著者
三宅 義明 山本 兼史 長崎 大 中井 直也 村上 太郎 下村 吉治
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.29-33, 2001-02-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
18
被引用文献数
3 3 2

持久運動後のレモン果汁とグルコースの混合液摂取がヒトの血液成分濃度に及ぼす影響を検討した。成人男性 (25-30歳) の被検者で, 自転車エルゴメータによる1時間の運動負荷後に, 500mLの (1) レモン果汁 (クエン酸として0.4g/kg体重) とグルコース (1.5g/kg体重) の混合液, (2) クエン酸 (0.4g/kg体重) とグルコースの混合液, もしくは (3) コントロールとしてグルコース溶液を摂取させ, 運動終了1時間後までの血液成分の変動を測定した。レモン果汁もしくはクエン酸摂取により, 血中のクエン酸濃度は有意に上昇した。運動により上昇した血中乳酸濃度は, レモン果汁もしくはクエン酸被験液摂取により運動終了後の回復期で減少が促進された。これらの結果より, 運動後のレモン果汁もしくはクエン酸摂取は, 血中乳酸の除去を促進することが明らかとなった。
著者
下村 吉治
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.97-103, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
46
被引用文献数
2 1

分岐鎖アミノ酸(BCAA:ロイシン,イソロイシン,バリン)は,タンパク質の構成材料としてばかりでなく,タンパク質代謝および糖代謝を調節する生理作用の強い栄養因子であることが明らかにされつつある。よって,体内のBCAA 濃度の調節機構は種々の代謝を正常に保つために極めて重要である。体内には BCAA の分解系が存在するが,その分解系の調節がBCAA 濃度に影響を及ぼす。BCAA 分解系の律速は,その系の第2ステップに存在する分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体(BCKDC)である。BCKDCは酵素タンパク質のリン酸化による活性調節を受けるが,そのリン酸化を触媒する酵素が分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素キナーゼ(BDK)である。この総説では,著者等がおこなってきたBDK に関する酵素化学的研究,および種々の生理状態におけるBDK によるBCKDC 活性調節に関する研究を中心に紹介し,BCAA代謝調節機構を解説する。
著者
下村 吉治
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.373-376, 2002

スポーツの世界で, 栄養の重要性についての関心が高まっている。運動競技において良い成績をおさめるためには, スポーツに適した体づくりをすることと, 十分なスタミナづくりをすることが必要であろう。最近のスポーツ栄養に関する研究では, 食べるものの質と量に加えて, 摂取するタイミングの重要性が明らかにされつつある。この総説では, 体づくりとスタミナづくりについてのこれらの最近の知見を紹介する。
著者
下村 吉治 北浦 靖之
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

健康の維持増進に栄養と運動による代謝調節の必要性は極めて高く、それらに関する正確な科学的情報とメカニズムの解明が求められている。本研究では、分岐鎖アミノ酸(BCAA)投与と運動が健康の維持増進に及ぼす効果のメカニズムを明らかにするために、(1)BCAA代謝調節機構の解明、(2)廃用性筋萎縮に対するBCAA投与効果の解明、および(3)グルコース代謝に対するBCAA機能の解明を目的とした。得られた研究成果として、BCAA代謝調節因子として分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素キナーゼの未知の調節因子がラット肝臓ミトコンドリアに存在する可能性が示唆された。廃用性筋萎縮に対するBCAA投与の効果として、5%BCAA食摂取は、廃用性筋萎縮による筋重量の低下およびユビキチン-プロテアソーム系成分量に対して影響しなかったが、それらに対抗する細胞内シグナル成分の減少を抑制することが示唆された。さらに、グルコース代謝に対するBCAAの機能として、耐糖能を正常に維持するためには血中のBCAA濃度が重要な役割を果たすことが示唆された。