- 著者
-
佐々木 康人
岡崎 篤
- 出版者
- 一般社団法人 日本原子力学会
- 雑誌
- 日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.2, pp.102-105, 2013 (Released:2019-10-31)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
1
1
国際放射線防護委員会(ICRP)は非政府機関であるが,1928年の創立以来,放射線防護の理念と原則を勧告してきた。その勧告は国際原子力機関(IAEA)のより詳細な防護基準と共に,各国の放射線,RI防護管理規制に取り込まれてきた。原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告に科学的根拠を置くICRP勧告は,科学的知見の進歩,防護技術の発展そして社会の動向に連動して進化してきた。「合理的に達成可能な限り低く“as low as reasonably achievable(ALARA)”」原則を重視する2007年勧告にいたる歴史と防護基準の変遷を解説した。