はない. 順天堂大学病院は, 乳腺センターやがん治療センターを有しており, 心理面も含めて総合的な治療を心がけている.
著者
李澤 康雄 會田 秀子 雪下 岳彦 湯本 優 李 慶湖 杉田 塩 小林 弘幸
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.243-250, 2011-06-30 (Released:2014-11-11)
参考文献数
18

目的: 点滴注射の際に溶解液として高頻度に用いられる生理食塩液のうち, 両頭針付き生理食塩液の有用性について, 2ポート型ハーフキット生理食塩液と1ポート型ハーフキット生理食塩液の2種類の生理食塩液を対象に, 利便性アンケート調査および無菌操作試験を用いて比較検討した. 方法: 利便性アンケート調査では, 日常業務として点滴注射の調製作業を行っている看護師50名 (経験年数1-20年, 平均経験年数4年9ヵ月) を対象として質問用紙調査を実施した. 解析にはWilcoxonの符号付順位和検定を行った. 無菌性試験では看護師20名 (経験年数1-12, 平均経験年数3年6ヵ月) 実際に点滴調製作業を実施し, その際に作成された点滴溶解液や作業環境の培養検査を実施した. 結果: 利便性アンケート調査では14の調査項目のうち, 「溶解作業時の薬剤の確認のしやすさ」, 「無菌操作に対する注意度」, 「細菌汚染の可能性」, 「緊急使用時の迅速な対応」, 「業務時間短縮の実感」, 「バイアル (抗菌薬) と溶解液の組み合わせによる誤投薬発生の危険度」, 「投薬時の薬剤の確認容易度」, 「廃棄時の手指等のケガ発生の可能性」, 「分別廃棄の手間」, 「総合評価」の10項目において, 2ポート型ハーフキット生理食塩液が1ポート型ハーフキット生理食塩液より有意 (p<0.01) に高い評価を得た. 無菌操作試験の結果では, 作業者の手指からは培養検査により細菌が検出されたが, 溶解作業で作成した溶解液を培養検査した結果では, 細菌は検出されなかった. 考察: 両頭針付き生理食塩液は総じて有用と判断され, なかでも2ポート型ハーフキット生理食塩液は1ポート型ハーフキット生理食塩液よりも利便性の面で総合評価が高く, より有用であると考えられた.
著者
鎌田 輝男
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.S7-S15, 1999

Diese Abhandlung ist die Fortsetzung des Aufsatzes mit dem gleichen Titel, der in "Juntendo University Journal of Liberal Arts and Seiences" Nr. 1 publiziert wurde. In diesem Aufsatz, der das Gedicht von Friederike Brun, "Ich denke dein" behandelte, erörterte der Verfasser ausführlich die Frage, wer das <du> ist und versuchte zu klären, daß das Du, das bisher für einen Geliebten gehalten ist, ein früh verlorenes Kind ist. Das lyrische Ich hat im allgemeinen oft in den Versen keine Inhaltsangaben. Das hat für den Leser einen Vorteil, sich leicht ins lyrische Ich einzfühlen. Das Gleiche gilt für das lyrische Du. Das Pronomen beinhaltet ein Familienmitglied, eine Freundin/einen Freund, eine Geliebte/einen Geliebten, ein Kind, ein Tier, eine Pflanze oder Gott. Man kann ein lyrisches Gedicht lesen, indem man das Du für eine Geliebte/einen Geliebten hält, obwohl es, solange der Dichter nichts davon sagt, offen bleibt, wen das Du bedeutet. Diese Abhandlung behandelt eine typische Lyrik von Goethe, "Nähe des Geliebten", dessen Grundform er von dem obengenannten Gedicht von Brun übernahm, und stellt Betrachtungen an über das Du, d. h. den Geliebten. Das Du in "Nähe des Geliebten" ist bisher auch als ein geliebter Mann angesehen. In dieser Abhandlung untersucht der Verfasser die Möglichkeit, daß du Gott seiest, indem er auf den gedanklichen Hintergrund von Goethe und seinen dichterischen Kunstgriff Rücksicht nimmt, und versucht eine andere Lesart des Gedichts "Nähe des Geliebten" anzubieten.
著者
中村 充 藤本 由紀子 伊藤 伸
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.512-517, 2012-12-31 (Released:2014-11-11)
参考文献数
16

目的: 一般的に健常者が聴力障害を引き起こす要因としては, 加齢, 騒音, 衝撃, 疾病などがあげられる. しかし, 剣道などのスポーツ活動によっても聴覚障害が引き起こされる報告がされている. そこで今回, 習慣的な剣道の実践が聴力に及ぼす影響について, 大学生を対象とした実態調査と追跡調査から検討を行った. 対象および方法: 男子大学生237名 (一般学生120名, 剣道実践学生117名) を対象とし, 純音聴力検査を行った. また剣道実践学生13名を対象に, 純音聴力検査と耳音響放射検査を用いて2年間にわたり追跡調査を行った. 結果: 聴力障害が出現したのは, 一般学生は120名のうち4名, 剣道実践学生は117名のうち32名であった. 障害がみられた周波数は, 一般学生の4耳はすべてが8kHzで出現していたが, 剣道実践学生は0.5kHzから8kHzまで広範囲にわたり, 2周波数域あるいは3周波数域以上にわたる障害もみられた. 剣道実践学生の追跡調査では, 0.5kHz, 1kHz, 2kHzで有意にレベルの低下がみられた. またDPOAEのDPレベルでは3kHz, 4kHz, 5kHz, 6kHzで有意に低下がみられた. 結論: 純音聴力検査では, 長期の剣道実践による騒音と衝撃が周波数域1kHzから4kHzを中心として聴力に影響を及ぼしていると考えられた. しかし空間的余裕や環境整備により, 騒音の影響を軽減できる可能性が示唆された. また耳音響放射検査は, 聴力変化の早期評価の指標となりうることが推察された.
著者
矢島 五三郎
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.S13, no.581, pp.581_51-581_56, 1938-12-25 (Released:2015-06-12)
著者
清水 俊明
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.12-23, 2003-05-30 (Released:2014-11-12)
参考文献数
11

エイコサペンタエン酸 (EPA) やドコサヘキサエン酸 (DHA) などのn-3系多価不飽和脂肪酸 (n-3系PUFAs) を多量に含有する魚脂が, 最近様々な分野で注目されている. その作用は, 細胞膜の構成成分としての作用やプロスタグランディン (PGs) およびロイコトリエン (LTs) などのエイコサノイドを介しての作用のほか, まだ解明されていないものもある. 小児科領域では, 新生児・乳児の視機能および脳の発達に対する作用, 抗炎症および抗アレルギー作用・脂質低作用などが実際に臨床応用されている. 当教室での臨床および動物実験においても, 炎症性腸疾患やアレルギー性疾患に対するn-3系PUFAs投与の有効性が確認されている.