著者
佐藤 和夫
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.30, pp.158-169, 1980-05-01 (Released:2009-07-23)
著者
岩谷 良恵 高橋 在也 長嶋 明子 高橋 在也 タカハシ ザイヤ Takahashi Zaiya 長嶋 明子 ナガシマ アキコ Nagashima Akiko 高瀬 佳世 タカセ カヨ Takase Kayo 佐藤 和夫 サトウ カズオ Sato Kazuo
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.283-296, 2009-03

本稿は,主として男性育児休業取得者に対して行なった聞き取り調査を報告するものである。本研究は,科学研究費基盤研究「男女共同参画社会における男性の「社会化」と暴力性に関する研究」の一環として行われているもので,その関心は,男性が家事や育児に従事することが,男性の暴力性の問題と関連があるかどうかを探ることにある。この研究にあたっては,先行する研究の成果がある。ひとつは,地方の農業高校の調査で,その調査からは,子どもたちが生きていくために不可欠な技術や知識を獲得することで,確実にこの世界で生きられるという確信を得ており,必ずしも受験ランクが高いわけではない地方の実業高校における男女生徒間の関係が,じつに非暴力的で,ジェンダー平等的な要素があるのに気が付かされたことが挙げられる。もうひとつは,海外での暴力研究の成果である。今日の暴力研究の中には,構造的暴力の視点と並んで,現代の競争原理社会における無力感の醸成や自尊心の破壊といった問題を結びつけて考察する視点があり,仕事中心の生活構造を抜け出ることなしには,男性の暴力問題の抜本的解決が難しいこと,暴力を生み出す人々の多くの根底に無力感があることが示唆されている。以上の先行研究の成果を踏まえた上で,男性にとっての育児休業の経験を聞き取り,考察したものが,本研究である。これまでの男性の育児休業に関する研究は,主として,少子化対策や企業の生産性,あるいは,性別役割分業への批判として論じられてきたことと考えられる。それに対して,本研究は,男性自身が育児休業を経験することの意味について,男性の暴力性との関連で探This article primarily reports on the results of interviews of men who are taking or have taken paternal leave. This research is a part of the Scientific research (B) by Grant -in- Aid of JSPS entitled "research into the socialization of men and male violence in a gender equal society." The focus of this research is on the relationship between the involvement of men in housework and childcare, and male violence. There exist results from previous studies related to this subject. For example, an investigation of provincial agricultural high schools found that students there gained confidence through the acquisition of life skills and knowledge. And even at a provincial technical school that did not necessarily produce high test results, relationships between male and female high school students were found to be nonviolent, with a high level of gender equality. Another example is a study into violence abroad. Today, in addition to the view of structural violence there is a view influenced by the idea of a loss of self respect and a feeling of powerlessness stemming from a present competetive society. Those who believe this view suggest that without leaving the work-centered life structure itself, it is difficult to find a solution to the problem of male violence, and that it is this feeling of powerlessness that lies at the root of violence for many men. We have conducted our interviews under the influence of the results of the above mentioned research. We have considered the fact that until now, research relating to male paternal leave was primarily concerned with the problem of declining birth rates, with the question of business productivity, or with the criticism of gender roles. We believe that it should be possible to do research into the question of the meaning of paternal leave for men themselves related to the problem of male violence.
著者
佐藤 和夫 井谷 惠子 橋本 紀子 木村 涼子 小山 静子 片岡 洋子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、日本が男女共同参画社会をめざすためには、男女共学、共修がどのように実施されるべきかについて、高校を対象に分析検討を行った。男女共学、共修は男女平等教育にとって必要な基礎的条件ではあるが、隠れたカリキュラムにおけるジェンダーに無自覚なまま共学、共修を実施しても、共学、共修がただちに男女平等教育には結びつかない。そのため、男女共学や共修の現状を明らかにしながら、男女平等をつくるための共学、共修とはどうあるべきなのかについて、以下の3つの調査領域における研究において析出した。1,福島県の男女共学化および共修の現状調査福島県は、男女共同参画社会の実現のための施策の一環として、長らく残っていた別学高校をすべて共学化した。その共学化実現過程や高校の現状について、聞き取りと観察および質問紙調査を組み合わせて分析、考察した。2,関西(大阪)の私立高校の共学化戦略と共学、別学の現状調査福島県とは対照的に公立高校はすべて共学だった大阪府では、私立高校が別学校を提供してきた。近年、共学化が進んでいる大阪の私立学校での別学、共学の経営戦略および生徒への質問紙調査によって、共学、別学の比較検討を行った。3,高校での体育共習の指導場面の観察調査男女共修の高校の体育の授業場面において、教師の声かけが生徒が男子か女子かで異なること、そこに教師のジェンダー観があらわれ、ジェンダーの利用と再生産が行われていることなどについて、授業観察の分析を行った。
著者
佐藤 和夫
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.226-237, 2007-12-17
被引用文献数
1

生命保険の告知書では生理不順,無月経,不妊症に関するものがしばしばみられる。これらの中にはプロラクチン(PRL)産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)が隠れている。プロラクチノーマは下垂体ホルモン産生腫瘍のなかでは最も多く,PRL分泌過剰症(高PRL血症)の主な原因の一つでもある。下垂体腫瘍の中で,プロラクチノーマだけが薬物療法(ドパミン作動薬)が有効かつ治療の第一とされることが注目に値する。一方,経蝶形骨洞手術は,通常,薬物を受け付けない,あるいは薬物効果が不十分な患者の場合に実施される。本稿では平成17年改訂プロラクチン分泌過剰症の治療の手引きをはじめ,その関連文献を参考にし,告知書にみるプロラクチノーマの危険選択について検討を加えた。プロラクチノーマの危険選択では,腺腫の大きさ-すなわち,ミクロ腺腫かマクロ腺腫か-を確認することがきわめて重要であり,手術死亡リスクや下垂体卒中などの生命リスク関連事項に十分注意する必要がある。
著者
佐藤 和夫 西川 訓利 鈴木 徳祥 小川 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.892-900, 1996-11-25
被引用文献数
75

人体近傍に置かれた携帯無線機用アンテナの特性をFDTD法を適用して解析し,アンテナが人体から受ける影響を明らかにする.解析モデルは人体頭部と携帯無線機を握る手からなる人体モデル,および金属きょう体に取り付けられたアンテナから構成される.本解析モデルを用いて計算した結果は実験値とよく一致し,人体モデルの影響を含めて携帯無線機用アンテナの特性を精度良く解析できることを示した.この解析モデルを用いて,携帯電話,およびPHSの周波数帯において,携帯無線機に取り付けられたλ/4モノポールアンテナおよび平板逆Fアンテナの特性を計算した.その結果,放射効率は人体モデルの影響を大きく受け,45%以下にまで劣化することがわかった.更に,人体モデル頭部の形状や携帯無線機を握る手の位置が放射効率に与える影響を明らかにし,アンテナの種類によって人体から受ける影響が大きく異なることを示した.
著者
森 茂子 佐藤 和夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.149-150, 1996-03-06

クリーンルーム手法は,高信頼性ソフトウェアの開発が可能な手法として,注目を集め,その適用事例も紹介されている.しかし,本手法はバージョンアップの場合の対処のしかたには明示的にはふれていない.また公表された事例は,バージョンアップ対象となる製品の設計を,クリーンルーム手法の設計で全て書き出す作業を前提とし,その作業に多大な費用と時間を要するものであった.今回,日本の金融機関向ミドルウェアのバージョンアップに際し,クリーンルーム手法を適用するために,現実的な費用と時間で実施可能な設計方法を,新たに提案した.既に存在している,保守資料を有効利用しながら,修正,変更を行う.修正,変更項目ごとに,関係するデータおよびモジュールを洗いだす.それに対してのみ,クリーンルーム手法を適用する.テストは,従来通りの方法で行う.実際に,従来ウォーターフォール型のプロセスで開発されてきた,上記ミドルウェアでこの提案を実施の結果,信頼性については約5.6倍の改善と予測される結果を得,効果を確認した.生産性は約8%向上し,開発期間は従来と同程度であった.これにより,現実的な費用と時間で実施可能で,しかも高信頼性を得られる,バージョンアップのための設計方法であることを確認した.