著者
野口 聡一 木下 冨雄
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-10, 2014-08-18 (Released:2015-03-30)
参考文献数
18

The purpose of this study is to investigate how a microgravity environment affects spatial orientation, the cognitive system, and interpersonal relationships, hence changes in gravity reference frames. After leaving the terrestrial globe, astronauts experience drastic perceptual disturbances (temporary loss of the senses of spatial- and self-orientation). However, they gradually learn to adapt to the novel environment by developing new perceptual and behavioral skills. First, we examined video clips of an astronaut’s body movement inside the International Space Station (ISS) by using a motion video analysis technique. We discovered that a microgravity environment definitely affects spatial orientation. Second, we analyzed how social hierarchy organization, metaphorical expression, and psychological stabilization were affected by space adaptation.
著者
野口 聡一 丸山 慎 湯淺 麻紀子 岩本 圭介
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.29-44, 2014-03-01 (Released:2015-02-02)
参考文献数
20
被引用文献数
4

The purpose of the present study is to illustrate how social networking service (SNS) such as “Twitter [twitter.com]” works as a tool enhancing our communication between space and the ground. To do so, by using a text mining technique, we analyzed text data of an astronaut ’s daily reports, short compositions posted by the astronaut on Twitter, and reactions from ground to his tweeting (the primary author is the astro-naut himself. He wrote daily reports during his first space flight and tweeted during his second long duration space flight). In the analysis, we focused on the frequency of the use of some specific words and on changes in the astronaut’s verbal expressions over time. Results suggested that SNS communication had an impact on the astro-naut’s word choice when he narrated his experience in space and also contributed to facilitating interaction between the astronaut and ground. Based on these findings, we speculated that, due to its easiness, promptness and bidirectionality, SNS has great potential for becoming a powerful and fundamental tool to reduce our psychological distance to space, and by this token, contributes to developing scientific interests of general public in space exploration. This implies that, through SNS communication,we have already begun to experience space as a part of our everyday things on Earth.
著者
野口 聡一 湯淺 麻紀子 岩本 圭介 丸山 慎
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.69-80, 2015

ツイッターをはじめとする現代のソーシャル・ネットワーキング・サービスの発展によって, 私たちのコミュニケーション活動は膨大なデータとしても記録され, そのデータの入手もきわめて容易に行えるようになった. しかしその一方で, 収集された膨大な情報の構造や特徴を解析し, その結果を何らかの目的に沿って有効に活用していくためには, どのような方法が適切かつ効率的なのかといった点については, 未だ十分な検討がなされているとはいえない.<br> そこで本研究では, ツイッターデータの分析に関する1つのモデルケースを示すことを目的として, テキストマイニングによる分析事例を紹介した. 対象としたデータは, 宇宙飛行士が宇宙滞在中および地球帰還後に投稿したツイッターの文章データとそれらに対する読者のリアクションデータであった. 分析の主たる結果から, 文章情報をつぶやくツイッターというフィールドにおいて, 読者が最も高い関心を寄せ, 即時的なリアクションを起こしていた内容は, 「写真」や「動画」であることが明らかになった. さらに本研究では, ツイッターデータの解析が, 単にデータの特徴を把握するだけに留まらず, それらを基にしたマーケティング領域 (例えば訴求力のある広報活動の展開) への応用可能性などについても示唆的な議論を展開した.
著者
林 雅雄 稲盛 隆穂 佐伯 龍男 野口 聡
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.42-53, 2010 (Released:2012-03-01)
参考文献数
32
被引用文献数
11 13 1

The Japanese Government has acquired regional reconnaissance seismic data in territorial waters since 1969 to evaluate the country's hydrocarbon potential. Total length of seismic lines is about 100,000 km and many surveys cover relatively deep water areas where gas hydrate stability zone (GHSZ) is expected to exist. BSRs related to methane hydrates in the offshore areas surrounding Japan were studied jointly by the group comprised of JNOC (at present, JOGMEC) and 10 private sectors based on these archived seismic data, and the areal extent of BSRs was reported to be 44,000 km2 in 2000.The country's research into methane hydrates has been accelerated since 2001 by establishment of the research consortium (MH21) under administrative guidance of METI. To investigate into methane hydrate, extensive 3D seismic surveys were conducted in the eastern Nankai Trough and many LWD wells were drilled there. Through the exploration campaign, certain new knowledge on seismic attributes related to the concentration of methane hydrates was obtained. In the light of this advanced knowledge about the appearance of BSRs, MH21 has decided that the archived seismic data should be investigated for the comprehensive understanding of methane hydrates as the potential future energy resources. Old seismic data processed suitably for loading in a “work station” was interpreted in the sophisticated system, though the volume of them was very limited.A method of high density velocity analysis was applied to the seismic data which recorded clear BSR appearing at abnormally shallow depth as 200msec below the sea floor in the Sea of Japan and in the Sea of Okhotsk, comparing to 500 to 700 msec in the Pacific side. This may represent that the geotectonic setting of the Japanese Islands controls GHSZ and this understanding seems to be important for the future exploration of MH.Present study has revealed that the areal extent of BSRs in offshore Japan is 122,000 km2.
著者
野口 聡一 湯淺 麻紀子 岩本 圭介 丸山 慎
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.69-80, 2015 (Released:2017-05-01)
参考文献数
4

ツイッターをはじめとする現代のソーシャル・ネットワーキング・サービスの発展によって, 私たちのコミュニケーション活動は膨大なデータとしても記録され, そのデータの入手もきわめて容易に行えるようになった. しかしその一方で, 収集された膨大な情報の構造や特徴を解析し, その結果を何らかの目的に沿って有効に活用していくためには, どのような方法が適切かつ効率的なのかといった点については, 未だ十分な検討がなされているとはいえない. そこで本研究では, ツイッターデータの分析に関する1つのモデルケースを示すことを目的として, テキストマイニングによる分析事例を紹介した. 対象としたデータは, 宇宙飛行士が宇宙滞在中および地球帰還後に投稿したツイッターの文章データとそれらに対する読者のリアクションデータであった. 分析の主たる結果から, 文章情報をつぶやくツイッターというフィールドにおいて, 読者が最も高い関心を寄せ, 即時的なリアクションを起こしていた内容は, 「写真」や「動画」であることが明らかになった. さらに本研究では, ツイッターデータの解析が, 単にデータの特徴を把握するだけに留まらず, それらを基にしたマーケティング領域 (例えば訴求力のある広報活動の展開) への応用可能性などについても示唆的な議論を展開した.
著者
中塚 幹也 安達 美和 佐々木 愛子 野口 聡一 平松 祐司
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.543-549, 2006-01
被引用文献数
6

日本の公的医療機関では, 精神神経学会の性同一性障害(GID)治療ガイドラインに従い, ホルモン療法は18歳以上に施行しているが, 年齢制限には検討の余地がある。このため, GID症例自身が, 説明, ホルモン・手術療法を何歳ごろ受けたかったかを調査した。対象はGID症例181名で, FTM症例117名, MTF症例64名であった。FTM症例の初経は12.8±1.6歳, 乳房増大の自覚は12.2±1.7歳であり, MTF症例の変声は13.6±1.7歳, ひげは15.3±2.5歳にみられた。中学生以前に性別違和感の生じた症例に限って検討すると, GIDについて知った年齢は, FTM症例で22.0±6.6歳, MTF症例では27.0±9.8歳であった。FTM症例では, GIDの説明は12.2±4.2歳, ホルモン療法の開始は15.6±4.0歳, SRSは18.2±6.0歳にしてほしかったとしていたが, MTF症例では, いずれも二次性徴の起こる前の各10.7±6.1歳, 12.5±4.0歳, 14.0±7.6歳と早期の治療を希望していた。現在のGID治療ガイドラインの年齢制限の緩和が必要であるが, 学校教育の中でのGIDの概念の解説, 思春期における適切なGID診断システムの確立などが重要となろう。
著者
野口 聡 田中 雄也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.Suppl., pp.45-48, 2021-12-20 (Released:2022-02-02)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究では,人に教えるために書く活動において,その文章を書く方略を変えた理由や契機を明らかにする.その前提として,初期と19ヶ月後における書くための方略の出現単語の傾向から分析した.その結果,初期と19ヶ月の時点に差が見られた.そのため書くための方略を変えた理由や契機の自由記述をKJ 法で分類し,4つのカテゴリが生成された.「評価の意識」は学習評価に関わるもの,「失敗の予期や経験」「他の参考」は試行錯誤によるもの,「学びの気づき」は取り組むことの気づきに関わるものであり,それらによって書く方略を変化させたことが示唆された.
著者
野口 聡 田中 雄也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Suppl., pp.033-036, 2018-12-20 (Released:2018-12-21)
参考文献数
5

本研究では,人に教える活動に取り組む生徒の意識が,学習に対する自己評価に与える影響を明らかにする.そのために,活動に取り組む生徒の意識の構成要因が,理科学習の4観点(興味・関心,知識理解,科学的思考,観察実験)の自己評価に与える影響を分析した.その結果,生徒の意識の構成要因として,「①振り返り・まとめ方」,「②自然現象との関連」,「③書き方の工夫」,「④調べ直し」の因子が抽出された.さらに,興味・関心は①,②が,知識理解は①,③が,科学的思考は②が,実験観察は①が,影響することが示唆された.
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.