著者
池田 碩 澤 義明
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
no.18, pp.13-28, 2013

2011年3月11日、東北地方太平洋岸の広い範囲で、世界的にみても観測史上最大級の地震が発生した。この地震は、これまでわれわれが抱いていた自然現象へのイメージを一変させた。単に、その大きさや発生の要因、プロセス、振動波の伝播のようすといった物理的な要素にとどまらず、現代の科学技術や社会のあり方をも揺さぶる力を示した。
著者
中山 敬一
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

我々は高感度質量分析計による定量的リン酸化プロテオミクス技術を用いて、のべ20000を超えるリン酸化について定量解析を行った結果、mTORC1の下流分子として転写因子FOXK1を含む36分子を同定した。さらにFOXK1によって誘導される遺伝子として、単球の遊走因子である炎症性ケモカインのCCL2を同定した。腫瘍細胞の皮下移植実験の結果、ラパマイシン投与、FOXK1の抑制、CCL2の抑制によって、それぞれTAMの浸潤抑制が認められた。このことより、mTORC1-FOXK1-CCL2経路は栄養シグナルと炎症をつなぎ、がんの発生や進展に重要な役割を持つことが明らかとなった。