著者
松井 繁
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.596-604, 2006-08-01 (Released:2011-03-18)
被引用文献数
1

17世紀に管鍼法を考案した先覚者杉山和一以来、鍼灸と視覚障害者とは密接な関係がある。鍼灸を研究し、貢献した視覚障害者5氏について調べた。奥村三策は19世紀文部省が禁止した鍼灸教育を復活させた。20世紀、平方龍男はリンパ鍼療法を開発し、木下和三郎は灸の研究、影山儀之助は鍼灸師初、鍼の研究をそれぞれ行なった!芹澤勝助は太平洋戦争後鍼灸存亡の危機を勝利に導き、世界初コンピューターによる東洋医学自動診断機を開発するなど多数の研究を行ない、鍼灸大学創立の道を開いた。視覚障害者は何度も鍼灸存亡の危機を乗り越え、鍼灸の科学化と取り組み、時代のニーズに応える専門書を執筆するなど、鍼灸医学を確立発展させて不滅の功績を残した。
著者
中山 太士 木村 元哉 池田 学 北 健志 長嶋 文雄 松井 繁之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.467-476, 2010 (Released:2010-08-20)
参考文献数
25

道路上を立体交差する鋼鉄道橋では,道路を走行するクレーン車等に衝突される事故が報告されている.この事故が発生した場合,現場技術者は即座に列車を抑止させ,鋼鉄道橋の損傷状況を調査し,抑止継続あるいは運転再開を判断している.軌道や支承部,主桁等に著しい損傷が発生した場合,抑止継続の判断は容易であるが,主桁下フランジの局部的な変形や面外変形のみが残留した場合,明確な運転再開評価法がなく,現場技術者の判断に委ねられているため,この評価法の策定が課題となっている.本研究は,この課題解決を目的に,過去の損傷事例の調査結果および鋼材の材料特性,鋼桁の耐荷力特性を検討した.その結果,下フランジの局部変形および面外変形の限界量を明らかにし,運転再開評価法を策定した.
著者
藤林 博明 野呂 直樹 辻 翔太 大山 理 松井 繁之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.22-00148, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
12

プレフレックスビーム(以下,プレビーム)は,プレストレスを導入した下フランジコンクリートと床版コンクリートを合成させた二重合成桁である.分割工法では工場で下フランジコンクリートにプレストレスを導入した桁を2~3ブロックに分割して現地に輸送する.近年,プレビームの長支間化に伴い,プレストレス導入時に下フランジコンクリートの分割位置付近でひび割れ発生が見られるようになった. 本稿では,このプレビームの分割工法における下フランジコンクリートのひび割れ発生メカニズムを究明し,ひび割れ防止対策として鋼桁フランジの側面に緩衝材を貼付する方法に加え,ずれ止めの角鋼ジベルを分割配置し,頭付きスタッドを併用する方法を提案した.これらのひび割れ防止対策に対してFE解析と静的載荷試験によって有効性を検証した.
著者
松井 繁憲 寺西 功 三田 哲也 藤野 陽三
出版者
Japanese Society of Steel Construction
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.63-71, 1995-09-30 (Released:2011-07-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1

For reconsideration of the corrosion protect at the interior of a steel box girder we reserch a corrosion environment of the interior of a steel box girder at Hakucho Bridge (at Hokkaido). This bridge i s composed of two box girders of which the interior as well as the exterior was not painted on the basis of the local design specifications. In one of the two box girders, a dehumidification plant was installed and has been operated for one and half year. We report about the experiment, and measurements of a temperature and a humidity, a working condition of the dehumidifier, an example of ACM corrosion sensor's output.
著者
廖 金孫 松井 繁憲 串田 守可 篠原 正 藤野 陽三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.749, pp.137-148, 2003-12-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

鋼橋建設コストの低減を目的として, 塗装の代わりに除湿機を箱桁内部に設置し, 湿度を制御することにより, 箱桁内面の腐食を防止する工法が検討され, 実用化されている. しかし, この防食方法には電源が必要不可欠な上, 除湿機の設置・運転費用もかかる欠点がある. これらの欠点を解決するため, 取扱いが容易で安価な除湿剤に着目し, 除湿剤による箱桁内部の湿度制御効果について検討した. 本文では, 北海道および沖縄に架設された実橋を対象とした鋼製箱桁内部の環境腐食性の調査結果および, 腐食環境が厳しい沖縄の実橋鋼製箱桁内部における除湿剤の湿度制御効果を解析し, 鋼板の腐食発生挙動に及ぼす不純物付着量の影響を明らかにした上で, 除湿剤を使用する鋼製箱桁内部の防錆システムを提案した.
著者
池谷 守司 松井 繁幸
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告 (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.5, pp.20-23, 2012-01

ウインドウレス鶏舎において市販の白色レグホーン種400羽を用い、127日齢から462日齢の間、従来の白熱電球と一般電球形LED電球にて、15時間の連続照明を行い、鶏の生産性や経済性に及ぼす影響を検討し、以下の結果を得た。1. 産卵成績、卵質、体重、放卵時刻いずれの調査項目においてもLED区と白熱電球区に差はみられなかった。2. 電気使用量はLED区が0.3~0.4kWh/日、白熱電球区が3.5~3.6kWh/日であり、LED区の電気使用量は、白熱電球区の8~11%に低減した。その結果、電気料金を含めて算出した1羽当たり収益では、LED区が白熱電球区より約113円多くなった。以上の結果より、ウインドウレス鶏舎内における光源として白熱電球の代わりに一般電球形LED電球を用いることで、卵の生産に影響なく、電気料金が節約でき、1羽当たりの経済性も有利になることが明らかとなった。
著者
中村 茂和 松井 繁幸 杉山 典 黒田 博通
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告 (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.2, pp.43-48, 2009-02

微粉砕したモウソウチクに乳酸菌を添加してサイレージ化した竹粉サイレージ資材を肉用鶏および採卵鶏の飼料中に所定割合添加し、それら排せつ物から揮散するアンモニア態窒素揮散量や硫黄系化合物濃度について測定した。その結果、竹粉サイレージ資材を添加した試験区の排せつ物におけるpHや水分率等は対照区とほとんど同じであり、資材添加による明らかな違いはみられなかった。更に、排せつ物の主要な臭気成分であるアンモニア態窒素揮散量についても同様、対照区に対する明らかな低減効果は認められなかった。一方、排せつ物のpHとアンモニア態窒素揮散量との関係では、肉用鶏および採卵鶏のいずれの場合においても正の相関関係が認められたことから、供試排せつ物のpHは、揮散するアンモニア態窒素量の多少に影響することが推察された。また。硫黄系化合物の濃度は、いずれも対照区に対する有意な違いは認められなかったが、肉用鶏の場合、竹粉サイレージを2.5%および5%添加した時のメチルメルカプタン濃度や硫化メチル濃度は対照区に比べて低くなる傾向がみられ、採卵鶏の場合、10%添加において、測定した全ての硫黄系化合物濃度は対照区に比べて低くなる傾向がみられた。このことから、肉用鶏の場合、飼料中に竹粉サイレージ資材を約5%添加することにより、また、採卵鶏の場合は、約10%添加することにより、排せつ物から揮散する硫黄化合物の濃度低減の可能性が示唆された。
著者
中村 茂和 松井 繁幸 杉山 典 黒田 博通
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告=Bulletin of Shizuoka prifectural research institiute of animal indaustry swine & poultry research center (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.3, pp.33-38, 2010-03 (Released:2011-07-15)

未利用のまま放置されているモウソウチクの有効活用の一つとして、微粉砕したモウソウチクに乳酸菌を加えてサイレージ化した竹粉サイレージを肉用鶏の飼料中に2.5%添加し、得られた排せつ物の堆肥化について検討した。排せつ物の性状において、竹粉サイレージを添加した場合、水分率やpH、C/N比等は市販飼料のみの場合と同じであったが、ADF(酸性ディタージェント繊維)は竹粉サイレージの添加によって有意に高くなり、堆肥化試験終了後においても同様の傾向がみられた。竹には難分解性有機物の指標と考えられるADFが多く含まれており、このことが排せつ物やその後の堆肥のADFを高めた要因であると推察された。堆肥のADFを除き、品温の推移や有機物分解率は、市販飼料のみの場合とほとんど同じであったため、竹粉サイレージの飼料添加は堆肥発酵に悪影響を及ぼすことはなく、農耕地への鶏ふん堆肥施用は、従来のものと同様に行える可能性が示唆された。堆肥化過程で揮散したアンモニアガス濃度は、竹粉サイレージ添加の有無に関係なく、ほとんど同じ推移を示し、明らかな違いはみられなかった。
著者
中村 茂和 松井 繁幸 杉山 典 黒田 博通
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告=Bulletin of Shizuoka prifectural research institiute of animal indaustry swine & poultry research center (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.2, pp.43-48, 2009-02 (Released:2011-03-05)

微粉砕したモウソウチクに乳酸菌を添加してサイレージ化した竹粉サイレージ資材を肉用鶏および採卵鶏の飼料中に所定割合添加し、それら排せつ物から揮散するアンモニア態窒素揮散量や硫黄系化合物濃度について測定した。その結果、竹粉サイレージ資材を添加した試験区の排せつ物におけるpHや水分率等は対照区とほとんど同じであり、資材添加による明らかな違いはみられなかった。更に、排せつ物の主要な臭気成分であるアンモニア態窒素揮散量についても同様、対照区に対する明らかな低減効果は認められなかった。一方、排せつ物のpHとアンモニア態窒素揮散量との関係では、肉用鶏および採卵鶏のいずれの場合においても正の相関関係が認められたことから、供試排せつ物のpHは、揮散するアンモニア態窒素量の多少に影響することが推察された。また。硫黄系化合物の濃度は、いずれも対照区に対する有意な違いは認められなかったが、肉用鶏の場合、竹粉サイレージを2.5%および5%添加した時のメチルメルカプタン濃度や硫化メチル濃度は対照区に比べて低くなる傾向がみられ、採卵鶏の場合、10%添加において、測定した全ての硫黄系化合物濃度は対照区に比べて低くなる傾向がみられた。このことから、肉用鶏の場合、飼料中に竹粉サイレージ資材を約5%添加することにより、また、採卵鶏の場合は、約10%添加することにより、排せつ物から揮散する硫黄化合物の濃度低減の可能性が示唆された。
著者
大森 康正 斉藤 奬 松井 繁巳
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.191-193, 1960

本年(1960)6月中旬頃, 新潟市山ノ下地区に黒い小さなハエが非常に多く発生しているという情報が同市東保健所に入つた.その後, 本種は一時下火になつたかのように見えたが, 梅雨の明けた7月中旬頃から山ノ下地区から約1kmはなれた市内沼垂の貯木場付近一帯に再び大発生し, 近くの民家に侵入して住民を悩し始めた.本種は同定の結果, Drosophila virilisクロショウジョウバエと判明した.新潟市内のショウジョウバエについては筆者らの一人斉藤が1957年に調査しているが, 今回の発生は当時の採集量に比べて問題にならぬくらいの大発生である.筆者らは今回の異常発生について発生源その他を調査し, 併せて殺虫剤散布も試みたので, その成績を紹介したい.
著者
斉藤 奨 大森 康正 松井 繁己 小松原 忠知
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.229-232, 1962

新潟県で採集されたショウジョウバエは2科5属23種であり, そのうち新潟市では2科4属18種が得られた.主な3種, カオジロショウジョウバエ, オオショウジョウバエおよびキハダショウジョウバエの季節的消長をみると, いずれも7月中旬に山を形成したほかオオショウジョウバエは10月下旬に, キハダショウジョウバエは11月上旬に再び山を形成する双峰型の消長を示した.その他の種はほとんど秋季に主として採集された.なおクロショウジョウバエの異常発生が1960年と1961年の2カ年にわたり梅雨明けにみられた.