著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 森 篤嗣 川村 よし子 山本 和英 志村 ゆかり 早川 杏子 志賀 玲子 建石 始 中石 ゆうこ 宇佐美 洋 金田 智子 柳田 直美 三上 喜貴 湯川 高志 岩田 一成 松田 真希子 岡 典栄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果は次の3点に要約される。第1点は公的文書の〈やさしい日本語〉への書き換えに関わる諸課題の解決、第2点は外国にルーツを持つ生徒に対する日本語教育に関する実証的な取り組みであり、第3点は各種メディアを通じた〈やさしい日本語〉の理念の普及活動である。第1点に関しては、横浜市との協働のもと、行政専門用語562語についての「定訳」を作成し、書き換えに際し有用な各種ツールとともにインターネット上で公開した。第2点に関しては、新しい文法シラバスを公刊する一方、JSL生徒向け総合日本語教科書の試行版を完成した。第3点に関しては、書籍、講演等を通して〈やさしい日本語〉に関する理念の普及に努めた。
著者
池田 諭史 大橋 一輝 山本 和英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.93, pp.161-168, 2004-09-17
被引用文献数
1

新幹線の電光掲示板で使用されるニュース記事は冗長度の少ない高密度表現となっている。また、体言や格助詞で終るといった独特の文末表現をしている。そこで本稿ではこのような高密度文の文末に着目し文末が体言や格助詞で終る形に整形することによる要約を試みた。整形はパターンマッチを用いて行ない、結果として文末の要約率は52%であり1 文当たり2.50文字の削除ができた。また、人が判断した正解率は95%であった。The electrical bulletin board news consists of high density expressions. The end of the sentence is unique shape that is nouns or case particles. This paper focuses on expressions of the sentence end, and attempt to summarize them by forming them into nouns or case particles. We summarize the news sentence by pattern matching approach. Our evaluation illustrates that our summarizer reduces 2.50 characters on average; the summarization ratio of sentence ends is 52%. We also show that the correctness of reduction is 95%.
著者
鈴木 幹三 岸本 明比古 山本 和英 足立 暁 山本 俊幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.1004-1010, 1986

Ceftizoxime500mg (力価) を含有する新規の抗生物質坐剤CZX-Sの高齢者における体内動態および尿路感染症に対する有効性・安全性について検討し, 次の成績を得た。<BR>1) CZX-S500mg1回投与後の血清中濃度の平均は投与後30分で0.93μg/ml, 1時間で1.31μg/ml, 6時間後は0.40μg/mlであり, 半減期3.02時間であった。<BR>2) 尿中濃度は0~2時間37.9μg/ml, 2~4時間86.8μg/ml, 4~6時間43.0μg/mlであり, 投与後6時間までの平均尿中回収率は2.15%であった。<BR>3) 臨床成績は有効9例, やや有効2例で, 有効率81.8%であった。<BR>4) 細菌学的効果では, 13株中7株が菌消失し, <I>E.coli, E.aggiomerars</I>などに有効であった。<BR>5) 副作用は認められず, 臨床検査値異常は, 好酸球増多2例であった。<BR>以上の成績より, CZX-Sは抗生物質の経口または静脈内投与に制約・困難が伴う高齢者の尿路感染症に対し有効な薬剤と考えられた。
著者
林 秀治 山本 和英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.83, pp.51-56, 2013-06-07

Q&Aサイトには日々新しい質問が投稿されているが、回答がつかないことも多い。本論文では回答者が自分の答えられそうな質問を見つけるための支援として、質問文を質問者の意図毎に事実、根拠、意見、提案、経験の5種類に自動で分類する方法を提案している。自動分類はキーワードと、語の頻度を使ったスコアの2つの手法で行った。その結果、根拠や提案の質問は他の種類の質問にはみられない表現があるため分類はしやすいが、事実や意見では他の種類の分類にはみられず、その種類の質問全体でみられるような表現がないため分類が難しいことがわかった。
著者
林 秀治 山本 和英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.83, pp.51-56, 2013-06-14

Q&Aサイトには日々新しい質問が投稿されているが、回答がつかないことも多い。本論文では回答者が自分の答えられそうな質問を見つけるための支援として、質問文を質問者の意図毎に事実、根拠、意見、提案、経験の5種類に自動で分類する方法を提案している。自動分類はキーワードと、語の頻度を使ったスコアの2つの手法で行った。その結果、根拠や提案の質問は他の種類の質問にはみられない表現があるため分類はしやすいが、事実や意見では他の種類の分類にはみられず、その種類の質問全体でみられるような表現がないため分類が難しいことがわかった。
著者
柴木 優美 永田 昌明 山本 和英
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.229-279, 2012-12-14

Wikipedia を is-a 関係からなる大規模な汎用オントロジーへ再構成した.Wikipedia の記事にはカテゴリが付与され,そのカテゴリは他のカテゴリとリンクして階層構造を作っている.Wikipedia のカテゴリと記事を is-a 関係のオントロジーとして利用するためには以下の課題がある.(1) Wikipedia の上位階層は抽象的なカテゴリで構成されており,これをそのまま利用してオントロジーを構成することは適切でない.(2) Wikipedia のカテゴリ間,及びカテゴリと記事間のリンクの意味関係は厳密に定義されていないため,is-a 関係でないリンク関係が多く存在する.これに対して我々は (1) を解決するため,上位のカテゴリ階層を新しく定義し,Wikipedia の上位階層を削除して置き換えた.さらに (2) を解決するため,Wikipedia のカテゴリ間,及びカテゴリ記事間の not-is-a 関係のリンクを 3 つの手法により自動で判定し切り離すことで,Wikipedia のカテゴリと記事の階層を is-a 関係のオントロジーとなるように整形した.本論文では not-is-a 関係を判定するための 3 つの手法を適用した.これにより,"人","組織","施設","地名","地形","具体物","創作物","動植物","イベント"の 9 種類の意味属性を最上位カテゴリとした,1 つに統一された is-a 関係のオントロジーを構築した.実験の結果,is-a 関係の精度は,カテゴリ間で適合率 95.3%, 再現率 96.6%,カテゴリ‐記事間で適合率 96.2%,再現率 95.6%と高精度であった.提案手法により,全カテゴリの 84.5%(約 34,000 件),全記事の 88.6%(約 422,000 件)をオントロジー化できた.
著者
吉田 辰巳 大竹 清敬 山本 和英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.200, pp.59-64, 2002-07-09

現在入手可能なツールと言語資源を用いて中国語形態素解析を行った場合にどの程度の精度が得られるかを報告する.解析ツールにサポートベクトルマシン(SVM)を用いたYamCha,ならびにコスト最小法に基づく形態素解析器としてMOZを用いた.中国語コーパスとしては,最も一般的なPenn Chinese Treebank(10万語)を使用した.これらを組み合わせて,形態素解析実験を行った.この結果,YamChaによる形態素解析精度は約88%でMOZよりも4%以上高いが,実用的には計算時間に問題があることが分った.また,より大きなタグ付きコーパスとして人民日報タグ付きコーパス(110万語)を用いて解析実験を行ったところ,YamCha,MOZそれぞれの解析精度は92%,89%となった.
著者
山本 和英 中山 匠
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2010-NL-198, no.1, pp.1-7, 2010-09-09

日本語の動詞と形容詞はその形態によって明確に分類されている。ところが両者の意味を考えると一部の動詞は動作というよりも対象とする事物の状態を表現 (すなわち形容) していると見なしたほうが自然である。本稿ではこのような日本語の動詞と形容詞の分類の意味的ずれに着目し、新たな用言の分類 「形状性用言」 「作用性用言」 を提案する。まず動詞・形容詞という形態上の対比よりもより意味に近い形状性・作用性という分類が実用上有益であることを議論し、形状性用言の定義、及び辞書の作成に際しての検討課題を整理する。
著者
柴木 優美 永田 昌明 山本 和英
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2010-NL-198, no.3, pp.1-8, 2010-09-09

Wikipedia を利用し,人に関する大規模な is-a 関係のオントロジーを構築する手法を提案する.本手法では初めに,人を表すカテゴリを機械学習による分類器で判定し,Wikipedia の階層構造をそのまま利用して is-a 関係だけから構成される人のカテゴリ階層を構築する.その後,人を表すカテゴリが付与されている記事から,人を表す記事をインスタンスとして抽出する.機械学習では,カテゴリ名及びカテゴリの周辺の単語が,日本語語彙大系のインスタンスとどのようにマッチするかを素性にした.その結果,人を表すカテゴリを適合率 99.3%,再現率 98.4%,人を表すインスタンスを適合率 98.2%,再現率 98.6% で抽出することができた.