4 0 0 0 OA 精神運動制止

著者
松島 英介 市倉 加奈子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.1000_4, 2017 (Released:2017-10-01)

精神運動抑制ともいわれ,抑うつ気分や意欲の低下などとともに,うつ病の主症状の1つである.思考や決断力などの精神活動が停滞し,会話の減少,思考過程の遅延や緩慢な動作となって現れる.患者は,根気がない,集中できない,決断ができない,億劫や面倒などと訴える.重症になると,口数が極端に減って行動も不活発となり,臥床したまま動かなくなることもあり,うつ病性昏迷と呼ばれる状態になる.

2 0 0 0 OA 女性のうつ病

著者
松島 英介 市倉 加奈子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.984-988, 2017 (Released:2017-10-01)
参考文献数
24

うつ病は男性に比べ女性に多い精神疾患であるが、これには生物学的、心理社会的、人為的要因が関係しているといわれている。また、女性のうつ病の臨床的特徴としては、非定型的症状が多かったり、疼痛などの身体症状や不安を多く訴えたり、精神運動制止や社会的役割における機能障害が目立つ。こうした女性のうつ病患者の薬物治療に際しては、体重増加、高プロラクチン血症、性機能障害などに注意し、Quality of Life(QOL)を念頭においた対応が必要である。
著者
松下 年子 野口 海 小林 未果 松田 彩子 松島 英介
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 = Japanese journal of general hospital psychiatry (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.142-152, 2010-04-15
参考文献数
7
被引用文献数
2

がん患者が受けた医療者による情報提供と,心のケアの実態を把握するために,インターネットを媒体とした質問調査を実施した。患者がとらえる心のケアは形式的なものではないこと,病名および再発告知(情報提供)の際の心のケアの質・量には幅があること,ケア提供者の89.7%と91.4%は主治医であることが示された。一方,病名告知に伴う自らの相談行為は55.8%に認められ,その相手はプライベートな関係者が圧倒的に多かった。治療中の相談行為は47.2%に認められ,そのうちの75.4%が相談相手を家族としていた。治療中に心のケアを受けた者は32.2%にすぎなかったが,ケア提供者は告知時と比較して主治医以外の医療職が多かった。情報提供の際のより積極的な心のケアの提供と,患者から相談を受ける体制の構築,治療中のがん患者への相談サービスの提供とアピール,主治医以外の医療職による心のケアの展開などの必要性が示唆された。
著者
松島 英介
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.18-26, 2015-01-15 (Released:2018-02-22)
参考文献数
25
被引用文献数
1

せん妄の病態を解明するために,せん妄患者の生理学的基盤を検討した研究を概観した。頭部CTや頭部MRIなどの脳形態画像を用いての検討では,大脳皮質の萎縮や白質の高信号域,基底核病変などの所見が認められた。頭部SPECTを用いた脳機能画像による検討では,脳血流が前頭前野で減少,線条体・内側側頭葉で増加あるいは視床・基底核で減少などの所見が認められた。脳波では,後頭部の背景律動の徐波化や全般性の徐波成分の混入などの所見が認められた。脳波と眼球運動を組み合わせると,過活動型せん妄では脳波は低振幅・徐波化し,遅い眼球運動の上に速い眼球運動が重なるRSタイプの出現が特徴的にみられた。これらはがん患者の術後のせん妄や抗コリン薬によるせん妄でもみられることがわかった。これまでのせん妄についての生理学的基盤を基に,がん患者で多くみられる低活動型せん妄について生理学的に検討することは,せん妄全体の発現機構を解明するうえで重要であると考えられた。
著者
松島 英介
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.37-44, 2014-01-01 (Released:2017-08-01)

せん妄は多要因からなる異種の病態の集まりと考えられ,精神運動性行動によって過活動型,低活動型および混合型の3つの亜型に分けられる.中でも低活動型せん妄は,がん患者では多く半数にみられ,その症状としては,無関心,注意減退,発語が少なく緩徐,不活発などが挙げられる.このような低活動型せん妄は,過動型せん妄と同じく,患者や家族に与える苦悩が大きいが,症状が目立ちにくいため,臨床現場では発見されないまま見過ごされることも多い.さらに,うつ状態と間違われてしまうこともある.治療には,器質要因を改善するための管理と,向精神薬を用いた薬物療法が必要であるが,終末期のせん妄では,治療目標を完全な回復ではなく,症状のコントロールにおくことも必要になる.
著者
松田 哲也 伊藤 岳人 鈴木 春香 丸谷 俊之 松島 英介 小島 卓也
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.257-261, 2011 (Released:2017-02-16)
参考文献数
21

統合失調症の思考障害について,意識的・無意識的な意思決定システム,構え,自己認知という観点から考察する。我々は課題遂行時,まだそれに慣れていないときには,意識的な思考システムが優位に働くが,繰り返し行うことで無意識的な思考システムに移行する。一方,環境に変化があったときはそのシステムを必要に応じて切り替える。スムーズな思考には,このような柔軟な思考システムの切り替えが必要なのである。この切り替えには,構えが重要な役割をもつ。構えは繰り返し課題を行う中で整理され,単純化されていく。これには,自己認知(セルフ・リフレクション)による,自分の思考,行動に対する評価からの正確なフィードバック信号が必要である。思考には,これらの機能が正確に働くことが必要であるが,統合失調症は,これら一連の思考過程の何らかの異常があることで思考障害が引き起こされている可能性があるのではないかと考えられる。