- 著者
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岩田 美香
- 出版者
- 法政大学現代福祉学部
- 雑誌
- 現代福祉研究 (ISSN:13463349)
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.223-240, 2011-03
本報告は、児童自立支援施設入所児童に関する入所前の生活実態と意識について、同様の調査を行った少年院生との比較から分析を行った。その結果、児童自立支援施設入所児童は、親と一緒に暮らしていても、児童から見ると不十分なケアしか受けておらず、そのために具体的な生活場面においての不満が多くあがっていた。また、その保護者が十分に機能できない中で、児童にとって学校の先生や施設の先生の存在は大きく、家族以上に頼りにされていた。今後は、施設退所に向けた、さらには退所後の家族援助が重要になると同時に、予防的な視点から、施設を利用する前の学校や、それ以前であれば保育所や幼稚園といった段階における、教育や保育に加えたソーシャルワークとしての家族援助の展開が要請される。