著者
久野 靖 小泉 力一 宮寺 庸造 夜久 竹夫
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.111-118, 2014-08-17 (Released:2015-02-03)

今日のわが国の情報教育は、その目標である「情報活用能力」の内容を、「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議」が 1997 年 10 月に公表した第 1 次報告 [1] に記された 3 観点としてきた。しかし、同報告の公表から既に 17 年を経過し、この間の情報技術や社会状況の変化を考えれば、この定義を見直すべき時期 が来ているといえる。近年、学術会議を中心に策定されつつある「情報学」の参照基準では、コンピューティングが多様な情報学の分野を横断する共通概念になっていることから、「情報活用能力」も「コンピューティング」を加えた新たな形となるべきだと考える。さらに、小学校・中学校・高等学校の各段階でどのような内容を経て「情報活用能力」を育成していくかについても提案をおこなう。 ICT education in Japan is centered around “ICT capabilities” and three subgoals, which were defined in October 1997 report published by the ministery of education. However, as fifteen years have passed since publication and ICT situations have drastically chaned, we should review those gooals by now. Recently, reference standard in informatics are being defined by science council of Japan. In this standard, “computing” is the core concept which combines various fields of informatics, and we think that ICT ca-pabilities should conform to this position. In this paper, we propose modfications to the subgoals of ICT capabilities. We also show staged calculum outline from elementaly schools to highschools.
著者
辰己 丈夫 兼宗進 久野 靖
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.123(2005-CE-082), pp.77-84, 2005-12-10

筆者の一人である辰己は2001年のCE研究会で「情報教育の音楽化」という題名で発表を行ない、情報教育の中で楽譜処理を利用できることを指摘した。一方、兼宗・久野は、タートルグラフィクスを土台にオブジェクト指向を取り入れた教育用プログラミング言語「ドリトル」を開発していた。ドリトルには以前より音楽演奏機能が追加されていたが、本格的な教育への応用は行っていなかった。これを利用したプログラミング教育を実践してみたいという辰己とドリトルを開発している兼宗・久野の3名が、ドリトルの演奏機能に大幅な演奏機能の拡充を行なった。本発表では、「情報教育の音楽化」の概要、ドリトルにどのような拡充が行なわれたのかなどについて説明をするとともに、教材例・授業例の提示などを行なう。
著者
久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.352-355, 2014-03-15
著者
中野 由章 中山 泰一 筧 捷彦 萩谷 昌己 久野 靖 角田 博保 辰己 丈夫
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.100-105, 2021-08-21

高等学校共通教科情報科は,2025 年度大学入学共通テストから出題されることが大学入試センターと文部科学省から発表されている.しかし,その検討素材としては,大学入試センターが 2020 年に示した試作問題(検討用イメージ)と 2021 年に公開したサンプル問題しかない.そこで,2022 年度から高等学校で始まる「情報Ⅰ」の授業内容の構築に資するべく,1997 年度大学入試センター試験から出題されている「情報関係基礎」の問題を分類し,高等学校共通教科情報科との対応を試みた.
著者
中山 泰一 中野 由章 久野 靖 和田 勉 角田 博保 萩谷 昌己 筧 捷彦 Yasuichi Nakayama Yoshiaki Nakano Yasushi Kuno Ben Tsutom Wada Hiroyasu Kakuda Masami Hagiya Katsuhiko Kakehi
出版者
IOI, Vilnius University
雑誌
Olympiads in Informatics (ISSN:18227732)
巻号頁・発行日
no.12, pp.177-185, 2018
被引用文献数
2

In March 2018, the Japanese Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology revised the curriculum guidelines for high school, which will be applied in 2022. The subject of Informatics has been drastically changed; ‘Informatics I’ and ‘Informatics II’ have a predominantly scientifc approach. This could be problematic given that a lot of ‘temporary teachers’ and ‘teachers without a proper license’ teach Informatics, and more than half of the teachers that teach Informatics are in charge of multiple subjects. So, it may be diffcult to implement new curriculum in the dozens of prefectures that have few teachers who specialize in Informatics. We report on the problems our investigation revealed.
著者
久野 靖 和田 勉 中山 泰一 Yasushi Kuno Tsutomu Wada Yasuichi Nakayama
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. 教育とコンピュータ = IPSJ transactions. TCE
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.48-61, 2015-06-19 (Released:2016-07-25)

情報および情報技術は現代社会の基盤となっており,社会の構成員がこれらの内容を身につけてから社会に出ることが重要となってきている.世界の多くの国がこのため,情報教育に注力してきているが,それらの内容とわが国の現状には隔たりがある.本稿では積極的な情報教育を進めている各国の状況を整理・分析し,そのうえでわが国の情報教育が目標とすべきことと,初等中等段階における情報教育の体系的なカリキュラムについて提案する.
著者
中山 泰一 中野 由章 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 和田 勉 萩谷 昌己 筧 捷彦 Yasuichi Nakayama Yoshiaki Nakano Hiroyasu Kakuda Yasushi Kuno Mitsugu Suzuki Tsutomu Wada Masami Hagiya Katsuhiko Kakehi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. コンピュータと教育 (CE)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-131, no.11, pp.1-9, 2015-10-03 (Released:2016-07-25)

本論文では、高等学校情報科の教科担任の現状を明らかにするため、都道府県教育委員会における臨時免許状の授与と、免許外教科担任の許可の状況を調査した。その調査結果を報告するとともに、わが国の情報教育のありかたについて考察する。
著者
中山 泰一 中野 由章 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 和田 勉 萩谷 昌己 筧 捷彦 Yasuichi Nakayama Yoshiaki Nakano Hiroyasu Kakuda Yasushi Kuno Mitsugu Suzuki Tsutomu Wada Masami Hagiya Katsuhiko Kakehi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. コンピュータと教育 (CE)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-131, no.11, pp.1-9, 2015-10-03

本論文では、高等学校情報科の教科担任の現状を明らかにするため、都道府県教育委員会における臨時免許状の授与と、免許外教科担任の許可の状況を調査した。その調査結果を報告するとともに、わが国の情報教育のありかたについて考察する。
著者
兼宗 進 御手洗 理英 中谷 多哉子 福井 眞吾 久野 靖
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SIG11(PRO12), pp.78-90, 2001-11-15

情報社会の急速な発展にともない,初中等教育の中で情報の比重が高まっている.計算機の働きを最も効果的に学ぶ手段の1 つはプログラミングを体験することであるが,教育現場ではBasic やLogoといった数世代前の言語が使われることが多く,現代のソフトウェアシステムの理解につながらないという問題が存在する.本稿では,初中等教育での利用が可能なプログラミング言語「ドリトル」およびその実行系の設計と実装について述べる.ドリトルはオブジェクト指向言語であり,あらかじめ用意された各種のオブジェクトを活用した教育を可能とする一方,Self 言語と同様のプロトタイプ方式の採用により,クラスや継承などの高度な抽象概念の理解を不要にしている.その他,変数や命令語などの識別子と記号が日本語文字で統一されている,メソッドを属性と統合的に扱えるといった特徴を持つ.処理系はJava2 で書かれたインタプリタとして実装し,教育現場のさまざまな環境で動作できるようにした.
著者
中山 泰一 中野 由章 久野 靖 和田 勉 角田 博保 萩谷 昌己 筧 捷彦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.9, pp.1-7, 2016-06-25

情報科の教科担任の現状を明らかにするため,筆者らは臨時免許状の授与と免許外教科担任の許可の状況を調査してきた.情報科では,臨時免許状や免許外教科担任が多用されている.また,普通免許状の保有者でも半数以上の教員が他の教科を担当している状況である.
著者
久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.340-343, 2016-03-15

近年注目を集めているプログラミング教育/学習について,その理念や特徴について文責するとともに,「何を目標とすべきか」について世の中で言われていることを列挙・検討し,学校段階や専門の違いに応じた「目標とすべきこと」の選択について提案を行っている.
著者
大木 敦雄 久野 靖 角田 博保 粕川 正充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. OS,[システムソフトウェアとオペレーティング・システム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.43-47, 1997-06-05
参考文献数
7

キーボードを有しないペンコンピュータでも、従来のUnix環境をそのまま利用できることを示す。T-cubeやUniStroke等のペン入力方式でキーボードと等価な入力機能をカーネルレベルやXクライアントとして実現すれば、キーボードベースのインタフェースを何ら変更することなく利用できる。
著者
辰己 丈夫 稲垣 俊介 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 高橋 尚子 中野 由章 和田 勉
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.261-268, 2023-08-11

筆者らは、情報処理学会情報入試委員会の委員として、情報入試の問題案や、過去に出題された情報関係基礎の問題の解説などを掲載する情報処理学会会誌note 「教科「情報」の入学試験問題って?」に関わってきた。この連載を通して、筆者らは、情報科の入試問題について、経験的な知見などを得た。過去に出題された「情報関係基礎」の問題、大学入試センターから発表されている試作問題等、その他の各問題について述べ、また、学習と試験の観点、情報科の内容との関係、問題の評価観点との関係、他教科・他科目における状況、他国における状況を議論した。入試で問うべき観点は、「思考力・判断力・表現力」を重視すべきであり、学習指導要領の範囲であっても、範囲外であっても、知っていると簡単に正解を得ることができるような問題は好ましくない、との結論を得た。
著者
辰己 丈夫 稲垣 俊介 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 高橋 尚子 中野 由章 和田 勉
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.262-269, 2023-08-11

筆者らは、情報処理学会情報入試委員会の委員として、情報入試の問題案や、過去に出題された情報関係基礎の問題の解説などを掲載する情報処理学会会誌note 「教科「情報」の入学試験問題って?」に関わってきた。この連載を通して、筆者らは、情報科の入試問題について、経験的な知見などを得た。過去に出題された「情報関係基礎」の問題、大学入試センターから発表されている試作問題等、その他の各問題について述べ、また、学習と試験の観点、情報科の内容との関係、問題の評価観点との関係、他教科・他科目における状況、他国における状況を議論した。入試で問うべき観点は、「思考力・判断力・表現力」を重視すべきであり、学習指導要領の範囲であっても、範囲外であっても、知っていると簡単に正解を得ることができるような問題は好ましくない、との結論を得た。