著者
梶山 朋子 中丸 幸治 大野 義夫 神門 典子 佐藤真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.918-928, 2007-02-15
被引用文献数
3

本稿では,マルチメディアデータのような多次元属性情報を対象とし,初心者ユーザでも利用可能なリング状検索インタフェースConcentric Ring View F+を提案する.一般的な検索システムでは,ユーザの操作によりシステムが検索結果を出力するというクエリ中心であるため,ユーザが属性や属性の意味を直感的に把握し,最適値へ調整することは難しい.そこで我々は,ユーザが検索結果を評価することは可能であるということに着目し,検索結果中心という考えで設計した.ユーザは,検索結果から現在の状況を把握して属性や属性値を操作したり,自分の情報要求に適合している候補を選択したりすることにより検索を進める.本手法はリング状構造で,ユーザのリング操作により,リング内部の検索結果が瞬時に表示される仕組みである.有効性の検証では,本手法を用いて画像検索システムを構築し,ユーザビリティテストを行った.This paper proposes a new search interface, named Concentric Ring View F+, applying to multi-faceted information for novice users. Because general retrieval systems are queryoriented they just display retrieved results by users' operation, it is difficult for users to grasp the meaning of attributes or their values intuitively and adjust optimum values. We designed a new search interface based on a result-oriented concept because we recognized that users could evaluate retrieved results. Users can continue to search by seeing retrieved results and grasp the present conditions, operating the attributes and their value, and selecting the relevant information. This proposed interface is ring-structured and retrieved results are displayed by ring operations in real time. We constructed an image retrieval system and performed usability tests to verify its effectiveness.
著者
小泉 敬寛 中村 裕一 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.395-399, 2010-03-08
参考文献数
6

ライフログを用いることで,記憶に障害を持つ人の日常生活を支援が可能になる.しかし,そのためにはライフログから日常の様々な出来事を簡単に素早く検索する必要がある.本稿では,このような支援のひとつとして,個人視点映像からさがし物検索を行なう手法について述べる.本研究では実際の個人視点映像から何かを手に取る,置く,動かす,といった行動を検出する手法について検討し,それを手掛かりにすることによって捜し物が簡単になることを確認した.
著者
片山 紀生 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.703-717, 1997-08-25
被引用文献数
38

画像データに対する内容検索の実現法として, 特徴ベクトルを類似検索する方法が広く使われており, その高速化のためのインデックス構造が求められている. これまでにR^*-treeを用いる方法や, 新たに考案されたSS-treeを用いる方法が提案されているが, 本研究では, これらのインデックスよりも更に高速なインデックスとしてSR-tree (Sphere/Rectangle-Tree)を提案する. SR-treeの特徴は, 包囲球(bounding sphere)と包囲長方形(bounding rectangle)を併用する点にある. これまでにも, 包囲球はSS-treeで, 包囲長方形はR^*-treeで使われている. しかし, 本研究が行った実験によると, 次元が高くなった場合, 包囲長方形を用いる方法では1辺の長さと対角線の長さの差が大きくなるという問題があり, 包囲球を用いる方法では包囲長方形よりも体積が大きくなるという問題があることがわかった. そこで, SR-treeではこれらを同時に使用することによって, 高次元空間をR^*-treeやSS-treeよりもより効果的に分割することを可能にする. 評価実験を行った結果, CPU時間, ディスクアクセス回数, いずれの面についても, SR-treeがR^*-treeならびにSS-treeを上回ることが確認された.
著者
奥村 慎吾 初田 健 須永 智 佐藤 真一 野村 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.189, pp.7-10, 2005-07-14

近年、Ku帯(14/12GHz)を用いたVSAT(超小型アンテナ端末)局によるデータ伝送などのサービスが多く用いられている。10GHzを超える周波数帯においては、降雨、降雪による衛星からの信号減衰が大きな問題となっている。特に、降雪によるアンテナ鏡面への着雪は、シャープなアンテナビームをずらす結果となり、大きな減衰が生ずる。これを回避するための無着雪アンテナを衛星ネットワーク(株)で試作し、降雪の多い北海道工業大学に設置して特性測定を行った。この結果、降雪時において、着雪がほとんど無いことを確認でき、無着雪アンテナ機能のついていないアンテナと比較して、信号劣化量の統計値のデータが獲得することができ。さらに、機械的強度の面では、2004年9月の台風18号の風速52m/sにも耐えることを確認でき、実用的なアンテナであることを証明できた。
著者
武 小萌 瀧本 政雄 佐藤 真一 安達 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.1153-1165, 2009-08-01
被引用文献数
4

本研究では,放送映像における同一場面映像のアーカイブからの発見・検索を目標とする.本研究において解決すべき最大の問題は,同一場面映像間の視点の違いによる視覚的な差異にかかわらず照合を行うことである.本研究は,撮影対象の動きに着目し,特徴点軌跡が時間的に変化するInconsistencyシーケンスに基づいた照合手法を提案する.このInconsistencyシーケンスから派生される,特徴的な事象の発生を示すDiscontinuityシーケンスに基づき,同一場面映像検出における計算量を激減させる高速化アルゴリズムも提案した.また,ローカル特徴量を用いた既存の映像照合手法との精度比較,並びにそれを用いた速度・精度の向上の評価を新たに加えた.更に,提案手法を実際の映像アーカイブに適用し,提案手法の有効性を実証した.
著者
佐藤 真一 中村 裕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.207, pp.77-80, 2003-07-10
被引用文献数
2

映像処理は,近年特にその発展や応用が期待されている情報処理分野であり,パターン認識・メディア理解にたずさわる多くの研究者が挑戦してきている研究テーマである.その10年あまりの歴史を振り返ってみると,多くの成果が得られたものの,社会的に求められている要請に対しこたえられるのか,映像処理の提示する将来展望は何なのか,などに対する回答を明確にしなければならない時期に来ていると考えられる.本パネルでは,映像処理に関係する気鋭のパネリストを迎え,映像処理の意義を明確にするべく討論を行う.
著者
片山 紀生 孟 洋 佐藤真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.41, pp.17-24, 2002-05-21
被引用文献数
7

映像インデクシング研究のさらなる発展のためには,実用規模での映像アーカイブを対象とすることが求められる.そこで,我々のグループでは,テラバイトオーダの放送映像アーカイブシステムを設計,試作したので,その概要について報告する.このシステムの特徴として,複数の市販製品を緩やかに組み合わせて使っている点があり,メインサーバとしての UNIX ワークステーションに加えて,MPEGキャプチャカードと文字放送デコーダカードを装備したPCを複数台使うことでシステムを構築している.また,我々は,保存された映像にアクセスするためのツールとして,Java によるビデオブラウザを試作した.このブラウザは,映像インデクシング研究のためのソフトウェアプラットフォームとして利用することを狙っており,応用プログラムのプロトタイピングや,映像インデクシング,映像解析のツールとして有用であると考えている.本稿では,この映像アーカイブシステムの設計上,実装上の考察事項,ならびに,今後の展望について論じる.It is desired to build the realistic scale video archive system for further advancement of video indexing research. Based on this idea, we designed and are constructing a broadcast video archive system. The system is composed of commodities as key components, such as unix workstations, RAID disk arrays, and MPEG capture cards and closed-caption decoder cards installed in PCs. We also developed the experimental video browser system which is intended to be used as the software platform of the system aiming at rapid prototyping of video applications and video analysis software. This paper discusses designing issues, implementation issues, and future directions of the broadcast video archive system.
著者
山岸 史典 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.207, pp.47-52, 2003-07-10
被引用文献数
3

ハードディスクに映像を録画するハードディスクビデオレコーダーが盛んに販売されるようになった現在、映像の取り扱いが急速に容易になってきている。ストレージ技術の進歩により、ごく近い将来に個人で数千時間を越える映像を蓄積可能となる。そのような状況下ではより高度な映像アーカイブの利用手法が切実に求められ、さまざまな観点からのアーカイブの構造化や映像データマイニングが盛んに行われるであろう。その手法として同一映像断片探索が有望であることを示すために、ニュース映像アーカイブに対して同一映像断片探索を行い、探索結果を閲覧、検討するためのニュース映像ブラウザを実装した。ニュース映像アーカイブ上での同一映像断片探索結果を例示しつつ、同一映像断片探索のアーカイブ構造化・データマイニングへの利用可能性を論じる。
著者
佐野 雅規 八木 伸行 片山 紀生 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.229, pp.89-96, 2006-09-01
被引用文献数
2

本稿では,大量に蓄積されたニュース番組から,映像(画像)付きクイズを自動生成する手法について提案する.クイズの形式には多種多様なものが存在するが,本稿で対象とするのは,映像とそれに関連する説明文とのマッチングを問うクイズである.このようなクイズを生成するためには,映像または説明文同士の「似て非なる」関係を見つけ出す必要がある.また,通常の文字だけのクイズと違い,映像がクイズとして適切である必要があり,どのような画像も利用できる訳ではない.本稿では,これら映像クイズを自動生成する際の問題点を整理し,表層的な解析だけで生成する手法を提案する.また,その実験結果についても報告する.