著者
中村 輝子 増田 芳雄
出版者
帝塚山大学
雑誌
人間環境科学 (ISSN:09193790)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.85-112, 1996
著者
遠藤 次郎 鈴木 琢也 中村 輝子
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.223, pp.129-137, 2002 (Released:2021-08-13)

Sanki Tashiro and Dosan Manase are known for their role as founders of the Gosei-ha school in Japan. Observing that Japanese medicine had not been based on a clear theory, they introduced into Japan the satsusho benchi practiced in Chinese medicine during the Jin and Yuan dynasties. The basis of this system was to examine the patient's condition, then determine the treatment accordingly. Dosan Manase in particular employed the satsusho benchi, writing out a new prescription each time treatment was required, without reference to existing prescriptions. In this study, we carried out an investigation into the "Ishin shoden" edited by Dosan Manase, which reveals the process by which Dosan established the new satsusho benchi system of medicine within the framework of traditional Japanese medicine. In the early stages of the process, Dosan prepared prescriptions based on existing iou-tou prescriptions, modifying these by adding or removing medicines. Then, in the middle period, he prepared prescriptions based on toso-tou prescriptions, designed on the basis of the kun shin sa shi or Junchen Zuoshi theory, again modifying these by adding or removing medicines. In the final stage of the process, Dosan ceased this practice of adding or removing medicines from a basic prescription, adopting instead the satsusho benchi system of writing out a new prescription for every treatment. In addition, we consider the reasons why the satsusho benchi system was not employed by Dosan's successors, and discuss the effects of this.
著者
中村 輝石 身内 賢太朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.469-473, 2016-07-05 (Released:2016-10-04)
参考文献数
9
被引用文献数
1

宇宙の構成要素のうちで通常の物質は5%でしかない.―宇宙マイクロ波背景輻射の観測などの結果から導かれた,最新の宇宙像である.残りの1/4は銀河や銀河団を重力的に結び付けている「暗黒物質」と呼ばれる未知の物質,3/4は宇宙の加速膨張の源として働く「暗黒エネルギー」と呼ばれる未知のエネルギーである.暗黒物質の存在は,1930年代に銀河団中での銀河の運動を説明するために,ツビッキーによって提唱された.その後1970年代になると銀河の回転曲線を説明するために,銀河を「ハロー」のように取り囲む暗黒物質の存在が示唆された.2000年代には,宇宙マイクロ波背景輻射の観測等によって,宇宙全体での暗黒物質の量が議論されるようになってきた.このように銀河,銀河団,宇宙全体という異なった階層での存在が確認されている暗黒物質であるが,その正体は全く不明である.暗黒物質の性質を解明すべく世界中で様々な実験的研究が行われている.それらは大別して 1)加速器で暗黒物質を生成し信号を検出する(加速器実験) 2)銀河中心などにとらえられた暗黒物質同士の対消滅からの信号を検出する(間接探索) 3)暗黒物質と通常の物質との反応を検出する(直接探索)の3つに分類することができる.本稿で取り扱うNEWAGE(NEw generation WIMP search with an Advanced Gaseous tracking device Experiment)実験は直接探索実験のひとつである.暗黒物質直接探索実験では,我々の住む天の川銀河にとらえられている暗黒物質と,検出器を構成する通常の物質との反応で検出器が得るエネルギーを検出する.ただし,こうした「検出器」は我々の身の回りに多く存在するガンマ線や中性子などの通常の物質に対しても反応し,バックグラウンドとなる(通常の粒子線検出器を,暗黒物質直接探索のための検出器に「借用」しているといった表現の方が近い).バックグラウンドの多くは宇宙から飛来する「宇宙線」と呼ばれる粒子線に由来するため,宇宙線を避けるために直接探索実験は地下深い実験室で行うことが一般的である.NEWAGEは,東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設の地下実験環境を,共同利用により使用させて頂いている.右下の図に暗黒物質と太陽系の銀河内での運動を模式的に示す.暗黒物質は銀河内でランダムな方向に運動していると考えられており,太陽系の速度で一定の方向に運動する我々には「暗黒物質の風」が吹き付けているように感じられる.NEWAGEではこれまでの直接探索実験で得られるエネルギー情報に加えて,反跳された粒子の飛跡という情報を加えることで暗黒物質の到来方向の検出を可能とし,暗黒物質直接検出の強い証拠を得ることを目指す.NEWAGEは,国内で開発された三次元飛跡検出器を用いた実験で,方向に感度をもつ暗黒物質探索分野で世界をリードしている.今回新たに製作した検出器「NEWAGE-0.3b′」を用いて神岡地下実験室で観測を行い,これまでに得られていた制限を約一桁更新した.現在は,感度を向上して暗黒物質の検出を目指すために,検出器起源のバックグラウンド低減を進めている.
著者
遠藤 次郎 中村 輝子
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.229, pp.13-21, 2004 (Released:2021-08-12)

Nagoya Gen'i(1628-1696) is known as a pioneer of the Koho-ha School of Japanese Kampo. This research examined his medical system and established that his medical theory was based on the following five features : (1) Medical Philosophy, (2) Pathology, (3) Theory of Formula Construction, (4) Theory of the Effects of Individual Herbal Medicines and (5) Attitudes toward Treatment. Gen'i authored numerous books on features 1-4. He emphasized the medical theories in 1, Medical Philosophy, but numerous contradictions were found upon a comparison of the medical works he authored. People of the Gosei-ha School at that time selected a basic formula that suited them from among a variety of formulas and tried to organize their own medical systems on its basis. While Gen'i argued against this stance late in his life, he tried to organized a medical system by combining the five features with the medical philosophy and the formula theory from "Shanghanlun ". Medical studies from his later years are noted as the forefront of the Koho-ha School of Japanese Kampo.
著者
中村 輝子
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.S24, 2003

高尾山麓の森林総合研究所多摩森林科学園のサクラのジーンバンク(桜保存林)および新たに開かれた農場を利用してシダレザクラのしだれ性のメカニズムに関する植物生理学的研究をおこなってきた。それまでの制御された実験室環境における幼植物を用いた実験とは異なり、フィールドの実験は、予期せぬ様々な困難を伴う一方、自然環境の中で樹木サクラを育てることにより、そのライフサイクルの進行に伴う動物すなわち、哺乳類、鳥類、および昆虫との様々な関係があり、またこれに関わるアレロパシー物質(クマリンなど)の関与もあることを学ぶことができた。この体験に基づいて「フィールドで植物生理学の実験をおこなうこと」および「フィールドにおけるサクラとそれをとりまく生物間の相互作用」につき論じたい。<br> フィールドにおけるしだれ性に係わるジベレリン等の植物ホルモンの研究は、さらにサクラの重力生物学の研究へと発展し、近年は、三次元クライノスタットを用いたサクラの形態形成とその重力センサーの研究がおこなわるようになった。ここでえられた宇宙環境の植物におよぼす影響をも合わせて論じたい。
著者
遠藤 次郎 中村 輝子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.435-444, 2005-05-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

初代曲直瀬道三 (1507-1594) 原著, 二代目曲直瀬道三 (曲直瀬玄朔, 1549-1631) 増補と言われている江戸時代のベストセラー,『衆方規矩』を検討し, 以下の結果を得た。(1)『衆方規矩』は, 曲直瀬玄朔の弟子, 岡本玄冶 (1587-1645) が口述し, 岡本玄冶の弟子が編纂したと推測される。(2)『衆方規矩』に収載されている処方の70%は〓廷賢の医方書からの引用である。彼の著作の中でも, 殊に『万病回春』からの引用が多く,『衆方規矩』の処方の約60%は『万病回春』からの引用である。(3)『衆方規矩』は「基本処方とその加減方」という医学体系を基本にしている。本書が『万病回春』を採用した理由として,『万病回春』が加減方を数多く記していることが挙げられる。(4)『衆方規矩』には非常に多くの版本があるが, それらは3つの系統に大別される。
著者
山路弘樹 中村輝子 横山潤 近藤健児 諸田隆 竹田秀一 佐々木博 牧雅之
出版者
植物研究雑誌編集委員会
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.57-78, 2007-04-20 (Released:2022-10-20)

日本産カンアオイ属ウスバサイシン節植物の形態変異を明らかにするために,国内の全分布域・既知の分類群,地域集団を含む55集団について野外調査を行った.同節に関する過去の研究はいずれも量的形質の評価が不十分であるため,本研究では今まで用いられてきた形質,新たに採用した形質の評価に加え,花の量的形質に基づく多変量解析を行った.その結果,形態より区別できる8型が認識された.日本の同節はまず萼筒内壁のカラーパターンで2型に分けられ, D 型は全面暗紫色なのに対し, L 型は基底部は暗紫色,中央部は黄緑色ないし淡紫色,萼筒開口部は暗紫色ないし白色だった. D 型はさらに萼筒内壁,萼裂片内面の毛の細胞数,雄蕊・雌蕊の数で D1-D4 の4型に分けられ, L 型は萼筒の形態,萼筒開口部の大きさ,萼裂片の形態,サイズで L1-L4 の4型に分けられた.この8型はほぼ異所的に分布し,それぞれ独立の分類群に値するまとまった地域集団と推定された.
著者
遠藤 次郎 中村 輝子
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.193, pp.1, 1995 (Released:2021-08-27)

It has been said that the tridosha theory in Ayurveda originated from the theory of the three elements of the universe. The names of these three doshas, which are roughly equivalent to humour, are vata (wind), pitta (bile), and kapha (phlegm), corresponding to the three elements of the universe: air, fire, and water. On the other hand, Buddhist medicine which has a close relation to Ayurveda is based on the theory of the four elements of the universe which includes the earth as well as the three elements mentioned above. Greek medicine on the other hand, is founded on the theory of the four humours, i. e. blood, yellow bile, black bile, and phlegm. Furthermore, even in Ayurveda, like in "Sushruta Samhita", the theory of the four humours can be found: This includes the abovd-mentioned tridosha plus blood as the forth humour. "Timaios" by Plato also mentions this. We compared these various theories and pointed out that the tridosha theory had its origin in the theory of the four elements of the universe. The process of the formation of the tridosha theory is considered as follows:(1) "Earth" was segregated from the four elements of the universe owing to its solid properties, and was rearranged into the seven elments of the body called "dhatu"; and the other three elements, uwatern, "fire", and "air",were integrated as the tridosha theory, namely, the theory of the three humours, owing to th&r properties of fluid; (2)"Blood", assigned to the element of "earth", was segregated from the tridosha because "blood" was considered to be comprised of the properties of every humour without having its own peculiar properties. Therefore, the diseases caused by deranged "blood" were regarded as an aggregate disease caused by the other three deranged humours. Then the category of the disease, caused by deranged "earth", did not appear.
著者
大場 堂信 赤沢 佳代子 二宮 洋介 桐野 晃教 明丸 倫子 石本 智子 戸野 早由利 中村 輝夫 片岡 正俊 篠原 啓之 木戸 淳一 永田 俊彦
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.307-313, 2000-12-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

わが国で腎不全により人工透析を受けている患者は現在約18万人いると言われている。透析処置では腎臓のすべての機能を補うことはできず, 例えばエリスロポエチンの産生やビタミンD3の活性化といった生体にとって重要な反応が行われなくなる。これらの腎機能障害に由来した骨病変は透析患者にみられる主要な副作用の一つである。著者らは人工透析処置を受けている慢性腎不全患者は歯周病に対する感受性の高い集団ではないかと考え, その関連を追求するために透析患者38名の歯周組織診査を行った。対照群として同年代の健常者42名を選び, 同様の歯周組織診査を行った。CPITN (歯周治療必要度指数) を調べた結果, 透析患者群は対照群より高い値を示した (2.4±0.1 vs. 1.9±0.1; p<0.05)。CI-S (簡略化歯石指数) では, 2群間に有意差は認められなかった。欠損歯数では, 透析群の方が2.2倍多かった (6.1±1.3 vs. 2.8±0.8; p<0.05)。次に, 透析期間の違いによって患者を4グループに分けて分析したところ, 指標値に差は認められなかった。また, 透析患者の血中PTH (副甲状腺ホルモン) 濃度と歯槽骨レベルならびにCPITNとの相関を調べたが, 有意な相関は見い出せなかった。一方, 透析患者38名のうち7名が糖尿病由来で人工透析に至った患者 (糖尿病性腎症) であり, これらの患者のほとんどに重度の歯周炎が認められ, 残り31名の透析患者と比較すると, 欠損歯数の増加 (15.9±3.6 vs. 3.9±1.1; p<0.05) および歯槽骨レベル (%) の低下 (58±60 vs. 79±1; p<0.05) が認められた。さらに, 糖尿病性腎症以外の透析患者31名と対照群とを比較した場合, CPITNにおいて有意差が認められ (2.3±0.1 vs. 1.9±0.1; p<0.05), 糖尿病性腎症を除いた透析患者においても健常者より歯周病罹患度が高いことが示された。以上の結果から, 人工透析処置を受けている慢性腎不全患者の歯周病罹患度は健常人より高く, 慢性腎不全が歯周病のリスクファクターになりうる可能性が示唆されるとともに, 人工透析処置を受けている糖尿病性腎症患者はそれ以外の疾患由来の患者よりも重度の歯周病を有する傾向が強いことが示された。
著者
岡本 匡史 山内 徹 矢野 駿太郎 黒瀬 直孝 川北 貞夫 高橋 康次郎 中村 輝也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.827-832, 1999-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

(1) 清酒中の溶存酸素の保存中での消費速度はビンの色によって異なり, 無色透明ビンのような光透過量の多いビンに詰めた清酒の溶存酸素は速く消費された。(2) 光透過量が多い容器では, 溶存酸素を低減させることにより日光着色を顕著に抑制できた。しかしながら, 日光臭が強く発生して品質が悪くなった。(3) 光透過量の少ない褐色ビン, 黒色ビンおよび緑色ビンの場合, 初発の溶存酸素濃度が従来清酒と同程度 (3.2ppm) であれば, 保存中に老香, 雑味, 着色が増加した。また, 低すぎる (0.7PPm) と苦味, えぐ味および日光臭が発生した。これらの結果から, その間の溶存酸素濃度の中に品質維持に最適な濃度が存在するものと考えられた。(4) 最適な溶存酸素濃度は褐色ビンと黒色ビンでは2.0 ppm前後, 緑色ビンでは2.0 ppmよりも高いところにあり, この溶存酸素濃度に清酒を調整して詰口を行うことによって, 詰口時の品質を流通段階で長く維持できると考えられた。
著者
中村 輝石
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

到来方向に感度を持つ暗黒物質探索実験において、新しい出器NEWAGE-0.3b'開発・生能評価を行ったのちに神岡地下で探索実験を行った。この検出器は、2010年に行われた前回の測定時に比べると次のような改良が施されている。①角度分解能と標的質量から最適化されたドリフト長40㎝とμ-prcを完全に覆うことができるGEMを用いて2倍の体積がある。②低圧ガスを用いることでより短い飛跡に関しての角度分解能を定義できることにより、エネルギー閾値が100keVから50keVに低減している。③新しいデータ取得システムの導入により、飛跡の形状が持つエネルギー損失の情報を用いてガンマ線バックグラウンド事象を効果的に除去できる。④冷却活性炭を用いたガス循環システムと検出器内のドリフトケージを低バックグラウンド素材であるPEEKに置き換えることでバックグラウンド源であるラドンの量を1/50以下に低下できる。2013年の7月から11月にかけて0.327㎏・daysの測定を行い、その間安定性を確認するために定期的にエネルギー校正や検出効率の測定を行った。測定の結果、200GeV/c2の質量の暗黒物質に対して577pbのSD散乱断面積の上限を得た。これは、前回測定時より約10倍感度が高く、方向に感度を持つ実験における世界最高感度を更新した。また、Geant4のシミュレーションを用いて残存バックグラウンド事象について詳細な調査を行い、画像検出器として用いているμ-PICの絶縁体部に含まれる放射性不純物の寄与が大きいことを突き止めた。今後、低バックグラウンドμ-PICの開発が進むとさらに10倍の感度向上が見込まれ、DAMAの主張する領域の探索が可能となる見通しを作った。
著者
阿形 清和 中村 輝
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本研究では、全能性・多能性をもつ幹細胞や生殖細胞の制御にRNAがどのように関わっているのかを明らかにすることを目標としている。特に、幹細胞や生殖細胞の細胞質に、なぜ巨大なRNA-タンパク質複合体があるのか、その必然性と生物学的な意味について明らかにすることを目標とした。近年の研究は、それらの巨大RNA-タンパク質複合体が翻訳制御に関与している可能性と、核内のクロマチン構造を制御している可能性の2つを示唆している。共同研究者である中村らは、ショウジョウバエを使って生殖細胞における翻訳制御の重要性を遺伝学的・生化学的に示すことに成功した。一方、プラナリアにおいては、幹細胞で発現しているRNA結合タンパク質について網羅的に調べたところ、細胞質に存在するものと核内に分布するものの両方があり、それらをRNAi法で機能解析したところ、他の遺伝子の発現に影響を与えるものや、幹細胞そのものが消失するものが得られた。これらの結果は、幹細胞の制御にRNAが多岐にわたってダイナミックに関わっていることを示唆しており、今後は生化学的なアプローチを組み入れて解析していくことが必要であることが明らかとなった。

1 0 0 0 OA 樹木と重力

著者
中村 輝子 吉田 正人
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.123-131, 2000 (Released:2006-02-01)
参考文献数
67
被引用文献数
6 5 6

: In this review, we attempted to summarize the effect of gravity on growth of woody plants, broad leaved trees, on earth. It is well known that in tilted broad leaved trees, tension wood formed in the secondary xylem causes negative gravitropism. Gibberellin has been shown to induce tension wood in weeping branch, causing its upright growth. Recent study has shown that seedling of Japanese cherry tree grew on three dimensional clinostat, a device that simulates microgravity, grew at random angles, and that the formation of secondary xylem, as supporting tissue for upright growth, decreased. In the decreased xylem formation, the inhibition of the differentiation and development of fiber cell was clearly observed. These results suggest that in attitude control and morphogenesis of stem in woody plant, secondary xylem formation seriously relates to gravity on earth. In woody plant, the mechanism of gravity perception and the following signal transduction have not yet been elucidated, although the recent study reported the possibility that endodermal starch sheath cells and plant hormones may play some role in the mechanism. Space experiment is expected to study these problem.
著者
中村 輝子
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.144-148, 2003 (Released:2006-01-31)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Using the weeping branch of Japanese flowering cherry tree and its woody stem of the seedling grown under simulated microgravity condition by three dimensional clinostat, it was elucidated that the morphogenesis of its secondary xylem supporting the plant itself to grow upward is seriously controlled by gravity on earth with a sedimentable amyloplast as its sensor. Space experiment of woody plant is expected to elucidate such problem.