著者
鈴木 恵子 井上 理絵 梅原 幸恵 秦 若菜 清水 宗平 佐野 肇 中川 貴仁 山下 拓
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.196-204, 2019-06-30 (Released:2019-07-17)
参考文献数
23

要旨: 高齢期難聴への介入方法を検討するための資料を得る目的で, 通所リハビリテーション利用中の難聴高齢者 (良聴耳 35dB 以上) を対象に補聴器試聴を行った。38例中7例は既に自機を装用中であった。未装用の31例中9例が補聴器試聴を受諾し, 7例が3か月間の試聴を継続して5例が自機購入に至った。既装用群は未装用例と比べ難聴重症度が高かったが, 受諾群と非受諾群の聴力には有意差なく, 悪い条件下の語音の聴取で, 受諾群が非受諾群より聞こえにくさを強く自己認識しており, 補聴器に関心を持つ率も高かった。補聴効果はテレビ音声や会話の聴取に加え, 環境音やことばの超分節的要素の聴取に及び, 言語理解の制限された失語症例においても情緒的な安定や意思疎通の改善として表れた。要介護, 要支援高齢者の聴覚スクリーニングの必要性が示唆されるとともに, 補聴器の試聴さえ受け入れなかった非受諾群を補聴に誘導する方策の検討が次の課題として残された。
著者
早川 吉彦 山下 拓慶 大粒来 孝 妙瀬田 泰隆 佐川 盛久 近藤 篤 辻 由美子 本田 明
出版者
医用画像情報学会
雑誌
医用画像情報学会雑誌 (ISSN:09101543)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.50-54, 2010 (Released:2010-07-28)
参考文献数
6

The wavelength range of the near infrared (NIR) light is called `water window.' The superficial vascular imaging system using near infrared light sources was developed as those using both the reflected light and transmitted light. An NIR-sensitive CCD camera was surrounded by approximately sixty light emitting diodes (LEDs) , which have alternating wavelengths of 700 (visible light) , 760, 810 and 940nm, respectively. The camera detected the reflected NIR from superficial subcutaneous tissues at the palm and back of hands, and the wrist. Differences between wavelengths were significantly observed. Images taken at 940 nm the most clearly showed the vascular vessels at insides of these regions. As an application of the NIR imaging system, we examined whether the system was the beneficial tool for finding superficial subcutaneous foreign bodies or not. Twelve light sources of 940 nm LEDs were aligned for the transmission imaging. The alien substance examined was a mechanical pencil lead with 0.5 mm diameter. Chicken and pork meats (approx. 1 to 10 mm in thickness) were used instead of human skin. The thickness and fat contents were affected on the detection. As results, the NIR imaging was thought to be the beneficial tool for finding subcutaneous alien substances detection.
著者
山下 拓
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.1, pp.22-30, 2018-01-20 (Released:2018-02-07)
参考文献数
53

わが国独自の進化を遂げた漢方薬について, 近年, 基礎的・臨床的に高いレベルのエビデンスが次々と報告されている. 腹部手術の術後における大建中湯の適用など, 消化器がん領域ではがん支持療法に漢方薬を用いることは, もはや常識となりつつある. さらに平成27年に策定された「がん対策加速化プラン」でも,「がんとの共生」において “漢方薬を用いた支持療法” の推進が明記されるに至った. 頭頸部がん領域においても, その支持療法において有用な漢方薬は数多く存在する. 頭頸部がんの放射線治療に伴う口腔咽頭粘膜炎 (口内炎) は, 治療完遂にも影響する重大な副反応であり, 化学療法や EGFR 抗体薬などの同時併用でさらに悪化する. これに対する西洋薬の効果はまだ限定的で不十分である. 漢方治療としては半夏瀉心湯が期待されている. われわれの検討では, ハムスターの放射線性口内炎モデルで, 半夏瀉心湯の投与により口内炎の Grade が抑制され, Grade 3 以上の口内炎の出現率も有意な低下を示すこと, 口内炎局所への好中球遊走および COX-2 発現を抑制することが明らかとなった. ほかにもさまざまな施設での基礎研究によって抗酸化, 抗炎症, 抗菌, 鎮痛作用などが報告されている. 臨床効果の検討として, われわれは (化学) 放射線治療の開始と同時に半夏瀉心湯投与を行った頭頸部がん患者40例の遡及的検討を行った. その結果, 半夏瀉心湯治療は Grade 3 以上の口内炎を予防し, シスプラチン併用放射線治療の完遂率も有意に改善することが判明した. ほかに頭頸部がん支持療法に用いられる漢方薬として, 全身状態や免疫機能の改善を目的とした補中益気湯, 十全大補湯, 人参養栄湯などの補剤, 食思不振に対する六君子湯, 便秘に対する大建中湯, 下痢に対する半夏瀉心湯, 末梢神経障害に対する牛車腎気丸, せん妄に対する抑肝散, 放射線性皮膚炎に対する紫雲膏などが挙げられる. これらの代表的漢方薬についてもその基礎的および臨床的なエビデンスを中心に概説した.
著者
前田 進 山下 拓之 米谷 晴之 下畑 賢司 野村 達衛 泉 昭文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.123, no.11, pp.1400-1410, 2003-11-01

Superconducting generators have many advantages such as increasing generation efficiency and improving power system stability etc. In Japan, 70MW class superconducting generators have been developed through the national project"Electric Power Application of Superconducting Technologies (1988-1999)". <BR>In this paper, performance evaluation of the rotor damper structure for the 70MW class model generator is discussed. Double-layered damper structure, which consists of a squirrel-cage warm damper and a single-layered cold damper was set as the target. As the first step, basic electromagnetic and thermal performances were obtained through the experimental model. In the following step, the 70MW model rotor damper structure was designed based on the experimental results and the rotor was manufactured. Evaluation of the damper structure of the 70MW rotor was carried out in the verification test from the technical view point of 'unbalance current capability', 'flux shielding' and 'generator reactance' etc. and satisfactory results were obtained. Consequently, it was proven that the damper structure had the performances to satisfy the requirements of the superconducting generators. Performances obtained from the experimental model, design of the 70MW model rotor and evaluation by the verification tests are described in this paper.
著者
古木 省吾 佐野 肇 栗岡 隆臣 井上 理絵 梅原 幸恵 原 由紀 鈴木 恵子 山下 拓
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.256-262, 2020-08-30 (Released:2020-09-09)
参考文献数
15

要旨: 補聴器増幅特性の決定は補聴器フィッティングの中で最も重要なプロセスである。 NAL-NL 法や DSL 法などの処方式を選択しソフトウェア上で算出した設定値は平均的な外耳道, 鼓膜の特性を基に計算されたものであり各耳の個体差は考慮されていない。そこで我々は, 純音聴力検査の結果をフィッティングソフトに入力し選択した処方式から算出された設定値と, 実耳測定を用いてターゲット値に近似するように調整した後の設定値との差を比較し, フィッティングソフトにより算出される設定値の妥当性を評価した。結果, 全周波数の修正が±4dB以内に止まった割合は NAL-NL2では10% (2/20耳), DSLv5では5% (1/20耳) とかなり低値であった。適切なフィッティングには実耳測定が重要であることが再認識された。しかしながら, 実耳測定を行っている施設はおそらく限定的である。どのような方法で実耳測定の代用方法を構築できるかは今後の課題である。
著者
鈴木 恵子 梅原 幸恵 井上 理絵 秦 若菜 清水 宗平 佐野 肇 中川 貴仁 山下 拓
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.240-247, 2019-06-30 (Released:2019-07-17)
参考文献数
16

要旨: 目的: 通所リハビリテーション (以下デイケア) 利用中の居宅高齢者の難聴の実態を明らかにする。対象: 介護老人保健施設のデイケア利用者74例 (78±8.1歳; 男42女32; MMSE 25.5±5.3, FIM 103.1±17.8)方法: 老健内で i. 耳内診察 ⅱ. 純音聴力検査を行い, ⅲ. 聞こえにくさの質問紙に本人, 家族が別個に回答した。結果: i. 耳垢栓塞を22例30%に認め, うち 7例は施設内で除去困難であった。 ⅱ. 58例78%に難聴があり (軽度31中等度27), 聴力と年齢に中程度の正の相関を認めた。検査では標準法に加え机上ボタン法, 玉おとし法を用い再現性ある反応を得た。玉おとし法群の MMSE, FIM 得点が他群と比べ有意に低かった。ⅲ. 悪条件下の語音で中等度群が他群と比べ聞こえにくさを強く感じていた。考察: 聴覚評価における耳垢への対応, 認知機能に応じた反応法の重要性が示唆された。中等度群が軽度, 正常群より聞こえにくさを認識しており, 補聴に向けた介入の可能性が示唆された。
著者
菊本 舞 野中 恵 竹下 潤 大下 智彦 山下 拓史
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.761-763, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
5
被引用文献数
1

症例は91歳女性である.90歳時に右眼の視力低下が出現し,右視神経炎と診断された.その3ヶ月後に左視神経炎を発症したが,いずれもステロイドパルス療法で改善した.91歳時に左上下肢の筋力低下が出現し,MRIで頸髄に4椎体にわたるT2強調画像の高信号病変をみとめ,ステロイドパルス療法により筋力は改善した.血清抗アクアポリン4抗体が陽性であり,視神経脊髄炎(neuromyelitis optica; NMO)と診断した.その後も約1年の経過で脊髄炎は1回,視神経炎は3回も再発した.NMOは90歳以降でも発症することがあり注意が必要である.
著者
今村 栄次 山下 拓史 福原 敏行 長嶋 和郎 郡山 達男 時信 弘
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.172-178, 2009 (Released:2009-05-13)
参考文献数
15
被引用文献数
6 7

症例は76歳女性である.発語の減少,意欲低下で発症し,意識障害の進行と平行して両側耳介腫脹が出現した.発熱,項部硬直をみとめ,髄液細胞数,蛋白,IgG indexの上昇,頭部MRIで進行性の大脳白質病変と脳萎縮をみとめた.耳介軟骨生検の病理所見から再発性多発軟骨炎(RP)と診断した.意識障害と炎症所見は,ステロイド治療にて一時的に改善したが,ふたたび増悪し,多剤による免疫抑制療法をおこなったが改善しなかった.剖検脳では,軟膜および脳実質の血管周囲にびまん性のリンパ球浸潤と炎症性髄鞘破壊をみとめた.RPに関連した髄膜脳炎の剖検例はきわめてまれであるが,病変の主座は炎症性血管周囲炎であることが示唆された.
著者
柳澤 秀彰 山下 拓朗 渡辺 裕
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.199-204, 2019
被引用文献数
2

<p>電子コミックの市場規模が拡大する中で,漫画画像の内容を理解してメタデータを生成する技術の需要が高まっている.特に登場キャラクタはストーリーを理解する上で重要な要素の一つである.キャラクタの認識にはキャラクタごとの特徴を学習した機械学習が用いられるが,複数の作品についてデータセットを作成する作業には膨大なコストがかかる.したがって,データセットを効率的に構築するために教師なし学習によってキャラクタ画像を分類する技術が必要となる.しかし,キャラクタ顔画像は一般画像よりも類似度の表現が困難であるほか,多数のノイズデータが存在することから従来の画像クラスタリングを適用できない.本論文では,CNNの出力をDBSCANでクラスタリングすることによって類似度の高い画像のみを抽出する手法を提案する.実験結果より,提案手法が複数の主要キャラクタをクラスタとして抽出可能であることを確認した.</p>