著者
林 伸治 高薄 敏史 山口 重樹
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.28, no.12, pp.245-252, 2021-12-25 (Released:2021-12-25)
参考文献数
41

オピオイドクライシスは,トランプ大統領が,公衆衛生上の非常事態宣言を出したことで広く知られるようになった.その始まりは,疼痛で苦しんでいる患者をなんとかしたいという善意であったが,グローバル化に取り残された社会環境を背景に,政策転換を悪用した製薬会社による安全性軽視の積極的なプロモーションにより,クライシスが拡大した.日本においては,まだ,オピオイドクライシスは起こっていないが,楽観視はできない.また,がん治療の進歩にともなって,がんサバイバーは増加していることからも注意は必要である.一度オピオイドクライシスが発生すると,終息させるのは至難の業である.そうならないため,オピオイド療法にかかわる全ての関係者が,適正使用に向け協力していくことが求められている.
著者
富山 一 田邊 潔 茶谷 聡 小林 伸治 藤谷 雄二 古山 昭子 佐藤 圭 伏見 暁洋 近藤 美則 菅田 誠治 森野 悠 早崎 将光 小熊 宏之 井手 玲子 日下 博幸 高見 昭憲
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.105-117, 2017-07-10 (Released:2017-09-14)
参考文献数
18

詳細な野焼き頻度分布についての知見を得るために、つくば市において巡回と定点カメラによる観測によって野焼き件数の分布を調査した。2015年秋季 (9~10月) に毎日巡回して燃焼物別の日別野焼き件数を調査し、降雨前に野焼き件数が多くなることが確認されたほか、野焼き件数の57%を占めた稲作残渣は稲の収穫時期から一定期間後に籾殻、稲わらの順で焼却されることが確認された。秋季の巡回調査に続き2016年8月まで4日に1度ほどの頻度で巡回し、月別野焼き件数を比較すると9~11月に多く、1~8月に少ないことが確認された。2016年1~12月にかけて行った筑波山山頂に設置した定点カメラからの観測では、1月、10月~12月に野焼き件数が多く、2~9月に少ないことが確認され、1日の中では午前10~11時および午後2~3時に野焼きが行われやすいことが確認された。2015年秋季の調査結果にもとづいて稲の収穫時期と気象条件から稲作残渣の年間野焼き発生量に対する日別野焼き発生量比を推計する回帰モデルを構築した。回帰係数から、降雨前に野焼き件数が増えること、強風により野焼き件数が減ることが定量的に確認された。構築されたモデルに都道府県別の稲収穫時期と気象データを適用して、従前研究では推計できなかった都道府県別の大気汚染物質排出量の日変動を、2013、2014年の稲収穫時期と気象データを適用して各年の野焼き発生量比の日変動をそれぞれ推計した。
著者
竹下 真弥 北口 拓也 佐藤 のぞみ 平林 伸治 堀部 秀二
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0522, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】膝前十字靭帯(以下ACL)損傷は男性に比べ女性の受傷率が4~6倍高く、受傷機転の70~80%が損傷者単独で行う非接触型損傷という特徴がある。女性の非接触型受傷率が高い要因の一つとして、膝周囲筋の筋バランス指標であるハムストリングス筋トルク/大腿四頭筋筋トルク比(以下H/Q比)が男性に比べ低値であることが関与するとの報告があるが、これはH/Q比に男女差があることを述べたもので、実際にH/Q比が非接触型ACL損傷の発生に関わるかを報告したものは少ない。そこで今回我々は、H/Q比が非接触型ACL損傷の危険因子となるのかを検討することを目的に、ACL損傷者の術前健側下肢が受傷時の患側の筋力や筋バランスを反映しているものと仮定し、接触型損傷者と非接触型損傷者の術前健側H/Q比を比較、検討し若干の知見を得たので報告する。【方法】2005年1月から2007年3月の期間に当院にてACL再建術を施行した症例の内、受傷時Tegner Activity Scaleが 6以上である女性68名を対象とし、受傷機転により接触群、非接触群に分類した。各群の内訳は接触群9名(平均年齢22.3±7.1歳)、非接触群59名(平均年齢22.4±9.8歳)で、両群に年齢、Tegner Activity Scaleの差はなかった。等速性筋力(角速度60deg/sec)をcybex6000にて測定し、術前健側の膝屈曲、伸展ピークトルクの体重比(%)とH/Q比(屈曲ピークトルク/伸展ピークトルク×100%)について、接触群と非接触群で比較した。統計学的処理はMann-WhitneyのU検定にて行い、危険率5%未満を有意水準とした。【結果】体重比は屈曲筋力が接触群112.5±24.8%、非接触群102.6±20.2%、伸展筋力は接触群211.0±27.5%、非接触群218.9±32.3%で両群間に有意差が見られなかったのに対し、H/Q比は接触群51.9±10.0%、非接触群46.9±7.7%で非接触群が有意に低下していた(p<.05)。【考察】今回の結果より、体重比には屈曲筋力、伸展筋力ともに差がなかったのに対し、女性の非接触型ACL損傷群のH/Q比は接触型より低値であることが明らかとなり、女性の非接触型ACL損傷は膝周囲の筋力ではなく、筋バランスが関与していることが示唆された。今後H/Q比の改善を目的としたリハプログラムの考案及び効果判定について検討する必要があると考えられた。また、今回の対照群は受傷機転が異なるもののACL損傷者であり、今後は健常者を対照群とした比較を行うことで、危険因子としてのH/Q比のカットオフ値を算出する必要があると考えられた。
著者
立花 慶太 北口 拓也 西山 和夫 松代 直樹 平林 伸治
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.47-49, 2012-01-01 (Released:2013-12-15)
参考文献数
9

両側顔面神経麻痺では口輪筋麻痺で下口唇が挙上しないと,飲水・食事摂取・発語に障害をきたす.下口唇を支える Lower lip-lifting brace(LLLB)を作製し,43歳女性の頭部外傷性両側顔面神経麻痺症例に使用した.麻痺が強い期間には LLLB により口唇閉鎖が補助されて食物摂取が容易になり,LLLB は有効であった.
著者
北田 泰造 口田 征人 林 伸治 酒井 康行 川添 博光
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.253-259, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
14
被引用文献数
1

ディーゼル燃焼計算でパイロットやプレ噴射を行う場合,化学反応計算を使い燃料の低温酸化による発熱を考慮して着火遅れを計算する必要があるため計算負荷が高くなる.そこで,低温酸化反応を考慮すべき条件では化学反応計算を使い,不要な条件では計算負荷が低い化学平衡計算を使う高速化法を独自に開発した.
著者
富山 一 菅田 誠治 森野 悠 早崎 将光 小熊 宏之 井手 玲子 日下 博幸 高見 昭憲 田邊 潔 茶谷 聡 小林 伸治 藤谷 雄二 古山 昭子 佐藤 圭 伏見 暁洋 近藤 美則
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.105-117, 2017

<p>詳細な野焼き頻度分布についての知見を得るために、つくば市において巡回と定点カメラによる観測によって野焼き件数の分布を調査した。2015年秋季 (9~10月) に毎日巡回して燃焼物別の日別野焼き件数を調査し、降雨前に野焼き件数が多くなることが確認されたほか、野焼き件数の57%を占めた稲作残渣は稲の収穫時期から一定期間後に籾殻、稲わらの順で焼却されることが確認された。秋季の巡回調査に続き2016年8月まで4日に1度ほどの頻度で巡回し、月別野焼き件数を比較すると9~11月に多く、1~8月に少ないことが確認された。2016年1~12月にかけて行った筑波山山頂に設置した定点カメラからの観測では、1月、10月~12月に野焼き件数が多く、2~9月に少ないことが確認され、1日の中では午前10~11時および午後2~3時に野焼きが行われやすいことが確認された。2015年秋季の調査結果にもとづいて稲の収穫時期と気象条件から稲作残渣の年間野焼き発生量に対する日別野焼き発生量比を推計する回帰モデルを構築した。回帰係数から、降雨前に野焼き件数が増えること、強風により野焼き件数が減ることが定量的に確認された。構築されたモデルに都道府県別の稲収穫時期と気象データを適用して、従前研究では推計できなかった都道府県別の大気汚染物質排出量の日変動を、2013、2014年の稲収穫時期と気象データを適用して各年の野焼き発生量比の日変動をそれぞれ推計した。</p>
著者
林 伸治 長谷川 修
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.726-737, 2005 (Released:2011-06-24)
参考文献数
12

顔検出はコンピュータビジョンで最も研究が盛んな分野の一つであり,近年,大きな進歩を遂げている.しかし,低解像度画像からの顔検出については,ほとんど研究されていない.本稿では,顔検出における標準的な検出器と評価画像である AdaBoostベースの顔検出器およびMIT+CMU評価画像を用い,24×24ピクセルの顔に対し88%であった顔検出率が,6×6ピクセルの顔に対しては39%まで低下することを示す.これに対し,「肩まで含む顔画像の使用」「画像の拡大」「特徴の周波数制限」「二つの検出器の統合」から構成される提案手法を示し,6×6ピクセルの顔に対して,71%の検出率が得られたことを示す.なお,上記検出率は,いずれも評価画像112枚に対して誤検出数100における値である.