著者
藤井 基弘 深町 加津枝 森本 幸裕 奥 敬一
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.587-592, 2012 (Released:2013-08-09)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

The traditional event, “Kyoto Gozan-Bonfire” is one of the annual fire festivals carried out at the Eastern, Northern and Western Mountain surrounding Kyoto city on August 16. It is in conjunction with the famous O-bon festival in Japan, a tradition of seeing the spirits of the dead off. Ritual organizing committees exist at Ginkakuji, Matsugasaki, Nishigamo, Kinugasa and Saga areas. This special tradition is no longer confined to these special areas, but has expanded to involve wider a resident of Kyoto and Japanese. Traditionally, Japanese red pines had been used as bonfire material and also as local resources for daily life or annual events, but the fuel revolution in 1955 caused abandonment of forestry management. As a result, red pines are scarce and only one of five organizing committees can barely manage to get them. There are other additional problems in continuing this tradition despite the people’s intentions to preserve. So, we studied to distinguish the morphology of each bonfire and features of the ritual organizing committees and what is necessary to make this event a success from three point of views: material, talented personnel and funding.
著者
奥 敬一
巻号頁・発行日
pp.1-5, 2016-06

2016年6月15日 : 富山大学高岡キャンパス講堂,2016年6月16日 : 富山大学中央図書館でそれぞれ開催された「2016 レポートの書き方講習会」の配布資料。 【内容】• レポートとその仲間達 •レポートの構造と作法 • レポートのTips• レポート?の実例• 参考になる文献
著者
小川 菜穂子 深町 加津枝 奥 敬一 柴田 昌三 森本 幸裕
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.627-632, 2005-03-31
被引用文献数
2 3

The objective of this study is to find a way in which the factors relating to the succession of the village landscape of Sasabuki (thatched roof with dwarf bamboo, Sasa palmata) in the Tango Peninsula, can be determined, by understanding the processes of change occurring within its landscape, the causes of the decreasing number of Sasabuki houses, and the practical difficulties in maintaining them. We chose Kamiseya in Miyazu City, Kyoto Prefecture, analyzed documents concerning Kamiseya and we interviewed local residents, asking them how they maintained and managed Sasabuki roofs, and the reasons why they gave up Sasabuki. Then, we selected 6 other cases of thatched houses, and did the same analysis as the previous. In Kamiseya, management of Sasabuki houses was previously supported by system of mutual assistance. From 1960 to 1970, Sasabuki houses dramatically decreased. The causes were lack of labor due to rapid depopulation and aging, and a reduction of dwarf bamboo resources in both quantity and quality, because Kayaba had been replaced by artificial forests. Of those surveyed, the householder's personal attachment to Sasabuki have allowed for the maintenance. It is significant to devise a system, which manages and utilizes Sasabuki in order to allow the succession of Sasabuki village landscape.
著者
奥 敬一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第125回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.40, 2014 (Released:2014-07-16)

薪の利用は、生態系サービス概念では通常「供給サービス」の中の「燃料供給」と位置づけられる。しかし、薪ストーブを媒介として薪を利用することは、一定のライフスタイルのもとでは精神的・レクリエーション的な「文化的サービス」の発揮にもつながり、健康、安全、豊かな生活、社会的な連帯の形成、教育といった人間社会の福利へと生態系サービスを拡張する可能性を含んでいる。 こうした視点から、京都、滋賀の都市近郊において、里山林からの薪を利用している薪ストーブユーザー4軒を対象として3~5年間にわたるモニター調査を行った。その運転記録と生活の質に関わる聞き取り調査から、薪ストーブによって拡張された文化的サービスの実態について報告する。調査結果からは、薪ストーブを「里山林から得られる供給サービス(燃料)を、複合的な生態系サービスに拡張する装置」ととらえることができ、そのことが生活の質の向上の実感に大きく関わっていることが示された。
著者
奥 敬一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.129, 2018

<p> 地域における人々の生活・生業が生み出す「文化的景観」は、文化財の新たなカテゴリーに加わってから10年以上が経過し、「重要文化的景観」選定地域も50を超えた。こうした文化的景観の捉え方は、共通の地域特性を持ったひとまとまりの視覚的範囲として設定されたコンテンツであることから、地域づくりへの活用にとっても大きな可能性をもっていると考えられる。しかし、景観を生み出した駆動要因である生活・生業の価値を重視し、普段は「見えない」部分が強調されることで、かえって来訪者や一般の生活者にとって景観の価値をわかりにくくしている面も否めない。文化的景観の価値を見る人々に伝え、地域に関わる動機付けを生み出すためには、景観の「直接目に見える部分」と「直接目に見えない部分」の双方を統合的に視覚化できる仕掛けが必要とされている。本研究では、そのような視覚的装置について、① 眺望・展望地点、② メディアに引用されるビジュアル、③ 野外での解説装置、④ 拡張現実、の4種類に整理して、その有効性や計画論を試みたい。</p>
著者
藤井 基弘 深町 加津枝 森本 幸裕 奥 敬一
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.32, 2012

伝統行事「京都五山送り火」は、京都市内を取り囲む東山・北山・西山に灯される火の祭典の一つで、日本の伝統的なお盆の行事である。そして、今やこの送り火は特定の地域の伝統行事となるだけでなく、「お精霊送り」として広く人々の間に定着し、人々の"心の共有財産"となっている。本研究では、銀閣寺地域・松ヶ崎地域・西賀茂地域・衣笠地域・嵯峨地域それぞれの送り火の形態や祭祀組織の特徴を明らかにすることを目的にした。そこでこの行事を貴重な地域の文化として今後も継承するための方策を資材、人材などの側面から考察した。
著者
木村 栄理子 深町 加津枝 古田 裕三 奥 敬一 柴田 昌三
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.51, 2007

本研究は、京都市嵯峨嵐山における竹林景観の管理状況の実態と、景観保全施策について明らかにし、景観保全施策が景観を良好に保つためにどのような役割を果たしているか検証した。対象地の竹林の管理状況と景観保全施策とを比較検討した結果、古都保存法による買取制度により、景観上重要な私有地の竹林を行政所有とになり、竹林の消失が抑制されていた。しかし、竹林景観を適正に管理する体制は確立しておらず、一部の地元住民の有志に頼った管理がなされているにすぎなかった。また、厳しい景観保全施策の対象外の地域において、竹材や筍生産林として管理が行なわれ、竹林景観として維持されていること等が明らかになった。
著者
伊東 宏樹 衣浦 晴生 奥 敬一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.84-87, 2011 (Released:2011-06-22)
参考文献数
21
被引用文献数
7 7

丹後半島に位置するナラ類集団枯損の被害跡の広葉樹林において, その現況を調査した。調査地の林床はチマキザサが優占しており, これが更新阻害要因となっていることが予想されたが, 実際, ナラ類集団枯損の被害を受けたミズナラを含めて高木性樹種の小径木や稚樹は少なかった。胸高直径10 cm未満の小径木自体は多かったが, その樹種はリョウブ・オオカメノキ・ヤマボウシ・クロモジ・ユキグニミツバツツジ・ハイイヌガヤなどであり, ヤマボウシのほかは亜高木および低木性樹種であった。胸高未満の階層でも高木性樹種は少なかった。以上の林分構造から, 現状ではミズナラを含む高木性樹種の更新は困難になっており, 少なくともチマキザサの一斉開花枯死が発生するまでは現状のような林相が継続するものと予想された。
著者
阿部 佑平 柴田 昌三 奥 敬一 深町 加津枝
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.270-276, 2011 (Released:2012-03-13)
参考文献数
42
被引用文献数
3 1

京都市では, 左京区の北部山間地域でササの葉が採集され, 京都市内で食品の包装や祇園祭厄除け粽の作成に利用されてきた。本研究では, ササの葉の採集・加工方法と流通・利用状況を明らかにするとともに, 最近まで京都市内でササの葉を生産し, 利用する体制が維持されてきた要因を明らかにすることを目的とした。調査の結果, 当地域の花脊別所町と大原百井町の集落周辺の里山で, 裏に毛のないササの当年生葉が採集され, 天日乾燥されていたことが明らかになった。また, 広葉樹の択伐といった里山管理がササの旺盛な生育につながっていた可能性が示唆された。このような地域の知恵や技術により, 品質の良いササの葉を生産し, 利用する体制が最近まで維持されてきたと考えられた。一方, 2004年から2007年にかけて京都市内のササが一斉開花・枯死した以降は, 他の産地のササの葉が利用されていた。また, ササの葉の生産に関して後継者も不足していることが明らかとなった。京都市において再びササの葉を生産し, 利用していくうえで, ササの葉の生産に必要な労働力を確保すること, ササの葉の生産に関する地域の知恵や技術を伝えていくことが重要であると考えられた。
著者
奥 敬一
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.26-27, 2016 (Released:2017-04-14)
著者
深町 加津枝 奥 敬一
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.813-818, 2004 (Released:2005-12-12)
参考文献数
23
被引用文献数
3 3

Amanohashidate is an outstanding landscape in Miyazu, Kyoto Prefecture, which is based on natural forms of a sand spit and row of pine trees, harmonizing natural and human elements. At the same time, it has played a role as a unique local landscape in the daily lives of the local people. In this study, we clarified features of the historical landscape in Amanohashidate and its subsequent changes after the Meiji period, focusing on (1) changes in the sand spit and pine rows of Amanohashidate, and (2) changes in the view points and landscapes of Amanohashidate. Also, we evaluated the landscapes of the local people, and discussed future landscape management of the area. Resulting from the evaluation, it can be seen that the local people are strongly attached to their landscapes, which are close and frequently used in their daily lives. They take a strong interest in not only the scenery, but also the quality of the environment. They wish to have both the conservation and the recovery of pine groves and landmark trees, which are nearby and representative of their local environment. On the other hand, we found differences in the desired landscapes and feeling of different residential areas especially with newly developed landscapes.
著者
奥 敬一 深町 加津枝 森本 幸裕 奥 敬一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.587-592, 2000-03-30
被引用文献数
8 2

京都大学芦生演習林を訪れた48グループの一般利用者を対象として写真投影法による調査を行った。得られたテータから,現実の森林レクリエーション行動下において体験され,評価される森林景観を,視対象,視点,視距離,地形,構図などの複合的な要素からなる景観型として整理し,それらの操作可能性を論じるとともに,景観型と来訪者の利用形態との関係を検討した。その結果,林内散策行動の条件下で景観体験となりやすい景観のパターンが抽出された。また,レクリエーション利用者の環境に対する態度は,異なる複数のタイプとしてとらえられ,多様な景観体験を確保したレクリエーション地域計画の必要性が示唆された。
著者
奥田 裕規 井上 真 斎藤 暖生 土屋 俊幸 藤掛 一郎 三俣 学 八巻 一成 奥 敬一 垂水 亜紀 深町 加津枝 田中 求 大地 俊介 大久保 実香 横田 康裕
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

脆弱化した社会組織を活性化させるためには、地域社会に新しいアイ デンティティを形成する社会変化を促す必要がある。このような社会変化を促すためには、「内 発的発展」が重要な役割を果たす。「内発的発展」は、地域住民を結ぶネットワーク上に存在し、 ネットワークは、地域住民共通の「大切なもの」を守ろうとする「思い(紐帯)」で結ばれてい る。そして、地域の「大切なもの」を守ろうとする「思い」が強ければ強いほど、そのための 取組が活発化し、「地域資源(コモンズ)」に対する要求が高まる。
著者
深町 加津枝 奥 敬一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.647-652, 2002-03-30
被引用文献数
9 12

薪炭利用などをとおし地域住民と密接な結びつきがあった里山ブナ林の多くは,今日,面積の減少や管理放棄など,保全上の様々な課題を抱えている。本研究では,里山ブナ林の景観を対象とした評価実験を行い,都市住民との比較から里山ブナ林に対する地域住民の景観評価と継承意識の特徴を分析した。レパートリーグリッド法による分析からは,繁茂度,自然性など里山ブナ林の景観に対する印象軸を抽出し,土地利用履歴ごとの景観の評価構造を示した。多元的評価尺度を用いた景観評価では,地域住民と都市住民との里山ブナ林の評価に大きな差異があり,地域住民の継承意識が水土保全機能,身近さ,美しさに規定されることを明らかにした。