著者
後藤 智章 柴原 一友 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2003論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.25-32, 2003-11-07

将棋は状態空間が非常に大きく,解を求めることは不可能とされている.本研究では,盤を小さくした将棋の解を求め,ルールによる解と計算量に関して議論する.具体的には,端にだけ駒を置く配置の3×3と3×4の将棋の解を分析した.その結果,3×3は約98%,3×4は約56%の解を求めることができた.また,3×3は先手必勝と後手必勝が約2
著者
耿霽 池田 剛 乾 伸雄 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.16, pp.31-36, 2003-02-21
被引用文献数
2

本研究の目的は、自然で多様な音符列を生成することである。そのために、音符の隣接情報と曲の構造に着目する。音符の隣接情報は音高と音価に分けて考える。音高は隣接情報によって構成されたマルコフ過程を使って生成する。音価はマルコフ過程で表現すると不自然な組み合わせが生成されるため、音価終了(開始)時間を隠れ状態とした隠れマルコフモデルを用いる。そして、マルコフモデルでは曲の構造を生成することができないという問題を解決するために、MFSと呼ぶ柔軟な曲構造を提案する。MFSに音符の隣接情報を適用することで自然な音符列を生成できることが実験結果からわかった。This research aims to generate natural and various sequences of notes for an automatic composition system. We focus on information between adjacent of notes and musical structure in this paper. Our system generates pitches and durations of notes independently. We assume that a sequence of pitches can be Markov process composed of adjacent pitch information and a sequence of durations can be Hidden Markov process such that note ending (starting) time is a hidden state to avoid generating unnatural sequences of durations. In addition, we propose a flexible musical structure, called MFS, to resolve a weakness of the (hidden) Markov model against the structural expression. Finally our system can generate a sequence of notes by adjacent information of notes with restrictions of MFS acquired from musical database. Preliminary experiments show that our method is effective for our aim.
著者
小谷 善行
出版者
共立出版
雑誌
Bit (ISSN:03856984)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.85-87, 1999-03
著者
大崎 泰寛 築地 毅 但馬 康宏 小谷 善行
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.5, pp.1-8, 2009-06-19

シミュレーションによって獲得された勝率に基づいて着手を選択する研究が近年盛んに行われている.ところが対局のオンライン時に精度の高い勝率をシミュレーションによって獲得するためには時間がかかるという問題点がある.そこで本論文では機械学習を用いて評価関数を,あらかじめ対局のオフライン時に獲得した勝率に近似する手法を提案した.そしてブロックスデュオを実験環境として,得られた勝率近似関数の学習成果について考察し,オンライン時にモンテカルロシミュレーションから着手を選択するプログラムと対局することで本手法の方が優れた対局結果を示すことを確認した.In these years, the researches of selecting moves using the winning probability obtained through simulations are treated as hot topics. However, there is a problem that obtaining the accurate winning probability through simulations needs too much time at on-line during games. In this paper, we suggested a method as to evaluation function is approximated previously by the probability of winning at off-line during games. Using BlokusDuo as a testing environment, we evaluate the learning result of approximating winning probability function and confirm that our learned player, in comparison to on-line Monte-Carlo simulation player, has been seen to yield better results of games.
著者
柴原 一友 但馬 康宏 小谷 善行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3328-3342, 2006-12-15

本論文では将棋を解く研究への布石として,引き分けを効率的に証明するためのGHI 問題回避法を提案し,3x4 の将棋の解を求めた.オセロや囲碁に比べ,将棋は小さな盤面に対する解を求める研究は少ない.将棋は局面がループするため,引き分けを含めた解を得ることが困難である.そこで,詰将棋で効果をあげたPDS 探索を用いて,効率的に引き分けを証明する方法を提案する.実験の結果,3x4 将棋のすべての解を得た.
著者
蛭田 健司 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.99-100, 1997-03-12

一般に詰め将棋のルーチンでは、王が詰んだ局面か、王手がかからなくなる局面まで先読みを進める。しかし、王手がかかっでいる局面において、王側が、適切な王手回避の着手を選ぶことによって次の王手がかからなくなるということを示すことができれば、その局面が不詰みであることがいえる。この場合そこで先読みを打ち切ることができるので、探索ノード数の減少が期待できる。本稿では、王手がかかっている局面において、次の一手によって王手がかからなくなるような着手 (一手逃れ) が存在するかどうかを、先読みをしないで判定する方法について考察する。
著者
古宮嘉那子 但馬 康宏 小谷 善行
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.2679-2691, 2008-07-15

敬語は,たくさんの要因によって使い分けられており,これまで,これらの使い分けを補助するシステムが開発されている.しかし,従来のシステムでは,言語知識をあらかじめ与える必要があり,また,入力情報に序列関係を含むなど,人間関係のとらえ方の知識を必要とするものであった.そのため,筆者らは敬語選択システム(HEDS)を作成し,決定木学習を用いた敬語に関する知識獲得の手法を提案する.HEDSは,人間関係についての複雑な判断を必要としない情報を入力とし,最も適切なタイプの敬語を選択するルールを決定木学習によって用例から自動的に作成するものである.そのため,本システムでは,使い分けに関する言語学の知識を必要とせず,実データから,自動的に敬語に関する言語知識獲得を行うことができる.敬語には,(1)尊敬語/謙譲語,(2)丁寧語の2つのタイプがある.HEDSはそれぞれのデータを用意することによって,両方に適用可能である.(1)尊敬語/謙譲語を決定するHEDSは,1つの動詞につき,敬語が尊敬語,謙譲語,敬語でない普通語の3つのうちから1つに選択し,(2)丁寧語については,動詞に丁寧語を付加するかどうかを決定する.A speaker must choose suitable honorific expressions in a sentence depending on many features. Some computer systems have developed that help people determine the suitable expressions. However, existing systems need to be previously provided knowledge of language and need knowledge about human relationships to use them. Hence we made a system honorific expression determining system (HEDS) and proposed a method of knowledge acquisition using decision tree learning. It generates automatically a set of rules to determine the most suitable type of honorific expression from examples, by decision tree learning. HEDS needs knowledge about neither human relationship nor linguistics about Japanese honorific expressions and it can acquire knowledge about Japanese honorific expressions from pragmatic data automatically. Japanese honorific expressions have two independent systems: (1) respect/modesty expressions and (2) polite expressions. HEDS can be applied to both of them if we gave it learning data for each. The HEDS for respect/modesty expressions determines what type of honorific expression a verb should be out of three types: a respect expression, a modesty expression and a non-honorific expression, and the HEDS for polite expressions determines whether or not a sentence includes a verb needs a polite expression for a set of features for the verb.
著者
乾 伸雄 品野 勇治 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.46, no.17, pp.131-142, 2005-12-15

本論文では,先行研究の最長しりとり問題の一般化として,最長しりとり問題で単語の長さを考慮した文字数最大しりとり問題の厳密解法について述べ,その実験的評価を行う.文字数最大しりとり問題は,整数計画問題として記述した場合,単語の最大の長さをl としたとき,最長しりとり問題を記述するための変数のl 倍の変数が必要となり,現実的に解けるかどうかは未知である.l = 26 の既知の単語について,文字数最大しりとり問題は先行研究での最長しりとり問題に比べ,約41 倍の計算時間がかかることが分かった.さらに,これら2 つの問題の派生問題として,固定単語長文字数最大しりとり問題および固定文字数最長しりとり問題を取り上げる.これらの派生問題を用いて,広辞苑とICOT 形態素解析辞書について,最長しりとり問題の最適解と文字数最大しりとり問題の最適解の関係を分析した.This paper describes an exact algorithm of the maximum-shiritori-string-length shiritori problem (MS3 in short) which maximizes a shiritori-string length. This algorithm is obtained from a generalization of an exact algorithm of the longest shiritori problem (LS in short) proposed previously. We experimentally evaluate the algorithm and investigate the properties of the MS3 problem. Since the MS3 problem takes l times number of variables of the LS problem, where l is the maximum length of words, under the integer programming approach, it is unknown whether the problem instance can be solved or not. Our experimental results showed that 41 times calculation times of the LS problem is required to solve MS3 problem, when l = 26. In addition, two derived problem of these shiritori problems, called the fixedlength MS3 shiritori problem and the fixed-shiritori-string-length LS problem, are introduced. In this paper, we analyze the relations between the MS3 problem and the LS problem, using these derived problems.
著者
田中 盛一 藤井 勝之 徳田 浩 飯田 弘之 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第50回, no.人工知能及び認知科学, pp.151-152, 1995-03-15

将棋において詰将棋の分野というのは大変重要な位置にある。詰将棋が将棋の勝ち負けを決する重要な要素に成りうるからである。そのため多くの将棋システムでは、まず詰将棋の探索を行ない、詰め手が存在しなければ通常の探索を行なうことが多い。しかし詰将棋探索ははとんどの場合不詰めを返してくるので、かなり時間の消費になる。詰将棋探索をまったくしないのはリスクが大きく、重要な場面で詰みが読めずに負けることになってしまう。そこで、本研究では詰みがあるかどうかを静的に判定する評価関数の実現を試みた。この評価関数は、ある将棋の局面を引数としてその情報から探索をせずに詰みがあるかどうかを数値で返す関数である。これは参考文献における一手詰めの計算の発展課題であるといえる。本稿で用いる用語を次のように定義する。王の退路 王手をかけられずに王が移動できる場所相手側の利きや、味方の駒、盤外、などによつて移動できない場所を8から引いた数である。したがって、0~8の整数値をとる。自勢力 先手の利きがあり、後手の利きがない場所
著者
乾 伸雄 品野 勇治 小谷 善行
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.92(2004-MPS-051), pp.5-8, 2004-09-13

本論文では、しりとり全体に含まれる文字数を最長とする文字数最大しりとり問題をネットワークフロー問題としてモデル化し、LPベースの分枝限定法による解法および実験結果について述べる。単語数を最大にする最長しりとり問題に対して、問題を記述するための変数が最大単語長に比例して多くなる特徴を持つ。実験は実際の辞書に含まれる単語について行った。実験の結果、最長しりとり問題と同じく文字数最大しりとり問題は現実的な時間で解ける問題であることがわかった。
著者
是川 空 五十嵐 力 但馬 康宏 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. GI, [ゲーム情報学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.65-72, 2007-03-05
参考文献数
2

はめ込みパズルの一種であるHeptamond問題は膨大な分岐数と解局面を持つことで知られている.この問題について未知数である全解数の推定を行った.探索を高速化する手法として,複数の分岐の可能性から最少の分岐数を選択して探索を行うアルゴリズムを用いた.各探索深さにおける選択された最少の分岐数の平均が,その探索深さの局面数の変化率に値することに着目し,各深さにおける平均最少分岐数を得るための実験を行った.一つ目の実験は探索を一定確率で打ち切るシミュレーション実験,もう一つは探索深さに閾値を設けた全探索を行った.この実験によって,平均最少分岐数の推定を行い, Heptamond問題の各深さにおける総局面数を求め,全解数がおよそ10^<11>であると推定した.
著者
是川 空 五十嵐 力 柴原 一友 但馬 康宏 小谷 善行
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.99-106, 2007-11-09

パズルは探索問題としての見地からその性質が考えられてきた.しかし数独やカックロなどのペンシルパズルでは,探索経路が一本道であり、探索問題として考えるのは意味がない.効率的な解法のためには数字を入れる図中の箇所を選ぶ順序が重要である. 本研究ではこの点に着目して新しい概念を提起し,理論化する.ペンシルパズルにおいて一般的に存在している,制約による解答の順序構造を問題の「解き筋」として定義した.解き筋を問題から抽出することで,問題の難易度や良し悪しの判定をするために使用する.効率的に解き筋を抽出するために,解き筋の中でも重複した部分を取り除いた有用な解き筋のみを得るアルゴリズムを設計する.ラテン方陣問題による実験を行い,その解き筋を得た.得られた解き筋から問題の特徴を考察する.
著者
中森眞理雄 金子敬一 並木美太郎 中條拓伯 品野勇治 小谷善行 辰己丈夫
雑誌
情報教育シンポジウム2004論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, no.9, pp.175-176, 2004-08-28

東京農工大学工学部情報コミュニケーションエ学科では,平成18年度入学試験における個別学力検査(前期日程)に教科「情報」を出題する.そのための試行試験(第1回目)を7月31日に実施する.本報告では,「情報」出題と試行試験の目的,出題内容の方向性,広報活動と社会の反応について述べる.
著者
平山 深華 荻澤 義昭 水野 貴文 乾 伸雄 小谷 善行 西村 恕彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.5-6, 1996-03-06

人間と計算機の対話において、特に計算機が人間から知識の獲得を行う際、システムがどのような疑問文を発話するかは大きな問題である。話題となっている事柄に対するスクリプト的な知識をシステムが持っていれば、システムは適切な質問を発話できる。しかし、システムが持つことのできる知識には限界があり、ユーザーからのさまざまな入力に追従して、柔軟な発問をすることができない。一方、人間の対話を考えた場合、その連文関係においては、・相手の言葉の内容を受けてそれに対する問いがなされる"問答型"・相手の言葉とは無関係に、どんどん新しい話題に目先を変えていく"羅列型"の二種類に分けることができる。問答型は、"常に先行文や相手の言葉を手がかりに、次の文へと一つずつ移行していくので、論理的で生産的である。"という報告がある。本研究では、相手の文中の語に着目することで次の質問を出す、という観点から、動詞の意味に着目した。その分類によって文がどのような情報を持つことができ、どのような疑問表現を選択することができるか調査した。
著者
秋山 晴彦 小谷 善行
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.10, pp.1-6, 2012-02-24

ゲームにおけるモンテカルロベースの着手選択手法において,勝率が偏る局面で適切な着手選択ができない問題がある.この問題の対処策として,スコアから擬似勝率を計算する手法を提案する.勝敗を,0 を閾値としてスコアから算出される値とみなし,この閾値を動的調整する.勝敗を評価とする通常のモンテカルロ手法では勝率を,スコアを評価とするモンテカルロ手法では平均や最大スコアを最大化するが,提案手法では局面同士の差がつく最低限の閾値変更を行った後の勝率を最大化する.実験の結果,本手法を導入した UCB は通常の UCB に対して勝率 0.58 で勝ち越した.また深さ 2 の αβ 探索との対戦の勝率が通常 UCB の 0.37 から 0.48 に向上し,本手法の有効性を確認した.Monte-Carlo based methods in games have a problem that they cannot select the best move in the position with biased winning percentage. In order to solve this problem, we propose the method to calculate the pseudo winning percentage from a score. We regarded the victory and the defeat as the value computed from a score when a threshold value is 0, and dynamic adjustment of this threshold value is carried out. The normal Monte-Carlo method maximizes the winning percentage, and the Monte-Carlo method which uses score of the game for evaluation maximizes the average score. In contrast, the winning percentage with the minimum change of the threshold value that is comparable each other is maximized in the proposal method. As a result, the winning percentage of UCB player with this method against normal UCB player was 0.58, and the winning percentage against αβ search player of the depth 2 was also improved by 0.48 from 0.37.