著者
我妻 敦 原田 将旗 森田 一 古宮 嘉那子 小谷 善行
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2014-GI-31, no.12, pp.1-3, 2014-03-10

麻雀において,捨てると相手に上がられてしまう牌を正しく推定し,捨てないことにより損しないことは重要である.本論文では現在局面での牌の情報の特徴により SVR を用いて,捨てないことを決めるための牌の危険度を求めるという手法を提案する.評価方法として,人間が選択した牌とシステムが推定した牌の一致率を調査した.結果は危険度が最大の牌についての一致率は平均で 13.4%,危険度が最小の牌についての一致率は平均で 43.3%となった.
著者
木村 健 小谷 善行
雑誌
第53回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.91-96, 2012-01-06 (Released:2012-06-20)

本稿ではGPGPU(グラフィックスプロセッサの汎的計算への応用)を用いた将棋ゲーム木探索手法を提案する。チェスや将棋などのゼロ和完全情報ゲームにおける並列ゲーム木探索の研究は決して新しい研究ではない。しかしながらさまざまな技術が年を経るごとに開発されているにつけ、並列探索の技術も変化を必要としている。GPU上における並列計算環境であるCUDAと、CUDAライブラリの一部であるCUDA版C++STLとも言えるThrustを用いた、並列ゲーム木探索手法を提案する。提案手法は1993年にTransputer上に実装されたYBWCをベースにしており、高いスピードアップが期待できる。ただし、CUDA固有の高スループット実現の難しさもあり、提案手法の実際の実装についての知見が必要である。 In this paper, we introduce a Shogi (Japanese Chess)’s game tree search method that uses GPGPU (General Purpose GPU). This is not new research field that parallel game tree search for zero-sum perfect information games (such as Chess and Shogi). The technology of parallel game tree search need change to fit new technology such as GPGPU. Inthispaper, we introduce the way of searching game tree in parallel which uses CUDA (Parallel environment for GPGPU) and Thrust (C++STL like CUDA based library). The proposal method is based on YBWC which implemented 1024 nodes Transputers in 1993, so high speed-up is guaranteed. But there are difficulties of implementing high throughput program in CUDA, so individual implementation and their performance findings are needed.
著者
野口 拓央 古宮 嘉那子 並木 美太郎 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.9, pp.1-8, 2014-03-10

本稿では機械学習手法の 1 種である Support Vector Regression (SVR) を用いたコンピュータ将棋の Move Ordering (MO) を提案する.MO はコンピュータ将棋の探索を効率化のため可能手をなるべく良い手から順番に先頭から並べかえる手法である.MO では可能手を 1 手ごとに探索して評価関数を適用すると処理に時間が必要であるため効率化の余地が大きい.そこで本稿では可能手から特徴を抽出して SVR で手の優先度を求めて評価関数を用いずに実行できる MO を考案し、MO を高速化して探索を効率化する手法を提案した.本手法の MO をした後にプロが指した手の MO による平均順位を測定したところ既存手法に 2 手ほど及ばなかったが既存手法と近い結果を出した.また速度が速かったため SVR に評価関数を用いた探索の代替手段となりうる可能性が示唆された.しかし,本手法の性能を確認するために 200 回対局を行ったところ,86-111-3 という結果を得て有意に負け越してしまった.This paper proposes Move Ordering (MO) of the computer Shogi using Support Vector Regression (SVR), which is one sort of the watching learning technique. MO is the technique of arranging moves in the order of value of them to increase efficiency of search of computer Shogi. There is room for further improvement in efficiency of MO because it is time - consuming; the move search is performed and the evaluation function is applied one by one. So this paper proposes MO using SVR to speed up MO and enhances efficiency on search. It extracts features of possible moves and gets the priority of moves using SVR. The average rounds of the professional player's moves were checked to evaluate the method. It showed the MO using SVR can alternate move search and evaluation function in the future because the average \difference of ranks was only two and it is faster. However, the move search and evaluation function an outperformed MO using SVR significantly when 200 games were performed. The result was 86-111-3.
著者
小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.69, pp.9-16, 2002-07-24

押し相撲ゲームという数遊びゲームは、持ち点を互いに出し合い、持ち点がなくならないうちに相手に4回勝ち越すことを目指す遊びである。このゲームを分析するとともに、教育のための題材として用いた。すなわち、これを本大学で実施している子供科学教室の一部で実施した子供の作成した手順によるリーグ戦の事例を紹介する。子供が意図を表現しやすいルールにすることにより、その自主的思考を引き出すことができた。またこのゲームに対し、遺伝アルゴリズムによる分析を行った。さらに後退解析を用いて、すべての必勝局面を見つけだした。The number game called "Oshi-Zumo" (Pushing Sumo) is a game played to aim winning by pushing four times more than the opponent does. Each player offers his points (or power) out of his possession, simultaneousy with the opponent. If one's power exceeds the other, then he pushes their place one step forward. Each player has 50 points as initial possession, and must offer at least 1 point in a turn if he has points. We report a few analyses of the game, and our experiment for children's education of creativity development. That is, we introduce league matches of the game, which is a part of our laboratory's event every year in an session of Children's Science Classroom currently carried out in our university. Their independent creative thinking and devotion were observed in the events, making the playing rule simple and easy for them to plan and to express. As the game study, we analyzed this game by genetic algorithm. The result shows what is the style of strong player, though it needs stochastic strategy and does not determine the strongest. Furthermore, all winning and all losing positions were extracted completely by retrograde analysis in another study.
著者
竹中 姫子 古宮 嘉那子 小谷 善行
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011-IFAT-102, no.1, pp.1-6, 2011-03-21

Twitter ではハッシュタグという,自分の投稿 (ツイート) に則した内容のインデックスをつける機能が提供されている.本研究ではハッシュタグのついていないツイートにたいしてハッシュタグを推定することを目的とする.そこでハッシュタグのついたツイートを学習し,そしてあるツイートがどのハッシュタグに属するかの推定を行った.分類器としてベイジアンフィルターを使用し,それぞれのタグについて 2 値分類を行い,複数のハッシュタグの推定を行った.実験では 50 種類のハッシュタグのつきの約 4 万件のツイートを学習データとして使用した.ツイート文にベイジアンフィルターを適用する場合は既知語に限定して処理を行うことで良い結果が得られるとわかった.
著者
原田 将旗 古宮 嘉那子 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.13, pp.1-4, 2014-03-10

麻雀において,引いてくる牌を仮定した後にランダムに牌を引いて捨てるシミュレーションでは,シミュレーション結果が自己の上がりに至りにくい.本論文では,手牌と今後引く可能性のある牌とをあわせた牌の集合から上がりを全探索する手法 Complete Hand Extraction(CHE) を提案する.CHE では探索で見つけた上がりに対し,手牌にあった各牌について,上がりパターンに必要のないものに評価を累積する.その評価が最大となった牌を着手する.CHE プレイヤとモンテカルロプレイヤ 2 プレイヤずつで対局を行わせた結果,CHE プレイヤが和了率 20.8%,24.4%,和了素点 6767,6483 となり,モンテカルロプレイヤの和了率 16.4%,21.0%,和了素点 6465,6194 を上回った性能を示した.On Mahjong, it is difficult to obtain complete hands from simulation results using simulation that draws and discards tiles randomly after assuming the tiles to be drawn. This paper proposes method Complete Hand Extraction (CHE), which fully searches complete hands from a hand and unseen tiles. After full search, CHE accumulates evaluation scores on tiles in a hand that is needless to generate the complete hand and selects the tile whose evaluation score is the maximum as a move. We performed experiment of playing Mahjong using two CHE players and two Monte Carlo players. The result show that CHE player whose winning rates are 20.8% and 24.4%, and average points are 6767 and 6483, is superior to Monte Carlo player, whose winning rates are 16.4% and 21.0%, and average points 6465 and 6194.
著者
我妻 敦 原田 将旗 森田 一 古宮 嘉那子 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.12, pp.1-3, 2014-03-10

麻雀において,捨てると相手に上がられてしまう牌を正しく推定し,捨てないことにより損しないことは重要である.本論文では現在局面での牌の情報の特徴により SVR を用いて,捨てないことを決めるための牌の危険度を求めるという手法を提案する.評価方法として,人間が選択した牌とシステムが推定した牌の一致率を調査した.結果は危険度が最大の牌についての一致率は平均で 13.4%,危険度が最小の牌についての一致率は平均で 43.3%となった.It is important in Mahjong, to estimate correctly tiles which may be the part of complete opponent's hand and to reduce the loss without discarding it. In this paper, we propose a method to find the value of risk in tile discarding by using SVR based on the features of the information of tile in the current position. As the evaluation method, we investigated the rate of same selection of tiles selected by humans and by the system. As the result of the experiment, the rate of same selection of tiles of largest risk was 13.4% on average, and the rate of same selection of tiles of smallest risk was 43.4% on average.
著者
浜田 鉄平 但馬 康宏 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.13, pp.11-16, 2009-02-11
参考文献数
6

入力された旋律譜に対して、人間が聴くうえで "良い" と感じられるドラム譜を自動生成することを目的に、本研究では人間のリズムに対する評価能力をサポートベクターマシンによりモデル化した。さらに、得られたモデルを遺伝的アルゴリズムに組み込むことで、旋律譜に適応したドラム譜の自動生成を行った。アンケート結果によれば、自動生成されたドラム譜はランダムに生成したドラム譜よりも良いと感じられ、また人手で生成したドラムパターンに近い良さをもっていることがわかった。本研究では、モデル生成の際に不特定多数のユーザーから収集した単純な事例データのみを用いていることから、専門家による事例データを用いることなく良いドラム譜を生成することが可能であることが示された。The authors constructed a model of the rhythmic sense of human by Support Vector Machine in order to generate a drum track from an input melody track automatically. In addition we generated drum track automatically by Genetic Algorithm using the model. According to the result of questionnaires, automatically-generated drum track is "better" than randomly-generated track and "good" as human-generated track. This paper shows a "good" drum track can be generated without professional training data set because we use only rather simple data set made by amateur.
著者
矢野 啓二郎 瀧口 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.167-168, 1994-03-07

自然言語処理システムにおいて、未知語の処理を行うことは必須である。我々は処理対象を二字熟語に限定した未知語処理の研究を行っている。その方法は、形態素解析中の二字熟語の未知語の意味分類を推定し、その結果をフレーム構造によって表現するものである。これにより、二字熟語の意味を表現する。これまでに、二字の漢字のそれぞれが持つ意味分類、格支配構造から規則を作り、二字熟語の意味構造を推定する方法を提案した。さらに本稿では、二字の漢字の間の関係が比喩関係にある二字熟語についての考察を行う。
著者
小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 記号処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.95, no.35, pp.25-32, 1995-03-24

論理的なプログラム表現において、記述の間に同値関係を定義することによりプログラム代数が構成できることを示す。われわれは、述語の引数がなく、述語をメタ述語という演算子で結合することにより表されるひとつの論理型プログラム表現LONGを提案した。これを用いてプログラム代数を構成する。同値関係として、強・弱二つの同値性を定めた。前者は、非決定的に得られる計算結果の順序を含めた式の等価性を意味し、後者は順序を含めない等価性を意味する。まず、メタ述語で結び付けられた表現の間での等価性を定義から証明することにより、公理的規則群を導き出し、メタ述語の代数的性質を明らかにした。次に、これら規則を式にほどこして式を変形する手順で二つの式の等価性を証明することにより、プログラム変換を厳密に行えることを実例で示した。実例としては探索アルゴリズムを用い、非決定的記述と手続き的記述が強い等価性を持つこと等を証明した。本表現の計算モデルとしての有用性を明らかにするとともに論理的、非決定的プログラム言語における代数的手法の一方向を与えた。
著者
飯田 弘之 小谷 善行
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.1296-1305, 1992-11-15
被引用文献数
5

現在のゲーム木探索理論は 各局面ごとの可能な合法手の数が少ないオセロやチェスに大きな成果をもたらした.しかし その成果をそのまま将棋や囲碁で用いて 良質な評価を得るまで先読みすると組み合わせ爆発が生じる.ここでは こうした合法手数が多いゲームにも適用可能なゲーム木探索の方式を提起する。まず本方式を考案するにあたって 将棋を題材として プロ棋士らの専門家の思考法を収録した.それを分析した結果 特徴的に現れる現象から 「先読み中の探索空間の共有」という考えを導いた、これは別の局面で発見した手(手段)を現在局面などで活用すること等'人間的な思考の動きを反映したものであるさらに この考えを利用した前向き枝刈りによるゲーム木探索法を提案した.本手法は 一度先読みして得た「別」の局面において発見した良手を 先読み手候補として選択する方式である・本手法と 従来の前向き枝刈り法を専門家の評価および実際の対戦において比較した.その結果 本方法のほうが従来のものより良いことが確認され 意味深い好手など 高品質の手が実際に生成され 強さに寄与することがわかった。また チェスなどで一般に行われる(合法手をすべて読む)全幅探索に対して共有の考えを導入する方法を示た.
著者
西村 恕彦 乾 伸雄 野瀬 隆 小谷 善行
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

本研究は,利用者が自然言語対話を行いつつ,描画を行い,自動的に絵を含む知識を獲得する手法を開発し,創造性や表現力を育成するシステムの開発を目標としている.本年度は,絵を組み合わせ,利用者に提示し,創造性を養うシステムを開発し,実際に実験を行った.本研究では,特に子供が自発的に学習を行っていくようなシステムを目指している.そのため,飽きさせないような工夫が必要となる.そこで,本研究ではロダ-リの手法を採用した.これは,日常的な風景の中に意外なものを挿入することで,子供の創造性を引き出す方法である.絵の構成は自動的に作成することもできるが,子供が選択してもよい.絵の提示は4コマ漫画のような形で行われる.例えば,最初に教室の絵が提示され,次のその中に子供が入り,更に掃除器具が描かれたような絵が提示される.子供は,自分のストーリーを組み立て,コンピュータに言葉として入力する.システムは,絵と文の対応付けを行い,知識として獲得していく.実際に,小学校5年生程度の子供に対して実験を行ったところ,様々な物語を観察することができた.更に,替え歌作りのシステムを作成した.これは,子供が自由に既存の詞を変更していき,できあがったものをならすことができるシステムである.これについても,子供の実験を行ったところ,様々な詞を観察することができ,音としてならすことが創造性をかき立てることを観察することができた.従来はわれわれは自然言語だけを用いた教育システムを開発してきたが,絵や音楽を利用することによって,より豊かな子供の教育システムを提供することができ,その方法論を示すことができたと考えている.
著者
阿草 清滋 坂部 俊樹 小谷 善行 大岩 元
出版者
名古屋大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1991

より高度なシステムの仕様化を支援するために,継承により階層化された代数的仕様の直接実現による検証,代数的仕様の類似性の定義とそれに基づく仕様ベ-スについて研究を進めた.また,プログラム理解のモデルを定義することによりソフトウェアの開発・保守に有効なソフトウェアデ-タベ-スを開発した.その他,文書執筆協調作業の作業割当問題を定義し,その近似解を高速に求めるアルゴリズムを提案した.ユ-ザ主導の対話システムとして,自由知識獲得システム第2版の作成と評価を行った.これは対話を通しテフレ-ム構造の知識を集積していく創造性開発指向の教育ツ-ルである.また,ソフトウェア(要求)仕様獲得するシステムの概念設計を行った.これはこの自由知識獲得システムにソフトウェアや仕様の枠組みを与えたもので構成され,仕様を獲得するとともに,利用者に仕様を自動的に意識化・具体化させるものである.前年度に作成した仕様形成のためのカ-ド操作ツ-ルKJエディタのワ-クステ-ション版を完成させた.また,いくつかの機能拡張を加えたパソコン版を実際のソフトウェアの仕様作成に適用した.要求分析の途中経過を示すカ-ド配置は,思考過程の記録としてその内容を把握し易く,エディタが仕様作成のツ-ルとして有効であることが知れた.要求仕様の直接実行による検証の理論的モデルとして,動的項書換え計算(Dynamic Term Rewriting Calculus,DTRC)について研究をすすめ,停止性と合流性に関するいくつかの結果を得た.また,値表現の体系として項書換え系を含むCCSを提案し,テスト正確度という新しい概念に基づく意味論について検討した.さらに,ブロ-ドキャスト通信機構を持つ並行プロセスの体系としてCCS+bを提案し,並行演算,選択演算の結合則と可換則,ならびに,展開則が成立することを示した.
著者
遠藤 和昭 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.53, pp.63-70, 1999-06-24

環境の変化が急速な場合、組織のリーダーのリーダーシップが問題になる。また、リアクティブプランニングを用いたエージェントの行動は、そのエージェントが得る情報によって大きく左右される。通信を行うエージェントの行動は、その通信の内容に行動が左右される。そのため、情報を発するエージェントは、集団に対して大きな影響力を持ち、集団の中で特別な役割を演じていると考えられる。さらに、情報を発する者が相応しくない場合、集団の性能に対して悪い影響を与えると考えられる。本論文では、情報を発し集団をある状態に導く者をリーダーと呼び、RoboCupシミュレーション部門のサッカークライアント(エージェント)を対象としてリーダーの統制によるシステムを作った。その結果、勝率の向上、得点の増加、失点の減少など、集団の性能を向上されることができた。A leadership of the leader in the company is important in dynamic environment. The action of the agent with a reactive planning depends on the messages in the communication. So the agent who sends the message has much influence on the agents who get the information and have a special role in the group. If the agent who sends a message is not suitable, he may give bad influence on the agents. In this paper, we call the agent who leads the agents with the information "Leader" and discuss his role on the RoboCup Soccer client in the simulation league.
著者
柴原 一友 但馬 康宏 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3328-3342, 2006-12-15

本論文では将棋を解く研究への布石として,引き分けを効率的に証明するためのGHI 問題回避法を提案し,3x4 の将棋の解を求めた.オセロや囲碁に比べ,将棋は小さな盤面に対する解を求める研究は少ない.将棋は局面がループするため,引き分けを含めた解を得ることが困難である.そこで,詰将棋で効果をあげたPDS 探索を用いて,効率的に引き分けを証明する方法を提案する.実験の結果,3x4 将棋のすべての解を得た.We obtained all the solutions of 3x4 Shogi by using a new proof number search method to deal with GHI problem in terms of proving draw effectively. It is a stepping stone to solve Shogi. There are few researches about solution of small Shogi compared with othello and Go. It has difficulty to obtain solutions, especially draw, because search trees of Shogi have many cycles. We propose the method that efficiently prove the draw by using PDS search which has beneficial effects in tsume Shogi. As a result, it solved all initial positions of 3x4 Shogi.
著者
小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.58, pp.75-82, 2001-06-07
被引用文献数
1

Dodgem(ドッジェム)ゲームという2人で行うボードゲームを分析した。このゲームの局面空間が、駒の進行パターンという、推移の可能性よる半順序関係によって小さな多くの部分局面空間に分けられることをまず示した。さらにその一つ一つを終局面から始局面の方に向かって後退解析( retrograde analysis )する方法を設計した。今までの後退解析法は、終盤の限られた部分局面に適用する事例が多かった。しかし、本方法は、こうした多数の部分空間を定義できるゲームならばどれにも通用する一般的方法であるだけでなく、ゲーム全体を解く新しい手段を提供する。本システムの実現法としては、部分局面集合を単位としたキャッシュメカニズムを使った。The board game DODGEM, which is played by two, is analysed. It is shown that the game position space is divided into many small subspaces by the half order relation which is derived from the possibility of next-move transition, and whose element positions have the same material advancing patterns. A retrograde analysis method is designed on the basis of this subspace class, tracking them from the final position subspaces reversely. It is a new general mathod, applicable to any game where such a class of many subspaces can be defined. It also gives a new way to solve the whole game. To implement the system, we use a cach mechanism to make the subspaces the units of swapping.
著者
神藤 学 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.91-92, 1996-03-06

人は立体迷路を解いたり人に道を教えたりするときに「認知地図」[1]という知識を利用する。これは今スタート地点からどちらの方向に進んでいるか、どれくらいの距離にいるか、以前に通ったことのある道か、などのまとまった知識の総称である。本稿では人の認知地図を生成する過程でも特に重要視されると思われる「方向感覚」と「距離感覚」に着目し、様々な環境で実験を行うことによってこれらの感覚がどのように認知地図生成に影響を与えているかを調べることを目的としている。また、実験の環境には自然に基づいた仮想空間を使用した。自然迷路とはプリミティブがランダムに配置された、たとえば自然の洞窟のような迷路を指すもので、従来の迷路に比べれば比較的現実空間に近い仮想空間を作り出すことができ、現実空間での人の認知モデルをより深く追求する手がかりになると考えられる。