著者
林 耕司 松本 幸子 岩立 志津夫 小島 哲也
出版者
Japanese Association of Communication Disorders
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.58-68, 1989
被引用文献数
3 6

本研究は図形シンボルを使った人工言語システム(NSL86)による言語発達遅滞児への言語訓練の可能性を検討する目的で行なわれた.対象は訓練開始時CA9:2の精神発達遅滞のある発語困難児である.訓練前の言語評価の後,単語,2語連鎖,3語連鎖の順に訓練を開始した.理解と表出を並行して訓練した.単語訓練で学習されたシンボルは順次コミュニケーションボードに載せ,日常での会話に使用できるようにした.約15ヵ月の訓練を通して,計96語(名詞68語,動詞22語,形容詞6語)の単語と,「動作主+動作」「対象+動作」「動作主+対象+動作」の3構文の学習が成立した.全体を通して理解より表出で正答率が高い傾向が見られた.訓練室や家庭でコミュニケーションボードによる自発的で積極的な会話も可能になった.これらの結果から,言語訓練手段としてのNSL86の可能性について考察した.
著者
松本 幸子 小岩 信義 久住 武
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1_39-1_45, 2010-02-10 (Released:2010-09-28)
参考文献数
17

看護学校に在籍する学生(看護学生)が看護教育を受ける中でつまずく要因には,看護学等の基礎学力の問題だけではなく,患者を中心とした周囲の人々の気持ちを理解する等のコミュニケーション能力の低下が存在すると考えられる.そこには知能指数,すなわちIQ(Intelligence Quotient)に加えて,ダニエル・ゴールマンが提唱したEQ(Emotional Intelligence Quotient,感情知能指数)も関係していると考えられる.そこで本研究では看護学生のEQを調査し,看護教育のあり方について検討した.EQの調査は,A専門学校の看護学生281名を対象に,高山簡易版EQテストを用いて質問紙によりアンケートを行った.EQを構成する4つの要素(感情の「識別」,「利用」,「理解」,「調整」能力)それぞれの得点(各要素:6~30点)と4つの構成要素の得点を合算したEQ合計得点(24~120点)について検討した.EQ合計得点は学年別でみると,新入生がもっとも高く,次いで3年生,1年生と続き,2年生が最も低かった.学年枠をはずして年齢とEQ合計得点との関係を検討したところ,両者の間に関連性は認められなかった.また,EQの4つの構成要素の得点を比較すると,各学年とも「識別」が最大で「利用」が最小値で,「識別」と「利用」の値の間には有意の差を認めた.EQの各構成要素の値の間には強い正の相関関係を認めた (r=0.63~0.83).EQ合計得点と4つの構成要素の関係では,「利用」が最も強い関連性を示した (r=0.89).以上のことから,看護学生のEQを高めるには,合計得点が最も低かった2年生への教育,さらに各学年とも低値を示した感情の「利用」を高めるような教育が必要になると考えられる.また,EQの各構成要素間の相関が高いことや,各構成要素とEQ合計得点との間に強い相関を認めたことから,看護学生が自らの得意とする感情の要素を学習することで他のEQの要素と総合的なEQを高めることが可能であると考える.
著者
松本 幸夫 渡辺 正 河内 明夫 松本 堯生 加藤 十吉 森田 茂之 西田 吾郎
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本研究の性格上、研究成果は多岐にわたるが、ここではその全般的特徴を述べ、特記すべき事項を挙げる。全般的には、低次元多様体に関連する分野で特に活発な研究が行なわれたことが目立つ。研究計画で述べた数理物理学と低次元多様体論の関連はその後も深く追求された。個別的な事項を掲げる、C^*環の研究の中で発見された結び目の新しい多項式(Jones多項式等)の位相幾何的統制力は河内の「イミテ-ション理論」によりかなり明らかになった。ゲ-ジ理論と4次元多様体論の共通の基盤であるインスタントンのモジュライ空間は、計量構造(松本堯生を中心とする広大グル-プ)と位相構造(東大グル-プ)が共に深く研究された。最新の成果として、2次元共形場理論に由来する新しい3次元多様体の不変量の発見(河野)が著しい。この不変量は、曲面の写像類群と本質的に関係するが、写像類群のコホモロジ-は、森田茂之の研究によって、その構造がかなり明らかになった。とくに、写像類群の特殊な部分群(Torelli群)とCasson不変量の関係の解明は深い成果と言える。ゲ-ジ理論の3次元版と言うべきFloerホモロジ-群の計算が吉田朋好によって精力的に遂行され、シンプレクティック幾何のマスロフ指数との関連が発見された。3次元双曲幾何の分野では、小島、宮本による測地境界を持つ3次元双曲多様体の最小体積の決定は特筆に値する。低次元多様体論以外の分野では、幾何構造の入った葉層構造(稲葉・松元)、Godvillon-Vey類(坪井)、同変sコボルディズム論(川久保)、複素空間への代数的群作用に関する上林予想(枡田等)、完全交差特異点(岡睦雄)、Approximate Shape理論(渡辺)がある。昭和63年〜平成元年に20余の研究集会と2つの合同シンポジウム(静岡大学・福島大学)を開催した。結論として、本研究は当初の目標を十分に達成し、更に新たな研究課題を見出したと言える。
著者
松本 幸男
出版者
立命館大学人文学会
雑誌
立命館文學 (ISSN:02877015)
巻号頁・発行日
no.145, pp.433-449, 1957-06
著者
松本 幸夫
出版者
東京大学理学部
雑誌
東京大学理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.5-5, 1990-03
著者
松本 幸三
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

軸回転運動が可能な官能基としてコハク酸イミド構造の官能基を持つビニルエーテル系ポリマー、ならびに5員環環状カーボナート構造の官能基を持つポリカルボシランを合成し、得られたポリマーにリチウム塩を添加して高分子固体電解質としての特性評価、ならびに、リチウムイオンバッテリー用の電解液のゲル化によるゲル電解質よしての特性評価を行った。その結果、5員環環状カーボナート基を持つポリカルボシランが、高リチウムイオン添加条件下で特に高いイオン伝導度を示すことを見出した。

1 0 0 0 OA 訃報

著者
松本 幸夫 清水 忠雄 新谷 晶子
出版者
東京大学理学部
雑誌
東京大学理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.40-43, 1991-03

田村一郎先生を悼む/高橋(高木)由美子図書掛長/高橋(高木)由美子さんを悼む/高橋(高木)由美子さんを偲んで
著者
栗本 譲 野田 宏治 松本 幸正 高橋 政稔
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

この論文は、自動車交通流と駐車場野総合解析システムである。両シミュレーションモデルとも車両の挙動は、各車両の移動が明確に確認できるミクロシミュレーションモデルを用いた。モデルのシステムモジュールは長さLmとし、その先端に信号機を設置した単路を考えた。道路網および駐車場区画は、システムモジュールを直列、並列に組み合わせて任意の道路網や駐車場区画を構築することが出来る。なお、システムモジュールの連結方法はブロック接続表により接続し、車両の流出人はOD表より乱数処理をすることで決定した。また、信号機は、信号機が設置されている場合はその管制方法に従い、信号機がない場合は、常時青信号とした。シミュレーションは、任意の時間間隔で処理できるが、特に指定しないと車両の挙動を考慮して0.2scc間隔とした。なお、各車両の挙動は前車と自車の速度および車頭間隔により自車の速度を決定する追従理論に従い走行させた。車両の挙動として、自由走行、追従走行、加速走行、減速走行、停止、強制停止および強制減速走行の7種類に分けた。作成したシミュネーションモデルを用いて、平成6年に名古屋市・岡崎市および豊橋市の駐車場5カ所で実測を行い、ついて平成5年に名古屋市中区で実施した占用車線実測結果をそれぞれ入力として計算したところ、出力情報として交通量、速度、駐車待ち時間および車頭間隔等の値が実測値に比べて最大・最小値とも5%以内で良好な結果が得られた。また、シミュレーションモデルの一例として、駐車場では豊橋市の駐車場について、交通流では一方向2車線と一方向1車線道路が交差点で交差し、2車線道路側には右折専用車線を持つ道路が連続して5個ある道路を考え、これら道路の交通量、信号機間隔および信号現示との関係を求めることが出来た。
著者
桃谷 政順 松本 幸雄
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料試験 : journal of the Japan Society for Testing Materials (ISSN:03727971)
巻号頁・発行日
vol.10, no.92, pp.319-321, 1961-05-15

Experiments have been made with two kinds of O/W type emulsions. Compositions of the emulsions are shown in Table 1. The flow properties of these emulsions and their dispersion mediums have been studied in the range of low rates of shear. Effect of the flow properties due to addition of salts or lower alcohols are also observed. The two kinds of emulsions stated above, reveal different behaviours under shearing stress. One of them (emulsion I) reveals the Newtonian flow in the range of low dispersion concentrations. The other (emulsion II) behaves as the non-Newtonian fluid over all the range of concentrations. In the former, the dispersed particles may retain the dispersion state comparatively similar to that in the case of the static condition and this structure may be destroyed under shearing stress. This difference may be caused by the difference in the thickness and character of the hydration layer of the particles. These results may be well explained by assuming that the thickness and the character of hydration layer depend on the kind of the hydrophilic group of the emulsifying agent.