著者
井上 久夫
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.16, pp.23-32, 1979-06-30

端脚目,ヒメハマトビムシOrchestia platensis KROYERの胸部第7節背面に見られる斑紋が,4種の基本的斑紋型に分類された。斑紋の安定性を調べるため,長期間にわたって飼育観察が行われた結果,第一斑紋型は一貫して安定性を保つこと,また他の3種の斑紋型は,ときに相互移行をすることが明らかにされた。さらに,種内構造の分析の一端として,4種の斑紋型について第2触角の基部末端節と鞭状部の長さが測定され,両者の相対関係が各斑紋型の間で比較された。その結果,雌雄共に第1斑紋型と他の3種の斑紋型の間には,第2触角の相対成長に関しても明らかに相違が見られた。しかし,後者すなわち他の3種の斑紋型の間でははっきりした違いを見い出すことができなかった。これらの結果は,曰本の海浜に生息するヒメハマトビムシ個休群は,少なくとも二つの異なる形態型からなっていることを示唆するものと思われる。
著者
矢野 隆 井上 久雄 清水 康雄 新開 志帆 越智 政勝
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-58, 2002-04-01
被引用文献数
3 1

ユスラウメ台木栽培に適した品種を探索するため, モモ15品種を試作し, 収量, 乾物分配および枝幹横断面の性状について調査した.年平均収量は'千曲白鳳', 'あかつき', 'よしひめ', '川中島白桃'で多く'武井白鳳', '八幡白鳳', 'やまなし白鳳', '瀬戸内白桃'で少なかった.果実生産性の高い品種は他の部位の乾物重量も多かったのに対して, 生産性の低かった'八幡白鳳', 'やまなし白鳳', '竜鳳'は総乾物重も低く, 純生産量が少ないと考えられた.一方, '武井白鳳', '瀬戸内白桃'は果実生産量は少なかったが穂木部の幹への分配は多く, 総乾物重において高生産性品種との有意な差はなかった.穂木部における幹の性状と乾物生産についてみると, 皮部の面積割合の高い品種はおおむね穂木部乾物重が少なかった.衰弱しやすいとされる'川中島白桃'はF/L比が極めて高く, 果実への分配が特異的に多くなった.この物質分配の不均衡は, 樹勢衰弱を誘発させる一要因と考えられた.
著者
井上 久祥 益子 典文
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.43-54, 2008-02-28
被引用文献数
1

学校に基礎を置くカリキュラム開発の考え方にもとづいた情報教育のための授業改善のモデルを構想し、実際に地域の学校と連携して、情報教育の授業づくりや学校の情報化についての支援を行っている。本研究では、これら一連の活動が地域貢献に留まらず、大学講義の改善にも効果のあることを示す。具体的には、学校-大学間の連携で得られた実践知を大学の講義において伝達することを試みた。そして評価の結果、実践知のもつ「地域性」が講義受講者に影響を及ぼしていることが示唆された。We conceived the model of class improvement for ICT education which establish as a concept of School based curriculum. Through the supporting schools on Joetsu area, we obtained the effects of not only the support for teachers in school, but also the improvement of teacher training program for university students. The result of experiment in practice transmitting implicit knowledge from school teachers to university students, the effectiveness for understanding the school teacher's authentic activity was suggested.
著者
南 不二雄 井上 久遠
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.455-462, 1995-06-05

入射光の2倍のエネルギーが物質の励起エネルギーに共鳴(2光子共鳴)した際に,最低次の非線形光学過程である光第2高調波発生(SHG)現象は顕著な増大効果を示す.特に,非共鳴なSHGが発生しない偏光配置(禁制配置)では,SHGの共鳴増大効果がより顕著に観測できる.ここでは,半導体中でのSHG共鳴効果を偏光禁制配置で調べた例を解説し,この現象が半導体を調べる新しい,優れた分光方法を与えてくれることを示す.
著者
岩井 俊昭 古西 宏治 石井 勝弘 井上 久遠
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.70-74, 2002-02-15 (Released:2009-10-21)
参考文献数
17

The colloidal crystallization of fine particles is a phenomenon of great interest in connection with the research on the fabrication of photonic crystals. This paper describes a newly proposed method, in which self-arrangement and self-assembly of particles are generated under radiation force, i.e. gradient and scattering forces, and capillary force, respectively. The hexagonal structure in the Fourier-transformed patterns of 2D colloidal crystals shows that the triangular lattice structure is successfully fabricated by the proposed method. This paper is concerned with the principle of newly proposed method, capturing and self-arranging particles by radiation pressure, self-assembling particles by the desiccation process, the enlarging of colloid crystal, and the verification of the triangular lattice structure.
著者
矢野 隆 新開 志帆 井上 久雄 森口 一志
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.711-717, 2000-11-15
被引用文献数
4 3

ユスラウメ台木を用いたモモ栽培においては, '川中島白桃'では衰弱症状が発生しやすいが, 'あかつき'は衰弱症状の発生が少ない.そこでユスラウメ台木樹における衰弱症状発生に関わる要因を炭水化物栄養の面から明らかにするため, 普通台木とユスラウメ台木に接いだ両品種について, 細根, 1年生枝, 新梢, 葉のデンプンと可溶性糖類の季節的消長を比較した.休眠期のデンプン, 可溶性糖類の消長は, 同じ台木では, 品種による明らかな差はみられなかった.ただし, 両品種ともにユスラウメ台木樹では開花前の細根のデンプン含量が普通台木樹の半分程度であった.果実生育期のユスラウメ台木の'川中島白桃'における細根, 新梢のデンプン含量は果実生育期間を通じて普通台木のものより低かった.これに対して, 'あかつき'の細根, 新梢のデンプン含量は両台木間で顕著な差はみられなかった.これと同様な傾向は細根の総糖およびソルビトール含量についてもみられた.なお, 新梢の糖含量や1年生枝, 葉のデンプン, 糖含量等については, 両品種間で樹勢衰弱につながる顕著な差は認められなかった.これらの結果から, ユスラウメ台木の'川中島白桃'で衰弱症状が発生しやすい一つの原因は, 果実生育期における細根のデンプンおよびソルビトールや, 新梢におけるデンプンの欠乏によるものと考えられる.
著者
坪井 重雄 臼田 多佳夫 梶原 哲郎 井上 久司 塩原 康司
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.435-435, 1963-09-25

第29回東京女子医科大学学会総会 昭和38年10月6日(日曜日) 東京女子医科大学本部講堂
著者
南部 昌敏 浦野 弘 三橋 功一 小林 稔 井上 久祥 城間 祥子
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

知識伝達型、問題解決型、省察型の研修スタイルを必要に応じて組み合わせた「協働と省察の継続と積み上げによる校内教員研修標準モデル」を構築し、実践した結果、教員の授業力と児童の学力の向上及び学習習慣の習得が明らかとなった。校内教員研修の効果は、全ての教員の行動変容として表れ(レベル3)、教職員一丸となって学校組織全体の自律的な取り組みも実現した(レベル4)。また、ニーズに応じた多様な集合型研修を行った結果、どの研修でもワークショップ型研修は好意的に受け止められ、授業力の向上に向けた改善点の明確化に寄与したことが確かめられた。