著者
和田 純夫
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.393-400, 1989-06-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
17
被引用文献数
1

水素原子を波動関数で表すということと同じレベルで, 時空やその中のすべての物質を含む宇宙全体を波動関数で表そうとするのが, 量子宇宙論である. 古典的な宇宙論では, 宇宙は big bang から始まった事になっているが, ほんとうに始まりを議論しようとすれば, どうしても量子論が必要になる. ここ数年, インフレーション宇宙というものの後に big bang が生じたという模型が議論されてきたが, これを量子論で考えようとしたのが, 最近の量子宇宙論の研究の直接の動機である. ここでは宇宙論的側面と, 付随して問題になる量子力学そのものの解釈論など原理的側面を含めて, 最近の発展を解説する.
著者
岡村 かおり 前田 翔平 飯田 則利 佐藤 昌司 米本 大貴 飯田 浩一 和田 純平 卜部 省悟
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.278-285, 2019-04-20 (Released:2019-04-12)
参考文献数
72

胎児内胎児は多胎の発生過程で一児が他児に取り込まれた稀な奇形で,奇形腫とは異なる病態であるが,予後に大きく関わるため両者の鑑別は重要である.大半は新生児期から乳児期に発見され,液体で満たされた囊胞内に骨構造を有する充実成分と,充実成分へ流入する血管を認めるといった超音波所見を呈し,診断の参考となり得る.今回,我々は比較的高度な身体器官の形成を認め,また特徴的な画像所見から,出生前診断された1例を経験した.腫瘤は出生後も増大し哺乳障害を認めるようになったため,新生児期に手術を行った.MRIやCTは脊椎構造の有無,栄養血管や周辺臓器との位置関係を把握でき,手術時期やアプローチ法の決定に有用である.
著者
廣田 昭久 横田 賀英子 和田 純一郎 渡辺 昭一 高澤 則美
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本鑑識科学技術学会誌 (ISSN:13428713)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.33-53, 2000 (Released:2009-11-27)
参考文献数
81
被引用文献数
9 7

In the present study we investigated heart rate and heart rate variability (HRV) in the guilty knowledge test (GKT). Participants were instructed to “steal” envelopes and hide them. Participants were then presented with questions focusing on certain aspects of the particular envelopes they had stolen. They were requested to respond with “no” to every question, thus denying their knowledge about the critical items. Heart rate, SCR, and HRV components of high-frequency (HF) and low-frequency (LF) were measured during the GKT examinations. Results showed that heart rate decreased in the critical items. They also showed that decrement of heart rate was most distinctive about 10-15 seconds after the onset of the questioning of the critical items. The results indicated that there is a characteristic response pattern between heart rate and HRV concerning the critical items. That is, heart rate decrement is accompanied by increment of HF component and decrement of LF component. Also, in order to examine which method would serve as the most effective measure for psychophysiological detection of deception, we compared among three different analytical methods: fast Fourier transform (FFT) analysis, peak-to-valley method, and complex demodulation (CDM) method, in assessing HRV, respectively. Results showed that the CDM method traced both HF and LF amplitudes were most effectively, and therefore would be the best indices for detection. Some hypotheses were discussed concerning psychophysiological responses in detection of deception, one of which was the implication that subjects might have adopted passive coping, in other words, hemodynamic reaction pattern-II, when presented with the critical items, because of the particular cardiovascular response pattern shown in the psychophysiological detection of deception.
著者
和田 純夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.393-400, 1989-06-05

水素原子を波動関数で表すということと同じレベルで, 時空やその中のすべての物質を含む宇宙全体を波動関数で表そうとするのが, 量子宇宙論である. 古典的な宇宙論では, 宇宙は big bang から始まった事になっているが, ほんとうに始まりを議論しようとすれば, どうしても量子論が必要になる. ここ数年, インフレーション宇宙というものの後に big bang が生じたという模型が議論されてきたが, これを量子論で考えようとしたのが, 最近の量子宇宙論の研究の直接の動機である. ここでは宇宙論的側面と, 付随して問題になる量子力学そのものの解釈論など原理的側面を含めて, 最近の発展を解説する.
著者
大和田 純 吉井 伸一郎 古川 正志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.206, 2006 (Released:2007-05-30)

本研究では,成長する複雑ネットワークに観察されるコミュニティの抽出問題を対象とし,安定なコミュニティ分割を行う方法を提案する.そのため.コミュニティ抽出の安定度を評価する新たな指標を導入し,より安定度の高いコミュニティ分割方法を構築した.数値実験として,3種類の成長するネットワークモデル及び実際のWeblogのデータに既存及び新方法を適用したところ,提案方法が効果的な分割を行えることが検証された.
著者
笠原 隆行 藤巻 理沙 治部袋 佐知代 和田 純子 佐藤 麻子 稙田 太郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.27-31, 2008

37歳,罹病期間8年の2型糖尿病女性.治療中断後に再開した強化インスリン療法により体重が5 kg増加し,全身浮腫,胸水,肺うっ血を伴う心不全をきたした.入院第5病日,いまだ胸水,下肢浮腫の残存時に行った心超音波検査では,左室壁運動に異常なく,EFは71%と正常であり,拡張機能障害による心不全が疑われた.利尿剤のみで自覚症状,全身浮腫,胸水は約2週間で消失した.血中BNPは第1病日130 pg/m<i>l</i>, 第2病日82.4 pg/m<i>l</i>, 第15病日には4.3 pg/m<i>l</i>と漸次改善した.本例は長期にわたる血糖コントロール不良下に,強化インスリン療法により血糖是正が比較的急速に行われた結果,心不全が誘発されたと想定された.機序としてインスリンのNa貯留作用による循環血液量の増加に加え,潜在する心拡張機能障害が一因となった可能性が示唆される.強化インスリン療法が普及した今日,留意すべき症例と考え報告する.
著者
村井 良太 和田 純 井上 正也 中島 琢磨 村井 哲也 宮川 徹志
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

民主政治下での長期政権のメカニズムと政策形成を、日本での最長政権である佐藤栄作政権(1964-1972)の歴史分析を通して考察した。分析には主として首席秘書官を務めた楠田實氏が所蔵していた未公刊資料を整理しつつ用い、また楠田氏自身を理解するために関係者への聞き取りを行った。分析は、佐藤政権の内政(官邸機能や大学紛争など)、外交(沖縄返還や中国問題など)、楠田氏自身に及び、それぞれ本や論文の中で成果をまとめるとともに日本政治学会でのパネル報告やNHKでのドキュメンタリー番組放映を通して発信した。
著者
曽田 五月也 和田 純一 平田 裕一 山中 久幸
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.59, no.457, pp.29-36, 1994
被引用文献数
10 6

The damper investigated is an assemblage of a couple of units composed of two parallel steel plates and a layer of epoxy visco-elastic material (VEM) between them. When subjected to shear deformation, the VEM exhibits a hysteretic property or an energy absorbing capacity. The purpose of this paper is to present a method to construct a mechanical model to exactly simulate the dynamic behaviors of this damper, paving the way to putting it to practical use in the passive vibration-control design of buildings. A series of cyclic loading tests on the damper reveals that an equivalent stiffness and an equivalent damping coefficient, representing the hysteretic properties of the damper, are mainly dependent on the loading frequency and the current temperature. A linear three-element dashpot-spring model proposed has been confirmed capable of simulating these properties exactly .