著者
望月 宏美 山口 隆子
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.135-141, 2021-03-31 (Released:2021-04-23)
参考文献数
15

ツマグロヒョウモンの著しい生息域の拡大は,地球温暖化の影響として広く一般に知られている.一方,近年,本種の食草であるスミレ類(パンジー等)の増加も一要因ではないかと言われているが,実際に双方の関係性に関する研究論文は少ない.本研究では,ツマグロヒョウモンの北上を,冬季の最低気温の上昇とパンジーの栽培地域の拡大という観点から複合的に考察した.その結果,1990年代初頭のガーデニングブームを契機に,パンジーの栽培地域は顕著に拡大した事が分かり,全国的な冬季の最低気温の上昇と共に,ツマグロヒョウモンの北上を助長した可能性が示唆された.
著者
簗瀬 正伸 瀬口 理 中西 道郎 渡邊 琢也 中島 誠子 黒田 健輔 望月 宏樹 福嶌 五月 藤田 知之 福嶌 教偉
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Supplement, pp.351_2, 2020 (Released:2021-09-18)

背景:心移植後に行う心蔵リハビリテーション(心リハ)によって自然回復以上の運動耐容能を得ることができる。しかしながら、より心リハの効果が得られるレシピエント及びドナーの要因は明らかではない。方法:対象は2010年4月から2016年11月までに当院にて心移植術を受け、監視下の心リハ開始時と3ヶ月後に心肺運動負荷試験を実施した成人41例。レシピエント要因(年齢・基礎心疾患・人工心臓のタイプ・栄養状態など)とドナーの要因(年齢・LVEF・心停止の既往・虚血時間・高用量カテコラミン使用の有無など)による最大酸素摂取量の変化の検討した。結果:レシピエントの平均年齢は37.4歳。男性36名。40例は補助人工心臓補助下に心臓移植を待機し、平均待機日数は1085日であった。最大酸素摂取量は平均18.1から22.7ml/kg/minと心リハ前後で有意に改善した。レシピエント要因では年齢の若い群(50歳未満)と、3ヶ月後のリンパ球数が多い群(1200以上 vs 1200未満、前:20.4 vs 16.8 p<0.01, 後:25.1 vs 21.9ml/kg/min p=0.021)で心リハ前後の最大酸素摂取量が有意に高かった。ドナー要因で最大酸素摂取量の変化に影響を与えるものは認めなかった。結語:心移植後早期から積極的な栄養介入によって最大酸素摂取量のさらなる増加が得られる可能性が示唆された。
著者
田中 法博 望月 宏祐 禹 在勇
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.311-321, 2010 (Released:2016-11-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2

The present paper proposes a real-time rendering method based on object surface properties and multi-spectral reflection model. An RGB image is device-dependent and valid for only the fixed conditions of illumination and viewing. On the other hand, spectral reflectance information of an object surface is more useful than RGB information because we can create realistic images of the object under arbitrary illumination and viewing conditions. Firstly, we develop a 3D reflection model based on Nayer model, Torrance-Sparrow model, Fresnel model and multi-spectral information for precise description of object surface reflectance. Secondly, we develop a rendering algorithm of the object under ambient light source distribution. And also, we implement the reflection model to Graphics Processing Unit(GPU) for improving rendering performance. Finally, we render some objects by using multi-spectral reflection model. The overall feasibility of our method is confirmed based on computer graphics images created by using the estimated parameters.
著者
松田 宗 田中 法博 市川 拓磨 望月 宏祐 室屋 泰三 北村 仁美
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2014-CG-155, no.1, pp.1-7, 2014-06-21

分光的な光反射モデルに基づいた工芸作品の CG 再現手法を提案する.本研究では東京国立近代美術館に所蔵されている 「十二の鷹」 を対象とした.この工芸作品は明治期に鈴木長吉によって制作された金工作品である.最初に 「十二の鷹」 の一つの頭部をレーザレンジファインダで形状計測する.このとき欠損部分は複数のレンジ画像から合成して補完する.2 番目に金工作品の各材質をレンダリングするために分光的な光反射モデルを構築する.このモデルは金属,合金,不均質誘電体の反射を記述することができる.本稿では,合金として朧銀の反射特性をこのモデルで記述した.3 番目に RGB カメラ出力から分光反射率を推定するアルゴリズムを提案する.そして,工芸作品の材質はこの分光反射率に基づいて判別される.最後に推定した材質の情報で工芸作品の CG を生成した.
著者
小林 巌 木村 慶信 大曾根 順平 望月 宏樹 住田 臣造
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.613-617, 2013-08-31 (Released:2013-10-15)
参考文献数
9

症例は79 歳女性。転倒による大腿骨転子部骨折に対して,入院当日にインプラントを用いた骨接合術を施行。第11 病日より発熱と創部腫脹がみられ,第17 病日にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌による骨髄炎と判明したが,インプラント抜去を行わずに治療を行う方針となりICU 入室となった。バンコマイシンに対する感受性低下(最小発育阻止濃度2μg/ml)と腎機能障害を認めたため,ダプトマイシン(6mg/kg/ 日)とリファンピシン(600mg/ 日)による治療を行った。第79 病日でダプトマイシンとリファンピシンの治療を終了後,約2 週間のリネゾリド(1,200mg/ 日)内服を継続した。長期に及ぶダプトマイシンの投与であったが,横紋筋融解症などの重篤な副作用を発症することなく安全に治療を終えた。今後,本邦でもダプトマイシン長期投与の有効性と安全性に関するデータの蓄積が必要と思われる。
著者
宓 梅珽 田野 俊一 橋山 智訓 市野 順子 岩田 満 三澤 純子 掛井 祐伸 羽木 貴昭 望月 宏史 米本 京介
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-40, no.8, pp.1-8, 2013-10-29

大型インタラクションディスプレイが普及しつつある。コラボレーションを促進することができると見られ、特に仕事場や公共空間において Wall 型と Table 型の大型ディスプレイが最も多く使われている。本論文では、情報の方向性を考慮したより一般的なタスクを設計し、今まで様々なタスクで結論付けた Wall 型と Table 型ディスプレイの強みと弱みを検証し、新たな結論を導くことで、今後の Wall 型と Table 型ディスプレイのインターフェースデザインに参考と助言を提供することを目的とした。 2 人から 6 人までのグループサイズで小規模な事前実験を行った。提案したユーザパフォーマンスの測定方法を評価し、事前実験の結果を分析した上で、今後の本実験の設計を提案した。