著者
北浜 優子 北嶋 曉 岡野 浩三 谷口 健一 キタハマ ユウコ キタジマ アキラ オカノ コウゾウ タニグチ ケンイチ Kitahama Yuko Kitajima Akira Okano Kozo Taniguchi Kenichi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.3114-3121, 2000-11-15

形式的手法の設計導入教育への適用の有用性を調べるために,大阪大学基礎工学部情報科学科3年次学生のCPU設計実験において,(i)我々の研究グループで作成した検証システムを用いて設計の正しさを形式的に証明する設計手法(新手法),(ii)慎重な見直しや波形シミュレーションなどで設計の正しさを確認する設計手法(従来手法),の2つのコースを設けて,その2つのコース間で作業時間と設計したCPUにおける誤りの有無について2カ年にわたって比較を行った.定められた中間レポート提出期限までに誤りのないCPUを設計した学生は,従来手法コースでは42人中0人,新手法コースでは42人中41人であった.従来手法コースでは提出期限後に,教官が誤りを指摘して学生が設計を修正する期間を設け,この期間に19人が誤りのないCPUを設計した.中間レポート提出期限までに費やした全作業時間の平均は新手法43時間に比べて従来手法のほうが13時間ほど短かった.以上より,あらかじめ定められた期限までに正しいCPUを設計するためには,新手法は30%ほど作業時間がかかるものの効果的であることが確かめられた.
著者
キクチ カツヒロ ウエダ ヒロシ タニグチ タカシ サトウ ノボル Katsuhiro KIKUCHI Hiroshi UYEDA Takashi TANIGUCHI Noboru SATO
雑誌
Proceedings of the NIPR Symposium on Polar Meteorology and Glaciology
巻号頁・発行日
vol.1, 1987-09

The typical shapes of snow crystals of low temperature types that are known at present are "Gohei twins", "Sea gull", "Spearhead" and so on. Although they were named by one of the authors (K. K.) tentatively, these names appear to be accepted by scientists in the fields of cloud physics, crystal growth and so on. On the other hand, their formation mechanisms except for the gohei twin crystals have not been clarified. In this paper, the correlation between the gohei twin, sea gull, and spearhead type crystals has been considered based on a number of microphotographs taken by a polarizing microscope during the observation period from December 25,1985 to January 23,1986 at Inuvik (68°22′N, 133°42′W), N. W. T., Arctic Canada. As a result, although we have pointed out that the gohei twin type crystals are two kinds that have tip angles of 56 and 78°, they have another difference besides the difference of their tip angles. Namely, the gohei twin crystals having the tip angle of 56° have a certain kind of finlike appendages along the crystalline boundary of two extended prism planes of the crystals. On the other hand, other twin crystals that have the tip angle of 78° are devoid of finlike appendages along the crystalline boundary. The angles of 13 and 20° between two extended prism planes of the gohei twin crystals pointed out in our previous papers were clarified by the measurement of the tip angles of individual extended prism planes. Furthermore, it was noted that the gohei twin crystals that have the tip angle of 56° are similar to the spearhead type crystals, and the spearhead type crystals were one of the wings of the sea gull type crystals seen from a right angle. However, some parts of the formation mechanisms of snow crystals of low temperature types are obscure and it would be difficult to understand their exact correlation as of this report.
著者
谷口(藤本) 麻起子 金綱 知征 タニグチ(フジモト) マキコ カネツナ トモユキ Makiko Taniguchi(Fujimoto) Tomoyuki Kanetsuna
雑誌
聖泉論叢
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-10, 2013

関西圏私立四年制大学在籍の学生187名を対象とした『大学において「心理学」を学ぶことの期待』に関する質問紙調査,及び同20名を対象とした『大学の専攻動機と,その変化過程』に関する半構造化面接調査を実施した.心理学系学生は非心理学系学生に比べて,資格取得を心理学に期待する傾向や,他者の問題解決のための能力獲得を期待する傾向が示されたことから,心理学を学ぶことで臨床心理士をはじめとする対人援助職を志している可能性が推測された.一方面接調査において,「内的なもののため」という動機が心理学系学生にのみみられたことに加えて,「仕事のため」,「適性のため」という動機も,他者理解や他者援助が主軸として置かれていたわけではないことから,動機の側面からみた心理学への期待は他者理解・他者援助よりもむしろ,自己理解・自己援助のためといえた.考察では,これらの質問紙調査と面接調査の結果の矛盾について検討した.
著者
塩田 祥子 谷口 雄哉 シオタ ショウコ タニグチ ユウヤ Shiota Shoko Taniguchi Yuya
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.129, pp.29-43, 2019-05-31

論文(Article)高齢者虐待の被養護者の大半が、要介護認定を受けているにもかかわらず、ケアマネジャーから、地域包括支援センター(以下、包括)へ相談、連絡に至る件数は十分ではない。その理由を追及し、今後の高齢者虐待対応に活かしていく必要がある。そのため、実際、高齢者虐待対応にあたっている社会福祉士と、包括の外部スーパーバイザーがケアマネジャーから、これまで相談、連絡があった高齢者虐待事例を振り返る作業を行った。その結果、養護者、被養護者の特性、また、置かれている状況に応じて、ケアマネジャーの高齢者虐待の捉え方に差異があった。さらに、ケアマネジャーへのインタビューからは、地域包括支援センターの虐待対応等の動きが「見えにくい」という指摘があった。以上のことを踏まえて、日頃のケアマネジャーからの包括への信頼が、高齢者虐待対応にリンクしていることが分かった。それゆえに、包括の役割である「権利擁護の実践」と「ケアマネジャーへの後方支援」の円滑な連動が求められることを再認識した。さらに、社会福祉士自身が、ケアマネジャーを「同じ相談援助の専門職」として捉えきれているのかといった「ケアマネジャーへの視点」を確認していく必要性を感じ、そのことが日頃の「ケアマネジャーへの後方支援」の振り返りになると同時に、「権利擁護の実践」につながることがわかった。
著者
柴田 直樹 岡野 浩三 谷口 健一 シバタ ナオキ オカノ コウゾウ タニグチ ケンイチ Shibata Naoki Okano Kozo Taniguchi Kenichi
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J84-, no.7, pp.999-1008, 2001-07-01

加算をもつ有理数の理論(有理数変数,有理数定数,+,-,=,<∧, ∨, ∀, ∃からなる理論)の上の閉論理式(RP文)の真偽判定ルーチンは通信プロトコルのテスト,ハードウェアのタイミング検証などに利用できる.筆者らは以前,計算幾何学の手法を利用し,時間計算量を改善したRP文真偽判定アルゴリズムを提案した.本論文では,まずそのアルゴリズムに対する凹多面体併合を用いた高速化法について述べる.次に,その手法を実装した真偽判定ルーチンをMC68030バス上で非同期バスマスタ転送を行う時間オートマトンの適合性試験系列生成に適用し,評価した結果について述べる.高速化により,比較的簡単な時間制約をもつ時間オートマトンの実行可能性判定の例に対し,実際の検証で現れる変数の数が16個,不等式の数が20個程度のRP文をCPU時間数秒程度(Pentium III 600 MHz)で判定できるようになった.