著者
山下 玲子 三浦 麻子
出版者
WebLab
雑誌
メディア・情報・コミュニケーション研究
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-18, 2018-03

本稿ではTwitterにおいて情報価値が少ないツイートがいかに拡散したか,第一筆者本人のツイートに対するリツイート (RT) に関するデータを分析し探索的に検討した。その結果,RTの拡散は,RT元と関連の薄い1,000~2,000人程度のフォロワーを持つユーザーが複数名集中して行うことで速まり,その過程で5ケタ以上のフォロワーを持つユーザーに到達しRTすることで,さらに拡散の範囲が広がることが示された。情報価値の少ないツイートの拡散では,強力なインフルエンサーによる局所的な拡散だけではなく,ある程度アクティブなユーザーのコンサマトリーな動機によるRTが局所的・同時発生的に起こることで,RTが芋づる式に拡がる「じわる」現象が存在することが示唆された。In this article, we investigated how a message in Twitter which was funny and of little information value diffused rapidly and widely. Using a tweet by a first author that was retweeted about ten thousand times, we analyzed the speed of the message diffusion by the retweet and the range of the message. The speed of the tweet diffusion was accelerated by retweeting of several moderate active users and in parallel retweeting of users who had over ten thousand followers expanded range of diffusion. This phenomenon suggested the accumulative power of "ordinary influencers" who were enjoying consummatory conversation in diffusing a funny message of little importance.
著者
山下 玲 過外 真帆 前田 柊 松山 桂 蔵並 香
出版者
東洋大学ライフデザイン学部
雑誌
ライフデザイン学紀要 = Journal of Human Life Design (ISSN:18810276)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.359-374, 2018-03

政府は2025年までに日本のスポーツ産業市場を15兆円までに拡大することを目標としている。その具体的な施策として、スポーツを「する」「みる」「ささえる」といった、スポーツ参画人口の拡大を目指している。しかし、スポーツを「する」人においては、成人の週1回以上のスポーツ実施率が42.5%にとどまり、「みる」人においても、直接現地でスポーツ観戦を行った人は、わずか24.7%という現状がある。この要因として、スポーツ環境が整備されていないことが伺える。本研究では都市公園に着目し、実施・観戦需要があるにもかかわらず把握されてこなかった、都市公園とスポーツの関係性について明らかにすることを目的とした。まず、都市公園において、「する」スポーツを取り入れた先進事例の1つであるBryant Park(アメリカ合衆国ニューヨーク州)では、スポーツプログラムの実施やスポーツ環境の提供を行うことで、地域住民が気軽にスポーツを実施できる公園づくりを行っていることが伺えた。また、「みる」スポーツとして、日本におけるプロスポーツリーグトップチームが本拠地として使用するスタジアム・アリーナに着目し、結果、対象とした全48チームの本拠地であるスタジアム・アリーナの半数以上が、都市公園内に設置されていることが明らかとなった。しかし、スタジアム・アリーナと都市公園の管理者が異なることにより生じる問題や、法による活動の制限等、弊害が生じている可能性があることも伺えた。本研究より、都市公園とスポーツは深い関係性があることが明らかとなった。今後、国民の健康づくりや感動を共有する「場」のひとつとして、スポーツを取り入れた公園づくりを行うことは、スポーツ参画人口拡大につながると考える。
著者
棟田 雅也 山下 玲
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.3_333-3_351, 2022-07-01 (Released:2022-07-23)
参考文献数
108

With the Tokyo 2020 Olympic and Paralympic Games hosting, attention has begun to be paid to spectators of parasports. However, there has been limited research on spectators of parasports. It is essential to clarify the motivations for spectatorship, which can predict future spectatorship behavior, and there is room to consider the relationships among factors and moderating variables. The purpose of this study was threefold : (1) to identify the structure of spectator motivation and to provide basic data for the development of a valid a reliable spectator motivation scale for parasports (2) to investigate the relationship between spectator motivation and spectator intention, and (3) to compare and verify how the relationship between spectator motivational factors and spectator intention differs depending on differences in spectators' psychological involvement in sport. By conducting a questionnaire survey with international wheelchair basketball spectators (n = 993), we were able to identify a parasport spectator motivation scale consisting of six factors and 19 items. Furthermore, in examining the relationship between the factors and each variable, we were able to identify factors that had a significant effect. In addition, by using the moderating variable, we were able to clarify that there were differences between spectator motivation and spectator intention depending on the psychological involvement of the spectator in the sport. It is hoped that these results will be used as primary data for organizers of parasports events to promote the uniqueness and singularity of parasports and to stimulate spectator behavior.
著者
山下 玲子
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.107-118, 2002-06-29

本稿は,岩見沢市教育委員会平成13年度男女共同参画講座「ビデオであそぶジェンダーの世界」の一講座「『アニメとジェンダー』~変わる?アニメの世界」(平成14年2月27日開催)の講演内容をもとに,加筆修正したものである。
著者
山下 玲子
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.107-118, 2002-06-29 (Released:2009-11-16)
参考文献数
13

本稿は,岩見沢市教育委員会平成13年度男女共同参画講座「ビデオであそぶジェンダーの世界」の一講座「『アニメとジェンダー』~変わる?アニメの世界」(平成14年2月27日開催)の講演内容をもとに,加筆修正したものである。
著者
佐々木 裕一 北村 智 山下 玲子
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.17-33, 2021-09-30 (Released:2021-11-10)
参考文献数
25

本稿では,YouTubeスマートフォンアプリ利用者のアーキテクチャ利用のパターンを明らかにした上で,アーキテクチャ利用のパターンとアプリでの視聴時間および動画ジャンルの視聴頻度の関係を明らかにした。この課題に取り組んだのは,(1)インターネットサービスにおいてアーキテクチャが利用者行動に対して影響力を持ちうる,(2)個人同定と情報推奨というアーキテクチャが接触情報内容の幅を狭めるのか広げるのかという議論には決着がついていない,(3)高選択メディアにおいては視聴動画ジャンルの分断が生じうる,という主として3つの先行研究との関わりゆえである。動画サービス利用が進む中で,動画ジャンルレベルでの利用者行動についての実証研究が乏しいという背景もある。YouTubeアプリを過去7日間に1回以上利用した15〜49歳までの男女604名に対するWebアンケート調査を分析した結果,アーキテクチャ利用のパターンとして5つが確認され,この中でアプリ視聴時間の長いものは「全アーキテクチャ高頻度」群と「登録チャンネル」群であった。また動画推奨アルゴリズムが機能するアーキテクチャを高い頻度で利用する者が高頻度で視聴する動画ジャンルは「音楽」であること,登録チャンネルに重きを置いて利用する者において「スポーツ・芸能・現場映像」,「学び・社会情報」,「エンタメ」の3ジャンルの視聴頻度が平均的な利用者よりも低いことを示した。論文の最後では,この結果について議論した。
著者
佐々木 裕一 北村 智 山下 玲子
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.17-33, 2021

<p>本稿では,YouTubeスマートフォンアプリ利用者のアーキテクチャ利用のパターンを明らかにした上で,アーキテクチャ利用のパターンとアプリでの視聴時間および動画ジャンルの視聴頻度の関係を明らかにした。この課題に取り組んだのは,(1)インターネットサービスにおいてアーキテクチャが利用者行動に対して影響力を持ちうる,(2)個人同定と情報推奨というアーキテクチャが接触情報内容の幅を狭めるのか広げるのかという議論には決着がついていない,(3)高選択メディアにおいては視聴動画ジャンルの分断が生じうる,という主として3つの先行研究との関わりゆえである。動画サービス利用が進む中で,動画ジャンルレベルでの利用者行動についての実証研究が乏しいという背景もある。</p><p>YouTubeアプリを過去7日間に1回以上利用した15〜49歳までの男女604名に対するWebアンケート調査を分析した結果,アーキテクチャ利用のパターンとして5つが確認され,この中でアプリ視聴時間の長いものは「全アーキテクチャ高頻度」群と「登録チャンネル」群であった。また動画推奨アルゴリズムが機能するアーキテクチャを高い頻度で利用する者が高頻度で視聴する動画ジャンルは「音楽」であること,登録チャンネルに重きを置いて利用する者において「スポーツ・芸能・現場映像」,「学び・社会情報」,「エンタメ」の3ジャンルの視聴頻度が平均的な利用者よりも低いことを示した。論文の最後では,この結果について議論した。</p>
著者
山下 玲 今給黎 薫弘 岡本 聡 山中 直明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J102-B, no.4, pp.310-318, 2019-04-01

データセンタネットワーク(DCN)における消費電力増加に伴い,電気パケット交換と光回線交換/光スロット交換を併用するハイブリッド型DCNが注目されている.ハイブリッド型DCNでは,DCN内を流れるフローをサイズや継続時間によって分類し,電気パケット交換網と光回線交換網/光スロット交換網のどれに流すべきかを判断する必要がある.本論文では,フロー分類手法として,Hadoopのジョブ特性を用いたアプリケーション駆動型手法を提案する.提案手法では,HadoopのShuffleデータ量とジョブ継続時間を推定することで,電気パケット交換網と光回線交換網/光スロット交換網のうちより省電力な網を選択することを可能とした.コンピュータシミュレーションにより,従来手法と比較して約15.8%のスイッチング消費電力削減効果を確認した.
著者
山下 玲香 都築 繁幸
出版者
愛知教育大学特別支援教育講座・福祉講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.29-36, 2018-03

本研究は,小学校4年生から6年生の児童を対象に休み時間の利用・過ごし方が行動様式にどのように影響しているのかを明らかにするために男女差や学年差の観点から検討した。A県内B市の小学校3校の4年生から6年生の児童,471名を分析した。その結果,行動様式尺度として「学級協力」,「友人関係の維持」,「遊びの創造」,「遊びの探求」の4因子が抽出された。そして屋外でのボール遊びや遊具,休み時間の関わりの対象,男女の混合,学年,遊び仲間の勧誘の要因が行動様式に何らかの影響を与えていることが示唆された。これらの要因に加え,男女差の要因が「友人関係の維持」において,学年差の要因が「学級協力」と「遊びの探求」において影響していることが示唆された。休み時間にこれらの要因が含まれる活動を取り入れて児童の運動意識が変容していくかどうかを検討することが今後の課題とされた。
著者
都築 繁幸 大島 光代 山田 丈美 名倉 一美 原 郁水 山下 玲香
出版者
愛知教育大学障害児教育講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.63-74, 2014-02

インクルーシブ教育を構築していくためには,教員養成の観点からみると特別支援教育の基礎的な知識を身に付けた教員の確保が課題となる。本稿では,養成段階の課題として,1)保育園・幼稚園担当者養成,2)幼稚園・小学校の接続と特別支援学校における幼稚部と小学部の接続,3)養護教諭養成,4)学校保健の観点から述べ,教員採用段階の課題として受験要件等を検討した。