著者
日吉 正明 関谷 透 奥園 達也 野口 高昭
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1special, pp.260-265, 1982 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12
被引用文献数
4 5

A 17-year-old female high school student, suffered from attacks of vertigo after influenza vaccinations, which was diagnosed as vertigo consistent with vestibular neuronitis.She was completely healthy until she noted some dizziness on arising from a chair, which subsided spontaneously one hour after resting. This was on the 20th day after the first influenza vaccination.Two days after the first dizziness attack (22nd day after the first influenza vaccination), she began to have sudden, severe rotatory vertigo, 2 hours after the second vaccination. She had accompanying nausea and vomiting persisting for about half a day. Although the vertigo subsided she has developed unsteadiness of gait.There were no signs or findings of cochlear nervous impairment. Otoneurological findings including the caloric test and galvanic body-sway test (computed galvanogram, Yamaguchi University) were consistent with that of vestibular neuronitis. Sero-immunological study revealed a low level of viral antibody titre.The pathognomosis of vestibular neuronitis is briefly discussed.
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
奥園 達也
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.2565-2580, 1983
被引用文献数
7 2

著者は, 身体重心動揺の方向性を重視し, 新たに動揺の各規定方向毎の動揺量を表示できるベクトル動揺図 (命名, Vector Statokinesigram; V-Skg. と略) を考案した. V-Skg. は, 重心動揺計の左右及び前後への身体動揺記録 (Statokinesigram; Skg. と略) を用い, 特製プログラムを有するマイクロコンピューターにより作成する, 即ちV-Skg. 上の動揺方向は, Skg. 上単位時間毎移動点, 2点間のΔy/Δxの逆正接より求め, 併せて動揺量は同2点間の距離より求めた. 動揺方向の一計測単位を5度とし, 360度を72分割すれば, 動揺方向毎動揺量の計測値は72個得られる. これを, 極座標上72本の放射状線分として, CRT上に描出した.<br>1) 本法により健康成人29名のV-Skg. を記録した. 動揺の型別は, 求心型, びまん型, 前後型, 多中心型, 左右型の他, 閉眼安定型を加えた. 各型別の総軌跡長, 20度毎18方向別の平均値と標準偏差を求めた. これを健常者の型別, 対照値とした.<br>2) 健康高令者65名のSkg. とV-Skg. を記録した. この型別分類, 総軌跡長及び18方向別の動揺量を求め, 健康成人群と比較した. 身体動揺は加令により増加した. 型別分類では左右型と閉眼安定型の増加が注目された.<br>3) 一側性末梢前庭障害例では左右型の動揺を示す. 動揺量は健康成人群の左右型より有意に大きい.<br>4) 小脳脳幹障害例では前後型の動揺を示すが, 健常群の前後型に比し動揺量は大きい.<br>5) 体平衡障害の代表例2例を呈示した. 本V-Skg. は, 変動する動揺の方向性を明示し, その動揺量を計量し得る方法である.