著者
篠原 琢 戸谷 浩 吉岡 潤 割田 聖史 青島 陽子 古谷 大輔 小森 宏美 秋山 晋吾 中澤 達哉 小山 哲 池田 嘉郎 平田 武 梶 さやか
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本プロジェクトは、ポーランド=リトアニア連合王国(ロシア帝国西部諸県)、ハプスブルク帝国、沿バルト地域を中心に、近世から現代にいたるネーション、およびナショナリズムの動態を分析してきた。ここでは近世から20世紀にいたる各時代の政治社会におけるネーションの多次元的な機能と構成が分析された。近世期のネーションは、多様な政治的、文化的文脈で構築され、さまざまな価値と関連付けられ、ネーション理解は単一の政治社会に収斂しない。近代のネーションは政治社会における多様な交渉を全的に文脈化する傾向をもつ。本研究は個別研究と比較史の方法で境界地域におけるこの過程を明らかにした。
著者
平田 武
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、政治学研究上の空白となっているハプスブルク君主国とその継承諸国の政治発展をヨーロッパ全体の政治発展の中に位置づけることに寄与する目的をもって始めたものである。研究期間中には研究文献・同時代文献・史資料の収集とその分析をすすめ、その成果の一部として、ハプスブルク君主国のオーストリア側における政治発展を概観した研究(雑誌論文)、東中欧・南東欧地域における政治発展の見取り図を含む論文(近刊の共同研究論文集に所収の予定)、1920年代の当該地域におけるデモクラシーの崩壊事例の研究などをまとめた。
著者
平田 武弘 表 友宏
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, 1977-12-15

大阪市交通局が, 都島〜守口間6.4kmに建設中の地下鉄2号線のうち, 旧淀川河床タイ積とみられる地下水の豊富な砂レキ層に, 直径7mのシールドを掘進した今市工区での工事報告である。土カブリは約10m, 地下水の滞水は, シールドの天端から上部4mに存在する厚さ2mの連続したシルト層によって, 2層に分けられる。シールドの通過する滞水砂レキ層の透水係数は2.5×10^<-1>cm/secと大きい。工事は, 滞水砂レキ層部分の施工長さ360mの両側に粘土モルタルによる止水壁をつくり, 坑内圧縮空気の漏気と周辺地盤からの地下水の流入を防ぎ, 止水壁内部においては揚水によって砂レキ層の地下水位を低下させる漏気防止圧気工法によって行なわれた。切羽の安定を確保するために, 薬液注入工法も実施している。これらの掘進方法によれば, 坑内空気圧を0.35〜0.40kg/cm^2に維持するために必要な逆風空気量は, 最大80m^3/min, 工事中の止水壁内外での地下水頭の差は約1mで, 止水壁は, 地下水処理や圧気効果を高めるうえで有効であったとしている。