著者
太子堂 正称 井上 義朗 間宮 陽介 桑田 学 原谷 直樹 野原 慎司 高橋 泰城 板井 広明 江頭 進 小沢 佳史 佐藤 方宣 笠井 高人 高橋 聡 村井 明彦
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、現代の経済理論が前提としている人間像について、その思想的系譜を解明することを目指して行われた。スコットランド啓蒙における「経済学の成立」から現代の行動経済学・神経経済学へと至るまでの野党な経済学者、理論の分析を通じて、効用や利潤の最大化を図る利己的人間観が登場してきた過程だけではなく、それぞれの経済思想家の主張の背後には、利他性や社会性を含む多様な人間像が含まれていたことが明らかとなった。
著者
板井 広明
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.37-50, 1998-04-01 (Released:2018-04-25)

A great deal of effort has been made on Bentham's thought in general. What seems to be lacking, however, is a systematic analysis of Bentham's conception of government in his early times. In this paper, I intend to sketch Bentham's conception of government as the “régime of publicity”. My analytical approaches are based on the ideas in his Fragment and Introduction (IPML). I shall extract a “mutual enlightenment” from his Essays on Political Tactics and “mutual discipline” from his Panopticon. For these concepts reflect relationship between governor and governed, I shall concentrate my attention on analyzing a “pessimistic legislator” and a “progressive public”. When examining some of these, it surely makes sense that Bentham's conception of government as the “régime of publicity” is characterized by “mutual enlightenment” and “mutual discipline”.
著者
板井 広明
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

英米日の食にまつわる近年の動向を調査し、現代の食糧事情や環境問題、人口問題、それらに関連する倫理的問題に目配りしつつ、持続可能性を考慮した食の倫理とは何かを、ベンサムの古典的功利主義を軸に検討した。苦痛を回避すべしという功利主義的倫理はヴェジタリアンの食と有機農業を推奨するが、有機農業の現状は必ずしも持続可能なものではなく、日々の食生活において単に野菜をとるだけでなく、地域循環型かつ持続可能な有機農産物を食することが倫理的であることを暫定的な結論とした。