著者
池田 卓生 関谷 透 木戸 利成 金谷 浩一郎 田原 哲也 原 浩貴
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.703-708, 1994 (Released:2008-03-19)
参考文献数
7

今回我々は,北海道上砂川町にある地下無重力実験センター(Japan Microgravity Center: JAMIC)を利用する機会を得たので,これが身体平衡系の研究における新しい実験手段として有用であるかを検討する目的で,平衡系実験セット(姿勢•行動観察用及び筋電図記録用)を作製し,カエルを用いた予備実験を行った.1) 姿勢•行動観察では,無処置群において頭部が背屈し,四肢が伸展するという特徴的な姿勢が観察できた.また前庭神経切断群では,落下前の姿勢変化はそのまま持続し,障害側を下にする回転運動が見られた.2) 筋電図では,落下直後に前庭脊髄反射のためと考えられる筋活動の亢進を認めた.また前庭神経切断例では,術側の潜時が,やや遅延した.3) カエルは,落下実験施設を利用した平衡系実験の実験動物として適当である.4) 微小重力暴露時の身体平衡系の研究において,落下実験施設は非常に有用な実験手段である.
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
池田 卓生
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.511-519, 2003 (Released:2009-06-05)
参考文献数
21
被引用文献数
1

We performed two experiments to investigate the relationship between motion sickness and active or passive posture control. Experiment 1: Coriolis stimulation evokes not only motion sickness but also nystagmus and body sway. Eight subjects were asked to execute head tilt with eyes open or eyes covered while standing on a force-platform attached to a turntable. Eye movements were recorded using an infrared CCD camera. The center of pressure was recorded simultaneously. While gaze and posture became passive conditions and motion sickness was evoked with eyes covered, the subjects could maintain active control of posture and motion sickness was not evoked with eyes open. Experiment 2: Head tilt angle while riding in a car recorded on videotapes was quantitatively evaluated by computer analysis. While head movements of passengers became unstable and motion sickness was evoked, the head of the driver always tilted in the same direction as the curve and motion sickness was not evoked. Motion sickness appeared when the head returned from the tilted position to the original position. These results suggest that spatial orientation (the perception of the spatial relationship between self and the outer world) determines whether posture control will be active or passive, and whether motion sickness will be evoked.