著者
太田 好信 瀬口 典子 辻 康夫 松島 泰勝 池田 光穂 冨山 一郎 加藤 博文 北原 次郎太
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、①(自然人類学と文化人類学との両方を包含する広義の)人類学とこれまで分断されてきた批判的社会運動との間に、公共哲学を媒介として新しい連携を構想、②日本において萌芽的状態にある先住民族研究(Indigenous Studies、Native Studies)という研究領域と海外の先住民族研究との間でのネットワーク形成を促進、③この研究領域を日本の公共空間においても意味のある探究として根付かせるために必要な政治・哲学理論と倫理の構築を目指す。
著者
道津 喜衛 冨山 一郎
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Fisheries, Nagasaki University (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-42, 1967-08

During 1947 to 1967, marine fishes were collected by the authors from Saikai National Park, Nagasaki Prefecture, Western Kyushu. During this period, two main trips were made to this area to investigate the fish-fauna and many other trips to investigate fisheries biolgy as well as the fish-fauna. In this paper, 426 species and 11 sub-species of 143 families of marine fishes collected from the park are described in scientific name as well as in Japanese common name and local name together with the collection-localities. The fish-fauna of the area, facing to the Tsushima Warm Current, a branch of the Kuroshio Current, is similar to that of Wakayama, Kochi and Kagoshima Prefectures on the Pacific coast of Japan facing directly to the Kuroshio Current, and it indicats the characteristics of sub-tropical fish-fauna of South-Eastern Asia.
著者
川村 邦光 荻野 美穂 杉原 達 冨山 一郎 真鍋 昌賢 落合 恵美子 荻野 美穂 落合 恵美子 才津 祐美子 重信 幸彦 杉原 達
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本の家族写真は、当初西洋の影響を受けていたが、独自の展開をしてきたことを明らかにした。家族写真が人生儀礼や年中行事において撮影され続け、民俗的慣行として確立され、民俗資料として有効であることも明らかにした。現在では、特に年賀状に家族写真が載せられて、友人・知人に向けて発信され、家族の共同性を確認する機能を果たしている。本研究は家族写真に関する初めてのまとまった本格的な研究であると考える。
著者
冨山 一郎
出版者
同志社大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

2017年度の研究実績の概要は以下のとおりである。①奄美大島の名瀬にある名瀬教育会館に所蔵してある、社会運動家である松田清氏が収集した、奄美復帰運動関係資料の調査と整理を複数にわたっておこなった。また資料整理の中で、資料目録を作成し、資料のアーカイブ化を行った。さらに新たに奄美における国語教育関係の資料も発見した。②上記の調査と整理の過程において、奄美郷土研究会のメンバーとの交流、ならびに研究会を催す事ができた。具体的には、2018年1月27日に、奄美大島とりわけ名瀬を記録したドキュメンタリーを同研究会のメンバーとともに鑑賞したのち、そこで描かれている1950年代の名瀬及び奄美に関わる情報を明確化し、討議を行った。③韓国における反基地運動の関係者と意見交換を行い、本研究課題にかかわる共同研究の準備を進めた。具体的には、2017年11月25日に、ソウルで活動する研究集団<スユノモ104>との交流をおこなった。その中で、歴史を自己言及的に語ることについての、共同研究の在り方、語り口などについて討議を行った。④韓国ソウルにて、2017年10月28日、日本植民地主義の研究者である車承棋氏(韓国光州市朝鮮大学校)らと沖縄近現代史にかかわるワークショップを開いた。そこでは、沖縄近現代史を戒厳状態としてとらえ、こうした戒厳状態にかかわる歴史記述をめぐる方法論的な討議が行われた。⑤研究課題にそくした研究会を恒常的に行い、そこでの議論を、論文集としてまとめる作業を行った。この論文集は2017年度中には刊行できなかったが、すでに出版済みである。冨山一郎/鄭柚鎮編著『軍事的暴力を問う』青弓社、2018年。④その他、研究課題にかかわる資料収取と書籍購入を行った。
著者
駒込 武 冨山 一郎 板垣 竜太 鳥山 敦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、近代日本において「辺境」とされた地域において空間的移動と社会的移動の可能性がどのように開かれていたのか、その中で学校教育がどのような役割を果たしたのかを解明した。具体的には、奄美諸島の経験を基軸としながら、かつて日本の「植民地」とされた台湾・朝鮮や、「内国植民地」と称された琉球諸島・北海道を含めて、これらの地域に生きる人びとが高学歴の取得を通じて脱「辺境」を志向しながらも、その試みが挫折したプロセスを分析した。また、いわば「法制化された不自由」が存続した時代に構築された資本格差が、「法制化された不自由」撤廃後の不平等を存続させるための重要な因子としての役割を果たしたことを指摘した。
著者
川村 邦光 荻野 美穂 杉原 達 冨山 一郎 真鍋 昌賢 中村 生雄
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は平成12年度から14年度の科研「戦死者をめぐる宗教・文化の研究」を発展させる意図のもとに計画し、平成15年度から17年度の3年間にわたって実施された。課題名「近代日本における宗教とナショナリズム・国家をめぐる総合的研究」の研究目的は、近代日本における宗教と国家との関係を研究することにある。国家の宗教政策、また靖国神社や神社神道、国家神道が国民の信仰生活に対してどのような影響を及ぼしたのか、宗教がナショナリズムの形成においてどのように関与したのか、この二つが主要なテーマである。この研究課題を進めるために、「文化/批評」研究会を組織し、3年にわたり、16回の研究会を開催することができた。また、研究会の案内・報告などのために、ニューズレター「cultures/critiques」を刊行し、23号に達した。本研究会では、大阪大学や他の大学の教員や大学院生に参加を呼びかけ、研究分担者をはじめとし、他大学の研究者、また大阪大学の大学院生に発表やコメントを依頼して、他大学の様々な研究分野の研究者との交流をはかることができたとともに、若手研究者の養成と大学院教育の充実をはかることができたと考える。本研究の報告書として、6名の寄稿者をえて、283頁に及ぶ冊子を刊行することができた。ここでは、研究分担者、大阪大学大学院の院生、他大学の研究者にも研究会での発表に基づいて、原稿を執筆してもらい、研究成果の公表と共有化をはかった。研究目的の大半を達成できたと考えるが、調査や研究の成果が論文のなかに反映させることができなかったため、今後ともこの研究会を続行することにしている。
著者
冨山 一郎
出版者
同志社大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究では、ある地域において歴史的意義を担っていた史料を別の主体にかかわる歴史記述において読み直すとき何が問われるのかということを、史料読解にそくして検討した。また歴史認識における地域史や辺境史と日本史、あるいは植民地史と帝国史の違いや対立を、歴史史料の読解を通じて検討し、どちらか一方を他方へと還元しない新しい歴史記述の方法を具体的に提示した。