- 著者
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野田 公夫
足立 泰紀
足立 芳宏
伊藤 淳史
大田 伊久雄
岡田 知弘
坂根 嘉弘
白木沢 旭児
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2007
1930年代日本において、経済的価値を生み出す源として「資源」という言葉がクローズアップされたが、とくに戦争準備の過程に強く規定されたところに大きな特徴があった。農林業は持続性を犠牲にして戦争に総動員されるとともに、工業原料にめぐまれない日本では「あらゆる農産物の軍需資源化」という特異な事態をうんだ。これは、アメリカはもちろん、同じ敗戦国であるドイツとも異なる現象であり、当時の日本経済が巨大寡占企業を生み出しながら就業人口の半ばを農業が占める農業国家であるという奇形的構造をとっていたことの反映であると考えられる。