著者
西田知博(大阪学院大)井戸坂幸男(松阪市立飯南中)兼宗進(一橋大)久野靖
雑誌
情報教育シンポジウム2008論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, no.6, pp.179-186, 2008-08-12

「コンピュータサイエンスアンプラグド」は.理解が難しいと思われている情報科学を体験的に学ぶことができる教育方法である.その実践では,ゲームなどの「体験」を通じ,生徒たちが情報科学を興味深く,意欲を持って学習できていることが検証されている.本稿では,CSアンプラグドの構造を分析し.その特長を明らかにするとともに,その分析に基づきデザインパターンテンプレート「CSアンプラグドパターン」を提案する.本パターンは教育方法を新たに考案したり,既存の教育方法を改良する際に,CSアンプラグドに見られる利点を持たせるための指針や評価方法として効果的であることが期待される.さらに,独白教材「伝言ゲーム」の紹介とCSアンプラグドパターンを用いた検証を行い,提案したデザインパターンテンプレートの有用性を評価する.
著者
内田 奈津子 久野 靖 中山 泰一 Uchida Natsuko Kuno Yasushi Nakayama Yasuichi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1393-1414, 2021-07-15

現代社会において,プログラミングは義務教育の1つとなり,誰もが学ぶべきものとなったが,高等教育においては,プログラミングの内容を含む必須カリキュラムの実施には至っていない.新しいカリキュラムでは,言語を学びコードが書けるようになることを目的とするのではなく,プログラミングの概念を学び,その原理を理解することに加え,プログラムを活用するために,ソフトウェア開発プロジェクトの知識を含める必要があると考えた.著者らは,1科目のみで構成する,誰もが学ぶべき入門レベルのカリキュラムと位置づけ,プログラミング入門にPBL(Project-based Learning)を組み合わせた方法を提案し,この提案に基づき2単位90分15回のカリキュラムを構築した.本論文では,プログラミング入門にPBLを組み合わせたカリキュラムを設計・構築し,実践授業から得られたデータ(コンピテンシー評価,履修者の課題や最終レポートなどの提出物)をもとにカリキュラムの妥当性を検証した.
著者
赤澤 紀子 久野 靖 Noriko AKAZAWA Yasushi KUNO
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1126-1129, 2020-11

学習指導要領の改訂により,2020年度から小学校でプログラミングが必須の内容になった.2022年から高等学校でも「情報I」が必履修になり,全員がプログラミングを学ぶことになる.今後,プログラミングについて,強い意欲を持つ高校生も今以上に増えると考えられる.そこで,筆者らは,大学の初年次情報基礎科目の内容を,そのままe-ラーニングにより提供する「大学授業科目先取学修」の環境を整備し,「高大連携・基礎プログラミング」を実施した.これらは,プログラミングに興味のある,進んだ内容を学びたい高校生に活用してもらうことを目的としている.本稿では2019年度の実施について報告する.
著者
谷 聖一 佐久間 拓也 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介;中野由章 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.7-14, 2016-08-15

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013年と2014年に引き続き,2015年と2016年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した.「大学情報入試全国模擬試験」の目的は,「どのような試験方法、どのような範囲・内容・水準の問題が適切であるかについて意見を交換し、その成果として具体的な入試問題の試作を行い世の中に公開すること」ことであった.2015年実施の模試には約2000名の高校生が,また,2016年実施の模試には約750名の高校生が参加した.本報告では,その実施概要と結果について報告する.適切な範囲・内容・水準を確立するためのの議論の素材となりうる具体的な入試問題を提示したという点で,目的をある程度達成できたといえる.
著者
赤澤 紀子 久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1126-1129, 2020-10-15

学習指導要領の改訂により,2020年度から小学校でプログラミングが必須の内容になった.2022年から高等学校でも「情報I」が必履修になり,全員がプログラミングを学ぶことになる.今後,プログラミングについて,強い意欲を持つ高校生も今以上に増えると考えられる.そこで,筆者らは,大学の初年次情報基礎科目の内容を,そのままe-ラーニングにより提供する「大学授業科目先取学修」の環境を整備し,「高大連携・基礎プログラミング」を実施した.これらは,プログラミングに興味のある,進んだ内容を学びたい高校生に活用してもらうことを目的としている.本稿では2019年度の実施について報告する.
著者
赤澤 紀子 久野 靖
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1126-1129, 2020-10-15

学習指導要領の改訂により,2020年度から小学校でプログラミングが必須の内容になった.2022年から高等学校でも「情報I」が必履修になり,全員がプログラミングを学ぶことになる.今後,プログラミングについて,強い意欲を持つ高校生も今以上に増えると考えられる.そこで,筆者らは,大学の初年次情報基礎科目の内容を,そのままe-ラーニングにより提供する「大学授業科目先取学修」の環境を整備し,「高大連携・基礎プログラミング」を実施した.これらは,プログラミングに興味のある,進んだ内容を学びたい高校生に活用してもらうことを目的としている.本稿では2019年度の実施について報告する.
著者
中野 由章 中山 泰一 筧 捷彦 萩谷 昌己 久野 靖 角田 博保 辰己 丈夫 Yoshiaki Nakano Yasuichi Nakayama Katsuhiko Kakehi Masami Hagiya Yasushi Kuno Hiroyasu Kakuda Takeo Tatsumi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
no.2021, pp.100-105, 2021-08-21

高等学校共通教科情報科は,2025 年度大学入学共通テストから出題されることが大学入試センターと文部科学省から発表されている.しかし,その検討素材としては,大学入試センターが 2020 年に示した試作問題(検討用イメージ)と 2021 年に公開したサンプル問題しかない.そこで,2022 年度から高等学校で始まる「情報Ⅰ」の授業内容の構築に資するべく,1997 年度大学入試センター試験から出題されている「情報関係基礎」の問題を分類し,高等学校共通教科情報科との対応を試みた.
著者
内田 奈津子 久野 靖 中山 泰一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1393-1414, 2021-07-15

現代社会において,プログラミングは義務教育の1つとなり,誰もが学ぶべきものとなったが,高等教育においては,プログラミングの内容を含む必須カリキュラムの実施には至っていない.新しいカリキュラムでは,言語を学びコードが書けるようになることを目的とするのではなく,プログラミングの概念を学び,その原理を理解することに加え,プログラムを活用するために,ソフトウェア開発プロジェクトの知識を含める必要があると考えた.著者らは,1科目のみで構成する,誰もが学ぶべき入門レベルのカリキュラムと位置づけ,プログラミング入門にPBL(Project-based Learning)を組み合わせた方法を提案し,この提案に基づき2単位90分15回のカリキュラムを構築した.本論文では,プログラミング入門にPBLを組み合わせたカリキュラムを設計・構築し,実践授業から得られたデータ(コンピテンシー評価,履修者の課題や最終レポートなどの提出物)をもとにカリキュラムの妥当性を検証した.
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。
著者
河原 達也 筧 捷彦 和田 勉 久野 靖 辰己 丈夫
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.270-277, 2016-02-15

2015年8月末,本会の元会長であり,現在は日本学術振興会理事長である安西祐一郎先生へのインタビューが行われた.安西先生は,現在は文部科学省に設置された高大接続システム改革会議の座長である.本会からは,河原達也(教育担当理事/京都大学),筧捷彦(教育委員会委員長/早稲田大学),和田勉(初等中等教育委員長/長野大学),久野靖(会誌編集委員/筑波大学),辰己丈夫(会誌編集委員/放送大学),および事務局から後路が参加した.
著者
和田 英一 久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.494-499, 2020-04-15

木村泉氏は我が国のソフトウェア工学の発展に尽力され,また多くの訳書・著書により,一般に広くコンピュータサイエンスのことがらを伝えた伝導師でもあった.本文では木村氏の多岐にわたる活動を改めて振り返り,その足跡を記録するものである.
著者
中谷 多哉子 兼宗 進 御手洗 理英 福井 眞吾 久野 靖
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.1610-1624, 2002-06-15

初中等教育での情報教育の準備が進められている.オブジェクトストームとは,コンピュータへの興味を持たせつつ,楽しませながら,オブジェクト指向プログラミングを介してコンピュータの基本的な原理を理解させる情報教育コンセプトである.ドリトルは,オブジェクトストームに基づいて開発された日本語オブジェクト指向プログラミング言語である.ドリトルは,オブジェクトの効果的な見せ方の1つとして,タートルグラフィックスを含む図形環境を提供しており,簡潔で分かりやすい文法を持っている.本稿では,中高校生を対象に行った実験授業の成果を示すとともに,オブジェクトストームの概念を紹介し,ドリトルの教育効果と可能性について議論する.
著者
久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.244-247, 2019-02-15

アブストラクト:大学初年次のプログラミング教育の事例として,電気通信大学の「基礎プログラミングおよび演習」の内容とその運営指針について説明している.科目の設計に際しては,これまでのプログラミング教育に見られた問題点を省みて,「離陸ファースト」をはじめ多くの独自の指針を設定している.
著者
久野 靖
雑誌
夏のプログラミング・シンポジウム2012「ビューティフルコード」報告集
巻号頁・発行日
pp.35-46, 2013-01-11

プログラムのコードは美しくなければいけない、とは昔から言われていることである。かっては「よいプログラムを書くための指針」のような本がいくつもあり、そのようなテーマの議論も普通になされていたが、今日ではそれがあまり見られなくなっているように感じられる。なぜそうなのか、「指針」論は不要なのかということと併せて、本稿では今日における「指針」について議論の題材を提供することを試みる。
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08 (Released:2016-12-22)

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17 (Released:2015-02-03)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。 The working group in IPSJ and the study group for “exam for university entrance on information study” carried out nationwide trials of “exam for university entrance on information study” in 2012 and 2013. 920 senior high school students, most of who were the 1st graders participated in these trials and the authors analyzed the result. As a result, the score distribution, answering time and the number of questions in the trials were all so appropriate, and no problems were seen on the degree of difficulty or the range of the questions actually set. However, some issues about its contents have been revealed; especially the theme of programming skills in “scientific understanding of information” is judged to have a problem. That is, there may be the perception gap between the university side and the high school side; the contents a university requires this subject don’t meet with those high school students are to learn in class of information study. This is not the issue only the exam for university entrance on information study involves, but that we have to deal with after considering “educational contents” comprehensively, high school through university, and from various angles.