著者
坂東 隆宏 福原 舞 小菅 晃太郎 鈴木 昴太 笠 嗣瑠 奥本 素子
出版者
北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.17-30, 2015-12

近年,科学コミュニケーションの必要性が認識され,2013年の科学コミュニケーションセンターによる調査では回答者である研究者の過半数以上が研究者以外の人々を対象とした科学コミュニケーション活動を体験している.一方で,そのような機会に参加する人々は科学への関心が元々高い層であり,科学への関心の低い層の取り込みには課題があるといわれている.今後は,普段科学コミュニケーション活動に参加しない「科学への関心の低い層」への情報発信が必要だと考えられる.本報告では,科学への関心が低い層に向け科学者情報の発信を試み,動的に研究者を紹介するWebサイト「研究者時計」を作成し,結果を分析した.本Webサイトでは,閲覧者に研究内容だけ ではなく研究者個人の多様性を見せ,研究活動へ興味を持ってもらうことを狙った.そのために,研究者を時刻ごとにランダムに表示するなど,楽しさ・やわらかさ・親しみやすさを重視したインタフェースを本Webサイトに用いた.本実践を分析するにあたり,Google Analyticsを用いた閲覧者分析,Webアンケート等を行った.本論では本実践の過程,結果,そして課題について述べる.
著者
眞子 裕友 小針 統 一宮 睦雄 小森田 智大 幅野 明正 東 隆文 久米 元
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.93-101, 2022-08-25 (Released:2022-09-17)
参考文献数
53

It has been thought that food availability for fish larvae was poor in the Kuroshio because of the low standing stocks of plankton in the oligotrophic conditions under thermal stratification throughout the year. Despite a potential risk or disadvantage for larval survival and growth, Kuroshio and its neighbouring waters are nursery grounds for the early life stages of various fishes. Here, we compared the growth activity of fish larvae among 15 taxonomic groups, including 11 families in the Kuroshio and its neighbouring waters, based on protein synthetase activity and protein contents. Protein-specific (spAARS), individual-based aminoacyl tRNA synthetase activities (iAARS), and protein contents (PRO) of fish larvae ranged from 2 to 232 nmol PPi mg protein−1 h−1, from 1 to 21 μmol PPi ind−1 d−1, and from <1 to 26 mg ind−1, respectively. spAARS, iAARS and PRO were variable among the taxonomic groups and were not classified between mesopelagic groups and the others. Compiling these measurements among all taxonomic groups, a significant negative correlation was found for spAARS to PRO. The correlation showed no significant difference between the Kuroshio and its neighbouring coastal waters, indicating that growth activities to fish larvae body mass were comparable in the Kuroshio and its neighbouring waters. Based on nonmetric multidimensional scaling on spAARS, iAARS and PRO among 15 taxonomic groups, two different groups were classified for fish larvae, represented by the high iAARS under the high PRO but low spAARS (Group 1) and the low iAARS under the low PRO but high spAARS (Group 2), representing the different life strategies for larval growth among the taxonomic groups. The present findings suggest that these biochemical indices are useful for evaluating the growth activity of fish larvae among various taxonomic groups and that food availability is not poor enough to support larval growth in the Kuroshio and its neighbouring waters.
著者
髙木 龍太 鈴木 夏海 入野 浩之 伊藤 このみ 伊東 隆臣 浅川 満彦
出版者
日本獣医寄生虫学会
雑誌
獣医寄生虫学会誌 (ISSN:1347961X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.50-52, 2020

四国沖で捕獲され、高知県土佐清水市に所在する大阪・海遊館以布利センターの飼育プールで約11カ月間飼育されたジンベエザメRhincodon typus Smith, 1828の口腔壁から、ハナガタムシAnthosoma crassum (Abildgaard, 1794)(カイアシ亜綱ツツウオジラミ科Dichelesthiidae)に類似した雄成体1個体が見出された。種同定には形態の精査が必要であり、今後の課題となる。今回の報告により、日本産ジンベエザメからは計4種の甲殻類が記録されたことになった。
著者
大東 隆行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1595, pp.84-87, 2011-06-13

王将フードサービス社長。1941年大阪府生まれ。関西経理専門学校を中退後、薪炭・氷販売業の経営を経て69年に、義兄の故・加藤朝雄氏が創業した「餃子の王将」1号店に入店した。84年10月の取締役昇格後、専務、副社長を経て2000年4月に社長に就任。王将フードサービスの急成長を牽引した。
著者
中山 瑛子 櫛引 俊宏 真弓 芳稲 土屋 壮登 東 隆一 清澤 智晴 石原 美弥
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.370-384, 2021-01-15 (Released:2021-01-15)
参考文献数
110

Low-reactive Level Laser Therapy(LLLT)としても知られるPhotobiomodulation therapyについては,これまでに創傷治癒の促進や炎症の緩和など様々な生物学的効果が報告されている.本稿では,Photobiomodulation therapyのメカニズムについてこれまでの報告を振り返るとともに,どのような臨床的効果が得られるのか,形成外科・皮膚科領域を中心に紹介する.
著者
伊東 隆雄
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.78-89, 2000-12-15 (Released:2018-02-01)

In the fields of medical service, the death of patients is regarded as a failure of medical care. Patients have rights to live and exercise their rights during the therapeutic process, so the therapist should respect their rights and perform medical care with all his energy in order to save the patients' life. As a result, medical care shows a marked tendency toward excessive intervention in order to prevent patients' death. In psychiatry, there are many patients who attempt suicide. Psychiatrists should encourage them to give up the idea of attempting suicide. To help patients avoid suicide, restrictions shoild be placed on therapeutic interventions such as psychological, pharmacological and physical restrictions. Most patients will give up suicide with appropriate treatment. But only a few psychotic patients think themselves to be not alive already. They are dead mentally and socially, but not dead only physically yet. There is deep discrepancy between their mind and body. They cannot die a natural death about their body, so attempt suicide as a linkage between their dead-mind and living-body to recall their lost identity again. Excessive intervention in order to prevent them from suicide will bring them more severe despair. They think they are deprived of their death, and believe they cannot only live but also die. We must know the facts and give patients the chance to recognize their true wishes to live, and we should try to look for some pieces of hope through alternative excessive restrictions.
著者
大郷 貴之 東 隆介 宇津木 一弘 福田 一郎
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.11_42-11_49, 2009 (Released:2012-03-27)
参考文献数
1

第二吾妻川橋梁は,JR吾妻線の付替え工事として計画された3径間連続PRC斜版中路箱桁橋と単純PRC中路箱桁橋からなり,半径600mの曲線を描いて一級河川吾妻川を渡河する橋梁である。中央スパン167mは,完成すると斜版橋では国内最長となる。本稿では,3径間連続PRC斜版中路箱桁橋の上部工の施工について報告する。
著者
伊東 隆臣
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.113-118, 2012-09-28 (Released:2018-07-26)
参考文献数
26
被引用文献数
2

当館では,持続的な水族館運営を十分に勘案しつつ,生物多様性の保全に貢献するための研究活動を推進している。水族館獣医師の職務として保全に貢献するために,生物学のブラックボックスである水棲生物における臨床知見の蓄積,臨床技術の開発に関する研究を邁進している。
著者
伊東 博美 太田 和俊 池辺 哲郎 篠原 正徳 岸田 剛 伊東 隆利
出版者
一般社団法人 日本有病者歯科医療学会
雑誌
有病者歯科医療 (ISSN:09188150)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.55-60, 2003-09-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7

本邦において, HIV感染症およびAIDS患者は増加傾向にあり, 治療薬の開発などHIV医療の著しい発展も加味され, 歯科外来を通院する患者は年々増加している. そこで, HIV感染患者の歯科治療の実態を把握するため, 過去3年間に熊本大学医学部附属病院を受診したHIV感染患者60名のうち歯科口腔外科を受診した23名について臨床的検討を行った. 男女比は9: 1で, 男性が有意に多く, 平均年齢は34.9歳で, 年齢分布では20代から40代に集中していた. 感染経路は, 約半数が血友病患者であった. HIV感染者は, 年々増加傾向にあったが, 歯科受診者は減少していた. 当科受診時のCD4細胞数は, ほぼ半数が600/ul以上であったが, 100/ul以下の重度免疫抑制状態の症例も2例みられた. ウイルス量では, 50コピー/ul未満の症例が7例, 50コピー/mm3から10,000コピー/ul未満の症例が13例, 10,000コピー/ul以上の症例が3例であった.23名に対して3年間で266回の診察機会があったがその中には, 除石が53回, 抜歯が18回含まれていた. 抗生剤の予防投与は1例のみで, 治療後特に問題とはならなかった.
著者
冨士田 裕子 加川 敬祐 東 隆行
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.77-92, 2016 (Released:2016-10-03)
参考文献数
38

要旨 環境省により準絶滅危惧(NT)に指定されているチョウジソウの保全のために、日本におけるチョウジソウの産地記録を標本調査と文献調査等によって整理し、現地調査を行い、現存個体群についてはシュート数と生育環境の調査を行った。チョウジソウは北海道から宮崎県に至る38都道府県の180産地で記録があり、そのうち61産地での生育が確認されたが、7都府県で絶滅、7府県で現状不明で生育が確認できなかった。残存生育地は、各県で1?数か所であることが多く、広い分布域をもちながら、産地は散在し不連続であった。生育が確認された立地は、林床、湖岸林縁、湖岸草地、草原と多様であった。多くの場所が湖岸や河川敷、谷斜面脚部など、元々氾濫や水位変動の影響を受ける場所であった。これらの立地のうち、現在は堤内地となっている場所では、攪乱が起こりにくいと考えられた。