著者
高橋 裕平 宮崎 一博 西岡 芳晴
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.Supplement, pp.S21-S31, 2011-09-01 (Released:2013-02-20)
参考文献数
20
被引用文献数
4

筑波山及びその周辺地域の山塊には深成岩類と変成岩類が分布している.深成岩類からは古第三紀初期の放射年代が得られ,また,その岩石学的性質や関連鉱床との関係から西南日本内帯の領家帯及び山陽帯の深成岩類の延長と考えられている.変成岩類は,その原岩がジュラ紀末-前期白亜紀堆積物と考えられ,白亜紀末から古第三紀初期に高温低圧型の変成作用を受けたものである.筑波山塊北の花崗岩類は良質な石材として国会議事堂をはじめ日本の多くの建物で利用されている.
著者
松岡 太志 宮崎 一臣
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.374, 2010 (Released:2011-01-15)

【はじめに】 脊椎圧迫骨折の保存療法には,体幹ギプス固定と半硬性コルセットによる固定がある.当院でもこの2種類の治療法を行っている.体幹ギプス固定は入院後ギプスにて体幹を固定し,3週から4週間の固定の後,軟性コルセットを作成し治療を継続する.半硬性コルセットによる固定は,入院後すぐにコルセットを作製し,治療を行う.どちらの治療法も,早期に患部を固定し,後療法へ移れるために,有効な治療法であると言える. しかし,どちらの治療法がより有効であるかを示した研究は少ない.そこで本研究は,脊椎圧迫骨折患者の保存療法において,どちらがより有効な治療法であるのかを調査することとする.【目的】 体幹ギプス固定と半硬性コルセットによる固定との治療成績に差があるか否か,を調査・検討することである.【対象】 平成18年6月から平成21年6月までに当院回復期病棟に入院し退院した脊椎圧迫骨折の患者143例を対象とした.内訳は男性32例,女性111例で,平均年齢は79.8±8.3歳.在院日数は56.9±21.4日であった.治療法については,体幹ギプス固定44例,半硬性コルセットによる固定99例であった. また,今回は脊椎圧迫骨折のみによる入院患者で,受傷後すぐに来院若しくは救急病院を受診し,治療を開始できた患者を対象とし,他の骨折などの合併症を有する患者,指示入力が困難であるような重篤な認知症である患者は除外した.【評価及び方法】 評価項目として,在院日数,痛み,退院時のADL能力,受傷後8週経過時点で,骨癒合していないものを遷延治癒とし,その有無を挙げた.痛みについてはVAS,ADL能力についてはFIMにて評価した.以上の項目を評価し,体幹ギプス群と半硬性コルセット群の2群間に分け比較した.【結果】 在院日数は体幹ギプス群55.1±22.6日,半硬性コルセット群57.8±20.9日であり有意差を認めなかった.退院時のADL能力については,FIMにて体幹ギプス群117.1±7.0点,半硬性コルセット群112.0±14.4点であり,有意差を認めなかった(運動項目・認知項目共に有意差なし).痛みについても,有意差を認めなかった.遷延治癒に関しては、体幹ギプス群4例,半硬性コルセット群8例で有意差を認めなかった.【考察】 今回の結果より,体幹ギプスと半硬性コルセットの治療成績に差がないことがわかった. 体幹ギプスに関しては,強固に固定できるが,固定期間中取り外しができないため,患者のストレスが強く,ADLの中でも清拭等制限されるものが多い.一方半硬性コルセットは,取り外しができ,ADL上の制限も少なく,患者のストレスは体幹ギプスに比べると少ないのではないかと考える.治療成績に差がなければ,患者のストレスが少ないほうがより良いのではないかと考える.しかし,装着率の問題は否定できず, 今後の研究の課題となる.【まとめ】 脊椎圧迫骨折の保存療法において,体幹ギプス固定と半硬性コルセットによる固定との治療成績に差はない.
著者
宮崎 一浩 日比野 直彦 森地 茂
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_477-I_486, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
14
被引用文献数
1

我が国の都市鉄道は,新線建設,高頻度運行等の輸送力増強施策による混雑緩和対策やネットワークを活用したシームレスな輸送サービスの提供等,利便性の向上に取り組んできた.その反面,稠密なダイヤ構成や運行形態の複雑化により,慢性的な遅延の発生,広域波及といった新たな課題が顕在化している.本研究は,都市鉄道における列車遅延の発生,波及の要因について,路線の特性を踏まえつつ,実績値データを用いた現状の把握を目的としている.また,輸送サービスの維持と遅延解消の両立に向け,ラッシュ時における列車の運行を再現するシミュレーションモデルを構築し,計画ダイヤ上の発時刻前に列車を発車(以下「早発」という)した場合の影響を定量的に示している.
著者
脇田 浩二 宮崎 一博 ソパヘルワカン J. ズルカルナイン I. パーキンソン C.D. ムナスリ Koji Wakita Kazuhiro Miyazaki Jan Sopaheluwakan Iskandar Zulkarnain Christopher D. Parkinson Munasri Geological Survey of Japan Geological Survey of Japan Research and Development Centre for Geotechnology Research and Development Centre for Geotechnology Tokyo Institute of Technology Tsukuba University
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 = The memoirs of the Geological Society of Japan (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.152-162, 1997-06-30
参考文献数
14

東南アジアの古大陸スンダランドの周りには, 様々な年代の付加体やゴンドワナ大陸起源の微小大陸片が集まってきて, 中生代・新生代を通じて次第に大陸成長を続けてきた。インドネシアの中部ジャワ, 南スラウェシ及び南カリマンタン地域において付加体の詳細な調査研究の結果, 白亜紀における海洋プレートの沈み込み, 深海堆積物の付加, 微小大陸片の衝突などが次第に明らかになってきた。これらの三池域の地質は, 構成岩相や地質時代などがお互いに良く類似している。しかし, それぞれの地域が受けた構造運動の違いが, 構成岩石の性質に微妙な違いを与えている。中部ジャワのルクロコンプレックスは, 典型的な付加体で, 白亜紀全体を通じて定常的な海洋プレートの沈み込みと海洋堆積物の付加で特徴づけられている。南カリマンタンのメラトスコンプレックスは, その被覆層とともに収束境界に沿った島弧で形成されたと推定される。一方, 南スラウェシのバンティマラコンプレックスは, 海洋プレートの沈み込みに引き続いて起こった微小大陸片の衝突の歴史を記録している。The Sundaland craton in Southeast Asia is surrounded by a number of accretionary complexes of various ages, and accreted microcontinents which were originally rifted from the Gondwanaland. Continental growth along the southern and eastern margins of the Sundaland resulted from accretion of sediments and collision of continental fragments throughout Mesozoic and Cenozoic times. Cretaceous tectonic processes in the Indonesian region such as subduction, accretion and collision have been revealed by detailed geologic investigation of accretionary complexes in Central Java, South Sulawesi and South Kalimantan. The components of these complexes are similar to each other, but the precise nature of the components differs somewhat. Differences of structure and lithology suggest differing tectonic histories. The Luk-Ulo Complex of Central Java is a typical subduction complex generated by continuous subduction of oceanic plate through out Cretaceous time. The Meratus Complex and its overlying formations in South Kalimantan are also products of oceanic plate subduction in an island arc setting. On the other hand, the Bantimala Complex of South Sulawesi records the effects of oceanic plate subduction followed by collision of a continental fragment.
著者
宮崎 一老
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.955-966, 1962
被引用文献数
15

Knowledge of the larval history of bivalves, especially their identification of species in plankton samples, would be of great importance for fisheries investigators making possible reliable prediction of spatfalls and efficient collections, as well as breeding seasons of adult forms and dates of larval settlement, and would, moreover, contribute much toward the solution of a wide range of problems, both practical and academic.<br> Up to this time little has been known concerning the larvae of most bivalves, although several extensive studies had been made by STAFFORD, KÄNDLER, LEBOUR, MIYAZAKI, YOSHIDA, J∅RGENSEN, SULLIVAN and REFS.<br> In the present work the author has revealed that the identification of larval stages of bivalves should be carried out not only by the shapes of prodissoconth but also by their developmental findings and the spawning habits of adult population, the latter being classified into groups A and B as shown below.<br> A-group (Marine form); a) Standard type, b) Protobranch type, c) Egg mass or string type, d) Incubatory type.<br> B-group (Freshwater form); a) Glochidium type, b) Lasidium type, c) Sphaerium type, d) Corbicula type, 1) Corbicula leana type, 2) Corbicula sandai type, 3) Corbicula japonica type (Brackish).<br> Further, having closely studied the drawings and descriptions covering some 200 species in aggregate number published by the investigators abovementioned, the present author has classified post-larvae into 20 types on the basis of definitely recognizable characteristics of prodissoconchs, which would be useful to any investigators interested.
著者
宮崎 一老
出版者
朝日新聞社
雑誌
科学朝日 (ISSN:03684741)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.44-49, 1954-01
著者
中西 浩三 野田 祐司 白日 高歩 宮崎 一博 廣田 暢雄
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.943-949, 1991-10-20

SIADHを合併した肺燕麦小細胞癌の患者で, 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が高値を示した症例を経験した.咳噺, 発熱のため入院.検査所見では血清Na値が114mEq/lと低く, 血漿浸透圧も233mOsm/lに低下していた.同時に測定されたANPは157pg/ml(正常値<10pg/ml)と高値を示した.脱水症状はなくて腎機能も正常であり, 肺小細胞癌によるSIADHと診断した.高張食塩水負荷試験に心臓カテーテルを併用した検査を行った結果, ANPが腫瘍からではなく心筋から放出されている可能性が示唆された.実学的治療が行われ, 腫瘍量の減少にともなって低Na血症は改善した.切除された腫瘍の抽出液からは高濃度のADHと微量のANPが検出された.SIADHにおける低Na血症は, ADH異所性産生, 循環血液量増加, 心房内圧上昇, ANP放出, Na利尿という機序で起こるものと考えられた.
著者
宮崎 一哉 中嶋 春光 中川路 哲男
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.246-247, 1997-09-24
被引用文献数
2

インターネットの爆発的普及に伴い, その本格的な活用に対する要求が高まるなか, エレクトロニック・コマース(EC)が次代情報通信産業の牽引役として注目されている。とりわけECの対象商品をデジタルデータとする場合, 流通コストの削減効果は絶大であるため, 制作から配布, 利用まですべてネットワーク上で行なえるデジタルコンテンツは, ECにおいて最も有望な商品の一つとみなされている。ところが, デジタルコンテンツには「完全な複製が非常に容易である」という性質があることに起因する問題点を抱えている。これに対処するため, 著作権管理, 課金管理, 不正利用防止という切り口から情報セキュリティ技術を応用した様々な研究が行なわれている。一方, PCの高性能化やオーサリングツールの高機能化により, 専業者から非専業者まで, 計算機の熟練者から非熟練者までと, デジタルコンテンツの制作者の裾野は拡大をつづけている。このことは, コンテンツの配布者や利用者に対して, より弱い立場の制作者が増大することを示しているが, 従来の研究においては, コンテンツの配布者対利用者という視点からのアプローチがほとんどであり, 制作者からの視点に基づいたものがみられなかった。本稿では, 立場の弱い制作者の保護に重点を置いたデジタルコンテンツの配布方式について述べる。