著者
三成 美保 姫岡 とし子 小浜 正子 井野瀬 久美恵 久留島 典子 桜井 万里子 小川 眞里子 香川 檀 羽場 久美子 荻野 美穂 富永 智津子 桃木 至朗 成田 龍一
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の主な成果は、以下の3つである。①三成・姫岡・小浜編『歴史を読み替えるージェンダーから見た世界史』2014年と長野・久留島・長編『歴史を読み替えるージェンダーから見た日本史』2015年の刊行。②前者(『読み替える(世界史編)』)の合評会を兼ねた公開シンポジウムの開催(2014年7月)。③科研費共同研究会(比較ジェンダー史研究会)独自のウェブサイト(http://ch-gender.jp/wp/)の開設。このウェブサイトは、『読み替える』の情報を補足すること及びジェンダー史WEB事典として活用されることをめざしている。また、高校教科書の書き換え案も提示している。
著者
竹沢 尚一郎 坂井 信三 大稔 哲也 杉村 和彦 北川 勝彦 鈴木 英明 松田 素二 武内 進一 高宮 いずみ 池谷 和信 宮治 美江子 富永 智津子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、欧米諸国に比して遅れているわが国のアフリカ史研究の推進のために実施された。それに当たり、アフリカ史を他地域との交流の観点から明らかにすること、考古学発掘をはじめとする一次資料の入手に主眼を置いた。本研究により、西アフリカで10世紀の巨大建造物を発掘したが、これはサハラ以南アフリカ最古の王宮と考えられ、交易やイスラームの進展について大きな寄与をなした。その他、13-14世紀の東・西・南部アフリカ各地で社会経済的発展が実現されたこと、国家をもたない社会における歴史記述の可能性が明らかになったことなどの成果があった。これらの成果をもとに、「アフリカ史叢書」の発刊の準備を進めている。
著者
那須 義次 富永 智
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.70-72, 2014

最近,著者の富永が沖縄島でテンニンカ(フトモモ科)の新葉を綴ったりあるいは葉を巻いたりしている見慣れない幼虫を採集した.羽化標本を検討したところ,日本新記録のテンニンカヒメハマキ(新称)Eccoptocera palmicola(Meyrick,1912)であることがわかった.本種は,スリランカから記載された種で,それ以外からの初めて記録となる.また寄主植物を明らかにし,♀交尾器を図示した.本種は前翅開張が9-11mmの小型のヒメハマキガで,♂触角の基部は浅く凹む.前翅は細長く,♂は細長い前縁ひだ(costal fold)をもつ.前翅の地色は白灰色で,前縁部は褐色がかる.肛上紋は白灰色で,中に3本の黒色短線を有する.♂後翅の内縁は伸長し,内縁ひだ(anal fold)をもつ.本種はバンジロウヒメハキStrepsicrates semicanella(Walker,1886)に類似するが,より小さいこと,前翅の地色がより白灰色であること,♂交尾器のソキウスが痕跡的であること,細長いバルバをもつこと,♀交尾器のパピラ・アナリスが大きいこと,コルプス・ブルサエの後方の壁が硬化すること,2個の角状のシグナをもつことで識別できる.バンジロウヒメハマキもテンニンカを摂食するが,本種の終齢幼虫は長さ12-14mmと大きく,体色も暗緑褐色であることで,テンニンカヒメハマキと区別できる.Eccoptocera属はハワイ,グアム,スリランカ,日本(沖縄島),オーストラリア(クイーンズランド)に分布し,6種が知られるが,ハワイには未記載種が9種いるという.本属の幼虫はフトモモ科,ウコギ科およびツツジ科植物を摂食するとされる.本属は,特徴的なウンクス,痕跡的なソキウスおよび前後翅とも翅脈が減少することで単系統性が支持されており,Spilonota,Strepsicrates,HolocolaおよびHermenias属に近縁であるとされる.