著者
加藤由花 南波 幸雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.626-636, 2009-02-15

近年,情報システム構築における上流工程教育の重要性が高まり,上流工程の設計を的確に行える人材の育成が急務となっている.我々はこれまで,主に社会人学生を対象とした専門職大学院において,上流工程教育のための教育プログラムの開発を行ってきた.本稿では,我々が開発した教育プログラムの内容を示すとともに,大学院の演習科目として,開発したプログラムを実施した結果について述べる.ここでは,概念データモデリング教育にPBL(Project Based Learning)型教育を採用することにより,時間数などの制約条件が多い中で,効果の高い上流工程教育が行えることを示す.
著者
渡辺 晴美
雑誌
ウィンターワークショップ2015・イン・宜野湾 論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.89-90, 2015-01-15

実行時にシステムを停止せずにソフトウェアを変更する動的書き換え技術は,リフレクション,ダイナミックアスペクト指向,コンテキスト指向と進化し,実際に利用されるようになってきた.動的書き換え技術はアンビエント社会の到来により,その重要性が増している.特に,次世代のソフトウェアシステムは,環境の変化適応することが求められ,ソフトウェアの再構築が実行時にできることが望まれる.
著者
両角 彩子 永森 光晴 杉本 重雄
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.105(2008-FI-092), pp.1-14, 2008-10-30

近年の情報技術の発展に伴い、マンガ作品の情報の共有・交換が盛んに行われるようになった。筆者らの研究室では、マンガに関する情報を統合的に扱うためのマンガメタデータスキーマを開発している。その一部に、読者が作品の内容を書き表すためのメタデータスキーマがある。本稿はマンガの知的内容を表すことを目的としているため、同心ストーリーの表現手法である小説や映画も参考にする。そこで、 Wikipedia 内に表れるマンガ麹小説の作品記事から 100 件をそれぞれ無作為に抽出し、記述項目について調査した。これらの調査結果および目次テンプレートを参考に、読者が作品の知的内容を書き表すためのメタデータ基本セットを提案する。
著者
両角 彩子 杉本 重雄
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.108(2005-FI-081), pp.7-18, 2005-11-02

利用者の特性に関わらずリソースを簡単に探し出し、利用できること、すなわちリソースへのアクセシビリティを高めることへの要求が、リソースやリソースの利用方法・利用目的の多様化によって高まっている。たとえ内容が同一であるとみなすことのできるリソースであっても、利用者の特性に応じた方法で表現され、また、利用環境に応じた形式で実現されたリソースを、利用者が簡単に選択し、提供することが求められる。この要求を満たすためには、「どのような特性を持つ利用者」が「どのような環境」で「どのようなリソース」を利用したいのかという利用者の要求を表現した上で、利用者の要求とそれにマッチするリソースを選択し、適切なリンクを提供する仕組みが必要である。そこで、利用者が簡単に自らの特性や利用環境に適したリソースへアクセスできるようにすることを目的として、本稿では、アクセシビリティのためのメタデータ、IFLAによるFunctional Requirements for Bibliographic Records (FRBR)、OpenURLの動的なリンキング機能等に基づいて、利用者の特性や環境と、リソースという双方の視点からアクセシビリティに関する情報を表現し、適切に利用者とリソースを結びつけるメタデータスキーマのモデルを提案する。
著者
林 泰子 筧 康明 苗村 健
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011-EC-19, no.11, pp.1-6, 2011-03-19

筆者らは,擬人化の効果に着目し,対面コミュニケーション支援を目的として,ラップトップ PC の擬人化を提案してきた.本提案を実装した ”ProsopoLaptop” は,ラップトップ PC の天板にパブリックなディスプレイを付加し,顔を提示する.その表情は,ユーザのコンピュータの操作状態と,周囲の人や他のシステムの位置などの現実の環境情報を基に変化し,リアルタイムに状況に即した擬人化表現が可能となる.本稿では,本システムの実装,特に現実の環境情報の取得手法と,環境情報と擬人化の対応について示す.またコミュニケーション支援の観点から行なった実験的検討の結果について述べる.
著者
下田 昌利
出版者
湘南工科大学
雑誌
湘南工科大学紀要 = Memoirs of Shonan Institute of Technology (ISSN:09192549)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.17-29, 2003-03-18

In this paper, a numerical shape optimization method of continua is presented for typical strength, rigidity and vibration problems in structural designs. As the strength problems, the minimization problem of maximum stress and the shape determination problems that achieve a given desired stress distribution are formulated. The rigidity problems involve the minimization problem of external work and the shape determination problems that achieve a given desired displacement distribution. Also, the vibration problems involve maximization of eigen frequency with mode tracking. Each problem is formulated and sensitivity functions are derived using the Lagrangian multiplier method and the material derivative method. The traction method, which is a shape optimization method, is employed to find the optimal domain variation that reduces the objective functional. The proposed numerical analysis method makes it possible to design optimal structures efficiently. Examples of computed results are presented to show the validity and practical utility of the proposed method.
著者
黒松 信行 小林 健一 Viel Emeric 浦 晃 上田 晴康
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2015-HPC-150, no.18, pp.1-7, 2015-07-28

機械学習においては,処理するデータ量,得られる精度,実行に要する時間の制約を満たす中で,逐次・並列分散の観点も含めたライブラリやアルゴリズム,パラメータの膨大な組み合わせの中から最適なものを選択することは困難であった.そこで,許容できる実行時間と入力データを与えるだけで最も高い精度を得ることを目的として,条件を変えながら何度も機械学習を実行することで最適な選択肢を自動的に選ぶプラットフォーム wizz を Apache Spark 上に構築した.wizz は並列処理向けの Apache Spark の MLlib と逐次実行向けの R スクリプトおよび R スクリプトの分散実行によるアンサンブル学習機能を提供しており,並列処理ライブラリと逐次処理ライブラリを同時に多数実行することができる.
著者
王 杲 高橋 光輝
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015-DCC-9, no.50, pp.1-8, 2015-01-19

近年,中国の急激な経済発展に伴い,コンテンツ市場も大きく活性化されている.しかし,日本で行われているキャラクタービジネスが成功している事例は中国では極めて少ない.さまざまな制約などの厳しい環境がある中国で,日本型キャラクタービジネスの展開は今後も厳しい状況ではないかと推測される.今回は,著者がプロデューサーとして参加し,中国で展開した “VOCALOID CHINA PROJECT” の事例を基に,海賊版問題や放送規制が厳しく文化も違う中国で,実際に行ったどんな問題に直面したのか.また,ユーザーとなる中国の若者がどんな影響を受けたのかを記録し,分析する.
著者
鳥海 不二夫
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.814-814, 2015-11-01
著者
金田 英子
出版者
東洋大学法学会
雑誌
東洋法学 = Toyohogaku (ISSN:05640245)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.326-309, 2013-03

1 0 0 0 OA 会誌表紙

著者
石黒 正数
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, 2015-11-01

今回の表紙は,特集である「認知」,「健康」,「環境知能」がモチーフとなっています.環境中に溶け込んだ人工知能システム(環境中の目線達)が,ユーザの生活を静かに見守り,やがてはユーザ自身に対する気付きも促されていく,という点を意識した表紙です.人をサポートする人工知能の在り方について,さまざまな視点が生まれることを望んでいます.
著者
武田 圭史 水谷 正慶 中井 研
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2009 (CSS2009) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1-6, 2011-10-12

IP バージョン 4(IPv4) アドレスの枯渇に伴い今後IP バージョン 6(IPv6) の導入が進むと予想されるが,大規模かつオープンなネットワークにおいて異なるネットワークプロトコルが導入にされることにより新たなセキュリティリスクが顕在化することが考えられる.本分析では IPv6 を広く組織等において導入する際に予想されるセキュリティ環境の変化及び従来のセキュリティ機能の実装に関する課題について調査しそのリスクについて整理した.IPv4/v6 のデュアルスタック化による脆弱性暴露機会の増大や,ファイアウォールやウイルス対策ソフトウェア等における IPv6 に関する運用機能の提供が十分とは言えないなどの課題について述べる.