著者
渦岡 良介 松浦 純生 小川 真由 丸山 友也 神田 祥五
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

台風時などによる風倒木が発生した箇所では斜面崩壊が発生する場合がある。本研究では樹木の振動を受ける根系周辺地盤の緩みを力学特性の変化と考え、模型実験および現場実験により、この力学特性の変化のメカニズムと影響因子との関係を明らかにすることを目的とする。実験の結果、細粒分の多い緩い地盤で風荷重による振動によって根系周辺地盤の緩みが生じやすいことがわかった。
著者
田嶋 宏隆 久米 学 小川 真由 渡邊 俊 内山 里美 内山 耕蔵 大坪 鉄治 古賀 春美 亀井 裕介 三田村 啓理
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.AA2023-11, 2023-06-01 (Released:2023-06-01)

ニホンウナギ Anguilla japonica はかつて日本全国で豊富に漁獲された。しかし、現在は個体数が激減している。福岡県柳川市の掘割も本種の個体数が減少した場所の一つである。これは、水門の改修に伴い、シラスウナギの川から掘割内への侵入個体が激減したことが要因であると考えられている。現在、地元の高校やNPO法人により掘割へのニホンウナギの放流活動が行われている。しかしながら、野生個体または放流個体が掘割内に定着しているかは明らかになっていない。そこで本研究では、現在、福岡県柳川市の掘割にニホンウナギが生息しているかを明らかにするため、電気ショッカーを用いて本種の採集を試みた。その結果、5回の調査(2021年10月、2022年2月・3月・11月、2023年2月)において、合計47個体のニホンウナギを採集した。採集した個体が放流個体か天然個体かは判断することができなかった。採集された個体の全長は122–623 mmの範囲であった。47個体のうち2個体の銀ウナギが2022年11月の調査時に採集され、残りの45個体は黄ウナギですべての調査時に採集された。砂泥中からは139 mmから558 mmまで様々な全長の個体が採集された。中・大礫から採集された個体に比べ、巨礫や石垣から採集された個体の全長は大きい傾向があった。調査月の違いやウナギの全長に関わりなく本種を採集できたことから、掘割はニホンウナギが生息・成長するための環境を少なからず備えていると推測した。
著者
小海 宏之 加藤 佑佳 成本 迅 松岡 照之 谷口 将吾 小川 真由 三村 將 仲秋 秀太郎 江口 洋子 飯干 紀代子 園田 薫 岸川 雄介 杉野 正一
出版者
花園大学
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.29-37, 2014-03

本研究は、各神経心理検査の一つの下位検査から言語性記憶指数(VMQ)を推定するための基礎資料を得ることを目的とする。対象は軽度認知障害者およびアルツハイマー病者の計71 名である。方法は対象者にMMSE、ADAS、WMS-R を個別実施し、VMQ との相関分析を行った。また、VMQ と各神経心理検査の下位検査との間で最も高い相関係数値となった下位検査についてVMQ との単回帰式を求めた。その結果、推定VMQ=50.203+6.661×(時間的見当識素点)、推定VMQ=39.469+6.762×(平均単語再生数)、推定VMQ=68.921+1.439×(論理的記憶II(遅延)素点)の単回帰式が得られた。さらに、これらの単回帰式から得られた各下位検査と推定VMQ に関する判定基準を導き出した。医療同意能力を予測する因子の一つとして記憶の機能は重要であると考えられるため、本研究結果の指標は有用になるであろうとも考えられる。
著者
福嶌 教偉 藤田 知之 小川 真由子 北村 惣一郎
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.29-36, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

After the world first use of fresh aortic valve homografts transplanted into the descending thoracic aorta was reported in 1956, preservation methods have been investigated and the cryopreservation technique is currently used worldwide. In early 1990s, the cryopreservation technique for homograft was introduced to Japan and the local heart valve bank was established in Nara. Although organ procurement has been regulated by The Organ Transplantation Act (brain-dead donors since 1997, donors after cardiac death since 1979), there has been no law or governmental procurement network (except for cornea) in Japan. Since the late 1980s, some university hospitals have developed original banks. Finally, in 2001 guidelines for tissue procurement were established by The Japanese Society of Tissue Transplantation and Japan Tissue Transplant Network (JTTN) to coordinate tissue harvesting. Five tissue banks were joined to the tissue transplant network (skin in one, heart valves in two, and bone in two). In 2016, homograft implantation surgery was finally covered by insurance and the number of these surgery will increased in near future.
著者
福田 博美 七條 めぐみ 神谷 舞 小川 真由子 髙木 久美子 松橋 俊太 武本 京子
出版者
愛知教育大学健康支援センター
雑誌
Iris health (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.9-14, 2019-12-31

音楽療法に関する文献検討は多く出されているが、国内の論文について経年的に数量を含めて検討された論文は見受けられない。本研究では、音楽療法についてどのような内容が経年的に語られているかCiNiiの文献タイトルから数量的に検討し、日本においては1955年に紹介された文献がCiNii上で確認され、かなり早くに医療・福祉領域で着目されていた。さらに、2000年以降論文数は100件を超えほぼ維持してきていた。そして近年の傾向を2000年以降の論文から質的に確認し、EBMに基づく音楽療法に向けての量的研究と「演繹的・機能的」研究との相互補完となる研究の必要性が指摘されていた。今後は音楽の生態への影響を含め、さらなる研究の発展が期待された。
著者
小川 真由子 引田 郁美 Mayuko Ogawa Ikumi Hikita 鈴鹿大学短期大学部 鈴鹿大学短期大学部 Suzuka Junior College Suzuka Junior College
出版者
[鈴鹿大学短期大学部紀要編集委員会]
雑誌
鈴鹿大学短期大学部紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:21896992)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.75-85, 2016

本研究の目的は、短期大学生における性行動および性意識に関する調査を行い、現状と課題を明らかにすることであり、今後の大学における性教育の課題を検討する一助とするものである。短期大学部1年生を対象に性意識と性行動に関する質問紙調査を行った。性交経験率は43.4%であり、妊娠経験については、11 名が「妊娠の経験あり」と答え、そのうち「妊娠中絶をした」と回答したものが4件あり、望まない妊娠を防ぐための性教育の必要性が伺える結果となった。また、「結婚に関係なく、性行為をしてもいい」と答えたのは48%で、性交経験者への質問のうち、「避妊をしなかった」という回答が12%であった。性についての知識を学ぶものとして望ましいと考えているのは、「学校・教師」が最も多く挙げられ、情報源として多く挙げられた「雑誌・漫画」や「テレビ・ビデオ」、「インターネット」は望ましいものとしては考えていないという結果であった。これまで受けた性教育への印象は否定的なものが多く、大学生の教育や指導のニードに応えられるような対策に加えて、性教育の授業構成や教授方法の工夫が必要であると考えられる。結婚願望については、65%が「ある」と回答していたが、それ以上に「将来、子どもが欲しいと考えている」回答が76%と上回り、その多くが複数の子どもを希望していた。今後は将来構想についての人生設計を含めた性教育の実施が望まれる。
著者
小川 真由子 Mayuko Ogawa 鈴鹿短期大学 Suzuka Junior College
出版者
[鈴鹿短期大学紀要編集委員会]
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.15-24, 2015

近年、児童生徒を取り巻く性に関する問題が急増する中で、学校における性教育への期待は大きい。効果的な性教育の充実を目指して授業形態の工夫や配慮がなされる中で、専門的知見を取り入れるために外部講師による性教育が行われている。これまで「行き過ぎた性教育」による問題や、「外部講師と学校の性教育に対する見解の違い」など問題点も多かったが、互いの連携を密にすることで解決するものと考える。そこで、性教育の出前授業を行った小学校の教員に対して質問紙調査を行い、今後の授業構成に役立てるとともに、効果的な健康教育とはどういったものかを検討した。その結果、性教育を行う上で環境、興味、認識、行動、知識といった5つのカテゴリーの難しさがあることが明らかとなった。また、性教育に必要な配慮は個人および家族という2つのカテゴリーの要因が見出された。そして、教員が外部講師に望むものは、専門的知識、体験学習、認識への働きかけといった3つのカテゴリーの内容が挙げられた。今後はこれらを踏まえて、児童生徒を取り巻く学校、保護者、地域がそれぞれバランスよく連携し継続的な関わりを持つ中で、少しでも児童生徒のその後の生き方に良い影響を与えることのできる取り組みについて、検討していきたいと考える。