- 著者
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林 麻貴
中川 弘
- 出版者
- 日本食品微生物学会
- 雑誌
- 日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.4, pp.193-197, 2013-12-31 (Released:2014-01-29)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
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われわれは,新たに開発された生物発光酵素免疫測定法(BLEIA法)に基づくノロウイルス検出試薬BL-NV‘栄研’の評価を行った.糞便検体220例を用いて,リアルタイムRT-PCR法(rRT-PCR法)との比較試験を行ったところ,BLEIA法はrRT-PCR法に対して,感度94.1% (95/101),特異度98.3% (117/119),全体一致率96.4% (212/220)と良好な相関性を示し,公定法であるrRT-PCR法と同等の検査精度を有することが示された.また,陰性検体117例の測定値分布では,多くの検体がCOI 0.2~0.4に分布していたことからBLEIA法は陽性と陰性をクリアに判定することが可能であり,高い検査精度を有することが示唆された.以上,BLEIA法はrRT-PCR法と同等の試薬性能を有し,かつ反応時間が46分と短く1時間あたり120検体を測定できるため,今後,調理従事者などを対象としたNVの検便検査に広く利用されることが期待される.