- 著者
-
堀田 かおり
- 出版者
- 新潟大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
本年度は、研究実施3年目である。昨年度までは、本研究に関連する先行研究の文献検討等を行い、その成果を日本地域看護学会で発表した。また、本年度は、男性高齢者が地域で健康に生活を送るための強みを明らかにし、主体的な健康づくりを支援するあり方を検討するために、7名の男性高齢者を対象にフォトボイスの手法を用いて調査を行った。フォトボイスとは、住民が一定のテーマで写真を撮影して説明を付け、その写真と説明をもとにグループで討議をすることによって地域の強みや課題を共有し、解決方法を住民自らが発見する手法であり、地域住民と研究者がともに取り組む活動である。各対象者が「自分らしい健康的な生活するために取り組んでいることまたは関心を持っていること」を男性高齢者の強みとして定義し、日常生活の中で強みであると考えられる場面を写真撮影した。その後、各自で撮影した写真を持ち寄り、写真を示しながら写真が写し出しているものや生活との関係性を紹介した。それらの紹介をもとに「自分らしく健康的に生活を送るためには何ができるのか」について90分程度のグループ討議を1回行った。このグループ討議の内容を分析し、考察することによって、男性高齢者が主体的な健康づくりを行うために保健師が実施する支援のあり方を検討できると考えられる。また、男性高齢者が健康的で自立した生活を送り、住み慣れた地域社会で活躍することは、生きがいの形成にもつながり健康寿命の延伸にも寄与すると考えられる。