著者
久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.352-355, 2014-03-15 (Released:2014-03-10)
著者
谷 聖一 佐久間 拓也 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介;中野由章 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.7-14, 2016-08-15 (Released:2016-08-05)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013年と2014年に引き続き,2015年と2016年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した.「大学情報入試全国模擬試験」の目的は,「どのような試験方法、どのような範囲・内容・水準の問題が適切であるかについて意見を交換し、その成果として具体的な入試問題の試作を行い世の中に公開すること」ことであった.2015年実施の模試には約2000名の高校生が,また,2016年実施の模試には約750名の高校生が参加した.本報告では,その実施概要と結果について報告する.適切な範囲・内容・水準を確立するためのの議論の素材となりうる具体的な入試問題を提示したという点で,目的をある程度達成できたといえる. The working group in IPSJ and the study group for "exam for university entrance on information study" held nationwide trials of "University entrance examination on information study" in 2015 and 2016. The number of senior high school student participants in the trial in 2015 is about 2000, and the number in 2016 is about 750. We report the outline of implementation of the trials.
著者
久野 靖 小泉 力一 宮寺 庸造 夜久 竹夫
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.111-118, 2014-08-17

今日のわが国の情報教育は、その目標である「情報活用能力」の内容を、「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議」が 1997 年 10 月に公表した第 1 次報告 [1] に記された 3 観点としてきた。しかし、同報告の公表から既に 17 年を経過し、この間の情報技術や社会状況の変化を考えれば、この定義を見直すべき時期 が来ているといえる。近年、学術会議を中心に策定されつつある「情報学」の参照基準では、コンピューティングが多様な情報学の分野を横断する共通概念になっていることから、「情報活用能力」も「コンピューティング」を加えた新たな形となるべきだと考える。さらに、小学校・中学校・高等学校の各段階でどのような内容を経て「情報活用能力」を育成していくかについても提案をおこなう。
著者
辰己 丈夫 兼宗進 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.123, pp.77-84, 2005-12-10
被引用文献数
4

筆者の一人である辰己は2001年のCE研究会で「情報教育の音楽化」という題名で発表を行ない、情報教育の中で楽譜処理を利用できることを指摘した。一方、兼宗・久野は、タートルグラフィクスを土台にオブジェクト指向を取り入れた教育用プログラミング言語「ドリトル」を開発していた。ドリトルには以前より音楽演奏機能が追加されていたが、本格的な教育への応用は行っていなかった。これを利用したプログラミング教育を実践してみたいという辰己とドリトルを開発している兼宗・久野の3名が、ドリトルの演奏機能に大幅な演奏機能の拡充を行なった。本発表では、「情報教育の音楽化」の概要、ドリトルにどのような拡充が行なわれたのかなどについて説明をするとともに、教材例・授業例の提示などを行なう。In 2001, Tatsumi pointed out that the musical methodology is useful in computer literacy education. Kanemune and Kuno developed ``Dolittle'' which is object oriented turtle graphics programming language for beginner. In 2005 September, Tatsumi wrote new specification in playing musical scores with Dolittle. Kanemune add new command and messages to Dolittle. In this paper, we describe our works and report about elementary class exercises in this November.
著者
兼宗 進 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.155-162, 2009-02-20
被引用文献数
1

コンピュータ科学を体験を通してわかりやすく学習するための教育手法である 「コンピュータサイエンスアンプラグド」 は、 2007 年に翻訳書が刊行されて以来、国内での利用が進んでいる。本発表では、現在の状況を報告し、今後の見通しを考察する。Computer Science Unplugged (CS unplugged) is an educational method of computer science for beginners. Since 2007, many schools are using it in informatics education in Japan. In this presentation, we will introduce now and future of CS unplugged.
著者
原田 康徳 勝沼 奈緒実 久野 靖
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1765-1777, 2014-08-15

近年,コンピュータプログラミングが小学校教育においても重要な教育テーマと見なされるようになりつつある.わが国においても,小学生を対象とした多くのプログラミング教育活動があるが,その大半は専門家が教え,多数のヘルパーがつくものであり,そのまま公立小学校などに導入することは難しい.本稿では東京都墨田区立緑小学校の課外活動である「みどりっ子クラブ」において,教育用プログラミング言語「ビスケット」を使用したプログラミング教育の事例について報告している.この活動は,1人ないし2人の非専門家の地域ボランティアによって,各回数名~数十名の児童を集めて3年半にわたり実施されているが,本稿で報告する教え方に関する多様な工夫やそれをサポートするビスケットシステムの工夫のおかげで,うまく機能している.評価として,参加児童の数名に対してインタビューを実施した結果,(1)子どもたちはコンピュータをブラックボックスではなくそのうえで自力で面白いものが作れるようなものだと認識するようになったこと,(2)プログラミング上のさまざまな「技」を進んで教え合っており,協同学習がうまく行われていることが示された.
著者
原田 康徳 勝沼 奈緒実 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1765-1777, 2014-08-15

近年,コンピュータプログラミングが小学校教育においても重要な教育テーマと見なされるようになりつつある.わが国においても,小学生を対象とした多くのプログラミング教育活動があるが,その大半は専門家が教え,多数のヘルパーがつくものであり,そのまま公立小学校などに導入することは難しい.本稿では東京都墨田区立緑小学校の課外活動である「みどりっ子クラブ」において,教育用プログラミング言語「ビスケット」を使用したプログラミング教育の事例について報告している.この活動は,1人ないし2人の非専門家の地域ボランティアによって,各回数名~数十名の児童を集めて3年半にわたり実施されているが,本稿で報告する教え方に関する多様な工夫やそれをサポートするビスケットシステムの工夫のおかげで,うまく機能している.評価として,参加児童の数名に対してインタビューを実施した結果,(1)子どもたちはコンピュータをブラックボックスではなくそのうえで自力で面白いものが作れるようなものだと認識するようになったこと,(2)プログラミング上のさまざまな「技」を進んで教え合っており,協同学習がうまく行われていることが示された.Recently, computer programming is being recognized as an important topic in elementary schools of the next decade. Even in Japan, various activities which teach programming to elementary school children are in progress. However, most of those activities are taught by professionals (of programming education), with supoort of many assistants; such activities cannot be ported as-is to public schools. In this paper, we introduce our experiences with "Viscuit" educational programming language on Midorikko-club, after-school activities held in Midori elementary school, Sumida-city, Tokyo. The activities, in which ten to several tens of children have attended, are led by small number (one or two) of local non-professional volunteers for more than three years. Thanks to the novel teaching method and supporting funcionalities of the Viscuit system, both described in this paper, the activity turned out to be very successful. As an evaluation, we have conducted interviews to some of the attended children, which has shown that (1) children have become to recognize that computers are not the blax boxes, but something on which they can create interesting things, and (2) they have become to enjoy teaching various programming techniques each other, thus realizing cooperative learning.
著者
兼宗 進 中谷 多哉子 御手洗 理英 福井 眞吾 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.81-81, 2004-05-15

近年,教育課程の改定により,小学校から高等学校までの初中等教育において,プログラミングを含む情報教育の導入が進められている.筆者らは,初中等教育で活用可能な教育用オブジェクト指向言語「ドリトル」を開発し,提案を行ってきた.本稿では,プログラムの中からオブジェクトをネットワーク間で複製・共有して扱うドリトルの拡張について報告する.この機能により,ある生徒がドリトルの任意のオブジェクトに名前を付けて公開したときに,他の生徒はそのオブジェクトを自分のプログラムに取り込んで再利用したり,共有して使ったりすることが可能になった.授業の中では,生徒が個人ごとに独立したプログラミングを行うだけでなく,複数の生徒が共同で作業する形のプログラミングを行うことが可能である.共有機能の実装は,Java2 で記述されたドリトルの処理系に,RMI(Remote Method Invocation)を用いた通信機能を組み込むことで拡張を行った.The Japanese government has been promoting IT education at elementary and secondary schools since 2002. In this presentation, we describe design and implementation of object sharing for "Dolittle" programming language. Students can release their objects into network in the classroom. Then other students can copy or share objects in their programs. By using object sharing, students not only can make program by oneself, but also can make program with collaboration. We implemented object sharing using Java RMI (Remote Method Invocation).
著者
井戸坂 幸男 兼宗 進 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.13, pp.49-56, 2008-02-16
参考文献数
2
被引用文献数
7

コンピュータを使わずに、情報科学を体験的に学ぶことができる「コンピュータを使わない情報教育アンプラグドコンピュータサイエンス」という情報教育の手法を用いた授業とその評価を報告する。授業は筆者の-人が中学校「技術・家庭」において実践し、授業で得られた学習カードや前後に実施したアンケートをもとに、授業の評価を行った。また、アンプラグド教材の有効性や 情報科学教育の必要性についても言及する。Computer Science Unplugged is a new educational approach, in which students learn principal concepts of computer science without computer.One of us have used it in the subject technologies and home economics in junior high-school classes. We have evaluated the effectiveness of the classes using study-cards and free description written by the students. In this presentation, we report our experiences and evaluations for the classes, with some discussions on the usefulness of the approach.
著者
久野 靖 角田 博保
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.721-730, 1990-05

近年,ソフトウェア開発環境を中心にウィンドウシステムの使用が一般化しつつある.これらのシステムの大部分では窓(ウィンドウ)の位置や大きさなどの制御にマウスを使用する設計になっているが,プログラム開発や文書作成などの場合は特に利用者が手をキーボードに置いていることが多く,マウスに手を移す負担は無視できない.この問題を解消する試みとして,筆者らはキーボードのみを使用して窓を操作する機構を X-Window Version 11 上に作成した.また,いくつかの典型的な窓操作をこの機構とマウスを使用する機構の両方で行い,そのタイミングデータを採取して検討した結果,キーボードのみによる窓操作が有効であるとの結果を得た.本論文ではまずウィンドウシステムにおける窓操作機構の位置づけについての検討を述べ,続いてその検討に基づいて筆者らが作成したキーボードのみを使用するウィンドウマネージャ kwm の設計と実現について説明する.続いて kwm の有効性を評価するために kwm をマウスを使用するウインドウマネージャ uwm と比較した実験について説明を行い,さらに実験結果の検討から上記の結論を導いている.
著者
久野 靖 佐藤 直樹 鈴木 友峰 中村 秀男 二瓶 勝敏 明石 修 関 啓一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.966-974, 1988-10

高性能個人用計算機向けOSを,データ抽象機能を持つ言語CLUを用いて開発した.本システムの基本設計は1985年秋に開始され,現在NEC PC-98XA/XL計算機上で中核部分(記憶域管理,プロセス管理,モジュール管理),ファイルシステム,CLUコンパイラ,ウィンドシステム,ネットワークモジュールおよびいくつかの応用プログラムが動作している.本システムは単一言語系の考え方を採用することにより,コンパクトで見通しのよいシステムにできた.またCLU言語のデータ抽象機能は,モジュール間の独立性を高め,分かりやすく構造化されたシステムとする上で効果があった.
著者
久野 靖 角田 博保
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.854-861, 1988-09

近年,ピットマップ画面とマウス装置を持ち,Unixオペレーティングシステムを搭載した高機能ワークステーションが多く見られるようになっている.しかし実際にこれらのシステムの使われ方を見ると,利用者は単にピットマップ画面上に複数の端末窓を開き,その上で作業をしているにすぎないことが多いように思われる.そこで筆者らはそのような環境の問題点を分析し,ごく少数のツールを作成することでその欠点を補うことを試みた.これらのツールは既存のUnix環境を置き換えるものではなく,Unixの多数の指令群と有機的に組み合わせて使えるようなものとした.これらのツール群は起動されると端末窓とは独立に窓を開き,そこに表示された情報は利用者が陽に指示するまで消えることなく利用可能である.これらのツール群により非常に多数の窓が作られるため,その有機的な関係を整理し使いやすくすることにも留意した.またこれらのツール群の有効性を調べるための簡単な模擬実験も行ったが,その結果,必要な情報がスクロールして消えて行ってしまうという端末窓の問題点が大幅に改善されたとの感触を得た.
著者
久野 靖
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.318-324, 1988-04
著者
久野 靖
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.515-523, 1984-07

計算機を使用して日本語文書を作成する方法の一つとして, かな分ち書きテキストから出発し, テキストごとに固有の辞書を用意し, つづり単位の置換えによって漠字かなまじりテキストを生成する, というものがある. このかな漢字変換方式をマクロ方式と呼ぶ. その特徴は, かなテキストを基本とするためテキストを能率よく入力, 編集できること, および変換方式が単純なため処理速度が速いことである. しかるに, マクロ方式では利用者自身がテキストごとの辞書を管理し, 同音異語に対する処置を行うので, その手間がどのくらいかは重要な問題である. そこで本文では, 翻訳書1冊分のデータを分析することにより, この問題に対する解答を与えることを試みる. その結果, 利用者が管理しなければならない辞書の項目数は書籍1冊でも数千程度で, しかもある程度以上大きなテキストについてはその数はテキストの大きさのせいぜい平方根程度でしかふえないこと, およびテキストの全つづりのうち, 同音異語に対する処置を個別に行わなければならないものの比率約1.2%であることがわかる. マクロ方式は用語の統一やつづり誤りの検出などを通じて文章を改良していく道具としても有効であるので, そのことを考え合わせると文章作成を中心とした日本語文書処理において有望であると結論される.