- 著者
-
鳥山 まどか
- 出版者
- 北海道大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2010
本研究は、貧困・低所得世帯への貸付に際して行う相談支援のあり方を議論するための資料を提供することを目的としている。日本およびフランスで実践を行っている民間団体・機関へのヒアリング調査から、継続的できめ細やかな相談支援活動を合わせて行うことではじめて貸付が効果を発揮することが明らかになった。また、日本の公的福祉的貸付制度のひとつである母子寡婦福祉資金において相談支援活動の中心的役割を担っている母子自立支援員を対象としたアンケート調査を実施した。各支援員は、多岐にわたる業務で多忙な中でも、「継続的な相談支援」を行うためにさまざまな工夫をしていた。さらに、相談者の相談内容、面談時の状況に関する詳細な相談記録をとることを重視していた。こうした実践を通して、各支援員の中に「効果的な相談支援の方法」といったものが形成されていることが示唆された。