著者
姫野 完治 長谷川 哲也 益子 典文
出版者
日本教師学学会
雑誌
教師学研究 (ISSN:13497391)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-35, 2019

本研究は,今後の教員養成・採用・研修を担う教師教育者の在り方を検討する上で基盤となる教師教育者の職務内容や教師発達観等を解明することを目的とする。そのため,国立教員養成系大学・学部および大学院において教員養成に携わっている研究者教員と実務家教員を対象として質問紙調査を行い,学校等における勤務の「経験なし研究者教員」と「経験あり研究者教員」,そして「実務家教員」の3群に分けて比較検討した。その結果,相対的に「実務家教員」は教育にかける時間が多いこと,「実務家教員」は授業や他機関との連絡調整において研究者教員と連携していること,「研究者教員」と比べて「実務家教員」の職務内容や教師発達観には,同僚性やコミュニティとの関わりが反映されていること等が明らかになった。
著者
姫野 完治 長谷川 哲也 益子 典文
出版者
日本教師学学会
雑誌
教師学研究 (ISSN:13497391)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-35, 2019 (Released:2019-07-08)

本研究は,今後の教員養成・採用・研修を担う教師教育者の在り方を検討する上で基盤となる教師教育者の職務内容や教師発達観等を解明することを目的とする。そのため,国立教員養成系大学・学部および大学院において教員養成に携わっている研究者教員と実務家教員を対象として質問紙調査を行い,学校等における勤務の「経験なし研究者教員」と「経験あり研究者教員」,そして「実務家教員」の3群に分けて比較検討した。その結果,相対的に「実務家教員」は教育にかける時間が多いこと,「実務家教員」は授業や他機関との連絡調整において研究者教員と連携していること,「研究者教員」と比べて「実務家教員」の職務内容や教師発達観には,同僚性やコミュニティとの関わりが反映されていること等が明らかになった。
著者
姫野 完治 益子 典文
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.139-152, 2015

教師の経験学習の特質を実証的に解明し,モデル化することを目的として,本研究では2つの調査研究を行った.研究Ⅰでは,教育行政職経験のある校長を対象として面接調査を行い,「経験から学習する状態」という視点で教師の学習を捉えられること,コミュニティにおける立ち位置の自覚と微修正が鍵となること等を見出した.その上で,教師の経験学習モデルを構築した.研究Ⅱでは,研究Ⅰで構築したモデルをふまえて,若手,中堅,ベテランの3名の教師のライフヒストリーを事例分析した.教師が経験から学習する状態になっているかどうかは,コミュニティ内の教師の立ち位置によって変動すること,教師の学習の状態を開く上で,学校外のコミュニティや勤務校の異動,自らの実践を対象化することが鍵になること等を明らかにするとともに,教師の経験学習モデルの妥当性と課題を示した.
著者
戸田 俊文 益子 典文 川上 綾子 宮田 敏郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.171-183, 2009
被引用文献数
1

現職の教員研修のねらいの一つは,研修の成果を日常の教育活動の改善に活かすことにある.そのためには,研修と実践を一定期間,継続的に実施することが有効である.しかし,通常の研修形態は,学習者が物理的に研修の場へ移動する集合研修が中心のため,研修後の教育実践の改善は個々の学習者に委ねられている.そこで,本研究では,遠隔研修の特性を活かし,学習者が具体的な教育改善の構想から実践を完了するまでの期間,継続的に学習者自身が研修と実践を行き来し,インストラクタや他の学習者と相互に関わり合いながら研修課題の解決を図っていく遠隔研修コースを,研修課題構成,インタラクション,研修のマネジメントの3つの要件を枠組みとして設計開発し,教育センターの研修において2年にわたる実践研究を行った.その結果,3つの要件について肯定的な結果が得られるとともに,効果的な運用のための条件として,研修課題構成においては,学習者すべての教育活動に共通するような一般性とともに個々の学習者が実践可能な課題であること,研修マネジメントでは,理論理解の局面においてはインストラクタと,実践化の局面では学習者間のインタラクションの活性化を目指すとともに,掲示板におけるインフォーマルな会話が共同体意識の醸成に有効であることが示唆された.
著者
加藤 直樹 村瀬 康一郎 益子 典文 松原 正也 伊藤 宗親 興戸 律子
出版者
岐阜大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

情報通信手段を活用した学校改善のための課題解決方略を,高等教育の取組を事例として検討し,より一般的な教育改善に対する教育経営工学の枠組みを検討した。このために,高等教育の取組として,岐阜大学の教育経営戦略について新たに調査分析を行い,学校教育でのこれまでの調査結果と比較検討して,教育改善を効果的に推進するための方略を検討した。具体的には,以下のように実施した。(1)高等教育における情報通信手段を活用した戦略的な取り組みについての調査分析とくに,教育改善の視点から導入された情報通信手段を中核にして検討し,学生や教員等の意識の変容等についての調査を試み,とくに学生からの取組期待が高く,指導者側の意識改革が肝要となることを指摘した。(2)教育課題に対して,情報通信手段に対する利用実態と期待の分析高等教育での取組は,組織的な教育改善と情報通信手段の位置づけ,及び具体的な方略を分析し,総合的な教育改善を支援するシステムとしての重要性が増していることがしてきされた。さらに,学校教育への適用の可能性について検討し,過去の取組経緯と照らしてCMIの取組を近年の情報通信技術の進展に対応させて検討する枠組みの構成が重要となることを示した。(3)情報通信手段の活用による教育改善の方略のための経営的モデルの検討情報通信手段は,情報共有,組織構成員及び関係者のコミュニケーションなどを支援する手法として活用されるが,学校教育における従来からの取組は基本的な枠組に大きな変化はないことから,過去の事例を「課題解決型の学校経営に関する教育工学的アプローチの開発」として研究資料に整理した。
著者
姫野 完治 益子 典文
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.139-152, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
28
被引用文献数
6

教師の経験学習の特質を実証的に解明し,モデル化することを目的として,本研究では2つの調査研究を行った.研究Ⅰでは,教育行政職経験のある校長を対象として面接調査を行い,「経験から学習する状態」という視点で教師の学習を捉えられること,コミュニティにおける立ち位置の自覚と微修正が鍵となること等を見出した.その上で,教師の経験学習モデルを構築した.研究Ⅱでは,研究Ⅰで構築したモデルをふまえて,若手,中堅,ベテランの3名の教師のライフヒストリーを事例分析した.教師が経験から学習する状態になっているかどうかは,コミュニティ内の教師の立ち位置によって変動すること,教師の学習の状態を開く上で,学校外のコミュニティや勤務校の異動,自らの実践を対象化することが鍵になること等を明らかにするとともに,教師の経験学習モデルの妥当性と課題を示した.
著者
姫野 完治 益子 典文 生田 孝至 吉崎 静夫 坂本 將暢 細川 和仁 三橋 功一 後藤 康志 古田 紫帆
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、学校及び研究者によって開発・推進された国内外の授業研究方法論をアーカイブ化すること、多様な授業研究の方法論を教師教育において活用可能なプラットフォームとして構築することを目的としており、本年度は次のような取り組みを行った。1)授業研究に関する文献および資料収集と類型案の作成:教育工学分野における授業研究のみならず、関連する他分野や学校現場で行われている授業研究方法について調査し、最終的に構築するプラットフォームの枠組みを検討した。2)稀有な授業研究方法を伝承するためのアーカイブ方法の検討:カード構造化法やプロッティンググラフ(藤岡)、オンゴーイング法(生田)、授業リフレクション(澤本)などをアーカイブ化するための方法について、解説・手順書だけでは伝わらない実践知を伝える手立てについて、伝統芸能のわざの伝承の観点から検討した。3)教師の思考過程を可視化するための主観カメラを用いた授業研究:既存の授業研究法の伝承に加え、最先端の情報機器を用いて授業中の教師の思考過程に接近すべく、ウェアラブルカメラを用いた授業研究方法を開発し、多様な観点から事例研究に取り組んだ。メンバーが所属している都道府県を中心とする8市町村において、現職教師や大学生、指導主事等の授業中および授業観察中の視線映像を収集するとともに、授業中および観察中に見ていたこと、考えていたこと等を聞き取り、既存の客観カメラでは対象化できなかった教師の思考過程を分析した。4)授業研究プラットフォームの活用方法の検討:今後教員養成の中心を担う教職大学院で指導を担う研究者教員と実務家教員を対象としてアンケート調査を行い、授業研究プラットフォームの活用場面や方法、配慮点等を考察した。
著者
益子 典文 前田 康裕
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.41, pp.141-144, 2018

<p>現職教師が学校に勤務しながら教育実践研究を展開するためには,自らを実践知の生産者と位置づける「知識生産型」の認識を持つことが重要である.本研究では,働きながら学ぶ大学院を修了し,持続的に教育実践研究を展開している現職教師(第二著者)を対象とし,PAC 分析による教育実践研究のイメージの分析を行った.その結果,特徴的なクラスターの存在が見いだされた.この結果に基づき,現職教師が持続的に教育実践研究を推進するための条件について,研究者・実践者相互の立場から考察を行った.</p>
著者
井上 久祥 益子 典文
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.43-54, 2008-02-28
被引用文献数
1

学校に基礎を置くカリキュラム開発の考え方にもとづいた情報教育のための授業改善のモデルを構想し、実際に地域の学校と連携して、情報教育の授業づくりや学校の情報化についての支援を行っている。本研究では、これら一連の活動が地域貢献に留まらず、大学講義の改善にも効果のあることを示す。具体的には、学校-大学間の連携で得られた実践知を大学の講義において伝達することを試みた。そして評価の結果、実践知のもつ「地域性」が講義受講者に影響を及ぼしていることが示唆された。We conceived the model of class improvement for ICT education which establish as a concept of School based curriculum. Through the supporting schools on Joetsu area, we obtained the effects of not only the support for teachers in school, but also the improvement of teacher training program for university students. The result of experiment in practice transmitting implicit knowledge from school teachers to university students, the effectiveness for understanding the school teacher's authentic activity was suggested.
著者
興戸 律子 村瀬 康一郎 加藤 直樹 益子 典文 松原 正也
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.240-241, 2005-08-20

平成16年度から国立大学は「国立大学法人」となり, 教育研究活動情報を整備し大学内外に対して発信することが求められるようになった. そのような情報の収集と管理のために, 今回教員の教育・研究における活動実績を蓄積管理するための情報システムを構築した. このシステムの特徴は, 教員自身が便利な道具箱として日常的にシステムを利用するメリットを感得でき, 複数人がデータベースの情報を共同利用するための「権限付与」, 「マイリスト」, 実績の入力を代理が行うための「代行入力」の処理機能が備わっていることである. この「権限付与」「代行入力」「マイリスト」機能は, 複数人がデータベースの情報を共有するために必須である機能と考えるものであり, 今回これらの機能について報告する.