著者
陳 奕均 城山 英明 杉山 昌広 青木 一益 木村 宰 森 晶寿 太田 響子 松浦 正浩 松尾 真紀子
出版者
環境経済・政策学会
雑誌
環境経済・政策研究 (ISSN:18823742)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.1-11, 2022-09-30 (Released:2022-11-04)
参考文献数
49

本稿では,近年,海外で急速に発展してきた持続可能性移行(サステナビリティ・トランジション)という研究分野に着眼し,当該分野における主な理論的枠組みである戦略的ニッチ・マネジメント論(SNM),重層的視座(MLP),トランジション・マネジメント論(TM)とその研究動向をまとめた.関連した概念を明確にしたうえ,日本の研究機関による事例研究への応用例を紹介し,日本の文脈を踏まえた今後の研究課題を提示する.
著者
橋本 禅 松浦 正浩
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.399-403,a1, 2007

司法制度改革の進展と軌を一にして, 行政においても, 公共事業の計画策定や建設工事における紛争の予防手段として, 裁判外紛争処理手法の一つであるメディエーションの活用に対する関心が高まりつつある。本報では, 紛争処理の実践および研究の両面での先進国である米国の農務省農業メディエーション・プログラム認証事業について, その制度の枠組と運用の実態について報告を行う。本認証事業は, 州政府の農業に関わる紛争の解決に向けたメディエーション・プログラムの設立と運営を認証・支援する事業制度である。本認証事業は, さまざまな農業紛争の当事者へ, 手ごろな価格で, 建設的かつ公正な話合いの場を提供し, 柔軟な問題解決を可能にしたと米国でも高い評価を受けている
著者
馬場 健司 鬼頭 未沙子 高津 宏明 松浦 正浩
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_235-I_246, 2015 (Released:2016-02-23)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では,インターネットを用いたオンライン実験により,木質バイオマスの利活用について,上流(供給)から下流(需要)までのステークホルダー34人が,3回の専門知の提供を受けながら2週間をかけて熟議を行った.得られた知見は以下のとおりである.1) 総論としての木質バイオマス利活用に対する賛否については,熟議を経て賛成が若干増加した.2) 今後の関与意向については,中間・需要側では,現在以上の負担や手間をかけてもよいという層と協力できないと回答した層に分かれ,供給側では,コストが増えることは許容できないが採算がとれるなら協力するという姿勢が増えている.3) 本実験の効果については,多数の参加者が意見をうまく表明できたと考え,自主的な情報収集や参加者間での相互作用が起きている.
著者
太田 響子 林 裕子 松浦 正浩 城山 英明
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.24-39, 2008
被引用文献数
1 1

本稿は,新奇性の高い環境技術を社会に導入する政策プロセスにおいて,分野横断的ネットワークと民間主体の公共的企業家機能の果たす役割とその特性を検証する.具体事例として,温暖化対策が比較的遅れている住宅部門における面的なCO?排出削減の取り組みである,太陽熱セントラルヒーティングシステムを採用した集合住宅建設のプロセスを扱う.分析からは,新技術を社会に導入するプロセスにおいて,多様なステークホルダーが,(1)分野横断的(マルチセクター)なネットワークを構築することが必要であり,その際,(2)特に民間主体が公共的企業家精神(アントレプレナーシップ)を備えている場合があること,これらの要因の戦略的なマネジメントが社会導入の鍵であることが明らかになった.
著者
屋良 朝彦 金光 秀和 本田 康二郎 増渕 隆史 松本 大理 大北 全俊 藏田 伸雄 松浦 正浩
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は合意形成やコンフリクト・レゾリューションといった意思決定の方法論を応用倫理学の幾つかの領域(医療倫理、看護倫理、科学技術倫理、技術者倫理、ビジネスエシックス、コミュニケーション論)に適用し、その適用可能性を検証することである。具体的には、年に2回、3年間で6回の研究会を開き、上記各領域の専門家である研究分担者に研究成果を発表させ、上記課題の達成状況について討論した。研究成果を本年度中に「研究報告書 合意形成研究会の活動記録」(仮題)として発行する予定である。
著者
山中 英生 滑川 達 真田 純子 松浦 正浩
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

公共事業の社会的合意形成において涵養とされる「中立的第三者」を制度的に成立するため、本研究では,(1)那賀川流域フォーラム(2002-2004)(那賀川の河川整備計画策定に当たって形成された参加型検討会)、(2)沖洲マリンピア整備手法検討委員会(2002) (高速道路ICの海浜埋立事業の見直しを行った委員会)(3)月見が丘海浜公園ワークショップ(2003-2005)(海浜埋立地の大規模公園設計ワークショップ)(4)北常三島交差点安全施策検討会(2005-2006)(幹線道路交差点安全施策,地域及び沿道住民,利用者,関係行政機関によって、コンセンサスビルディングの手法を忠実に実施した事例)(5)吉野川河川整備計画「住民の意見を聴く会」(2006-2008)(流域委員会に代わる方式として2006年度より始められた会。国土交通省が中立的ファシリテータとしてNPOを選定。NPOは行動規範,中立性確保のための条件を公表し、運営に当たった。)の5事例を対象として、多様な参加形態における「中立的第三者」が成立する上で必要な要件を分析した,平成21年度は,平成20年度までに実施した,以下の徳島県内の5事例に関するヒアリング,アンケート調査をもとに,我が国のPIにおける中立的第三者の成立性を明らかにした.また,吉野川河川整備計画「住民の意見を聴く会」のファシリテータグループのファシリテーションの行為言動を記録したビデオを用いて,ファシリテータの行為・言動が中立性に及ぼす影響について分析して、中立的第三者としての職能,倫理,契約、中立的第三者を社会的な役割として構成するためのロスターの試行と課題を整理した。