著者
岩田 正美 杉村 宏 岡部 卓 村上 英吾 圷 洋一 松本 一郎 岩永 理恵 鳥山 まどか
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は1)貧困の概念と最低生活費研究を理論的に整理し、2)現代の代表的な低所得層の家計調査からその生活実態を把握し、3)家計の抵抗点による最低生活費の試算と生活保護基準との比較を行った。この結果、1)最低生活費は複数のアプローチで確かめられる必要がある。2)単身者の生活費は、生活基盤費が固定費であり、その他の経費の高低で消費水準が決まる。3)その他の消費水準の抵抗点を利用して最低生活費を試算すると167,224円であった。生活保護基準と比較すると、約2万円強高くなることが分かった。
著者
松本 伊智朗 湯澤 直美 関 あゆみ 蓑輪 明子 永野 咲 加藤 弘通 長瀬 正子 丸山 里美 大谷 和大 岩田 美香 大澤 亜里 鳥山 まどか 佐々木 宏 杉田 真衣 山野 良一 田中 智子 上山 浩次郎 藤原 千沙 吉中 季子 福間 麻紀 大澤 真平 藤原 里佐 川田 学 谷口 由希子 中澤 香織 伊部 恭子 山内 太郎 新藤 こずえ 小西 祐馬 加藤 佳代
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、子どもの貧困の現代的特質を明らかにすると同時に、政策的介入と支援のあり方を検討することである。そのために、大規模な子ども・家族を対象とした生活調査(3万人対象)を北海道で行った。あわせて、女性の貧困に関する理論的検討、社会的養護経験者に対する調査を行った。それらを通して、経済的問題、時間の確保、追加的ケアへの対応、ジェンダー平等の重要性、子どもの活動と経験、社会的ケアと社会保障制度の問題について検討を行った。
著者
鳥山 まどか
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、貧困・低所得世帯への貸付に際して行う相談支援のあり方を議論するための資料を提供することを目的としている。日本およびフランスで実践を行っている民間団体・機関へのヒアリング調査から、継続的できめ細やかな相談支援活動を合わせて行うことではじめて貸付が効果を発揮することが明らかになった。また、日本の公的福祉的貸付制度のひとつである母子寡婦福祉資金において相談支援活動の中心的役割を担っている母子自立支援員を対象としたアンケート調査を実施した。各支援員は、多岐にわたる業務で多忙な中でも、「継続的な相談支援」を行うためにさまざまな工夫をしていた。さらに、相談者の相談内容、面談時の状況に関する詳細な相談記録をとることを重視していた。こうした実践を通して、各支援員の中に「効果的な相談支援の方法」といったものが形成されていることが示唆された。