著者
市野 順子 八木 佳子 西野 哲生 小澤 照
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.1171-1183, 2019-04-15

本稿では,グループディスカッションを支援するために提示するフィードバックの,モダリティと提示対象者の要因が,グループメンバのコンピュータに対する反応に与える影響を検討する.我々は,企業の実際のブレインストーミングをフィールドとした実験を行い,4つのフィードバック条件――3つは触覚モダリティ(椅子の振動)を使用し,1つは視覚モダリティ(スポットライトの点滅)――を比較した.触覚モダリティを使用した3つのフィードバック条件は,フィードバックの提示対象者が異なる:(1) 参加が期待されるメンバ(潜在的話者)にのみ提示,(2) 現在発言中のメンバ(現行話者)にのみ提示,(3) 全メンバに提示.実験の結果,モダリティの要因に関しては,触覚は視覚よりも,議論への集中を妨げない程度ではあるが議論からメンバの注意を逸らし,フィードバック提示直後のターンテイキングを促した.提示対象者の要因に関しては,全メンバあるいは現行話者に提示する方が,潜在的話者に提示するよりも,ターンテイキングを促した.その一方で,潜在的話者に提示する方が,現行話者に提示するよりも,メンバは,システムの意図がわかりやすく,快適だと感じた.
著者
田中 成俊 橋山 智訓 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.101, 2013 (Released:2015-01-24)

チェスや将棋を始めとするゲームを題材として、コンピュータで人間と同様の知能(AI:Artificial Intelligence)を実現させようとする試みは古くから行われている。近年では、ボードゲームだけでなくコンピュータゲームでのFPS(First Person Shooter)やRTS(RealTime Strategy)、アクションゲームなど、さまざまなジャンルでAIコンペティションが開かれている。しかし初期のコンピュータゲームであるローグライクゲームでは、数少ない研究例があるだけで、その後の発展はみられない。本稿では、現在もプレイされているローグライクゲームの特徴を挙げ、既存のAIコンペティションとの対比を行い、ローグライクゲームのコンペティションを設計することで新たな課題を提供する。
著者
兵野 洋一 田野 俊一 市野 順子 シュ ビン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.418, pp.93-98, 2010-02-11

アルファベットを特定のルールに従って組み合わせる事で,英単語を漢字のような方形の文字として表現する「新英文書法」という現代美術の作品がある.この作品を美術館の来館者にインスタレーションとして体験してもらうため,コンピュータで文字を生成するアルゴリズムをアーティストと共に検討し,キーボードから入力されたテキストをその場で処理して出力するプログラムを開発した.
著者
裴 秉哲 田野 俊一 市野 順子 江崎 朋人 橋山 智訓
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.239-244, 2010-02-15

近年、情報技術の発達により高度なデザインシステムが用いられているが、逆にデザイナの創造的な活動を阻害しているという事例が指摘されている.この問題を改善するため、3次元表示や3次元スケッチを利用したデザインシステムが盛んに研究されている.しかし、それらのシステムは著しく環境を制限される上に、大掛かりな計測機器を用いるという問題点を有している.そこで、本研究ではPTAMを用いることでカメラ一台という安価かつ簡易な装置のみによりVision-Basedな3次元空中描画を実現するアルゴリズムを提案する.
著者
市野 順子 磯田 和生 上田 哲也 佐藤 玲美
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1162-1173, 2015-04-15

本稿では,インタラクティブディスプレイの角度(0°・20°・45°・90°)が人々の社会的な行動に与える影響を探る.フィールドスタディでは,約4カ月間にわたり合計900人以上の来場者の量的および質的データを収集した.本研究から以下のことが明らかになった:(1)知的好奇心の高い来場者の注意を誘うには水平に近いディスプレイが効果的である.しかしディスプレイ空間にすでに人がいる状況では垂直が効果的である.(2)タッチジェスチャータイプのインタラクティブ展示を,時間をかけて体験してもらいたい場合は水平あるいは垂直が効果的である.特にルーペ機能を含む場合は垂直が有効である.(3)来場者は0°~45°のディスプレイ空間にいるとパーソナルスペースを意識しやすく,45°に近い方がそのサイズが大きい.コンテンツを介した人と人のコミュニケーションを促したい場合には,垂直のディスプレイが有効である.また,調査結果全体から,45°のディスプレイは,必ずしも0°と90°の中間的な性質を有した「無難」な角度ではないことが示唆された.これらの知見は,ミュージアムのインタラクティブ展示や,その他の公共の空間に設置するディスプレイを設計する際に有用である.
著者
平林 里葉子 田野 俊一 市野 順子 松村 一男
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.33-41, 2009 (Released:2016-11-30)
参考文献数
9

Current map systems fail to provide the information that a walker really needs. Because the information that the walker wants is always changing. Current map systems are inadequate because of giving only one index in indication of a map. The conventional map expression technique have used only one kind of indexes such as a sight substance, a hearing substance, or a sensitivity substance. In contrast, an aim of our study is map expression of the forms that system compound, and each layer supplements them each other. Our map is made by investigating at first which kind of map should be used for the promotion of the human geographical recognition. Therefore this paper investigated the number of the landmark in their recognition and the difference between persons who could read a map well and who could not. We carried out three experiments. The first experiment is designed to find out the differences in the concrete landmark between persons who understood a map and who cannot read a map. The second experiment was based on the result of the first experiment and clarified of the important element except the visual object in the human cognitive map. The third additional experiment was performed with the result of the second experiment to examine how map system show multimedia elements. The technique of four kinds of map expression designs was implied from the result of three experiments. And the Layerd-map model is proposed as a presentation method to display them adequately.
著者
津田 奏 清水 洸希 市野 順子
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2022-HCI-197, no.48, pp.1-7, 2022-03-07

VR 空間においてアバターを介した際のユーザーの認知や行動に関する知見が得られつつあるが,ソーシャル VR プラットフォームにおいてユーザーの行動を検討した研究は限られる.本研究は,最も基本的な人間的コミュニケーションであるスキンシップに焦点を合わせ,ソーシャル VR ユーザーがどのようなスキンシップをとっているのかを探る.ソーシャル VR プラットフォームの一つである VRChat をフィールドとし,調査者(著者ら)が被調査者(一般ユーザー)に接近し話しかけた際の被調査者の行動を観察し,計 30 時間 168 人分の一般ユーザーのデータを収集した.収集したデータを用いて,3 つの変数――調査者のアバターの外見的性別(2 水準:男性,女性),調査者の実性別(2 水準:男性,女性),被調査者の対話時の音声有無(2 水準:音声あり,音声なし)――を要因として分析した.その結果,(1) 調査者の実性別が女性の場合の方が男性の場合よりも,スキンシップの頻度が有意に高く,スキンシップの仕方もハグや頭を撫でるといった親密なものが多かった.その一方で,(2) 調査者のアバターの外見的性別はスキンシップの頻度に影響を与えなかった.また,(3) 被調査者の対話時の音声がない場合の方がある場合よりも,スキンシップの頻度が有意に高かった.これらから,アバターの外見よりも中身の性別の方がユーザーの行動に強く影響を及ぼしていることがわかった.
著者
江崎 朋人 橋山 智訓 平林 里葉子 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.99, 2010 (Released:2010-11-05)

可能性クラスタリングでは、クラスタ数をあらかじめ決める必要がなく、クラスタ中心がデータの密集した場所に収束する性質がある。そこで、密集地探索に適用したところ、良い結果が得られたので報告する。
著者
井出 将弘 市野 順子 横山 ひとみ 淺野 裕俊 宮地 英生 岡部 大介
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2021-HCI-194, no.1, pp.1-8, 2021-08-16

コンピュータを介したコミュニケーションは対面と比較して社会的手がかりが少ないため,より率直な議論を促進することがわかっている.しかしながら,VR 空間におけるアバターを介したコミュニケーションがグループディスカッションにどのような影響を与えるかは十分に調査されていない.本研究では,4 人組 24 グループ 96 名の参加者を対象とした実験を行い,3 つの実験条件(ビデオチャット,参加者の写真から生成したアバターを用いた VR,性別や年齢等の外見上の社会的手がかりがないアバターを用いた VR)を用いてグループディスカッションを行った.その結果,参加者の総発話長を元にした参加のバランスの分析結果において,性別や年齢等の外見上の社会的手がかりがないアバターは社会的手がかりがあるアバターと比較して参加者の議論のバランスの均衡を促進することが分かった.
著者
永田 雄樹 橋山 智訓 田野 俊一 市野 順子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.572-573, 2012 (Released:2013-07-25)

近年、急速に発展してきている生体情報の計測技術を用いて、スポーツや遊び、リハビリテーション等の分野において活用する応用例も増えてきている。例えば得られた情報を効果的に可視化したり、運動モデルを用いてフィードバックをすることにより、人間の動作の改善が行われている。 本研究ではダーツを例としたスポーツにおける運動スキル支援システムについて発表する。スキル支援の方法として、熟練者の生体情報を参考にして、初心者に対する物理的補助を行うシステムを提案する。
著者
田中 成俊 橋山 智訓 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.101, 2013

チェスや将棋を始めとするゲームを題材として、コンピュータで人間と同様の知能(AI:Artificial Intelligence)を実現させようとする試みは古くから行われている。近年では、ボードゲームだけでなくコンピュータゲームでのFPS(First Person Shooter)やRTS(RealTime Strategy)、アクションゲームなど、さまざまなジャンルでAIコンペティションが開かれている。しかし初期のコンピュータゲームであるローグライクゲームでは、数少ない研究例があるだけで、その後の発展はみられない。本稿では、現在もプレイされているローグライクゲームの特徴を挙げ、既存のAIコンペティションとの対比を行い、ローグライクゲームのコンペティションを設計することで新たな課題を提供する。
著者
村松 智穂 橋山 智訓 江崎 朋人 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.174-174, 2007

スポーツ,演劇,音楽コンサートは世界中多くの人に楽しまれているエンタテインメントである.特にスポーツ観戦の醍醐味は,直接試合を観ることに加え,歓声,ブーイングという行為を通じてスタジアム全体で一体感を感じることができる点である.ワンセグ放送の普及によりいつでもどこでも携帯端末機でのスポーツ観戦の機会が増えてくると予想される.しかし,スポーツの試合自体は届けられても一体感は届けられているとはいえない.ただし,パブリックビューイング,スポーツカフェでは,スタジアムの空間を共有していないにもかかわらずスタジアムに近い一体感を覚えることができる.本研究では,この携帯端末機での観戦とパブリックビューイングとの比較,分析を行い,一体感を提供するためのシステムに必要な要素,機能について考察した.そして,携帯端末機での観戦で一体感を提供できるシステムの構築を目指す.
著者
衣畑 俊希 三浦 龍 大原 紳司 垂水 浩幸 林 敏浩 市野 順子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.15, pp.1-8, 2015-03-05

PC やスマートフォンを用いて,ネットワーク上で将棋の対局が活発に行われている.また,将棋プログラムが急速に強くなり,将棋プログラムとプロ棋士が対局を行う電王戦も複数回開催されている.しかし,対局後の感想戦の支援が不十分であり,また将棋プログラム (人工知能) を感想戦に活かしきれていない.そこで我々はコンピュータによる感想戦や将棋研究の発展を狙い,ネットワーク将棋における感想戦を支援するシステムの開発を行っている.本研究では感想戦支援システムにおけるクライアントの感想戦支援インタフェースについて改善を行い,昨年度に引続き評価実験を実施した.大学将棋部員による本システムの評価により,本システムの有効性を確認し,今後の課題を抽出した.Shogi, a chess-variant game popular in Japan, is recently played on the Internet. Players enjoy the game on some major game service sites. The technology of AI players have rapidly improved; they are now almost as strong as the top-level professional players. However, groupware and AI technologies are not used for post-game discussions on Shogi games - Kansousen -. We have been developing an integrated environment, SAKURA, for networked shogi games and discussions. In this paper, we describe the design and evaluation of discussion support functions and user interfaces. After the evaluation by seven amateur players, we confirmed the basic design for the discussion support is acceptable, but still we need improvements.
著者
長谷川 健 橋山 智訓 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.153-153, 2013

近年、ゲームに登場するCGキャラクタモデリングは高精細化しており、その動きにもいっそうのリアルさが求められるようになっている。これらのキャラクタの動作は、単に行動を表すだけでなく、プレイヤのキャラクタに対する印象やゲームへの没入感を向上させる重要な役割を果たす。従来、これらの動作を生成するために、モーションキャプチャの利用や、GUIでポーズを作成しキーフレームとして用いる手法などが利用されている。しかし、人手で作ることができる動作の量には限界があり、動的に変化する環境のすべてに対応する動作を作成することは難しい。そこで本研究では、キャラクタの状況に応じて任意の動作を自動生成するシステムを開発することを目的とする。
著者
市野 順子 金山 尚史 田野 俊一 橋山 智訓
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.1570-1580, 2012-05-15
被引用文献数
1

大型ディスプレイが普及しつつあるが,ユーザ個人に対する影響を定量化することはほとんど行われていない.本稿では,大小の2つの物理サイズの異なるディスプレイ上での,ユーザのテキスト読解を比較する3種類のタスクからなる実験を提示する.本実験では,2つのディスプレイの観視距離を調整することによって,観視角度を一定に保った.実験の結果,ディスプレイサイズの違いが,個人のテキストメディアの短時間の読解タスクパフォーマンス―文字・単語といった小さい単位のテキスト情報の探索タスクと,文・段落といった大きい単位のテキスト情報の理解タスクのいずれにおいても―に影響を及ぼさないことが分かった.映像や画像メディアの場合,大きいディスプレイはユーザを自己中心座標系の視点に偏らせ,小さいディスプレイは外部参照座標系の視点に偏らせることを示した先行研究の結果と,本研究が注目したテキストメディアに関する実験結果が大きく異なる結果となった.Large wall-sized displays are becoming prevalent. Although researchers have articulated qualitative benefits of group work on large displays, little work has been done to quantify the benefits for individual users. In this article we present an experiment that compares user's the performance of text reading on a large display to that on a small display. In these experiments, we held the visual angle constant by adjusting the viewing distance to each of the displays. Results from the experiment, which included three kinds of tasks, suggest that physical display size doesn't affect individual performance on text reading tasks.
著者
市野 順子
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

身体的インタラクションが,人がデジタル環境とインタラクションする際の身体・心理・認知・感情を統合する分野として注目されている.本研究では,Vusik-ユーザーが全身を使ってお絵描きしながら音楽を編集・作曲するアプリケーション-を開発した.Vusikは,子どもの創造的な体験を促進することを目的としている.アプリケーションは,ユーザーがパレットと筆や指を使ってキャンバスに見立てた大型ディスプレイに絵を描く行為を通して,音楽パラメータを変えることによってユーザーの動きに反応する.従来手法との比較評価実験より,Vuzikがユーザーの全体的なイメージの構成を促進し,学習容易性を向上させることを確認した.
著者
鈴木 啓祐 田野 俊一 市野 順子 橋山 智訓 三木 健司
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.19-22, 2010-03-01

本論文では,AR技術を用いた手術支援システムを提案する.本システムによる支援は,術中の超音波診断における医師の認知的負担を軽減することを目的としている.そのために,超音波診断と従来手法の問題点から手術室で利用可能という条件を分析し,カメラとマーカー1対のみで3次元位置計測をするシステムを設計した.そして,本設計を実現するために,簡単なインタラクションを導入した.これにより,実際の臓器の上に超音波検査画像から生成した臓器の解剖学的構造を映し出す機能を実現した.また,本システムの有効性を確認するために,現職の外科医によるプロトタイプ使用実験を行い,3次元位置計測の安定性や機能の有効性を確認した.
著者
宓 梅珽 田野 俊一 橋山 智訓 市野 順子 岩田 満 三澤 純子 掛井 祐伸 羽木 貴昭 望月 宏史 米本 京介
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-40, no.8, pp.1-8, 2013-10-29

大型インタラクションディスプレイが普及しつつある。コラボレーションを促進することができると見られ、特に仕事場や公共空間において Wall 型と Table 型の大型ディスプレイが最も多く使われている。本論文では、情報の方向性を考慮したより一般的なタスクを設計し、今まで様々なタスクで結論付けた Wall 型と Table 型ディスプレイの強みと弱みを検証し、新たな結論を導くことで、今後の Wall 型と Table 型ディスプレイのインターフェースデザインに参考と助言を提供することを目的とした。 2 人から 6 人までのグループサイズで小規模な事前実験を行った。提案したユーザパフォーマンスの測定方法を評価し、事前実験の結果を分析した上で、今後の本実験の設計を提案した。
著者
市野 順子 田野 俊一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.504-513, 2010 (Released:2010-04-13)
参考文献数
39
被引用文献数
1

In this study, we investigated the relationship between phases of meeting and non-verbal speech information. We considered that conversations at the meeting must show information to phases of the meeting as non-verbal features. We attempted to discriminate between the divergence phase and the convergence phase by the decision tree method using only non-verbal speech information. We performed an experiment with a group task based on a modification of the game Twenty-Questions and recorded participants' speech data. In a discrimination test, we used the recorded speech, and defined non-verbal speech features such as switching pauses (i.e. silent intervals between the utterance of two speakers), frequency for each turn-taking pattern and duration. We conducted the two discrimination tests for using parameters with friends group, with strangers group and with both groups. From the results, the accuracy of the open test is 77.3%, 85.2% and 77.3%, respectively. Taking into account only non-verbal speech information was used, we consider these results to be fairly good.
著者
MUHDDZULKHIFLEEHAMZAH 田野 俊一 岩田 満 市野 順子 橋山 智訓
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.41, pp.3-10, 2007-05-11
参考文献数
5

情報技術の発展により、動画やアニメーションのような動的メディアが容易に作成できるようになり、デジタル教材や発表用スライドなどで幅広く使用されている。しかし残念ながら、最近ではこのような動的メディアは人間の認知モードに悪影響を与え、人間の知的活動を妨げるという問題点が認識されつつある。本研究では、動的メディアがどのように人間の体験的認知タスクに影響するかを分析し、この問題点を定量的に明らかにした。分析した結果、まず正答数及びエラー数においては、動的メディアが表示されるときの結果の評価が表示されないときの結果の評価より低かった。また、動的メディアが表示されると、被験者が速く疲労を感じ、タスクの学習も動的メディアが表示されないときより遅く行われたということが分かった。According to recent developments in multimedia technology, lots of dynamic-visual-information such as a video (multimedia information) and animated banners had been superimposed into the digital documents, such as digital teaching material, website, and so forth. Unfortunately, this kind of contents had being advocated lately to sometimes give a negative effect on user's concentration and understanding during intelligent works. To clarify this hypothesis, we had conducted an experiment that will demonstrate how dynamic-visual-information can give a negative effect even to a simple task that only requires experiential cognition modes to be completed.