著者
大津 和弥 竹内 万彦
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.22-24, 2010-06-01 (Released:2010-10-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

In general, the primary therapy for mutational voice disorder has been voice therapy. However, we sometimes see cases in which voice therapy does not decrease the high pitch of mutational voice disorder. We performed an Isshiki type III thyroplasty on a patient with mutational voice disorder who had been treated by voice therapy for two years without remarkable improvement of his voice. His voice pitch became much lower after the Isshiki type III thyroplasty surgical procedure. The patient's fundamental frequency (F0) decreased from 276 Hz before surgery to 126 Hz after surgery. Isshiki type III thyroplasty was found to be useful as surgical treatment for higher pitch and resulted in a voice that was satisfactory to the patient with mutational voice disorder.
著者
竹内 万彦 鈴村 恵理
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Supplement3, pp.s181-s184, 2013-08-15 (Released:2014-08-15)
参考文献数
11

【目的】 相対湿度の低下が粘液線毛輸送機能の低下をきたすことが報告されている。そこで生理食塩水の鼻への噴霧が鼻粘膜の粘液線毛輸送機能に影響を及ぼすか否かを明らかにするために本研究を行った。 【方法】 対象は特に鼻疾患のない健康成人13名 (男性4名, 女性9名, 平均年齢29.3歳) である。3日にわたってサッカリンテストを施行した。1日目は特に何も処置をせずに行い, 2日目には生理食塩水の鼻噴霧5分後に, 3日目には鼻噴霧15分後に施行した。 【成績】 鼻噴霧5分後のサッカリン時間は前処置なしのそれと比べて有意に短縮していた。鼻噴霧15分後のサッカリン時間は前処置なしのそれと有意差を認めなかった。鼻噴霧5分後のサッカリン時間と鼻噴霧15分後のそれとの間にも有意差を認めなかった。室温は22.8±1.1℃, 湿度は28.8±5.1%であった。 【結論】 生理食塩水の鼻噴霧は短時間鼻粘膜の粘液線毛輸送機能を亢進させるものと考えられる。
著者
千代延 和貴 石永 一 大津 和弥 竹内 万彦
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.757-762, 2015-06-20 (Released:2015-07-18)
参考文献数
13
被引用文献数
1

魚骨異物は口蓋扁桃や舌根部に多く認められ, 視診のみで診断可能なことが多いが, 口腔咽頭の粘膜下に刺入した魚骨異物は診断および摘出が困難な場合が多い. 今回舌筋層内に迷入した魚骨異物症例を経験した. 症例は49歳男性で, 鯛を摂食した直後から咽頭痛を自覚し, 近医耳鼻咽喉科にて粘膜下異物が疑われ当科紹介となった. 視診上は口腔咽頭に魚骨を認めず, CT を撮影すると舌筋層内に魚骨異物を認めたため, 緊急手術を行った. 術中にも触診では魚骨を発見できなかったため, 術中 CT 撮影を行い, 魚骨の存在位置を確認し摘出し得た. 本症例は魚骨が舌筋層内に迷入したまれな症例であり, 異物の存在位置の評価に術中CTが有効であった.
著者
荻原 仁美 湯田 厚司 宮本 由起子 北野 雅子 竹尾 哲 竹内 万彦
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.78-83, 2011 (Released:2011-07-12)
参考文献数
11
被引用文献数
3 3

背景と目的: スギ花粉症にヒノキ科花粉症の合併が多く, その原因として両花粉抗原の高い相同性が挙げられる. しかし実際の臨床の場において, ヒノキ科花粉飛散期にスギ花粉飛散期にはみられない強い咽喉頭症状のある例に遭遇する. そこで, ヒノキ科花粉症の咽喉頭症状について検討した.方法: スギ・ヒノキ科花粉症患者で2008年のスギ・ヒノキ花粉飛散期の咽喉頭症状を1週間単位のvisual analog scale (VAS) で検討した. また, 2008年と2009年に日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票No2で鼻眼以外の症状を調査し, 花粉飛散数による相違を検討した.結果: VASによる鼻症状は花粉飛散数に伴って悪化し, スギ花粉飛散期でヒノキ科花粉飛散期より強かった. 一方, のどの違和感と咳は, ヒノキ科花粉が少量飛散であったにもかかわらず, ヒノキ科花粉飛散期で悪化した. また日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票No2の鼻眼以外の症状において, スギ花粉症では飛散総数が多いと全般に症状が悪化したが, ヒノキ科花粉症は少量飛散でも強い咽喉頭症状を示し, 大量飛散年に類似した.結論: ヒノキ科花粉症はスギ花粉症と同一のように考えられているが,スギ花粉症とは異なる鼻眼以外の症状を呈する. 特にヒノキ科花粉症において咽喉頭症状が強く, 少量の飛散でも強い症状がある.
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
鵜飼 幸太郎 坂倉 康夫 竹内 万彦 増田 佐和子 湯田 厚司 大川 親久 緒方 俊行
出版者
Society of Oto-rhino-laryngology Tokyo
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.447-458, 1999

スギ花粉症の患者30例を対象に, 甜茶ポリフェノール含量を高めた飲料 (甜茶エキス80mg/日) をスギ花粉飛散前に投与を開始する初期投与群 (15例) と発症後投与群 (15例) に投与し, スギ花粉飛散前期における鼻症状, 眼症状および併用薬剤使用状況を調査し, その有効性, 安全性および有用性について検討を行った。<BR>初期投与群と発症後投与群を比較したところ, 花粉症発症1週目, 2週目ともsymptom scoreには差が認められなかったが, medication scoreおよびsymptom-medication scoreには, 統計学的に有意な差が認められた。<BR>試験終了時の医師による最終総合評価では, 初期投与群で「中等度改善」以上が53.3%を占め, 発症後投与群の6.7%に比べて有意に高い症状改善率を示した。<BR>副作用は全例に認められず, 臨床症状改善率と副作用を考慮した有用度は初期投与群において「やや有用」以上が60%を占め, 発症後投与群の33.3%と比較して有意に高い有用性を示した。<BR>以上の結果より, 甜茶飲料をスギ花粉飛散前から飲用することにより, スギ花粉症症状を予防的に抑制し治療薬の低減に有用であることが確かめられた。
著者
竹内 万彦 今西 宜義 間島 雄一
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.40-43, 2005
被引用文献数
2

耳鼻咽喉科外来で一般的に使用されている薬液内蔵式ネブライザーユニット内の細菌感染の状況を把握するために, 11施設において細菌検査を行った。ネブライザー球内とそれに連結するチューブの洗浄液および噴霧エアーから培養し, 菌数の測定と菌同定試験を行った。その結果, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌が比較的多く検出され, <I>Corynebacterium sp, P. aeruginosa, S. Paucimobilis</I>などの細菌が検出された。ネブライザーユニットの器具洗浄法の改善により, 細菌数を著明に減少することができた。
著者
湯田 厚司 宮本 由起子 服部 玲子 荻原 仁美 竹内 万彦 間島 雄一
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.1366-1371, 2007
被引用文献数
7

【背景・目的】スギ花粉症に対する免疫療法の直接医療経費を検討し,スギ花粉飛散数の違いによる影響を検討する.【方法】免疫療法および対照の初期療法の各18例で,スギ花粉大量飛散(2005)年,中等度飛散(2003)年,少量飛散(2004)年に同一患者が支払った医療費,薬剤費をレセプトおよび診療録から算出した.また,大量飛散年に無記名で症状と治療満足度のアンケート調査をVAS法で行った.【結果】免疫療法群は維持期の医療費を加えても総医療費が低く,処方薬剤費も少なかった.また,大量飛散年でも免疫療法群は処方薬剤費が増加せず,医療費が増さなかった.アンケート調査でも免疫療法群の満足度が高く,くしゃみ,鼻みず,眼のかゆみの症状が有意に良かった.【結論】免疫療法は直接医療経費の面からは医療経済上も有用で,特に花粉飛散数が多い程顕著になる.
著者
増田 佐和子 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 大川 親久 坂倉 康夫
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.570-576, 1996
被引用文献数
3

スギ花粉の飛散状況は気候に大きく左右され, 総飛散量, 飛散パターンは年により大きく異なっている. 1993年から1995年までの三重県各地の2月, 3月のスギ花粉飛散数を示し, 全県下の耳鼻咽喉科診療施設の新患総数と, これに占めるアレルギー性鼻炎新患の総数を検討したところ, 飛散数に関わらず三分の一から二をアレルギー患者が占めていた. 1995年の飛散数は津市で17943個/cm^2,全県下で99512個/cm^2に達し, 12年間の観測史上最高であった. また, 症状出現前から酸性抗アレルギー剤を服用し, アレルギー日記による症状記録を行った同一患者の過去3年間における飛散期重症日数は, ばらつきが大きいものの飛散数に応じて変化しており, ある一定以上の飛散で症状が出現するが, その後の重症度は総飛散数にかなり依存することが示唆された. 1995年津市においては2月中はほとんど飛散がみられず, 3月になってから爆発的ともいえるほど大量の飛散があり, 患者30名の症状出現率と累積飛散数の対数はよく相関した. また花粉が累積で100個/cm^2飛散すると約半数の患者に, 1000個/cm^2飛散するとほとんどの患者に症状が出現し, これは1993年の結果と一致するものであった. 花粉飛散数が年により変動するのみならず, 患者の症状発現時期, 重症度は個々において大きく異なるものであり, それぞれの患者の状態を見極めた上でそれに応じた治療法を選択することが大切であると考えられる.