著者
本田 新九郎 富岡 展也 木村 尚亮 大澤 隆治 岡田 謙一 松下 温
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1472-1483, 1998-05-15

本稿では,3次元返想空間を利用した在宅勤務環境を提供する仮想オフィスシステムValentineについて述べる.Valentineは,地理的に分散したユーザをネットワーク上に仮想的に構築したオフィスに出勤させ,そこで他のメンバの雰囲気・気配を伝達し,コミュニケーションを支援するシステムである.物理的なオフィスは存在せず,ユーザはすべて仮想オフィスに通うことを想定している.遠隔地にいる他の社員の気配を伝達するために,「周辺視ビュー」および「効果音」を実現し,アウェアネスの提供を行った.またアウェアネスの過度な提供が効率的な個人作業の妨げとなることから,ユーザの「集中度」を定義し,集中度に応じたアウェアネス提供環境を実現した.集中度は「キーボード,マウスの利用頻度」「椅子を動かす頻度」という2つの要素からシステムで自動検出され,作業環境に反映される.評価実験を行った結果,気配の伝達および集中度に応じた環境の提供について,良好な結果を得た.
著者
本田 新九郎 富岡 展也 木村 尚亮 岡田 謙一 松下 温
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1454-1464, 1997-07-15

本稿では,在宅勤務の問題点である,コミュニケーションの機会の減少からくる個人の心理負担,社会からの疎外感を解消した仮想オフィスシステムについて述べる.システムでは,オフィス内での自然なインフォーマルコミュニケーションの実現のために,コミュニケーションの支援技術であるアウェアネスの概念を発展させた「位置アウェアネス」を考慮した.位置アウェアネスの実現に際しては,3次元仮想空間内に社員の座席を設けた「大部屋メタファ」に基づく仮想オフィスを構築した.このことにより,これまで考えられていなかったコミュニケーションの空間依存性を考慮したより自然なインフォーマルコミュニケーションが実現された.また「アウェアネススペース」という新たな概念の導入により,コミュニケーション空間とパーソナルスペースの確保の両立をはかった.個室ベースのシステムとの比較による評価から,在宅勤務における問題点解消について良好な結果を得た.
著者
泉本 貴広 陳 建和 重野 寛 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.227-228, 1992-09-28
被引用文献数
2

近年注目を浴びている無線LANは、その実現により有線LANで不都合であった様々な点を改善することができるばかりでなく、ポータピリティを活用した新しい形のいLANの可能性も見いだすことができる。しかしCSMA方式を採用した無線LANではそれに特有の「隠れ端末問題」が存在し、そのためシステムの性能が劣化する。そこで我々は、隠れ端末問題を顧慮した新MAC方式として。CTMA方式及び。CRMA方式の2方式を提案し、計算機シミュレーションによる性能評価を行った。その結果は、我々の提案した新しい2つのMAC方式が隠れ端末問題の解決案となり得ることを示すものであった。
著者
前田 典彦 Giseok Jeong 市川 裕介 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.12, pp.57-64, 1994-01-27
被引用文献数
4

我々は、相手が口にした言葉だけでなく、その時の様子や雰囲気などからも相手の本心を感じとることができる。今回こうした点に着目して、TV会議の実験環境MAJICを試作した。そのデザインコンセプトは、 )等身大の相手画像との自然一致 )複数地点からの映像を一枚の湾曲スクリーンに投影 )デスクトップの作業空間 であり、より自然で人間的なTV会議空間の構築を目標としている。本システムは3地点間を同時に結び、あたかも3人で机を囲んでいるような感覚を提供する。今回の報告ではシステムの実装方法と、その特徴について説明を行なう。MAJIC is an experimental environment for teleconferencing. The design concepts are: 1) supporting eye-contact with a projected image to obtain a life-sized presence. 2) projecting images on a curved large screen. 3) providing shared workspace on a table. In this paper, we describe features of our system and techniques for implementation.
著者
冨野剛 井上 亮文 市村 哲 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.2091-2098, 2006-07-15
参考文献数
14
被引用文献数
3

従来のテレビ会議システムは,表示サイズや表示解像度が限られているため「誰が発言者か分かりにくい」または「発言者の表情をとらえにくい」などの問題点があった.著者らは,会議室内の参加者の中から発言者を自動的に検出し,検出した発言者を拡大表示して遠隔地に伝送することが可能なテレビ会議システムを構築することを狙いとして研究を実施している. 本論文では,このような1拠点に10人程度が参加できる1拠点多人数参加型テレビ会議システムを構成するための,マイクロフォンアレイと映像処理を用いた映像表示法について述べる.汎用PCと市販音響機器のみから構成されていることが特徴であり,特殊なハードウェアを使用することなく,通常の会議室環境において10人程度の会議参加者から発言者の方向を検出して拡大表示することが可能である. マイクロフォンアレイからの音声情報をデジタル処理して発言者の位置を特定する手法と,複数の人物を含む映像をデジタル処理して発言者の人物の上半身映像を拡大表示する手法によって実現した.また,紙をめくるノイズが発言と間違われないよう工夫を行った.Due to the limitation of display size or resolution of traditional TV conference systems, we can not see detailed expression on speaker's face shown on a TV screen, or can not even see who is speaking from the remote site. We have been developing a TV conference system where a speaker is automatically identified and his/her face is zoomed in on the TV screen, so that remote participants can better read speaker's facial expression. In this paper, a microphone array and video processing for TV conference systems are described. Our microphone array system is unique because it consists only of one consumer PC, an extra PC sound card, two general cameras, and four omni directional microphones; no other special hardware or special operating system is required. It has a capability that a speaker can be detected out of more than 10 participants in a meeting room. The system expands speaker's upper-body image based-on the speaker's position detected with the microphone array. Then we propose a method to prevent the system from mistaking paper flip-flap noise for voice from a speaker.
著者
栗原 主計 市川 裕介 田中 俊介 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.315-316, 1996-03-06

通信技術やコンピュータシステムの発達により、地理的に分散した会議室同士を結ぶ、テレビ会議システムの臨場感を高める研究も飛躍的に発展してきた。しかし、どんなに技術が進歩しても、人間にギャップをまったく感じさせないほどの完壁な臨場感を実現することは不可能とは言わないまでも、困難かつ高価につく。これは、人間の感覚器は非常に精巧に出来ているためである。どれだけ似せても現実との違いに気付く限り、その目標は逃げ水のようなものである。また、毎回会議のたびにテレビ会議システムの利用予約を行い、会議室まで出向くのは面倒であり、電話をかけるような気軽さで各人の席から自由に参加したいという要望は強い。このような、携帯性や簡易性を上げる為には、伝達情報の取捨選択を行い、要らない情報の通信を敢えて切り捨てる必要があると考える。本研究では、人間の関わりを階層化することによって、その関りの深度を明確にすることを試み、人間の協同作業に必要な最小限の情報をそこから抽出し、通信コストを減らす効果を目指している。
著者
松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.325-326, 2002-03-15

産業が空洞化し,赤字の国家予算が常態化していた米国は独占禁止法による管理を弱め,プロパテント主義をかがげて特許政策を矢継ぎばやに変更して(バイオの特許を認める(1980年),コンピュータのソフトの特許化の承認(1981年),ビジネスモデルの特許化の承認(1998))空洞化した産業を情報産業にシフトすることに成功し,さらには,インターネット利用法で世界で君臨することを狙っている.日本の若者は,彼らの父親たちが等しく持っていた情熱や意欲に乏しく,楽しさと豊かさのみを求めているように思える.中国や韓国の若者は,昔の日本の父親たちが持っていたたぎるような意欲を持っている.日本の凋落は明々白々であるように思う.どうすればよいのであろう.
著者
本田 新九郎 河内 清人 木村 尚亮 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.59, pp.37-42, 1996-06-07
被引用文献数
4

本稿では,大部屋のインフォーマルコミュニケーションの形態がメンバの空間的配置に関係していることに着目し,大部屋オフィス特有の発話モデルを提案した.またそのモデルに基づいて実装した,大部屋仮想オフィスDOOS(istributed Oriental Office Syste)について述べる.DOOSでは,これまで在宅勤務者が感じていた疎外感を減少するため,これまで個室ベースであった仮想オフィスに大部屋を導入し,メンバの空間的配置を考慮する(メンバに仮想的な座席を提供する)ことにより,他のメンバの存在を感じさせ,大部屋特有のインフォーマルコミュニケーションを実現している.In this paper, we propose an informal communication model in a shared space viewing that there is a close connection between the informal communication in a shared room and members' spacial positions. Based on this model, we realized a shared room like virtual office environment named DOOS(Distributed Oriental Office System) instead of former systems based on individual rooms for each member. DOOS aims to reduce the member's alienation, and to realize informal communication which is peculiar to a shared room, considering members' spacial position(provide flxed seat arrangement for members) in a virtual environment.
著者
米田 健 林正薫 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.36, pp.59-65, 1993-05-14

さまざまな分散マルチメディアアプリケーションの共通基盤となるマルチメディア論理デバイスモデルの設計と実装について報告する.そのモデルでは,マイク,スピーカ,カメラ,ウインドウ,ファイル,ネットワークチャネル,オーディオミキサをすべて統一的に論理的なデバイスとして扱い,各デバイスを容易に生成,削除,結合することができる.デバイス同士は1対1,1対多,多対1,多対多と柔軟に結合することができる.またデバイス間の結合の際に必要となるマルチメディアネゴシエーションについても述べる.提案されるモデルを用いてプロトタイプ会議システムを構築し,マルチメディア論理デバイスモデルの有用性を確認した.To develop distributed multimedia applications easily and efficiently, a multimedia logical device model is proposed in which not only cameras, microphones and speakers but also files, windows and network channels are uniformly treated as logical devices. According to the model, a MMC (Multimedia Control) server which runs as a user-level process on a UNIX system is implemented. The MMC server provides logical device operation services such as creating, destroying, connecting, disconnecting, and using such device operation services, a prototype multimedia teleconferencing system is developed and it is proved that MMC can supports a wide range of distributed multimedia applications.
著者
市村 哲 間下 直晃 伊藤 雅仁 宇田 隆哉 田胡 和哉 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.70-79, 2005-01-15
被引用文献数
1

本論文では,PC の操作画面やアプリケーション画面をほぼリアルタイムに配信するWeb システムのための伝送量圧縮手法「Interframe Compression Method for HTML Push-out」(ICMHP)を提案する.著者らが実装したQuickBoard は,PC のデスクトップ画面をスナップショット画像として画像ファイルに保存し,これをHTTP でWeb サーバからWeb ブラウザに擬似プッシュ転送するWeb システムであるが,ICMHP はこのような情報プッシュ型Web システムに適した伝送量圧縮手法である.ICMHP は,プラグインやActiveX 等のプラットフォームに依存したコンポーネントを用いることなく実装できることが特徴である.このため,汎用的なWeb ブラウザや,PDA 等に搭載されている簡易Web ブラウザにPC 画面を配信する際に用いることが可能である.本論文では,実際の教育現場の要求を観察した結果について報告し,この観察結果に基づいて作成したプロトタイプシステムについて述べる.We developed "Interframe Compression Method for HTML Push-out" (ICMHP), a method integrating interframe compression mechanism used in video compression technology with web-server-side technology, delivering computer-screen images to standard web browsers, or even PDA portable web browsers. This paper describes a QuickBoard web-server system that implemented ICMHP scheme. The system allows users to deliver computer-screen images of any application to more than 100 web browsers running on various devices in quasi-real-time. That no client software except a standard web browser is needed for the user's PC is an important feature of the system. This paper describes the implementation and evaluation of the prototype we developed.
著者
高木 和幸 中村 秀紀 米沢 千尋 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.209-210, 1991-02-25

近年、ネットワークセキュリティに対する関心が高まっているがその実際的な応用面については、理論的なものにとどまっている傾向がある。暗号化の技法はネットワークセキュリティの中心となるもので、現在最も急速に発展している分野の一つでもある。メッセージを暗号化して複合鍵を持っていない者には解読できないようにするという機能は暗号の基本的機能であるが、そこから鍵の配送、相手の認証などの新たな研究課題が生まれており、特に認証に関する研究は活発に行われているのが現状である。一方、ネットワーク網が発達するにつれて、それにともなう分散的処理に対する研究も現在活発に行われており、遠隔会議システムはその具体的な応用例の一つである。このような会議システムにおいては会議を円滑にすすめるためにはどのような環境を設定すれば良いのかという研究は行われていても、そのセキュリティに関する研究はほとんど行われていない状態である。そこで我々は、会議システムにおけるセキュリティ機能の必要性を議論し、実際の応用例としてUNIX上に構築したシステムを提示する。
著者
西山 晴彦 大久保達真 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.997-1007, 1997-05-15
被引用文献数
13

人間は想像力に富んだ動物であり,提示された情報が不十分であると,想像によりそれを補おうとする.たとえば,ラジオの野球中継を聞いているとその状況を思い浮かべようとし,美しい風景の写真を見るとその音を想像する.このような提示された情報をもとに不足している情報を創出することを「メディアの補完」と呼ぶ.人間はこのメディアの補完を生活の中で自然に行っている.本研究では,言語メディアから画像メディアの補完に焦点を当て,風景描写文から風景画像を創り出すシステムPicnyckを提案する.風景画像は,用いられる構図により我々に異なった印象を与える.たとえば同じ山の風景でも,富士山なら「雄大な」感じがするし,日本アルプスのようにギザギザした山は「荒々しい」感じがする.風景の構図が人間の感性に影響を与えることは,古くから知られており,画家や写真家といった美術専門家により研究され,体系化されている.筆者らは風景画像を作成するに際し,この構図が感性に与える影響を考慮した.評価の結果,Picnyckを用いることにより,風景描写文から人間の感性を考慮した風景画像が作成できることが分かった.Recently,the word "multimedia"is highlighted as an environment that can process image,audio,data and text.Even though it is so difficult to transfer human's subjective impression just through characters in the past,the multimedia environment makes it possible to transfer that in addition to normal communication.To lessen the time and trouble of multimedia authoring,we propose a scheme to complement media environment and apply it to multimedia authoring.It is well known that composition of landscape pictures has influence on human feeling.And the relationship between the compositions of landscape pictures and human feeling has been researched by artists for a long time,and systematized.We implemented "Picnyck"to demonstrate a scheme that complement media environment.The system has database of picture parts which are related landscape pictures such as "mountain","sea","cow"and so on.The system retrieves suitable picture parts from database and synthesises them into one landscape picture.By this technique,it is possible that general user create multimedia information at ease.
著者
屋代 智之 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.1781-1789, 2001-07-15
被引用文献数
20 8

ITSを実現するためには,移動体である車両が周囲の車両や道路側設備と確実な通信を行うことが必要となる.従来は周囲の車両との通信は車々間通信,路側機器との通信は路車間通信と,それぞれ別個のものとして設計,開発が行われてきたが,車両が安全に走行するためには,両者はともに不可欠な通信手段である.本論文では,CDMAを用いて車々間通信と路車間通信を統合した通信システムを構築するためのプロトコルI--WarpIIを提案する.I--WarpIIでは,車々間通信にDPAと呼ばれる動的に符号系列を割り当てる方式を用い,それを拡張する形で路車間通信も可能とする.路車間,車々間通信が統合されることにより,それぞれの通信システムでの問題点の解決が容易となる.路車間通信では,シャドウイングの解決が最も重要な課題であるが,I--WarpIIでは,これを解決するために代行登録という手法を導入し,加えて車々間通信を活用することでシャドウイングによる通信断絶を最小限に抑えることを可能とする.車々間通信は通信相手がインフラではなく,別の車両であるため,ある程度車載機器が普及するまでは通信機器が意味をなさないという問題点がある.I--WarpIIでは,そのような場合でもインフラが整備されれば路車間通信として利用可能であり,初期の普及が大幅に容易になると思われる.To realize ITS, it is necessary that each vehicle has a function ofreliable communication with surrounding vehicles and roadsideequipments. The traditional ways of design and development ware realizedas a different technique, nevertheless both communications areindispensable to ensure the safety driving.In this paper, we propose a novel protocol I--WarpII to construct thecommunication system which integrates inter-vehicle communication (IVC)and vehicle-to-roadside communication (VRC).With I--WarpII, VRC is realized by extends of IVC method calledDPA (Dynamic PN-code Assignment). A solution of the problem with eachcommunication system becomes easy by integrating. By using I--WarpII,a shadowing problem that causes serious VRC error is solved by the methodnamed registration proxy. In addition, the use of IVC should be madepossible to restrain the effects of communication error of VRC caused bythe shadowing problem. In IVC, there is a problem that communicationequipment doesn't make sense until the equipment comes into wide use becausea partner of communication is not an infrastructure but another vehicles. If an infrastructure is prepared even in such a case,it can be used for VRC, and it considers that early diffusion of IVCequipment becomes drastically easier with I--WarpII.
著者
塩澤 秀和 西山 晴彦 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.127-128, 1994-03-07

我々は、従来から、「絵」を検索するには「絵」を描いて見せるのが最も自然な方法である、という立場からレイアウト検索というものを提案してきた。しかし、略画を描くだけではその雰囲気のようなものを十分に表すことができない。人間は画像を表現するとき、それから受ける「明るい」であるとか「どんよりしている」であるといった「印象」を付加する。絵だけでなく、言葉をもちいることで、人間はあいまいでおおざっぱなイメージを表そうとするのである。この結果のもとに、我々は画像テータベースにおけるの表現形式と検索方式について、新たな方法を提案する。その2本の柱が「レイアウト検索」と「印象語による検索」である。
著者
市村 哲 谷 寛之 中村 亮太 井上 亮文 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.15-25, 2005-01-15

近年,デジタルビデオカメラは小型化・軽量化しており,運動会や結婚式の撮影,旅行先での撮影など,きわめて幅広い分野で用いられている.しかしながら,いざ一般の人がビデオ編集をしてみてもなかなか満足できるような映像にならず,単調な映像の連続に感じられることが多い.一般撮影者の作成する映像は,単一角度から撮影した映像がほとんどであり,また,ビデオ編集に使う映像素材も自分自身が撮影した映像のみを用いていることが主たる原因の1 つである.本論文では,同じイベントに参加した複数撮影者の映像をサーバに集めて共有し,インターネット経由で映像編集できるようにするWeb システム「MediaBlocks」を提案する.MediaBlocks を利用すれば,同じイベントを撮影した人たちが映像素材を交換しあうことが容易にできるようになるため,たとえば,自分が撮影できなかったシーンを取り込むことや,プロフェッショナルの映像技法にそった多彩なビデオ編集が可能となる.MediaBlocks は,複数の撮影者が撮影した映像をサーバに集め,自動時間同期処理を施して整理し,Web ブラウザを利用してインターネット経由で映像編集できるようになっている.本論文では,システムの設計,実装,評価,改良について述べる.Recently, the spread of portable digital video cameras enabled us to easily record various family events. Although videotaping and video editing have got quite popular recently, the quality of the produced video has not been improved much. For instance, movies edited by nonprofessionals are likely to be a sequence of monotonous scenes. When editing home movies, users usually use video sources from their own single camcorder. This is one of the significant reasons why nonprofessionals can not create high-quality home movies. We developed MediaBlocks,a web-based video editing system for sharing personal video clips. In the system,video sources are collected from multi-users' camcorders via the Internet, shared among the users, and edited through each user's web browser. The system allows users to use other users' video clips, each of which is spontaneously videotaped by different digital video camcorder, and also enables them to create home movies according to the professionals' important editing rules. The system can extract the date and time information of video-recording from the digital video clips, and synchronize them automatically. Through evaluations of the system, we verified the effectiveness of our system.
著者
太田 憲治 本田 新九郎 大澤 隆治 永野 豊 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.7, pp.61-66, 1999-01-25
被引用文献数
2

本稿では、仮想空間、並びに仮想空間上のオブジェクトの実感をより高める手法を紹介する。コンピュータネットワーク上に3DCGを利用した仮想空間を構築し、仮想空間上での活動、遠隔地にいる他者とのコミュニケーションが可能な場を提供する研究が盛んに行われており、我々も在宅勤務を支援するための仮想オフィスシステム"Valentine"の研究を行ってきた。しかし現在の仮想空間においては、画面を見ることによって情報を得ることがほとんどであり、得られる情報も現実世界で得られる情報と比較するとごくわずかである。また現実世界と仮想空間における行動はほとんどの場合異なっている。この現実世界と仮想空間との差が、仮想空間に対する実感の妨げになっていると考えられる。そこでValentineでは、ユーザの身振り情報をアバタに反映させることによりノンバーバル情報の伝達を行い、握手デバイスを用いた仮想握手を実現した。また、風力測定デバイスを作成し、画面上に息を吹きかけることによって仮想空罰上のオブジェクトを操作することを可能にした。In this paper, we propose the new technique which can let us realize a virtual space and object further. Now many researchers have constructed 3D virtual space, in which people can take a walk, do shopping, communicated with distributed members and so on. We also have built a virtual office system "Valentine" which supports home office workers. However in many systems users get almost all information only by watching picture, and it is much less than in the real world. There are many obvious differences between the action in the real world and the virtual space in most case. we can consider that those differences prevent us from realizing the virtual space. So in our office system we transmit "non-verbal information" by letting the avator reflect user's state and action, and realize "virtual handshake" by using the handshake device. We also make device that measures the strength of the wind. This makes it possible that users can handle objects in the virtual space by only blowing it.
著者
市村 哲 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.955-963, 1992-07-15
被引用文献数
9

今や電子メイルはコミュニケーション媒体としてオフィスなどで広く用いられるようになってきたところが既存の電子メイルは 一方向にメッセージを転送するための手段を提供しているにすぎず 人間の対話や協調活動そのものを支援する機能を備えていないこの問題に対し 人間の意図を正確に伝えることができるような電子メイルシステムを構築するという方向からアプローチを行ったわれわれは メッセージを受け取った受信者がどのように振る舞えばよいのかを送信者がナビゲートできる仕組みを電子メイル上に実現し PilotMailシステムと名付けたPilotMailを使用することにより 送信者は誤りなく意志を受信者に伝えることができ また 電子メイル上での人と人の情報交換作業が迅速かつ柔軟に虹るシステムは オブジェクトを転送する機能と クラス階層化管理機能をサポートしており Objectworks/Smalltalk上で実装されたさらに 会話の遷移モデルに基づく会話管理機能とプロシジャを転送できる機能を融合し より人間の協調構造に密着した対話支援を可能にしたPilotMailはグループの協同作業を支授することが目的であり これまでにわれわれが行った利用実験から 協同作業促進のために有効であると評価された本論文では 設計思想 特徴的機能 システムの適用・評価について論じる
著者
宇田 隆哉 砂田 智 井上 亮文 重野 寛 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.2237-2245, 2000-08-15

デジタル記憶媒体の小型化,大容量化,低価格化にともない,近年,デジタル音楽をネットワークを通じて安全に配信する仕組みが研究されている.デジタル音楽は劣化することなくネットワーク上を流通できる利点を持つ反面,複製が非常に容易であり,つねに著作権侵害の危機にさらされている.また,ハードウェアを用いてセキュリティを実現しているシステムは,規格の不統一や規格のバージョンアップなどの際に機器全体を買い換えなければならず,ユーザへの浸透に歯止めをかけている.そこで,本論文では安全で安価なソフトウェアベースのデジタル音楽コンテンツ配信を提案する.公開ネットワーク上を自由に流通可能な自己展開型の音楽コンテンツカプセルと,定期的にアップデート可能なセキュリティモジュールを保持する音楽プレイヤの使用により,不正利用からコンテンツを保護するとともに,確実な利用履歴の回収により,聴いた回数に応じた課金(PayPerListen)や課金の一部を肩代わりするなどのような,ユーザへの幅広い課金方式を実現する.さらに,ユーザが気に入った曲を加工して,新しい音楽コンテンツとして容易に二次利用可能な環境も実現している.コンテンツの利用や課金の方式に自由度を持たせ,ソフトウェアベースによる安価で安全な音楽の流通方式は,次世代の音楽流通プラットフォームを形成する主要な条件を満足していると考えられる.Downsizing, down-pricing and volume-increasing of digital mediahave promoted the study of some secure delivery systems of digitalmusic contents through networks.Digital music has an advantage of being delivered through networkswith no debasement of music quality, but the fact that it could becopied easily brings the copyright violation.The existent systems using hardware security protection are notconvenient for users, because security standard for digital musichas not been established and revising the standard is difficult.So, this paper describes a secure and inexpensivesoftware-based digital music contents delivery systems.Self-extracting capsules freely delivered through opennetworks and security modules updated regularly are used in ourmusic player system. They protect the music contents from illegal use.A user can choose PayPerListen for payment or can take over otheruser's payment.Furthermore, a user can easily arrange the music for secondhand use.Consequently, our software-based music delivery system,being flexible, inexpensive and secure, will certainly bring thesatisfactory conditions to be a new music platform for the nextgeneration.
著者
重野 寛 吉田 徳文 大平 千里 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1407-1408, 1990-03-14

ネットワークレイアウトの自由度を考慮した場合、無線通信はケーブルで物理的に接続する必要がないため、端末の持ち運びが可能になり、通信媒体として有望である。しかし、無線のみによるネットワークシステムは、回線品質の問題や、通信開始、終了時におけるオーバーヘッドの存在により実用的なシステムを実現するのが困難と思われている。そこで、レイアウトの自由度を損なうことなく満足のいくスループットを確保するために、上位ネットワークの通信には既存のLANを用い、下位ネットワークには、通信媒体として無線を用いるような2層構造を構造を持つネットワークシステムを提案する。
著者
平岩 真一 阿倍 博信 小高 俊之 野村 恭彦 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.777-778, 1990-03-14

現在のデータベースでは、情報が要求に対してマッチしているか否かの2値的な判断のみを行っているため、あいまいな概念(大きいとか、かっこいいなど)を含んだ要求を処理することが、非常に困難である。そのため、近年、あいまいさを含んだ検索要求が可能な、ファジィ理論を用いたデータベースがいくつか提案されている。しかし、何かを選んだり、買ったりするような場合には、より抽象的な概念による検索項目が必要となる。こうしたあいまいな検索要求に応えるため、本稿では、従来のファジィデータベースにおけるand、orの見直しと、検索項目の生成について提案する。