著者
佐藤 彰洋 福田 豊 和田 数字郎 中村 豊
出版者
情報処理学会
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.624-635, 2020-07-15

国立大学法人において,サイバー攻撃によるセキュリティインシデントが多発している.その攻撃に抗するため,我々が属す九州工業大学情報基盤運用室では学外公開アドレス管理システムを構築した.本システムの特徴は,学外公開,すなわち学外から到達可能なIPアドレスを付与した機器に関する情報共有と,それに対する措置として脆弱性改善と通信制御を実現したことにある.その導入により,本学のネットワークにおいて高い堅牢性の実現を確認した.本稿では,学外公開アドレス管理システムの設計と,12カ月にわたるシステムの運用による有効性の評価,そこから得られた知見について報告する.
著者
早川 慶朗 林 ジュンタク 奥 拓郎 高比良 健太郎 李 慧勇 河盛 亮介 佐藤 彰洋
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第9回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.A-2-3, 2018 (Released:2018-11-10)

Mobility as a means of transportation is undergoing a drastic change due to popularization and in-novation of Information and Communication Technology (ICT). Autonomous car driving technologies is cur-rently under development. Among them, the concept of Mobility as a Service (MaaS) has been established, and it is an opportunity to recapture the whole Mobility as a Service. In this article, we discuss MaaS that should be used in the tourism field and attempt to design a service related to mobility from the technical innovation and regulations.
著者
加藤 茂博 佐藤 彰洋
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第11回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.C-4-5, 2020 (Released:2020-11-21)

This document describes that the study of economic efficiency has focused too much on demand estimation, not sufficiently examined the possibility of procuring human resources, which is a key success factor of business, and also explains the usefulness of mesh data for social issues caused by the uneven distribution and concentration of human resource demand and supply.
著者
鹿島理華 佐藤彰洋 谷垣宏一 山足光義
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.465-466, 2014-03-11

業務毎に独立したサブシステムを段階的に構築し大規模で複雑化した社内システムではデータも各システムに分散し個別に管理され有効活用されていない。データベース間でデータ連携まで行う製品適用はシステム規模によってはオーバスペックとなり既存システムへの影響も大きい。そこで、我々の持つスキーママッチング技術や辞書構築技術を適用し、メタデータを一元管理するデータ辞書とメタデータを使ったデータ品質・ガバナンス管理機能からなるデータ管理層を検討した。この検討結果を報告する。
著者
福田 豊 畑瀬 卓司 和田 数字郎 佐藤 彰洋 中村 豊
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.10, pp.1-7, 2021-07-02

1997 年に最初の無線 LAN 規格 IEEE 802.11 が策定されて以来,伝送レートを高速化するために数年ごとに新しい規格が登場し,現在では第 6 世代と言われる IEEE 802.11ax の標準化が完了している.標準化は後方互換性を維持しながら進んだため,最新規格 IEEE 802.11ax の AP (Access Point) でも IEEE 802.11a/b 対応機材は接続し通信を行うことができる.この後方互換性と比較的短い年月での世代更新により,キャンパス無線 LAN では多様な IEEE 802.11 規格が混在している.しかし,異なる規格の混在はスループット特性が低下する Performance Anomaly 問題の発生を招くため,可能な限り規格の混在を回避する運用が望ましい.そのためにはまず全接続に対する無線 LAN 規格の混在状況を把握する必要がある.そこで本稿では九州工業大学のキャンパス無線 LAN を利用する端末の規格を調査し,得られた知見から混在を回避するための運用方法を述べる.
著者
沢村 正義 佐藤 彰洋 芦澤 穂波 中島 悦子 石鍋 佳子 浅野 公人 東谷 望史
出版者
公益社団法人 日本アロマ環境協会
雑誌
アロマテラピー学雑誌 (ISSN:13463748)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.37-46, 2021-06-25 (Released:2021-06-25)
参考文献数
38

本研究は,アロマテラピー向けの22種類のキャリアオイルに存在するビタミンEおよびフィトステロール含量を明らかにしたものである。キャリアオイル中のビタミンEの8種類の同族体であるα-, β-, γ-, δ-トコフェロール,α-, β-, γ-, δ-トコトリエノール,およびフィトステロールであるカンペステロール,スチグマステロール,β-シトステロールを選択的イオンモニタリング(SIM)モードを使ったガスクロマトグラフィー-質量分析(GCMS)により分析した。抗酸化能,皮膚の角質化の防止,抗炎症などの機能活性を有しているビタミンEおよびフィトステロールが,多くのキャリアオイルで含量の違いはあるが検出された。22個のオイル試料のうち,トコフェロール含量がもっとも高かったのは有機カレンデュラオイルであり,次いで小麦胚芽オイル,有機アルニカオイルであった。トコトリエノールは13種類のキャリアオイルで検出された。グレープシードオイルは,ビタミンEの8種類の同族体をすべて含有するキャリアオイルであり,また,α-トコトリエノールの含量がもっとも高かった。フィトステロールに関しては,小麦胚芽オイル,ホホバオイル・バージンのみならず,ほとんどのオイルでも顕著に多く含まれていた。本研究の結果から,トリートメントにおけるキャリアオイルの役割は皮膚に対する物理的効果に加えて,ビタミンEおよびフィトステロールによる生理的効果の可能性が示唆された。
著者
福田 豊 畑瀬 卓司 佐藤 彰洋 中村 豊 和田 数字郎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.19, pp.1-7, 2021-05-06

IEEE 802.11ax は稠密環境での実効スループット特性の向上が図られており,講義棟など AP (Access Point) 密度が高い環境を含むキャンパス無線 LAN で通信特性の向上が期待できる.一方で安定した運用のためには,総スループット特性を考慮したチャネルボンディングの活用範囲や,後方互換性による旧規格との混在時の通信特性を明らかにする必要がある.そこで本研究では複数台の端末を準備し,異なるチャネル幅や旧規格との混在時におけるスループット特性を iperf3 を用いて計測し,キャンパス無線 LAN で IEEE 802.11ax を効果的に運用していくための知見を明らかにする.実験の結果,チャネルボンディングは同時接続端末数が 2,3 台程度と少なく,電波干渉の影響も低い場合に有効であること,また,IEEE 802.11n 端末が 1 台混在すると総スループット特性は 100 Mb/s 以上低下するため,対策が必要であることがわかった.
著者
福田 豊 中村 豊 佐藤 彰洋 和田 数字郎 岩崎 宣仁
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.41-48, 2020-11-26

本学は 2019 年 9 月に全学セキュアネットワークを更新した.このうち無線 LAN システムの更新は,学内アンケートから得られた要望と,利用動向調査 [13] から抽出した 5 つの改善点に基づいて実施した.具体的には(1)平均利用端末数の増加を見越したAPの増設,(2)稠密環境を考慮した IEEE 802.11ax[4] 対応機種の導入,(3)トラフィック増加に備えた有線側の増速,(4)講義に直接関係しないトラフィック制御,(5)利用動向に基づく AP 機材選定である.この更新により,AP は更新直前の 368 台から約 1.3 倍増加し 470 台となった.本稿ではこの改善点を元に行った具体的な更新内容と,2019 年度の利用動向について述べる.続いて導入前後の利用状況を比較して,実施した改善策の効果を検証し有効性を明らかにする.
著者
福田 豊 中村 豊 佐藤 彰洋 和田 数字郎
出版者
情報処理学会
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.636-656, 2020-07-15

本学では2014年9月に全学ネットワークの更新を行い,IEEE802.11acに対応した機材の導入を行った.導入直後のAP(Access Point)数は253台であったが,建屋改修時や他部局リプレース時に講義室等を中心に増設し,2019年度までに368台となった.しかしこの5年間で無線LANの運用環境は大きく変化しており,次の更新に向けて無線LAN環境の増強策を検討するためには,既存無線LANの利用動向調査が必要である.そこで本稿では2014年9月から2018年度末までの無線LAN利用動向について調査し,更新に向けた知見を得たので報告する.
著者
家治川博 佐藤彰洋
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.465-466, 2013-03-06

本稿では外国為替市場で取引される通貨ペアに注目し、日足の交換レートからそのボラティリティを予測する。予測に際し、過去の分散の値だけでなく、人間の興味や関心が定量的に得られるgoogleの検索履歴やインターバンクでの通貨ペアの取引回数など、いくつかの指標を組み込んだ回帰モデルを用いる。さらに尤度比検定を再帰的に用いて、時系列データを適切な箇所で区切ることで、回帰モデルの精度向上を試みる。尤度比検定を再帰的に行う際の停止条件や、回帰モデルに取り入れる指標を決定する方法について議論を行い、シミュレーションでその効果を調べる。最後に現実のデータに対して提案手法でバックテストを行い、予測の精度を調べる。
著者
中村 豊 佐藤 彰洋 福田 豊 和田 数字郎
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.42-49, 2017-11-30

九州工業大学では 2006 年 4 月に P2P アプリケーションを用いた著作権違反や不正なソフトウェアダウンロードに起因する情報セキュリティ ・ インシデントの全学的な対応を目的として,全学情報基盤室が設置された.また現場での対策組織とは別に,国立情報学研究所が公開している高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規定集を元に,本学情報セキュリティポリシー作成 WG によるインシデント対策フローの整備を行った.2013 年には,戸畑,飯塚,若松各キャンパス毎に行われていたネットワーク整備,管理業務を一体的運用に変更し,また情報セキュリティ対策強化を目的として全学情報基盤室を発展的に改組し,情報基盤機構情報基盤運用室を設置した.本報告では,主に情報基盤運用室がこれまで実施してきた九州工業大学における情報セキュリティ対策について報告する.
著者
佐藤 彰洋 中村 豊 池永 全志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.346, pp.73-78, 2011-12-08

SSH総当り攻撃による被害は深刻さを増していることから,管理者にとって,その攻撃への対策は急務である.従来,管理者は,アクセスログやトラフイックから得られる情報を元にSSH総当り攻撃の発生を検出してきた.しかしながら,前者は,ネットワークに存在する全てのサーバのアクセスログを確認することは困難である.また,後者は,攻撃による被害の有無を把握できないことが問題となる.このような問題を解決するため,本稿では,フローの特徴に基づくSSH総当り攻撃検出手法を提案する.実験の結果,提案手法により通常の通信と総当り攻撃に加え,攻撃による被害の有無を高精度で識別できることを確認した.
著者
佐藤 彰洋 畑 雅恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.94, no.295, pp.7-14, 1994-10-20

素数の平方剰余はLegendre系列と呼ばれ,良好な疑似乱数系列であることが知られている.また,数列Qと呼ばれる系列を利用した幾何学的な構成法も知られている.今回,この幾何学的な構成法に着目しLergendre系列の構造的な特徴を考慮し,与えられたLegendre系列の部分系列から系列発生に関する候補点を探索し,候補点から使用した素数pと部分系列の取り出し位置を求める手法を新しく考察した.この手法は筆者らが先に提案した方法よりさらに高速化できることが示された.この方法によれば計算時間がほぼpの1.1乗に比較し,一般の大さき素数の場合にも適用できる.また本手法が適用できるための素数,系列長,位置の関数について明らかにした.
著者
佐藤 彰洋 内匠 逸 畑 雅恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.95, no.590, pp.31-36, 1996-03-18
被引用文献数
1

素数の平方剰余はLegendre系列と呼ばれ, 良好な疑似乱数系列であることが知られている. また, その部分系列も良好な疑似乱数系列である. Legendre部分系列が与えられたときに, その生成に使われた素数を推定する新しい手法を考察する. 本手法は, 部分系列の取り出し位置か既知である場合に平方剰余の相互法則を用いて, 部分系列の生成に使われた素数を求める手法である. 本手法は特に短いLegendre部分系列に対して有効である. また, この特性をシミュレーションによって確認した.
著者
小倉 和貴 賀 小淵 佐藤 彰洋 長谷川 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.298, pp.33-38, 2006-10-12

本システムはSOINN[10]の特徴を利用して,オンラインで与えられるデータかち物体の色や形の概念,物体の動きの概念を追加的に学習できる.また,メンタルモデルを利用することで1つの発話例から語順のルールを学習し,文章を構成して発話したり,言語的な指示を解釈して行動することができる.従来手法では動きの学習,語順の学習のための学習データをバッチ的に与えているため学習時間がかかり,オンラインでの学習や追加学習が困難であったが,提案手法では1つの発話例から安定した学習を行うシステムを実現し,優位性が示された.
著者
須藤 明人 張 晨犁 坪山 学 佐藤 彰洋 長谷川 修
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1634-1647, 2008-06-01

ロボットの知能に関する研究の突破口となり得るパターン情報ベースの推論について,新たな手法を提案する.シンボルをベースとした既存の推論機を知能ロボットに適用する際には,( 1 )シンボル化装置の性能に限界があるという問題,( 2 )自律的なシンボルを生成する際に生じる問題,( 3 )シンボル化になじまないタイプのパターン情報が存在するという問題がある.本論文では,これらの問題の解決のためにパターン情報ベースの推論機が必要となることを指摘し,新しいパターン情報ベースの推論機を提案する.提案手法は,「連言,選言,否定を含む任意の形の論理式を扱うことができる」,「パターン情報を多値ベクトルで表現する」,「汎化性能をもつ」,「推論結果の重複を回避する」,「雑音への耐性をもつ」といった知能ロボットに適用する際に重要な機能を併せ持っている.これらの機能を実現するために,提案手法はオンライン教師なし学習手法であるSelf-organizing Incremental Neural Network(SOINN)や連想記憶モデルであるSOINN Associative Memoryを拡張したアルゴリズムを採用している.